ロドス劇場   作:ゆっくり妹紅

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アンケートの結果、ヤマトくん参加となりました。という訳で、ヤマト君には初恋の相手と一緒に頑張ってもらいましょう( ◜ω◝ )

という訳で本編の方どうぞ。


追記:1/22 2:40 何故か同じ話の内容が2話投稿されていたので削除致しました。読んでくださった皆様には大変ご迷惑をおかけしましたことをお詫び申し上げます。

1/27:サブタイトルを変えました


ヤマトの楽しいドッソレスバカンス:その2(龍門チェン√)

 皆さんこんにちは、ヤマトです。早速ですが俺は今大変まずい状況に陥っています。

 

「チームに新しく入りたいって言って来た奴がいる……ねぇ」

 

「うん。近接も狙撃もそれなりにはできるから入れて欲しいってことで、2人の意見を聞きたくて連れてきたんだけど……」

 

「おい……ヤマト、ヤマトなんだよな?何故そんな格好をしているんだ!?似合って……いや、私が見ない間に本当に何が……まさか、ウェイがお前になにかしたのか!?」

 

「うぇーい!君結構グイグイくるねー!俺としてはありよりのありだけど……その、そろそろ口からリバースしちゃうからやめて……」

 

「ウェーイ!?やはり、あいつが……!」

 

「と、とりあえず落ち着いて!()()()さんの顔色マジでやばいから!」

 

 ホシグマさんとスワイヤーさんの施した変装と前のとある捜査で必要になって必死こいて鍛えた演技力が見破られる直前でやばいです……あと本当に吐きそうでやばい……うぷっ。

 

 

 

 

 ****

 

 

 

「ホシグマさん……俺は……迷惑だとしても、足手まといになるのだとしても、あの人の……チェンさんの力になりたいです……!」

 

 遡ること1日前。ホシグマにチェンの手助けをしたいかどうか聞かれたヤマトは、ほんの少しだけ間があったものの秒で彼女の力になりたいと噛み締めるように答えた。スワイヤーはそんな様子のヤマトを初めて見たため少し驚いていたが、ホシグマは予想通りの答えを彼が提示したのに、ふっと笑みを浮かべて彼の肩の上に手を置き。

 

「よく言った、それでこそ私やあの人達が認めたヤマトだ。……さて、それじゃあ早速変装といこうじゃないか」

 

「……???」

 

 そうしてヤマトは理解が追いつかぬままホシグマに服屋に連れてかれ、そのホシグマと途中からノリノリで服を選び始めたスワイヤーお嬢様の協力の元、チェンが龍門を去ってからの囮捜査以来のパリピコーデを着せられた。無論ヤマトは抵抗した。何故またあの格好をしなければならないんだ、あの格好はもうしたくないって捜査が終わったあと言ったじゃないですか、と。

 

「今のお前だとシラフでチェンに顔を合わせただけでへこたれるだろうし、チェンだってきまずくなるだろう」

 

 しかし、そんなヤマトの悲痛な反論も上記のホシグマの一言で無情にも切り捨てられ、若者……詳しく言うとパリピ系の若者を狙った通り魔事件を解決するために一時的に世の中に爆誕した、謎のパリピループスチャラ男「シナノ」がヤマトの尊厳を犠牲に再降臨したのだった。

 

 因みに。

 

「いいか、ヤマト。基本的に話し方は前のおとり捜査の時と同様、パリピ語でやれ。声の高さは……とりあえずアンセルさん当たりを目安にやれば大丈夫だろう」

 

「んっ、んんっ……これぐらいで……っていうか、なんでここまで大掛かりなんですか?」(程よい高さの声)

 

「やるからには徹底してやるべきだ。半年会わないだけでも人は変わるとはいうが、流石にここまで真反対な感じになれば気づかないだろう」

 

「真反対って……あの、一応どういう意味か聞いてもいいですか?」

 

「そんなの、真面目が服を着て歩いてるみたいなあんたが、パリピになったってことに決まってるじゃない」

 

「俺そんな風に見られてたんですか!?」

 

 こんな会話が3人の間で繰り広げられたとか、られなかったとか。

 

 

 

 

 ****

 

 

 

「はあー、流石にやばたにえんだったわ~。エルネストくん、マジでサンキューね~」

 

「どういたしまして。それにしても、シナノさんって本当に強いんだね……チェンさんやリンさん相手にほぼ互角に戦えるなんて」

 

「男は強くないとモテないからね〜。つらたにえんだったけど、こうして役に立ってるのはまじ卍(本当にこの喋り方疲れる……)」

 

 あの後、口から色々なものが出かけたシナノことヤマトであったが、エルネストの頑張りによって何とか耐えることが出来、それから試験ということでヤマトはチェンとユーシャのそれぞれと模擬戦をした結果、チェン相手には僅差で勝利、ユーシャには熾烈な近接戦闘の末カウンターのアッパーをくらって敗北という、口調と派手な見た目からは想像できない戦闘力を見せたヤマトは「足手まといにはならないだろ」ということで、チームに入ることが認められた。チェンは物凄い目でヤマトを見ていたが。

 

「それにしてもエルネストの店ってまじ凄いね~。水圧銃なんて初めて見たわ」

 

「まあ、確かにドッソレス意外では見ないだろうね。もしかして、シナノさん結構気になってるの?」

 

「まあね~。ボウガンや拳銃だとどうしても殺傷力が高いし~。あ、そうだ!お金はちゃんと払うから借りてもいい?」

 

「まあ、いいけど……」

 

「サンキュー!さてどれにしよっかな〜」

 

(……強い人がさらに来ちゃったな)

 

 店内に置かれている水圧銃を目を輝かせながら物色しているヤマトを見ながらエルネストは心の中でため息を吐いた。チェンやユーシャが強いというのは想定外ではあるが、まだ何とかなる。だが、チェンとユーシャの2人に対して二丁拳銃と()()()()()()で食らいついた実力をこのヤマトが持っていることに関しては本当に想定外過ぎた。しかも、2人とは違ってノリで生きていそうな雰囲気を出してるのもあって、エルネストの予想斜め上を行く行動をする可能性が高い。

 

(本当にどうしたものかな……)

 

「エルっちー。ラテラーノで言うスナイパーライフル的なやつないのー?」

 

「エルっち……?えーと、水圧銃の仕組み的にそういうのはないかな」

 

「うーん、そっかー」

 

「それにしても、スナイパーライフルって言葉よく知ってるね。ラテラーノ出身じゃないと知らないと思うんだけど」

 

「あー、カラオケに行くいつメンにガンオタのサンクタがいてねー。そいつのおかげで色々と知った感じなんよ」

 

「なるほどね……」

 

「そしたら……チェンちゃんが持ってるアサルトライフル系統を使うしかないかー。うーん、それだと遠距離からの援護がきつくなるけど……まあ、そこは仕方ないか」

 

(……本当によく分からない人だ)

 

 エルネストは口調や纏う雰囲気とは裏腹に、真剣にあれこれ考えるヤマトを見ながらも本当に掴みにくい人だと改めて認識しため息を吐くのであった。

 

 

 

 ****

 

 

 

 

 そして本戦の1回戦目の当日、観客たちは2度驚いた。1つ目は飛び入りで入ったルーキーチームである『龍威鼠心』にチェンとユーシャ、エルネストの3人の他に新たにもう1人の男性が入っていることだ。どこから漏れ出たのか『龍威鼠心』はエルネストを加えた3人だけで新しく誰かを入れない、という情報が出回っていたというのと、その新しく入った男が金髪に派手目な服といわゆるチャラ男みたいな服装という、エルネストはともかくチームの女性陣のイメージからすると快く受けたとは思えなかったからだ。そして2つ目は──

 

「おおっと!シナノ選手、今回で何度目か分からない背面撃ちをまたもや決めたァ!後ろに目でも着いてるのか!?」

 

 1回戦目が始まって早々『龍威鼠心』を3つのチームが徒党を組んで襲いかかり戦闘が勃発したのだが、シナノことヤマトを後ろから攻撃しようとした選手全員が彼が持つアサルトライフルタイプの水圧銃で頭をピンポイントに撃ち抜かれてダウンするということが起こっているからだ。無論、片手間と言わんばかりにヤマトはチェンやユーシャ、エルネストに援護射撃を送りつつも、自身に襲いかかってくる選手を軽い身のこなしで攻撃を華麗に躱し、源石剣モドキや水圧銃で次々に倒しているのも驚く理由に含まれている。

 

「……やっぱりあいつっておかしいと思うのよ」

 

「後ろを向かずに1発で頭を撃ち抜いてますからね。しかもそれを実現してるのはただの『勘』と来てますからね。お嬢様のその感想は正しいと思いますよ」

 

「剣術の腕もチェンの訓練相手として務まるには十分あると……まさにオールラウンダーよね」

 

 観客がヤマトの戦いっぶりに驚いている中スワイヤーとホシグマは呆れ半分でドローンからの映像を見ていた。彼女たちからすれば普段から

 そのヤマトと任務や訓練をしているためこの光景は見慣れたものであり、寧ろ客観的に見るのは新鮮なものであった。

 

「それにしても、チェンとリンお嬢さんが上手く連携を取れてないのをすぐに察知し、それと同時に2人が互いに攻撃し合わない位置に上手く誘導しているのも見事と言わざる負えません」

 

「……失恋1つでここまで強くなれるって凄いわね」

 

「その代償として結局想いを捨てきれないどころか、余計に大きくなっていくという拗らせ具合になってますけどね」

 

 ヤマトの身を削るような鍛錬の仕方を思い出したホシグマは少しだけ顔を歪ませてため息を吐いたところで、ドローンのカメラ越しで写っている『龍威鼠心』は遅いかかってきたチームを全て倒し切りそして別行動を取り始めたのだった。

 

 

 

 

 *****

 

 

 

 

「まさかリンちゃんからご指名とはね〜。俺っちにも春が来た感じ?」

 

「……貴方、フミツキさんが言ってた私の助っ人としてきた人でしょ」

 

「……このタイミングでそれ言います?」

 

 チェンとエルネストの2人からある程度離れたタイミングでユーシャはいきなり核心をついた。そして元々服装や言葉遣いを変えたのはチェンにバレないためというのと、ヤマト自身を動揺させにくくするものであったため、彼はここで続行する必要が無いと判断し言葉遣いを元に戻した。尤も元に戻したのはこの言葉遣いが疲れるというのもあるのだが。

 

「なんであんたがそんな演技をしてるのか、なんて聞くのは時間の無駄だし聞かないでおくわ。それよりあんたはどこまで把握してるの?」

 

「カンデラさんから聞いた話ぐらいなら把握してます。一応調べているんですがこれといった情報はないですね……いや、正確に言えば疑ってる人はいますが証拠がないです」

 

「……そう。とりあえず私たちの方針は──」

 

「建物とか目立つところの金塊を探すのではなく、目立たないところを中心に探しつつ例の件を調べる、ですよね?」

 

「……ええ、そうね」

 

 自分の考えを先に言われたユーシャは少しだけ不機嫌そうな雰囲気を出すものの、直ぐに切り替えてヤマトと共に早速行動に移したのだった。

 

 

 

 

 *****

 

 

 

 

「あ、ところでこれも気になってたんだけど、シナノさんってそんなにヤマトさんって人に似てたの?」

 

「…………」

 

(あ、これ地雷だった)

 

 ところ変わってチェンとエルネストの方はユーシャとの関係を話し終わったところで、興味半分でエルネストがシナノに関することを聞いた瞬間チェンの目から生気が失われ、それを見た質問者は自身の失策を悟った。

 

「あー、ごめん。この話はなかったこと──」

 

「ヤマトは私が心から愛した元恋人だ」

 

(あ、なんか話し始めちゃった)

 

 話を終わらせようとした瞬間に話し始めたチェンに対し、遅かったかと内心で後悔しつつも話を振った手前エルネストは耳を傾ける。それに対しチェンは特に気にすることなく話を続ける。

 

「私みたいな可愛げのない女を慕ってくれてな。その上、あいつは勘が異様に鋭くてどんなに隠しても私の不調を軽微でも見抜いて休ませてくれたり、私が心細くなった時は何も言わずにそばに居てくれる……暖かい陽だまりのような存在だった」

 

「良い人だったんですね」

 

「ああ、本当に私には勿体ないぐらいいい男だよ。あいつは……。そしてそんなヤマトを私はそうせざるおえなかったとはいえ傷つけた挙句捨てたんだ……」

 

「…………」

 

「それ以来会ってはなかったが私がヤマトを見間違えるはずがないんだ。確かに服装から髪の色、果てに喋り方や纏う雰囲気は私があんまり得意としてない男そのものだ。だが気配や立ち方、そしてあの正確無比な射撃やフォローはヤマトなんだ。何故、あいつがあんな格好で名前を変えて、そして私を知らない体で接してくるのかは分かっているし、覚悟もできていた。だが、いざ目の前に現実として出てくるときつくてな……結局目を逸らして気がついていないふりしかできてないんだ」

 

「そうだったんですか……」

 

 ──重い。

 エルネストが真っ先に思ったのはこれだった。正直色々な意味で重い。まず、話事態が愛した恋人を傷つけ挙句捨てるという段階で重いというのにその後に気配や立ち方でその恋人だと断定するという反応に困る内容をぶちまけられたのだ。

 そしてそこまで考えて、エルネストが持った感想はただ1つ。

 

 ──ああ、この人めっちゃ拗らせてるな。

 

 エルネストは未だにウジウジ何か呟いているチェンを見ながら、彼女を拗らせた元凶であるヤマトに対して八つ当たりだとは思いつつも、心の中で悪態をつかざるおえなかった。

 

 

 

 *****

 

 

 

「っぷし!」

 

「……良かったわね、あいつらがいないタイミングでくしゃみが出て」

 

「すみません……いつもなら耐えられるはずなんですけど……っぷし!」

 

「……なんでアンタが派遣されてきたのか理解しきってた気になってたけど、ここに来るまでに言われたことと今のくしゃみのせいでやっぱり分からなくなってきたわ」

 

「……本当にすみません」

 

 因みにエルネストが悪態をついていた頃、ユーシャとヤマトの間でこんな会話がされていたとか。




半年ぶりにあった友人が金髪のパリピ系になってて驚いた、という実話を参考にしてたり。あと、陰キャなのでパリピ語は調べながら書きましたが……うん、全然分かんねえっす!!(諦め)

キャラ紹介

シナノ:チェンが龍門を去ってから起こったとある事件を解決するためにヤマトが変装したパリピ系チャラ男の名前。因みに名前の由来は、当初大和型3番艦として建設されていたが、諸々の事情で最終的に航空母艦として建設された信濃から。

ヤマト(龍門チェン√):失恋をバネに実力をさらに伸ばした拗らせオオカミ。チェンとの1戦から自身の近接戦闘のスタイルを考え直し、最終的にロドス所属の武器職人シラヌイ特製の源石剣二刀流に辿り着き、攻める時は剣の長さを伸ばし、守りの時は刃を短くするというスタイルに落ち着いた。因みにチェンとは違い、ユーシャの調査方法に関しては、龍門でやるならバレないようにして欲しいぐらいにしか思ってない。

チェン:チェンさんにはこれぐらい拗らせて欲しいという願望があったり。ちなみにヤマトが自分と同じ一刀流のスタイルから二刀流に変えていることも地味にダメージを負ってたり。

ユーシャ:実力や寛容な部分に関しては認めてあげる、くらいの好感度はもっている。因みに途中でヤマトがカミングアウトしたとあることに関しては心底呆れた表情を向けた。

エルネスト:お腹が痛い。

ホシグマ:チェンがシナノの正体に気づいてるのを既に何となく察知してる。

スワイヤー:ヤマトが器用すぎるせいで戦闘の際どう扱うべきか頭を悩ませている。

シラヌイ特製源石剣:シラヌイがヤマトの個人的な依頼を受けて作成したもの。テキサスの源石剣を参考にして作られているが性能は全く別物。具体的に違う点をあげると、刃の伸縮が可能ということ、刃を実態として残すことが出来ないということ(要は剣雨みたいなことが出来ない)、斬るではなく溶断ということ、柄が円筒タイプであること、2本の源石剣を繋げて両端から刃を出せること、とかなり違う。正式名称は決まっていない。

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