最近レジェンズアルセウスにハマってるせいですぐに投稿できず申し訳ございません。いや、ポケモンを背後から捕獲したり、サーナイトネキ捕まえたり、ブイ族に囲まれたり、と楽しいのが悪いんだ!!
という訳で本編の方どうぞ。
(結局バレちゃったなぁ……)
最終ラウンドの舞台である船の中にてヤマトはため息を吐きながら船内を歩いていた。考えていた内容は、チェンに自分のことがバレてしまったことと「これ終わったら覚えておけよ」と釘を刺されたせいで逃げられなくなったことだ。元々、正体を明かすことなく彼女のサポートをし、終わり次第さっさとドッソレスから出ていく予定だった。しかし結果は自身の間抜けなミスのせいで隠し通すことは出来ず、船に着いてからはボロボロなことについて追求されて白状した結果ガチめに怒られて説教され、そして最後にはどこか縋り付くような目で先程のことを言われたのだ。もう彼女との対話は逃れられない事象となってしまった。
(本当にどうしたものか……)
「シナノだな?突然で悪いが、武装を放棄して俺たちについてきてもらおうか」
(……思ったより行動起こすのが早いな)
ヤマトは武器を持ってこちらに話しかけてきた3人男たちを見遣りながら背後からも2つほど敵意を感じ取った。どうやら相手は断られても逃げられないように挟撃を考えているようであり、ちゃんと考えていることが分かる。普通であればピンチだと考え焦るのだが今回のヤマトは違った。何故なら──
「悪いけど武装解除も君たちについていく気もないよ。それにね……」
「……なんだ?」
「ちょっと個人的にむしゃくしゃしてるから八つ当たりさせてもらおうか!」
ヤマトはそう叫ぶや否や目の前の男たちへ突っ込み一人のみぞおちにストレートを放ち、その男が体をくの字に曲げた所へサマーソルトを顎に食らわせ気を失わせる。そして着地すると同時に残っている2人のうち片方の男の顔面を掴むとそのまま思いっきり地面に叩きつけ、すぐ隣の男の顔面に拳銃型の水圧銃を向けて発砲、男を怯ませている隙に地面に叩きつけた男の顔面に至近距離で水圧銃を3発ほど撃ち込んで気絶させると、そのまま襟首を掴んで隣の男に叩きつけダウンさせる。
「なっ、おまっ……!」
「ちょっと反応が遅いかな?」
「っ!?」
そしてヤマトの後方で待機していた男女の計2名は僅かな時間で自身の仲間が3人もやられていたことに動揺した隙を突かれ、接近を許してしまった。慌てたように男が手に持っている武器をヤマトに振り下ろすもそんな攻撃が当たるほどヤマトは甘くなく、男の腕を掴むとそのまま背負い投げをし追撃として水圧銃の銃撃を顔面に撃ち込み気絶させた。
戦闘が始まってここまでにかかった時間は1分もたっておらず、この時ただ1人残った女性は初めて自身の……自分たちの失策を悟った。
「それじゃあ、ちょっとだけ寝てもらうよ……ごめんね」
仲間があっという間にやられたという事実に呆然とする中、女性はそんな申し訳なさそうな声が耳に入ると同時に意識が暗転した。
*****
『それで、襲われたから返り討ちにしたと』
「はい。でも今思えばあえて捕まるべきでした。恐らく用意してるであろう拘束具も俺のアーツなら壊せるでしょうし」
『今更悔いても仕方ないわ……ところで、さっきから何かを溶かすような音聞こえるんだけど何してるの?』
「相手の武器を源石剣で細かく溶断してるんです。一応武器が無い方がまだ楽なので」
『……とりあえず倒しちゃったからにはアンタにもチェン同様暴れて頂戴。人質の方は私一人でなんとかするから』
「分かりました、ご武運を」
ヤマトはユーシャとの連絡を終えると細かく溶断した武器の残骸を廊下に放り投げ、チェンにも連絡を取ろうとして直ぐにそれを止めた。正直な話、ヤマトは未だにチェンと顔を合わせて一緒に行動するのに戸惑いを感じていた。実際このラウンドに入るまではユーシャがエルネストも共にいたりしていたので、チェンと2人だけで行動というのはしていない。そのためこれまでは『シナノ』という仮面を付けていたのもあってまだ何とか普通でいられたが、その仮面も剥がれた状態でまともにできるかヤマトは不安になり、連絡をとって合流するという選択肢を捨てた。
(それに大きいとはいえ船の中なら歩いてればいずれは合流できるだろうし、連絡する必要は無いね。うん)
ヤマトは自分の考えを正当化するかのようにあれこれ考えながら、廊下の角を曲がろうとしたタイミングで。
「奇遇だな、ヤマト」
「…………」
丁度ばったり曲がってきたチェンと遭遇してしまった。ヤマトは自身の運の悪さと無警戒さが腹立たしく感じるも、チェンの様子を見てそれはすぐに吹き飛んだ。
「
チェンは誰かと既に戦闘を行った直後なのか大きい怪我は無いもののかすり傷などがあった。普通であればそこまで気にする程の怪我では無いのだがヤマトとしてはとても見過ごせるものではなく、そしてチェンは今更ながら自分が悪手を取ってしまったことに気がつき、慌てて弁解をしだした。
「待て、ヤマト。これはお前に手当してもらおうと思って敢えてしなかったわけではなくて……あっ」
「言い訳無用!はい、そこに座って!今手当するから!」
「……分かった」
チェンはうっかり本音が出かけたことに内心ハラハラするもヤマトがプリプリと怒りながら聞き逃してくれたお陰で何とかなったことにほっとしつつ、大事な局面だというのに久しぶりにヤマトの手当を受けれることを嬉しく感じていた。もうこの人はダメなのかもしれない。
「全く、チーちゃんって前からそうだよね!俺の事を衛生兵だと勘違いしてない!?」
「ふくっ……」
「何笑ってるの!俺、怒ってるからね!」
「ああ、すまない。それと頼むから治療中の時に説教はやめてくれ、治るもんも治りづらくなるからな」
「しばき倒すよ?」
かつて良くしていたやり取りがまだ実現しているという現実に、チェンは、そして怒ってはいるもののヤマトもどこか懐かしく、心が安らぐような感覚を味わっていた。
──もう少しだけこの時間を味わいたい。
2人がそう思いながら静かに時間を過ごしている最中だった。
「見つけたぞ!お前ら、よくも俺らの仲間を!」
奥の方から怒鳴り声が聞こえ振り返ると武装している数人の男たち。武装していることと怒鳴った内容からしてパンチョについている者たちであることが分かり、彼らはヤマトによって筒巻きにされた同胞たちの仇を討たんとばかりに、勢いよくヤマトたちへ襲いかかろうとして──
「「黙ってろ」」
「ぶべっ!?」
チェンとヤマトの水圧銃による射撃を頭、鳩尾に当てられ戦闘を走っていた男は後ろへ倒れ込みそのまま気を失った。そして残った男たちはそれに多少は驚くものの、仲間を倒した2人への怒りをさらに募らせさらに前進しようとして──足を思わず止めた。
「ヤマト……私が言いたいことはわかるな?」
「うん、分かるよ。因みに俺もチーちゃんに言いたいことがあるんだけど」
「大丈夫だ、無論分かっている……ふっ、どうやら私たちが考えていることは同じみたいだな」
「そうだね……」
男たちは二人の会話の意味が全く、正確に言えば何故何も言ってないのにお互いの言いたいことがわかって尚且つそれが同じだと思えるのか不思議でならなかった。いや、それよりも彼らの足を止めている理由はそんな不可解なことではなかった。では一体何なのか、それは──
「「お前ら、タダで済むとは思うなよ」」
──この時、男たちは自分たちが龍の逆鱗に触れてしまったことを身をもって知るのであった。
****
「──結局、パンチョの思惑はたまたま来ていたチェンとリン・ユーシャの活躍により阻まれ、パンチョに協力していた者はボリバルを追放という形でとどまった……と」
「なあ、ワン公。お前休日でもそんな堅い生活してるのか?」
「ムサシさんは俺の事なんだと思ってるんですか……個人的に思うことがあったからこうしてまとめてるんですよ。あと俺はループスなんでワン公ではありません。はっ倒した後に
「なんでお前は私に対してだけは扱いが雑なんだよ」
パンチョが企てた事件が一段落したその日の夜、ヤマトは結局ボリバルに来ていたことがチェンとユーシャの2人にバレたホシグマとスワイヤーのお酒を飲む約束を断って、ムサシを「奢るから」と誘って2人でお酒を飲んでいた。なお、ヤマトが断ってさっさと逃げた時ユーシャは何故か心底同情したかのような顔をしていた。
「まあ、酒に誘ってくれただけじゃなく奢ってくれるってのは有難いけどよ……別にお前の話ならタダで聞くぞ」
「……なんでこんな時に限って鋭いんだか」
「はっ、伊達にお前より長く生きてねえよ……誰にも話せねえから早くゲロった方がいいぞ」
「……俺、チーちゃんの力になれたかな」
ムサシの言葉を聞いたヤマトはそこから今までホシグマや自身を拾ってくれた育ての親にすら言わずに秘めていたことをポツリポツリと話し出した。彼女に追いつきたくて剣術を彼女のとは別のものにしたこと、直接会った結果彼女への想いがさらに大きくなってしまったこと、それでも自分は彼女を愛する資格がないと思っていること、それでも愛してしまっていること、そして一緒に戦ってまだ自分が彼女の隣に立ててないこと、思っていることを全て話した。
「……女々しいし重い男だとは思う……本当、どうすればチーちゃんへの想いを断ち切れるんだろうね」
ヤマトが最後にそう呟いてから、彼は黙り聞いているムサシも何も話さずにグラスに入っている酒を飲む。
「……なあ、なんでお前はチェンへの想いを捨てようって思ってるんだ?」
1分、10分それともそれ以上経っていたのかもしくは1分すら経っていなかったのか分からないほど重い沈黙を破ってムサシはグラスを揺すって浮かぶ氷を見つめながらヤマトに質問を投げかけた。
「……迷惑だと思うんだ。俺みたいな男から今でもこんな想いを向けられても」
ヤマトはもはや隠すということを忘れ、自分が考えていることをそのまま話した直後──
「迷惑じゃないさ、このたわけ」
「え──」
愛している人の声がヤマトの耳に入ると同時に後ろから懐かしい力加減で誰かから抱きしめられた。ヤマトは突然の事態、正確に言えばここにいるはずの無い人物の声に戸惑いながら振り返る。するとそこには──
「さっきぶりだな、ヤマト」
「チー、ちゃん……?」
目から涙が滲み出ていながらも優しげでありながらどこか安心したような表情のチェンの顔。ヤマトは驚きのあまり呆然とする中、ふとムサシの方を振り返ると彼女は呆れ顔で左手に連絡端末を持ってこちらに「通話相手:チェン・フェイゼ」という画面を見せつけていた。そしてヤマトはすぐになぜチェンがここにいるのか悟った。
簡単な話、ヤマトは嵌められたのだ。ヤマトとチェン、ユーシャを誘う前にいい加減拗れ組二人の進展の無さに痺れを切らしたホシグマ、スワイヤー、ムサシ、そして巻き込まれたユーシャはヤマトの本音をチェンに通話越しで伝えるという計画を立てたのだ。最初のホシグマ達が誘った方はヤマトが逃げることを想定してのものであり、そしてヤマトがムサシへ飲みを誘うのも予想の範疇であった。つまりヤマトは完全にホシグマたちの手のひらで踊っていただけだった。
しかし、ヤマトにとってはそんなことはどうでも良かった。それよりもチェンには一生伝える気でなかった隠し事が全て伝わってしまったことへの恐怖でいっぱいだった。どんなことを言われるのか、どんな罵倒が飛んでくるのかヤマトは自身の震えが抑えることが出来ず、せめてもの抵抗として目を閉じようとして──
「ヤマト。私もお前のことを愛している」
「……え?」
チェンから予想外な言葉が飛んできてヤマトは思わず目を開けて彼女の方へ顔を向けた。ふっと優しく笑みを浮かべるチェンの表情はとても嘘をついているかのように見えず、先程の言葉が真実であることを告げていた。
それではこれは夢なのだろうか、ヤマトがそう自分が都合のいい夢を見ているのだと考えたタイミングだった。
「んっ──」
「んっ──!?」
唇に伝わる柔らかくそして暖かい感触がし、その直後自分の口内に舌が入り込みそのまま蹂躙していく。ヤマトはそこまでされて自分がキスはキスでもディープキスをされていること、そしてこれが夢でないことにようやく気がついた。
そしてこれが夢ではないと気がついたヤマトはすぐにここが酒場という公共機関の場であることとムサシと一緒に飲んでいることを思い出し、チェンを話そうと肩に手をやって押しつつ、隣にいるはずのムサシに助けを請おうと横を見ると。
『あとは二人で楽しんでくれ。ここリンのお嬢さんの子分のところらしくて今日だけ貸切だから周りの目は気にすんな。P.S.酒代は多めに払っておいたから気にすんな』
上記のような書置きが残されているのみでムサシ本人はどこにもなく、そして今更ながら周りに他の客が全く居ないことにヤマトは気が付き、さらに焦燥感を募らせる。が、周りに視線を向けてしまったことは完全に失策であった。
「おい、何よそ見をしてるんだ?私だけを見ろ、このたわけ……んむ」
(またキ……舌も入って……!?ああ、なんかもう頭がふわふわして何も考えられなくなってきた……)
自分のことより周りを見た事に嫉妬したチェンによる猛攻撃が始まり、ヤマトはお酒を飲んでいたことも相まって思考が段々と鈍くなっていき先程から一生懸命押していた腕の力も徐々に無くなっていき。
「……ヤマト、この後付き合え。分かったな?」
「ふぁい……」
こうして哀れな
*****
「ふふっ」
「どうした、急に笑って」
「いえ、先程気がついたのですがユーシャからもう1枚写真が送られてきてたのですよ」
「一応聞いておくがどんな写真だ?」
「私の企みが上手くいった証拠の写真、ですね」
*****
おまけ:チェン側のざっくりとした流れ
チェン「ヤマトのこと愛してるけど、剣でぶっ刺した挙句捨てた私にそんな資格あるのか……」
ホシグマ「ヤマトはまだあんたのこと引き摺ってると言うかぞっこんLoveだぞ」
チェン「!?」
スワイヤー「携帯端末鳴ってるわよ、出たら?」
チェン「あ、ああ(通話を開く)」
ヤマト『チーちゃん愛してる(要約)』
チェン「!?」
ユーシャ「貸切だから早く行ってきたら?」
チェン(店を飛び出す)
本分めっちゃ詰め込んだのに、オマケがあまりにもざっくりしてる……
キャラ紹介
ヤマト(龍門チェンルート):ついに重い想いがチェンにバレた拗らせループス。夜のプロレス(意味深)の結果無事復縁。バカンスから戻ってからというもの、仕事のスピードがさらに早く正確になった。ロドスの方も綿密な調整をすることなく行くようにもなった模様。
チェン:復縁ができた拗らせ龍。周りの策略によりやっと決着がつき、復縁ができた。なお、ヤマトに猛攻撃を仕掛けられたのはクソデカ感情が爆発したこと+アルコールが入っていたお陰で朝起きてシラフになってからめちゃくちゃ布団の上を転げ回ったが、ヤマトとゆっくり話し合って無事復縁という流れ。なお、途中のクルーズ船でばったり会ったのは完全に狙ってやってた。
エルネスト:話を上手く入れられるほど余裕がなかったのでカットという……エルネスト好きの皆様本当にごめんなさい()
ホシグマ:やっとこじらせ2人組から解放された。
スワイヤー:復縁できたのは良かったけどなんかムカつく。
ユーシャ:巻き込まれ事故。
ムサシ:後日、ヤマトとチェンの手によってボロ雑巾にされた。因みにムサシのルックスは黙ってただ静かにしてればかなりスタイルもいい美人。黙ってただ静かにしてれば。
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