ロドス劇場   作:ゆっくり妹紅

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えー、まずは投稿がこんなに遅くなってしまい大変申し訳ございません。どうも最近ブランク気味で中々筆が進まない状態でして……大変申し訳ございません。

そして今回はタイトルの通りまたコラボです。コラボ相手の方にはこんなに遅くなってしまい本当に大変申し訳ございません。

それでは、本編の方どうぞ。


コラボ回:「ヤンデレって怖いね(小並感)」(本編ルート):その1

 

発端はここ数週間で起こっていたトランスポーターや傭兵の消息ががとある地点を中心に掴めなくなる事件が度々起こっていたことだった。当初ロドス側は介入するという考えはもっておらず、契約しているトランスポーター達に注意喚起を促す程度の対応しか取っていなかったけが、つい先日遂にロドスのオペレーターの1人がその地点で連絡が途絶えるということが起こったため、ヤマトを隊長、イカズチを副隊長に何人かオペレーターでその行方不明になったオペレーターの捜索及び調査を任務として、隊が組まれ派遣された。

 

 

 

 ****

 

 

「どういう事だ……?」

 

「ヤマトさん?どうかしましたか?」

 

 思わず声に出てしまった呟きを聞いた医療のオペレーターの人に聞かれてしまい、なんて答えるか少しだけ考えてから思ったことを正直に伝えると変に混乱させる可能性があるため「なんでもない」と告げてから、改めて耳を澄ませる。

 

「…………」

 

 やっぱりおかしい。聞こえてくる音が俺らの足音や話し声しかない。こういう浅い森の中でも普通なら鳥や動物など野生の生き物の音がするはずなのに、そういった音がまったく聞こえない。それに加えてこれは漠然とした感覚的な話になるけども、生き物の気配を全く感じない。

 

 これは異常事態だ。行方不明になったオペレーターやトランスポーター達の手がかりはまだ見つけてないけども、今回の隊は捜査がメインだから小規模な上装備も心許ない。手遅れになる前に撤退すべきか?

 

「お兄ちゃん!こっち来て!」

 

 そう考えていたタイミングでイカズチに呼ばれ、思考を中断し近くにいるオペレーターと共にあの子の元へ走っていく。なにか手がかりでも見つけたのだろうか?

 

「イカズチ、どうしたの?」

 

「お兄ちゃん、これ……」

 

「っ、これは……」

 

 イカズチが指を指した方向を見るとそこにあったのは刃こぼれが激しい剣を片手にうつ伏せで倒れて血を流している人の姿。位置的には道から外れており周りも膝まで伸びた草が生い茂っているためそう簡単には見つからないところであり、血の量からしても死んでいるのは明らかだ。しかし、問題なのは位置や血の量、死体ということではない。問題なのは──

 

「な、なんで源石がこんな大きく体表に出てるんですか……?」

 

 そう、ついてきた医療オペレーターが言ったように()()()()()()()()()()()()()()のだ。ここまで大きく出ているパターンは滅多になくあるとしても鉱石病の末期の患者とかだ。結論としては末期の患者が不幸にもナニカに襲われ出血死した、で片付けてもいい内容かもしれないけども、俺はそれ以外でも体表に源石が大きく出てくるパターン……いやこうさせることが()()()()()()()のを知っている。けどそれは100%ありえないのだ。その人物は既にレユニオン事変で死亡したという報告がある。でも、もしその人物が持っていたアーツに近しい能力を持っている者がいた場合は?

 

 ──そこでふととある考えが浮かんだ。

 ──もし、その人物が何か事を起こそうと考えていたら?

 ──その人物が何かを起こすために人……駒を集めているのだとしたら?

 ──今までの行方不明の事件はその人物が全てやっている事だとしたら?

 ──これが、さらに新しい駒を呼ぶための罠だとしたら?

 

「……全員、直ぐにこの場を離れるぞ!」

 

「え、お兄ちゃん!?」

 

「訳は後で説明する!」

 

 その考えが頭によぎった瞬間、直ぐに隊の全員に一方的に無線機でそう連絡を告げる。もうここに来てからそれなりに時間が経っていることを考えると、正直今から撤退したとしても遅いぐらいだ。恐らくは──

 

「っ!」

 

 何かが走ってくる音と異様な気配を感じ、反射的に腰に差しているバタフライソードを左手で抜き取り振り向きざまに振るうと重い手応えに手につたわり、同時に金属と金属がぶつかり合う音が鳴り響く。そして視界に入ったのは──

 

「やっぱりか……」

 

 体から大きな源石が出ている大男の姿。手には身の丈あるほどの鈍器を持っており、そしてその男の存在が自分の考えがあっていることを示していた。

 

「全員Eポイントに急いで撤退。道中の指揮権は副隊長のイカズチに譲渡するけど、戦闘は避けて逃げることを意識して」

 

「待って、それじゃお兄ちゃんは!?」

 

「殿を務める。イカズチ、仮に戦闘になった場合は君のアーツを凝縮した一撃で倒しきって。あいつらの硬さと再生力だとそれくらいやって何とか倒せるぐらいだから」

 

「いやだ!お兄ちゃんを置いて……!」

 

「ここで全滅するわけにはいかないし、あいつらとの戦闘経験はあるから大丈夫。すぐに追いつくから」

 

「でも……」

 

「いいから早く!」

 

「っ……」

 

 心配そうな目でこちらを見遣りつつも最終的には他の隊員に声をかけて離脱するイカズチに視線を向けることなく、目の前の感染者を注意深く見る。どうやら向こうはまだ仕掛ける様子がないみたいであり、今のうちに肩にかけてあるファーストブレードを右手で抜き放ち、バタフライソード1本ととセカンドブレイドを連結させ、左手にルーンブレードを持って構える。

 ──寄生流れ者。目の前にいる敵はかつてのレユニオン事変で猛威を奮った敵の1人であり、情報が回る前ではかなり苦戦を強いられた。彼らの特徴としてまず挙げられるのは異様なほどの硬さだ。彼らの体表は源石が成長したせいかとても硬く、当時の龍門近衛局特別督察隊が持っていた都市の防壁さえ打ち砕くほどの武器でも突破することは出来なかった。そして実際に先程から俺の攻撃は全て弾き返されており、せいぜいかすり傷を付けるのが限度だ。

 そして1番特筆すべきことは彼らの再生速度。ただでさえ馬鹿げた再生能力を持っているとういのに、彼らを操る主のアーツを受けるとその再生力はさらにとてつもないものになり、仮に彼らの硬い防御力を突破できたとしてもすぐに再生されてしまう。他にも痛覚などがなかったりと厄介な所が多々ある。実際に戦闘した際は中々倒すことが出来ず、最終的には術士のオペレーターの一撃で吹き飛ばすまで倒すことは出来なかった。結局倒し方としてはブレイズさんのアーツとパワー、チーちゃんの赤霄による一撃といった高火力で押し切るパターン。もう1つは──

 

「弾けろっ!!」

 

 何度か剣を合わせてから、一瞬の隙を付いて寄生兵の一撃を右手の合体剣で弾いて体制を崩し、寄生兵の口にアーツを纏わせたルーンエッジの刃を中に入れるように突きをいれ、中に入ったのを確認すると同時にアーツを爆発させるように外へ放出させる。すると、寄生兵の頭は内部から肉片を撒き散らしながら弾け飛び、「頭」という体を動かすのに必要な器官を失った体は後ろに倒れ込んだ。

 

 ──もう一つの方法は内部から破壊することだ。いくら頑丈になっているとはいえ体の中まで体表みたいに硬くなっている訳では無い。いや、厳密に言えば体内も硬い。しかし、剣が全く通らないというほど頑丈という訳ではなく、小型の爆弾でも体の内部にさえ入れば吹き飛ばすことが可能だ。そして俺のアーツは強化と放出の特性があり、後者に関しては半分程度の出力でもサルカズの大男の剣士を吹き飛ばすことが出来るぐらいの勢いはある。あとはそれを相手の内部で放出すれば俺のような非力な者でも倒すことは可能だ。それ以外にも、自身の腕や武器に自信があれば最初から首を切り落としたり、頭を破壊するという選択肢もある。尤もこの方法だと結局硬い皮膚を切り落とせるほどの技術や力、もしくは武器やアーツが必要になるから人を選ぶんだけども。

 

「さて、早くイカズチたちと合流しないと……っ!」

 

 悪寒を感じ、すぐにその場から跳んで離れる。と同時に先程まで自分が立っていた位置に人型のシルエットが飛び込んできて地面を抉った。この図体、まさか──!

 

「「◾️◾️◾️◾️◾️◾️◾️──っ!!」」

 

「狂化寄生兵……!しかも2体だと!?」

 

 聞こえてきた人とは思えない叫び声が聞こえると同時に、2体の狂化寄生兵はこちらに攻撃を仕掛けてくる。こいつも先のレユニオン事変で猛威を奮った敵だ。こいつらは先程の寄生流れ者とは違い馬鹿げた再生能力はないが、代わりに人体の限界を超えたパワーや挙動を取り並の兵士ではまともに対処することすら出来ずやられてしまうほど危険性がある。

 幸いなのは限界を超えた状態で暴れ回るおかげで放置するだけでも勝手に死んでいくことがあること。もし、それがなく他の寄生兵のように再生能力があったらどうしようもなかっただろう。

 

「って、考えてる暇はないよ、ね!」

 

 狂化寄生兵の一撃をバックステップで躱し、その合間にルーンエッジを腰に差してもう一本のバタフライソードを合体剣に連結させる。こいつに関してはパワーが桁外れなため1度でも攻撃を防御すればそこから崩される。かといって先程戦った流れ者のように一瞬の隙を突いて口に剣を突き立てるというのは難しい。そのため取れる選択肢は最後に挙げた首を切り落とすということになる。

 

「っ、やっぱり硬いな……」

 

 予想通りと身体能力を限界まで強化しても、ただアーツを表面に纏わせた一撃では奴の体表を突破することが出来ず軽く傷を入れることしか出来ない。だが、衝撃までは防ぐことは出来ないためこの渾身の一撃で一体はこの距離から離すことは出来た。

 

「ふぅ……」

 

 ルーンエッジを1本だけ連結させて合体剣を肩に担ぐように構え、アーツを刃のみに集まるように鋭く凝縮させる。

 

「…………」

 

「◾️◾️◾️◾️◾️◾️◾️──っ!」

 

 そして奴が咆哮を上げてこちらにに突っ込んで来るのに合わせて、こちらも地面を蹴ろうとした時だった。

 

「っ!?」

 

 聞きなれたここでなる筈のない銃声が耳に入り、攻撃を中断して寄生兵から距離をかなり離して思わずその方角を見やる。そしてそのすぐ後に全てを切り裂くような甲高い音も僅かに聞こえ、その事実に驚く。

 

「サブマシンガンの音に、シルバーアッシュさんの剣技の音……!?なんでここで……」

 

「お兄ちゃん!助けに来たよ!」

 

「イカズチ!?」

 

 そこへ先に撤収ポイントに向かったはずのイカズチの声が聞こえ、思わず振り返るとそこにはイカズチだけではなく今回一緒に同行した隊員たち全員の姿があった。何故、と思いつつもこちらに拳を振り下ろしてきた寄生兵の攻撃を躱しつつすぐに思考を戦闘の指揮へと切り替える。

 

「イカズチと他の者はこいつの相手を!俺は奥のもう一体をやる!」

 

 それだけ告げてアーツを先程やったように合体剣に纏わせつつ、先程飛ばした寄生兵の方へ向かう。向こうも俺の事を確認したようで咆哮を上げながらこちらへ突っ込んでくる。

 それを確認すると同時に俺は地面を踏み砕くように蹴って一気に距離を詰めて寄生兵の拳を躱しながら奴の首をすれ違いざまに一閃。合体剣は奴の体表を切り裂きそ頭部は鈍い音をたてて地面を転がる。

 それを最後まで見届けることなく、イカズチたちの方へ視線を向けると丁度あの子も寄生兵の首を切り落としたところだった。

 さて、なんで戻ってきたのか話を聞かないと……

 

「イカズチ。なんでこっち戻って──」

 

「お兄ちゃん、それは後で話すから私についてきて!ヤバいやつがいるの!」

 

「え、ちょっと!?」

 

 慌てた様子のイカズチに引っ張られる形で歩き……いや、走り出したところで他の隊員はどうかと思い視線を向けるとちゃんと彼らも着いてきており、スピードもちゃんと着いてこれるようにイカズチはセーブしてあるようで少し安心した。

 だが、走っていくうちに戦闘音が聞こえ、イカズチが先程耳に入った場所へ連れていこうとしていることに気がつく。そして少し開けたところに出たところで俺が目にしたのは──

 

 

 

 

 

 *****

 

 

 

 

「はぁ……色んなことがありすぎたなぁ……」

 

 あの任務から何日かたった日の深夜、俺は風呂上がりの熱を覚ますためロドスの廊下を歩いていた。

 あの時イカズチに連れてかれて目にしたのは、エッちゃんのVector、テキサスさんの源石剣に剣雨、ラーちゃんの双剣に技術など色んな人の武器や技を使って蹴散らす隻腕のサンクタの女性──カドヤさんがいた。イカズチたちの話によると、撤退している時に奇襲を受けた際に助けてくれたのがカドヤさんであり、彼女──正確に言うと彼──のお陰で難を逃れ、彼から離れるように言われたのを機に俺を助けるために戻ったという事だった。

 尤も、話がそれで終わればまだ良かったのだけれどもそうはいかず、カドヤさんとロドスに一緒に戻り彼の話を聞いたところでかなりややこしい事態となった。

 

 彼の話を簡潔に纏めてしまえば、彼は別の世界線所謂パラレルワールドからきたロドスのオペレーターということなのだ。証拠として彼が持っていたロドスのドッグタグは識別番号こそ違うものの、材質などはロドスで作られたものだったため嘘ではないことは明白で、更にいえばこちらの事情にある程度詳しかった。

 

 結局、数日に及ぶ話し合いの末カドヤさんは元の世界に戻れるまではロドスのオペレーターとして働くことになり、様々な検査や試験を受けた。結果的にいえば試験に関しては殆どが優秀な結果をたたき出していたので即戦力レベルだった。実際、模擬戦の試験で俺が相手したけど全く歯が立たなかった訳だし。ただ、問題は検査の方でありこちらも端的に言ってしまえば、彼は重度な味覚障害、睡眠障害、そして痛覚がないという状態であった。

 こちらの検査に関しては、模擬戦の後にケルシー先生からイカズチと共に呼び出されそうなってしまった経緯も込みで話され、聞いた時は絶句してしまった。金目的で売られて、体を改造されたなんて余りにも惨すぎる。俺が経験したことなんかよりはるかに酷い。

 そしてケルシー先生から言われたのは、なるべく彼のことを気にかけて近くにいるようにということ。理由に関しては俺とイカズチが彼に初めて接触した人物だからということらしく、理由にしては弱くて納得できないところはあるものの、断る理由なんてなく俺とイカズチはその話をすぐに了承した。でも──

 

「本当に、俺なんかに出来ることがあるのかな……」

 

 俺なんかにそんな器用なことが出来るのだろうか。そんな不安とともに自販機の近くを通りかかった時、そこでやっと誰かがそこにいるのに気がついた。居たのは──

 

「あ、カドヤさん」

 

「おー、ヤマトじゃないの」

 

 先程まで考えていた人物であった。この時間帯でも起きているということは、やはり……

 

「どうしたの?こんな時間に」

 

「まぁ水でも買おうかなとね、お前さんは?」

 

「俺はこれから乾かして寝ようかなと」

 

 念の為聞いては見たが、カドヤさんはそう返すだけで眠れなくなったなどということは言わない。こちらのことを気遣っている、あるいはまだ信用に足る人物だと思われてないのかもしれない。

 

「ほーう……いい夢を見ろよ、おやすみ~」

 

 そのためかもしれないけど、カドヤさんはそう言って会話を打ち切った。……今はこれ以上踏み込むことは出来なさそうだし諦めよう。

 

「うん、おやすみ」

 

 そう彼に告げてその場を去る。その時ちらっと見えた彼の顔は何処か羨ましそうな顔をしていた。




今更だけど、都市の防壁を打ち砕くほどの武器(SEやモブ隊員のセリフからして恐らく爆弾かグレラン?)すら耐える寄生兵って普通にやばいと思います(小並感)

キャラ紹介

ヤマト:本作のオリ主。一応レユニオン事変が起こった時には既にロドスにはいた設定。そのため、寄生兵との戦闘経験もあり彼なりに対策を練っていた模様。カドヤのことを気にかけようと頑張ってはいる

カドヤ:『ヤンデレって怖いよね(小並感)』のオリ主。元の性別は男性だったが、とある事情で女性の体になり特殊な装備を使った戦闘を行う。エクシアのVectorやシルおじの真銀斬などを使えたのはこの装備のおかげ。詳しい設定を知りたい場合は狼黒さんの小説へGOだ(団長並感)

イカズチ:寄生兵に最初こそ戸惑うものの、高い戦闘能力とアーツ適正でしっかり対処は出来ていた。カドヤのことは恩人でもあるため気にはかけるようにしている。

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