ロドス劇場   作:ゆっくり妹紅

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今回は、後々の話の都合上申し訳ないのですが先にこちらのリクエストの方を消化します。先にリクエストを出してくださった方々、本当にすみません。

そして、アンケートにご協力して下さりありがとうございました!個人的に1位は予想通りだったのですが、3位にあの√が来るとは思わなかったのでちょっと驚きました。


ifルート:死を振りまく白き殺戮者

 

「あっははははっ!!」

 

「な、なんだよあいつは!?」

 

「ま、待て!俺は味方だ、がふっ」

 

「た、助け…!ぎゃっ」

 

──ああ、私はなんて事をしてしまったんだろう。

 

とある戦場に広がる凄惨な光景を見てその女性は、悲しみのあまり涙を流す。その光景を生み出している人物は、()()()()()()が混じった茶髪のループスの少年で、彼は狂ったように笑いながら小太刀と大剣、そしてボウガンを巧みに使い分けながら、敵味方関係なく命を容赦なく刈り取っていく。

 

それを少年の背後から見ている女性は、自分の不甲斐なさのせいで本来は優しくて戦うのが本当は不向きな性格の少年を狂わせてしまったことを1人嘆く。

 

「わ、悪かった!お前たちを囮にしたのは謝るし、何でもするから殺さな…!」

 

「なら死んでくれるか?」

 

「ひ、ひいっ!だ、誰か!助けてくれ!助け…あぎゃっ」

 

ふふっ……くはははっ!あはははははっ!!…僕にあんなこと頼むなんて……あははははっ!僕からムサシを奪っておいて、よくそんなこと言えるな!」

 

「がっ!ぶっ!あがっ………」

 

「む?もう壊れたか……全くムサシが受けた痛みはこんなもんじゃないのに…根性ないやつだ……お前もそう思うだろう?」

 

「ひいっ!」

 

「そんなに怯えないでくれるか?……僕はただ、お前たちが僕ら…ムサシにしたことをやり返してるだけなんだ……ほら笑ったらどうだ?」

 

「う、うわああああああ!!」

 

しかし、過去をどんなに後悔しても時間は巻戻らない。少年は狂戦士となり、嗤いながら目に付いた人を殺していく。

 

 

──マズイ!このままじゃ、ヤマトが…!くそっ!

 

 

 

***

 

 

 

 

 

 

その日、争っていた二つの部隊は何者かの手によって壊滅寸前にまで追い込まれ、戦う所ではなくなり休戦に至ることになった。そしてそれ以来、戦場で争っていた両陣営が壊滅寸前に持ち込まれたり、村を襲った賊が見せしめのように皆殺しにされる事件が頻繁に起きるようになる。

 

しかしその元凶を見た者は殆どおらず、見たとされる者も負わされた傷が原因ですぐに引き取ってしまう中、ある日とある戦争で生き残ったある生存者が声を震わせながら次のように語った。

 

──馬鹿でかい2つの剣とナイフを拳銃に付けた白いループスが、嗤いながら全て殺していったんだ!男も女も関係ねえ!全て、全て殺したんだ!

 

その話から、傭兵や戦場に出向く軍人たちはそのモノにとある異名をつけた。

 

──白い死神と。

 

 

 

 

 

*****

 

 

 

 

「厄介なものを拾ってしまったな……」

 

ケルシーは治療を終え、特別な部屋で穏やかな顔で寝ている少年を取り付けられている監視カメラから見て思わずそんな感想を呟いていた。

数時間前に、荒野で倒れている鉱石病を患っている少年を発見したと聞言う報告を聞いてから、医療オペレーターと共に急いで受け入れ態勢を整え、件の少年を見た時は思わず夢を見ているのかと自問自答したほどの衝撃を受けた。

 

ケルシーは白色の髪と尻尾、そして彼が持っている武器から戦場にいる者全てに死を振りまくと言われている「白い死神」の可能性が高いことを考慮に入れていた。

この「白い死神」についての情報は極端に少なく、集められた情報でも「白い死神は巨大な大男」だとか「1人で軍を壊滅させた」、「小さい少女」など、そんなものしかなく「白い死神」はケルシー自身都市伝説のようなものの1つだと思っていた。

しかし、1番有力な情報と同じ髪と尻尾、装備を持っていることと、彼から危険な雰囲気がすることからして、彼がその都市伝説の正体ではないかと、最終的に行き着いていた。

 

「ケルシー先生、本当にお一人で彼とお話するんですか?」

 

「ああ、あれが本当に例の死神だとしたら並のオペレーターでは瞬殺されるからな」

 

「だとしたら、1人だと余計に危険です!やはり護衛を何人か…!」

 

「大丈夫だ。彼一人程度なら私だけで対処可能だ……それに目が覚めたようだしな」

 

「え……?そ、そんな!予定時刻より1時間早いですよ!?って、あ!ケルシー先生!」

 

なおも食い下がるアーミヤにケルシーは、監視カメラからの映像を映し出してるモニターに目を移す。そこには、額に手を当てながら体を起こしている少年の姿があり、ケルシーはアーミヤがそれに気を取られている隙に紙とペンを持つと少年がいる部屋と足を進ませる。

 

「さて、白い死神は一体どんなやつなのか確かめてやるとするか」

 

 

 

 

****

 

 

 

 

『ケルシー、標的の排除に成功した』

 

「……ドクターが報告するはずじゃなかったか?」

 

『…ドクターは被害確認の方で忙しいとのことで、代わりに僕がやることになった』

 

「分かった。ドクターに被害報告は自分でするように告げてくれ。あとお前は怪我をしているなら今日は…ガヴィルの元へ行くように」

 

『…………』

 

「どうした?なにか不都合でもあったか?」

 

『いや、何でもない。これからレッド達と一緒に帰還する』

 

「ああ……ふう、まさかこんなことになるなんてな」

 

結局ケルシーは問答の末『白い死神』──ヤマトをS.W.E.E.P.に入れ彼を自身の私兵の1人として受け入れることにした。

理由として挙げられるのは2つ。

1つはヤマトが諜報活動、暗殺を始めに直接戦闘特に複数戦に長けているものの、人とのコミュニケーションが壊滅的に下手くそであったこと。

そしてもう1つは、レッドに対してループス特有の反応を全く見せないどころか、寧ろ相性がいいことだ。

 

最初の1つ目に関しては、戦力強化というのとほかのオペレーターとの衝突を避けるという意味が大きいが、2つ目に関しては偶然判明したものだった。

 

これはヤマトを受け入れることにした翌日、ケルシーが彼にロドスの案内をしていた所たまたまレッドと遭遇。この時、ケルシーは普段ならしない自分のミスに悪態を着いたものの、当のヤマト本人は全く無反応。これにはケルシーもレッドも驚き、特にケルシーは案内が終わってから詳しく問いただしたても「別になんにも感じなかった」としか答えず、彼が例外であることが判明。それどころか、何故かヤマトはレッドに対しては心を開いてるという始末。レッドも同様に心を開いているため、ケルシーは色々考えた末一緒にした方がメリットが大きいと判断していた。

 

だがヤマトがロドスの一員となって問題もあるのも事実。その1つとしてあるのが。

 

「ブレイズに対しての拒絶反応があまりにも凄まじい……ことだな」

 

ヤマトはエリートオペレーターの1人であるブレイズと話す以前に、彼女の姿を見るとか、聞くだけで頭痛を発し気絶してしまうのだ。

一応ブレイズにヤマトと面識があるかどうか聞いてみたが、当然あるはずもなく当初は謎に包まれていたが、最近になって自己防衛の一種なのではないかという見方が出てきた。

 

もし、自己防衛の一種ならばヤマトの重度な記憶障害も説明がつく。しかし、やれることはあまりないのも事実なためケルシーはなるべくヤマトがブレイズと接触しないように、レッドと一緒に目を光らせている。

 

「やれやれ……前途多難だな……」

 

ケルシーはため息を吐き、ふととあるオペレーターから言われたことを思い出すが、すぐにそれを頭の中から消す。正直、非科学的すぎる内容な上、それを言ってきた人物が人物だ。鵜呑みする気はなかったとはいえ、何故か頭によぎった。

 

(……()()()()()がずっとヤマトの背後に寄り添うようにいるなんて、科学的にありえん)

 

ケルシーはそこまで考えてから頭を振り、意識を自分がチェックしなければならない書類の処理に向け、早速取りかかったのだった。

 

 

 

 

 

*****

 

 

 

 

「君が白い死神か?」

 

「…少なくとも僕は初めて聞いた名前だな」

 

「……では、お前の本当の名前は?」

 

「僕の名前?………ああ、思い出した。僕の名前はヤマトだよ」

 

「…?そうか。それにしても落ち着いているんだな」

 

「僕の最後の記憶から推測して、行き倒れてた僕を助けてくれたんだろう?それに敵意も感じないんだし慌てる必要は無いだろう。ところで、僕はいつになったらここから出られる?」

 

「……それに関しては、まだわからん」

 

「そうかでもなるべく早めに頼む。僕は早く……?」

 

「どうした?」

 

「……僕は何のために殺してるんだ?……?なんでだ……?どっちにせよ、僕はもっと殺さなきゃダメなんだ。だから早めに出してくれないか」

 

(……これは)

 

 

 

 

*****

 

 

権限記録

 

調査の結果オペレーター:ヤマトの記憶障害、味覚障害そして白髪化は鉱石病ではなく精神的なストレスによるものが原因であることが判明した。集めることが出来た情報から、彼のストレスの原因が彼のバディでもあったある女傭兵が死亡したことが原因だと判明。それがきっかけで彼の精神は崩壊、同時に僅かに残ったモノを守るためにその女性との記憶を奥底に封じ込めたものと考えられる。そうすれば、彼がブレイズの声や姿を聞いたり見たりしただけで、あのような反応をしてしまったのも説明が着く。そして彼の異様な殺人衝動は、恐らくその女性を失ったことの原因が雇われ主に最初から囮として仕組まれたことによる憎悪が振り切れてしまったのと、同じく自身の精神を保つための自己防衛の結果だと思われる。

なお、一部のオペレーターは「白い死神」がヤマトだと勘づいていたり、その時の彼に運良く救われたり又は一緒に仕事をこなした者もいるようだが、彼はその人物のことを全く覚えていないようなので、なるべくそのオペレーターとヤマトのかつてのバディに似ていると思われるブレイズには会わせないようにした方が全員のためになると思われる。

 

 

この記録は私の権限によってロックさせてもらう──ケルシー

 

 

 

 

****

 

 

 

 

「へぇ……あの時の男の子がヤマトであの白い死神かぁ……ふふっ、通りでボクと同じ匂いがした訳だ!…ふふっ…ははははっ!やっと見つけた…!」

 

 

──大事な人を騙した雇い主を、大事な人を奪った人間を、大事な人を殺した世界全てへの憎悪に囚われ、殺戮者となった少年の行き着く先は──

 

 

 

 

──ボクと一緒に堕ちるところまで堕ちてくれないとね。

 

 

 

──破滅か、

 

 

 

 

 

 

──絶対に元の優しいお前に戻してみせる

 

──あの時の白いループスの人に礼を言いたいんだけど、いつ会えるかな…

 

 

 

──救済か。




こんな感じでいいですかね?

ヤマト:悪堕ち√のヤマト。髪の色も相まって正にオルタ化と言えるが何故かレッドに対しては心を開いており、基本彼女には結構甘く、彼女のために態々尻尾の手入れ用の道具を一式揃えたほど。なお、ガヴィルは1度治療という名のナニカを受けて以来苦手。使っている武器はGNバスターソー○Ⅲと刀剣タイプの銃剣をつけたCz75 SP-01(ヤマトカスタム)と小太刀。基本はKHのクラウドの左手の小手がない服装で、暗殺任務や諜報活動の時はFate/zeroの切○と使い分けてる感じとなります。
なお、ヤマト・オルタ√に行く条件は「ヤマトがムサシに対して異性に向ける想いを持ってる」のみ。ですが、ムサシの女子力()だったり、至近距離で過ごしたせいでその想いを持つのはかなり確率が低いので、ほぼ無いです。

ムサシ:ヤマトの守護霊(又は背後霊)として取り憑いてる姐御。ヤマトが完全にコワレないようにあれこれやってる。目標は元の優しくてどこか抜けてるヤマトに戻すこと。

ケルシー:行き倒れてたヤマトを成り行きでS.W.E.E.P.に引き入れた先生。ヤマトが「白い死神」の名以上の働きを見せて驚いているものの、予想以上に闇が深いことを知り変に詮索しないことに。

レッド:何故か自分を怖がらないヤマトが大好き。よくモフモフを強請る。因みに、ヤマトの味覚障害に1番早く気がついたのも彼女という裏設定。

ガヴィル:白い死神の天敵。ケルシーについでヤマトが絶対逆らわないと決めた存在でもあったり。

ボクっ娘:一体どこの白黒ループスなんだ……因みに馴れ初めは、泊まったホテルの手違いで相部屋になったこと。よく生きてたな、お前。

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リクエストの方も活動報告で受けていますので、そちらも遠慮なく!
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