ロドス劇場   作:ゆっくり妹紅

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はい、急遽仕上げましたが…まさかの間に合わないという大失態。いや本当にすみません……

あとペンギン急便‪√‬と近衛局‪√‬にしたのは前者はバレンタインデーの後日談、近衛局はこの前のアンケートで3位だったからという理由です。


あるオオカミさんのホワイトデー(ペン急‪√&近衛局‬‪√‬の場合)

──ホワイトデー。

それはバレンタインデーにチョコなどを貰った男性が女性に返す日のこと。一部の男性諸君は出費が凄まじいことなって財布の風通しが良くなったり、また一部は出費がほぼなかったり、又は手作りのものを渡して女性のメンタル悪気なく打ち砕きにいったりと、人によって違うのもこの日の面白いところでもあるだろう。

 

そして我らがヤマトはどういう風に過ごしているのかというと。

 

「お兄ちゃん!次あそこ行こうよ!」

 

「うん、分かった」

 

義妹であるイカズチとシエスタのショッピングモールを歩いていた。

ペンギン急便のトランスポーターであるヤマトとロドスの患者兼オペレーターであるイカズチの2人が何故、観光都市シエスタに来ているか?

それは至極単純で、イカズチがヤマトに「ホワイトデーのお返しはシエスタデートじゃないとやだあぁぁ!」と駄々をこね、それを身内には激甘なヤマトがあっさり了承したからだ。

そこからの流れを簡潔にまとめると、まずヤマトはイカズチの外出許可をドクター、アーミヤ、そしてケルシーの3人に懇願して何とか取り、そしてその後は自分の会社の恩人兼愉悦クソペンギン(byヤマト)に溜まりに溜まった有休を使うことを報告し、休みをゲット。それからはペンギン急便のメンバーとW、そしてラップランド達にシエスタに行く前に早めのホワイトデーという形で自身の手作りお菓子を渡し現在に至る、という感じである。

 

(……そういえば、ドクターと皇帝が言ってたことって本当に起こるのかな?)

 

「お兄ちゃんっお兄ちゃんっ!次はあっちに早く行こ!」

 

「もう、そんなに慌てなくても時間はたっぷりあるんだから…全く」

 

思案顔になったヤマトの手を引っ張って急かすイカズチに対して、彼は少し呆れているように言いつつも、どこか嬉しそうな雰囲気を隠せず笑みを零す。そして──

 

「………」

 

「テキサス、気持ちは分かるけど堪えて」

 

「そうやで、あの子はヤマトの妹なんやで?」

 

「そうですよ?なのでガチになってはダメですよ(青筋)」

 

「ソラ、笑顔で青筋はアイドルとして色々いけないと思うんだけど」

 

「…私もヤマトの義妹になれればいけるか……?」

 

「ダメだこりゃ」

 

社長に丁寧にお願いしてシエスタにやってきて、2人のデート模様を物陰から監視……もとい見守っているペンギン急便の社員達。

 

「あいつは子犬ちゃんの義妹よ。だから抑えなさいW。爆弾をここであのクソ娘に向けてブン投げて爆破したらヤマトに嫌われるわよ、私…!」

 

別の物陰からヤマト兄妹の様子を監視…もとい見守りながらも、爆弾が入っているポーチに手が無意識にいかないようにと、必死に己を抑えているW。

 

「は?何あいつ?何普通にボクのヤマトとちゃっかり手繋いじゃってんの?よし、ブッコロ案件だね…!」

 

また別の物陰から掴んでいる壁にヒビが入りそうな勢いで手をかけながら、仲睦まじく歩いているヤマト兄妹の様子を人を射殺せるような勢いで観察……もといストーキングしているラップランド。

 

──そう、このシエスタという土地にヤマトに思いを寄せるメンバーが特別番組みたいな感じで大集合してしまったのだ。

正直、現時点でもとてつもなくマズイことになっているのだがこれはまだマシな状況であり、もしもこのメンバーが全員顔を合わせた日には高確率で大乱闘が始まり、このショッピングモールは崩壊する。しかもそこにイカズチが混ざれば更にとんでもない事になるのは明白。

 

不幸なのか、幸いなのか分からないがヤマトは現在6名の女性に監視されているということに全く気がついておらず、彼の未来予知レベルの優れた直感も全く反応していない。

 

ヤマトのことになると、一瞬でポンコツ過激思考になる女性メンバーが集結している中、ヤマトは一体どう立ち回るのか?

 

シエスタ、ロドスとペンギン急便、そしてお前の貞操は全てお前にかかっている!

 

頑張れヤマト!負けるなヤマト!まずは6人の存在に気が付き始めてるイカズチを何とかするんだ!

 

 

 

次回予告、「わあああ!お兄ちゃんは私のモノなんだからぁぁぁ!」

デュエルスタンバイ!(大嘘)

 

 

 

 

 

******

 

 

 

【近衛局‪√‬の場合】

 

 

 

ホワイトデーの前日、ヤマトは龍門のショッピングモールにてとある人物と待ち合わせているのか、私服姿で腕時計を時折見る所作をしながらその場に立っていた。

 

「おー、ヤマト!悪ぃ、待たせたな」

 

そこへ手をおおきく振りながら走ってくる男性の姿がヤマトの視界に入り、彼は呆れ顔+ジト目でその人物を見やる。

 

「リュウ……誘った挙句時間を指定した俺が言うのはおかしい気がするけどさ、お前の遅刻癖はどうにかならないのか?」

 

「う、うるへー!仕事の方はしっかり時間守れてるから…!」

 

「それが当たり前なんだよ……全く、スーラが可哀想だよ……」

 

「おい、スーラの事は出すな……マジで」

 

リュウと呼ばれたこの男性はヤマトと部署こそ違うものの近衛局に勤める同期であり、そして学生時代、ヤマトが初めてできた親友でありこの2人は今でも時折2人だけで遊んだり、飲みに行く仲でもある。因みに、スーラというのはリュウの幼馴染兼恋人の女性であり、一言で言えばツンデレデレデレ(誤字ではない)である。

そしてリュウはスーラの名前を出されると一気に弱くなってしまうため、このままヤマトのペースに乗せられるのを回避するために話を変えるために急いで口を動かす。

 

「それにしても、急に力を貸してほしいってどうしたんだ?学生時代優等生のお前が俺に助けを求めるなんてな、正直冗談かと思ったぜ」

 

「仕方ないだろ。俺が優等生かどうかともかく、宿題やるの忘れたりテスト範囲が分からなくて俺やスーラに泣きついてたお前しか適任というか、1番力になれそうなのいなかったんだから」

 

「おい、明らかに無駄なこと言ったろお前」

 

サラリと学生時代の黒歴史を晒されたリュウは、そこでふと考える。リュウ自身も発言したようにヤマトは学生時代優等生であり、成績は首席…ではなかったもののトップクラスであり、リュウやスーラのお陰でそれなりに友人もいる。そしてその友人たちは近衛局にはいないものの、それぞれの方面で活躍している一癖あるものの優秀なメンバーだ。正直、リュウに頼るぐらいならそのメンバーを頼るだろう。というよりリュウがヤマトならそうしている自信がある。

 

にも関わらず、そのメンバーではなく自分に頼る。そこまできてリュウは明日が何の日かというのと、そのメンバーの共通点を踏まえた上で、とある答えにたどり着き、それを確認するためにヤマトに問いかけた。

 

「なあ、ヤマト。力を貸してほしいって、ホワイトデーのお返しか?」

 

「……流石リュウだね。推理に関しては右に出るものはいないってことだ」

 

ヤマトの賛辞を受け取りながらもリュウはやっぱりかと内心で呟く。実は、ヤマトを含めた彼の友人達は恋愛経験がまさかの皆無。その上ヤマトはともかく、他のメンバーはホワイトデーは家族だけという悲しい事実もある。だが、リュウは学生時代からスーラと付き合っているため力になってくれると思ったのだろう。

 

だが、ここでとある疑問が生じる。

 

確かにヤマトの恋愛経験は0でクソザコナメクジだ。だが、リュウの記憶では学生時代はバレンタインのチョコをそれなりに貰っており、ホワイトデーのお返しも何ら問題なく手作りお菓子という形で配り過ごしていたのだ。そのため、リュウの出番は本来はないはずなのだ。

ヤマトはリュウが何を考えているのか、何となく察すると少し気恥ずかしげに口を開いた。

 

「実はさ、スワイヤーさんにバレンタインデーのチョコ貰ったんだけど、ホワイトデーのお返し何がいいか分からなくてさ」

 

「へ?スワイヤーさんって、俺の上司の?」

 

「うん、そうだよ」

 

「あー、なるほどな。何となく話は分かった」

 

ヤマトの口から出た内容にリュウはこめかみを抑えながらも、思考を働かせる。

先程のリュウの発言のとおり、スワイヤーはリュウの上司だ。そのため、彼女が時折ヤマトをどこからか連れてきて書類仕事を手伝わせて、後からチェンと喧嘩するというのは知っていた。

だが、その上司がまさか自分の親友にバレンタインのチョコを上げていたなんて予想外だ。何せ、部下である自分たちも貰ってないのだから余計に。なので、スワイヤーがどういうつもりでヤマトにバレンタインのチョコをを渡したのかわかってしまったのだが、明らかに厄ネタなため心の内にしまうことにした。

 

だが、それとは別に学生時代とある女子生徒が立ち上げたファンクラブのせいで恋愛とは程遠い生活をしてきた親友にやっとこさ春が訪れそうなのだ。なんか忘れている気がするがここは精一杯フォローしてやろう、とリュウは考えてから軽い調子でふと気になった質問を投げかけた。

 

「そういや、他の人からも貰ってるなら一緒に買うか?」

 

「ん?ああ、それは大丈夫。向こうから手作りでってお願いされてるから」

 

ヤマトの返事にリュウは固まった。

 

(手作り?え?手作りお菓子を所望?いや、待て。そういえば、ある噂があったよな……)

 

「な、なあヤマト。他の人ってさ、もしかしてチェン隊長とホシグマの姐御か…?」

 

リュウはあの噂が嘘であること、そして自分の予想が外れることを祈ってヤマトの答えを固唾を飲んで待つ。

 

「?そうだけど」

 

(うそだろぉぉぉぉ!!あの噂、本当だったのかよぉぉぉ!)

 

だが、出されたのは「チェンとホシグマがとある隊員を狙ってる」という噂と自分の予想が正解という事実。正直、リュウ的には「何であんな色んな意味でやべー人たちから好かれてるんだ」と今すぐツッコミを入れたいところだが、それをしても結果は変わらない。

 

そしてリュウはあれこれ考えた末。

 

「ヤマト、悪いことは言わん。スワイヤーさんにも手作りのものをあげるんだ」

 

「え?けど、スワイヤーさんは高級店のお菓子とかの方がいい気が…」

 

い い か ら 俺 の 言 う 通 り に し ろ

 

「あ、うん。リュウがそこまで言うなら…」

 

(とりあえず、窮地は脱したか…?)

 

 

次の日、リュウは顔がゆるっゆるっの上司の姿を目撃し、何とか上手くいったことにほっと胸を撫で下ろしたのだった。




メランサの誕生日記念話書いたら読みます?(確認)


キャラ紹介

ヤマト(ペンギン急便):家族サービスをしっかりしている兄の鑑。だがもう少し女性関係をしっかりした方がいい。なお、あの後どうなったかは皆様のご想像のおまかせに…。

イカズチ:お兄ちゃん大好き義妹。シエスタデート中で、何やら不穏な気配を察知した模様。

テキサス:ヤマトのことになるとただのポンコツと化す。でも本人前ではクールでカッコイイという、ある意味詐欺をしてる。

エクシア:沸点はこのメンバーの中では1番高い方。つまりポンコツ化しにくいし、目のハイライトが消えにくい。つまり1番マシ()

クロワッサン:イカズチは義妹なのでヤマトは選ばないと信じてる。あと、髪を下ろすとめちゃくちゃ印象が変わる。

ソラ:ペンギン急便メンバーの中では思考だけは1番の過激派。もう1回彼女のR18話書きたいなと思ってたり(カミングアウト)

W:イカズチのことはロドスにいるので知っている。バーン!しないように己と戦闘中。

ラップランド(ペンギン急便):今回の話でヤンデレに片足踏み込んでるヤベー奴。

ヤマト(近衛局):学生時代の恋愛経験0だった理由がファンクラブのせいという事実が判明。まあ、顔よし!性格もまあまあ、優等生だったらモテるよね()てか、自分が作った設定なのに中指を立ててしまった。ごめんねヤマト。

リュウ:ヤマトの学生時代からの付き合いの親友。基本はだらしないが、頭の回転が早く推理力に関しては他を寄せつけない。現在はスワイヤーの部下として色々頑張ってるリア充。なお、身長はヤマトより15cm高い。

スワイヤー:危うく自分だけ高級店で買ったお菓子になりかけたお人だが、優秀な部下のおかげで無事手作りお菓子ゲット。因みに本人の前ではあたかも仕方ないわね感出してた。

チェン&ホシグマ:また料理の腕を上げたのか…?(絶望)

ラップランド(近衛局):ロドスにいることを前に伝えていたため、郵送でお菓子が送られてきてご満悦。チョコミルフィーユ美味しい。

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