ロドス劇場   作:ゆっくり妹紅

15 / 119
えー、お待たせしました…。

まず、皆さんのおかげで「ロドス劇場」が1周年迎えられました!色々と未熟な面ばかりが目立つと思いますが、これからも宜しくお願い致します!

…そしてその1周年記念の話がなんでこんなに遅くなったかと言うと、書くべきことが多すぎて、中々話が進まないということで行き詰まってしまった、というのが原因です。

というわけで、少し読みづらいかと思いますが、本編の方どうぞ!


1周年記念話if:ペガサスの目を持つ女性たちから見たとある狼騎士さん

 

──これは父親になったばかりの男性が、我が子の未来をとり、会社とかつての身内を捨てる道を選んだ世界軸でのとある1幕。

 

 

****

 

 

 

え?ヤマトお兄ちゃんについて私が持ってる印象とか知ってることを話して欲しい?……まあ、今はやることないから別にいいけど…。

 

そうだね、まずヤマトお兄ちゃん…いや、お兄ちゃんの御家族は訳あってお兄ちゃんが生まれたばっかの時にカジミェーシュに来たらしくて、詳しいことは分からないけどお兄ちゃんのお父さんが立ち上げた会社の関係で私たちの家と交流を持つようになった…らしいの。

ただ、あの頃のお兄ちゃんは…その、ものすごく人見知りでご両親の後ろに隠れてばっかでとても内気で頼りない男の子という印象があった。

 

──『僕に戦い方を教えてください!』

 

けど、何時からかお兄ちゃんはひょんなことでチンピラに絡まれた私たちを助けてくれた当時独立騎士だったとある人に弟子入りした。…そういえば、私達はよくあの人のところに訪ねて遊んで貰った記憶があるな。あと、お兄ちゃんは「(せんせい)!」ってよく呼んで懐いてて、あの人は「うるせー!バカ弟子!」ってよく言ってたけど、顔は笑顔で親子なんじゃないかってレベルで仲が良かった。

 

──『(せんせい)(せんせい)!!せんせえぇぇぇぇぇっ!!』

 

けど、あの人はお兄ちゃんの目の前で事故に巻き込まれて腕を失って騎士としての生命を絶たれただけではなく、鉱石病を患った。そして、暫くしてからヤマトのご両親にだけ今まで世話になったことを告げて、あの人が使っていた剣とマントをお兄ちゃんに託してこの地から去っていった。

 

劇的に、お兄ちゃんが変わったのはあれがきっかけだったんだと思う。それ以来、お兄ちゃんはあの人からの剣技だけではなくお兄ちゃんのお父さんが使っている剣術を教わり、それだけではなく弓の鍛錬もし始めて、最終的には「師とお父さんが立ったあの場に立ちたい」と無理言って競合騎士にもなっていた。そして、その初めての試合であの人の形見の剣でベテランの騎士をものの数十秒で倒したあの姿を見てから内気で頼りない印象は消えて、代わりに心強くて頼もしい印象がついた。そして、私はそんなお兄ちゃんのことを「お兄ちゃん」としては見れなくなって、淡い想いを抱くようになり始めた。

 

でもそんなお兄ちゃんは、お姉ちゃんがこの地を去ることになったと同時に会社の競合騎士を止めて、ロドスとお兄ちゃんのお父さんの会社の橋渡し役として働くようになり、こっちにいる時間はほぼ無くなってしまった。そう、お兄ちゃんは私がこの想いがどんなものなのかわかる前遠くへ行ってしまった。…まあ、そのおかげで自分がどんな想いを抱いていたのか自覚できたんだけどね…

 

 

だからね、お姉ちゃんが助けに来てくれた瞬間にルール変更で3vs3になって、また数的不利になった時に現れて「よく頑張ったな」って言われながら頭を撫でられた時は、久しぶりに会えた嬉しさと褒められた嬉しさ、凄い安心感とかでごちゃ混ぜになっちゃったんだ。…あと、あんな風に助けに来られたら、余計に好きになっちゃうよ…。

 

 

まあともかく!最近になって私とゾフィア叔母さんもお姉ちゃんが所属しているロドスに来れたから、そのおかげでこれまでみたいにお兄ちゃんやお姉ちゃんといつでも会えるようになったの!それで、私のことを見てくれるようにいっぱいアピールしてやる!って思ったんだ!

 

でもさ…

 

「やあ、これからボクと一緒に訓練所にでもどうかな?」

 

「ヤマトさん、料理を教えてくれませんか?」

 

「ヤマトさん、そのよろしければ訓練に付き合って…」

 

「あ、ヤマトさん(ry」

 

なんで、そんなに色んな女性と仲いいの?(ハイライトオフ)ドクター、出来たらお兄ちゃんのこれまでの生活教えてくれる?(ニッコリ)

 

 

 

 

****

 

 

 

──最初、ヤマトを見た時の印象を言うならば「頼りない」の一言に尽きるわね。多分、マリアやマーガレットからも聞いてると思うけど、幼い頃のあいつは人見知りな上に弱気な子だったのよ。そのくせ、ぼーっとしてる時が多いわ、目を離したらフラフラどっかいってる時があるわ、変なところで転ぶわでもう次第に手のかかる弟って感じになったわね。…今思うと、仲良くなった相手にはとことん無防備な点は全然変わってないのね(呆れ)

 

──『………』

 

ヤマトに対する印象が変わったのは、なんでかは忘れたけど凄い落ち込んでた時に何も言わずにそばにいてくれた時かしらね。

普通は相手がそういう時になってると、つい「どうしたの?」とか「何かあったの?」って聞いちゃうじゃない?多分、私も気をつけないと聞いちゃうんだけど、あの子はねただ何も言わずに傍に居てくれたのよ。それが私にとっては凄い嬉しかったのよね。

それ以来、「根は優しいやつ」って印象が加わったわね。手のかかる弟っていうのは変わらずだったけど。いや、寝ぼけてシャツを前後ろ反対に着るとか、宿題の範囲間違えて先の内容やったりとか…もう、ね?(呆れ)

 

劇的に印象とかが変わったのは、ヤマトの剣の師匠だったクラウスさんが騎士をやめてどっか行っちゃったあとね。ここから先は多分マーガレット達にも聞いたでしょうけど、強くなることに貪欲だったわね。吸収できるものはなんでも自分の中に取り入れて、逆にそのまま取り入れられないことは工夫して自分なりのモノにしたりと、気迫が凄かった。

ただ、1度だけあのバカ自己鍛錬中にぶっ倒れたことがあるのよ。あの時は本当にびっくりしたわよ…様子を見に行って声をかけようとした瞬間に倒れ込んだんだから…。それで急いでヤマトを木陰に移動させて暫く寝かせてたんだけど、起きて早々あのバカ何しようとしたと思う?私にお礼を言ったあと、まーたすぐに鍛錬しようとしたのよ!?

 

──『僕は、早く強くなって(せんせい)に恩返しがしたいんだ!!』

 

多分、それが最初の口喧嘩だと思うのよね。知ってるかもしれないけどヤマトって人の意見は素直に聞くし、最後まで聞いてその意見のことを自分なりに噛み砕いた上で自分なりの考えだとか意見とか言うんだけど、あの時のヤマトはそれをしないどころか、私の話も聞かずに自分の意見…というか溜め込んでたモノをぶつけてくるだけだったのよ。けど、私としてはクラウスさんが居なくなってから、ヤマトは自分の心の内とか全然教えてくれなかったから、嬉しくて途中で笑っちゃってね。

まあ、なんやかんやあってヤマトはちゃんとペースとか守るようになったし、無理することは格段に減ったわね。

 

え?いつヤマトのことを好きにな…っ……!そ、そこまで話す必要はないで…答えたらヤマトに関することならなんでも教えてくれる?…………えっと、実を言うと最初の方に話した、落ち込んでる時に黙って傍にいてくれた時からその、結構気になってて…え?当時2人は何歳だったか、ですって?…………答えたから、私の質問に答えてもらうわよ!いい!?いいわよね!!(必死)

 

──うん、よろしい。それで、質問っていうのは…なんでヤマトってここだとあんなに色んな女性に話しかけられてるの?私の知ってるヤマトって、女の子と話すの結構苦手だったはずなんだけどなんか知ってる?ねえ?(ハイライトオフ)

 

 

 

 

****

 

 

 

ヤマトについてどう思ってるか…だと?マリアやゾフィアに聞くならまだしも、何で私に?…まあ、時間が空いてるから少しであるならば話すが。

 

…それで、ヤマトのことをどう思ってるかといえば、大事な幼なじみでありそして愛する人だな。ん?何故そんなに驚いているんだ?「そんなドストレートに言うとは思わなかった」?…こういう時でこそしっかり言えないと本番で詰まって何も言えなくなってしまうからな。そのめの…「その言い草だと失敗したことがあるように聞こえる」……この話は聞かなかったことにしろ、いいなドクター?

 

…折角だし、少し昔話をしようか。ヤマトは今でこそ頼りになる心強い奴なんだが、子供の頃は正反対で頼りない子供だったんだ。当時の私が血が繋がっていないのにも関わらず、庇護欲というかそういうのを持つレベルぐらいな。だが、中々心を開いてくれなくてな…先に心を開いたのがマリアの時はめちゃくちゃ落ち込んだな。まあ、最終的には「お姉ちゃん!」って言いながらトコトコと私の後を着いてくるようになって、本当に弟みたいだったよ。ただ、ぼーっとする時間があったり、ふと目を離したら迷子になってたり、何も無いところで転んでたりと結構マイペースでドジな子だったな。まあ、私としてはそれが余計に可愛く思えてゾフィアとよく面倒を見てたな。……ゾフィアからは「甘すぎます!」ってよく言われてたが。

 

劇的にヤマトを見る目が変わったのは、私が競合騎士として参加したとある試合で3対3の戦いで私と組む騎士が行方不明になって、数的不利で劣勢になった時にヤマトが加勢しに来てくれた時だな。そして私の隣に来ると。

 

『来るの遅くなってごめん。フォローは僕がやるから、マーガレットは自分のやりたいように動いて!』

 

そう告げてきたんだ。……あの時、ヤマトは私が思っていたよりもずっと成長してたというのが分かって、凄い誇らしかったしちょっと寂しかったな。その試合は、ヤマトの弓による援護や剣術のお陰であっさりと勝てて、お礼を言ったら「お姉ちゃんの助けになれて良かった!」って笑顔で言ってのけてな…多分、その頃から私はヤマトに想いを向けるようになったのだろうな。

 

だが、その矢先で私はあの土地を追われて暫くしてからロドスに来たわけなんだが…実は、ヤマトには一方的に別れを言って、そのせいで喧嘩別れみたいな形であの地を去って…いや、仕方ないだろう!好きになったと思ったら、鉱石病に身を侵されてるせいで非感染者のあいつと共に過ごすなんて出きっこないし、生まれ故郷を追い出されたショックとかで正気じゃなかったんだ!だから、ロドスでヤマトと再開した時は正直私は気まずかった。でも、あいつはそんなのお構い無しに。

 

──『言ったでしょ?何があっても見つけてみせるって』

 

…別れる前にあいつが声を大きくして言われたことを言われてな、柄ではないが泣いてしまったよ。私は私が思っている以上にヤマトに慕われているってことが分かって、嬉しかったよ。

それに、ロドスでクラウス殿とも再会できたのは本当に良かった。……前衛オペレーターのムサシ殿と結婚してると聞いた時は心底驚いたがな。まあ、そのヤマトはそのムサシ殿とも仲良くやれているみたいだし、クラウス殿との仲も良好だから安心しているよ。

 

ただ、1つ懸念材料をあげるならば…私の勘違いでなければヤマトに対して色っぽい視線を向ける女性が多い気がするんだ。その、ヤマトは自分に対して全くと言っていいほど自信が無いから、自分がそういう目で見られてるなんて全然考えないだろうから、まだいいがもしガンガン攻める人が出てきたら?……なあ、ドクター。実はマリアとゾフィアもヤマトのことを好いているみたいでな、これは相談なんだが盗られる前に私たち3人で囲った方がいい気が──

 

 

 

 

*****

 

 

 

「──っていう感じでした」

 

「うん、予想以上にとんでもない事になってるな」

 

ドクターの疲れたようなため息を聞いてクラウスは苦笑いを浮かべ、自分の愛弟子が目を離した隙に天然タラシになっていることと、かつての妹分3人が2名がやべー方向、もう1人が頭のネジがぶっ飛んでしまっていることに頭を抱えた。ヤマトの両親に近況を、ついでにあの3人がヤマトのことをどう思っているのかをも伝えておこうと思ったら、とんでもない爆弾を投げ込まれた感じとなってしまった。

 

(伝えたら多分、奥さんの方は笑ってマーガレットの嬢ちゃんに「やっちゃえ!」って唆すだろうし…だめだ、頭が痛くなってきた)

 

「…ヤマトの天然タラシはどうすれば治るんだ…?」

 

「治せたらとっくのとうに俺が治してるよ…」

 

 

「「……はぁ」」

 

 

結局、クラウスはヤマトの両親に自分と妻であるムサシの間に子供が出来たことと、ヤマトがマーガレットたちと仲良くやってるということだけのみを伝え、やべー事実だけは何とか伏せたのだが、マーガレットがヤマトの母に相談してしまったせいで一悶着起きるのだが、それはまた別の話。




実は、このルートだけで5話分は軽く書けるという事実()
そして暫くはR18に力を注ぎたいので、投稿頻度落ちると思います…大変申し訳ございません()

キャラ紹介

ヤマト:実の両親からの愛を満遍なく注がれて育ったルートのヤマト。一人称は父親とおなじ「僕」で性格は今でこそ人当たりのいい優しい青年だが、子供時代は内気で人見知りという真反対な性格。服装としては、異界のロイまんまです、はい()武器は大型の両刃直剣と打突出来るように先端が鋭利な盾と弓、そして腰に黒い刀を帯びてる感じです。
因みに、ロドスではどちららかというと男性オペレーターとの友好関係が広く、ミッドナイトニキを始めにノイルホーンやアンセルらや後方支援の男性オペレーターとも仲が良く、お酒が飲めるメンバーで酒盛りすることもしばしばあるらしい。

ブレミシャイン(マリア):マリア・二アールイベントの主人公ポジの子で、星6回復型重装。作者は引くことが出来なかったのでよく分からないが普通の回復盾として使うのは難しいとかなんとか。このルートではヤマトとは家族ぐるみの付き合いであったものの、一人の男性として意識してしまい、結果天然タラシ狼のせいでヤンデレ化しかけてる()

ウィスラッシュ(ゾフィア):マリア・二アールイベントの配布前衛。彼女がマリアやマーガレットとの血縁関係的な意味で叔母さんということから、スズランなどの子供系のオペレーターから「ウィスラッシュおばさん!」と呼ばれて、ショックを受けるイラストなどがよく見られる、悲しいお人()このルートでは、ヤマトのことを手のかかる弟から1人の異性として見たのが誰よりも早い。そしてヤマトが唯一弱音をはける人でもあったり。個人的には性格なども含めて結構好きなオペレーターです(カミングアウト)

二アール(マーガレット):我らが星5回復盾。序章などでは結構真面目な堅物系の女騎士なのだが、ストーリーを進めるとおっちょこちょいな面も。そして極めつけは水着コスでの基地の待機モーションで突然踊り出したりと、ツッコミどころがある人でもある。このルートでは、ヤマトに助けられてから異性として好意を持ち、そして他の人に盗られる前に囲ってしまうべきかと頭のネジが1本ぶっ飛びました。

クラウス:ヤマトの師匠。片腕を事故で失ってからは、各地を片腕で刀をぶんぶん振りながら転々として、ひょんなことで知り合ったある女傭兵と知り合い、なんやかんやあってロドスにはいり、そして押し倒されてなんやかんやあって結婚した。イメージ的にはザック○を想像してくれたらいいと思います。なお、現在は後方支援のオペレーターとして働いており、愛妻家として知られている。

ムサシ:三十路前に結婚出来て、心底ホッとしてる。なおヤマトのことは初めて会った時、どこか懐かしさを覚えたことに驚くものの、夫の弟子ということもあって可愛がっている模様。最近、お腹に新しい命が宿った。

ヤマトのご両親:本編や他のルートとは違って、我が子の未来に全てをかけた。

感想や批評などありましたら、作者のモチベや作品の質の向上にも繋がりますので、ありましたら遠慮なくお書きください、お願い致します!

そしてリクエストの方もR18含めて募集しておりますので、そちらもぜひ!

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。