ロドス劇場   作:ゆっくり妹紅

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今回は、ウチの先鋒のエースとアイドルが出てきます。

あと、珍しくシリアスです。

最後に一言…件のエースがちょっと悪い感じです。

それが推しキャラでも構わない人のみ読んでいっていてください。

5/7 加筆、修正


コミュ障狼とシエスタ観光(下)

「良かったね、ヤマト。新しい友達ができて」

 

「うん!ラーちゃんのおかげだよ!」

 

「(1番のトドメはヤマトのとんでも行動なんだけどなぁ)」

 

ラップランドはそう思いながら、ヤマトの新しい友人となったチェンを見る。

チェンが鼻血を出して暫くして落ち着いてから、なんとあのあがり症コミュ障狼のヤマトから、友達になってください!と言ったのだ。

チェンは最初こそ、(色々と耐えかねないので)断ろうと思ったのだが、このコミュ障狼、大声で言ったのだ。それも周りの人が聞こえるぐらいの大きさで。

 

つまりどうなるかと言うと、周りからの視線が一斉に集中し、さらにはヤマト本人は顔を赤くしてプルプル震えているのも相まって断れない状況を作り出したのだ。

仮にチェンがここで断ったら周りからはいい視線は向けられないのは目に見えるし、まだシエスタを満喫したいのもあるので、彼女はその提案を受け入れたのだった。

 

なお、ここで頭に入れて欲しいのはラップランドが心の内で思った通りヤマトはなんも考えずに勢いだけであんな事をしたということ。決して考えてやった訳ではないということ。

ラップランドとチェンは『天然はやべーもの』ということをこの日、認識したのだった。

 

 

***

 

そんなことがあった次の日、ヤマトはまた1人でシエスタの街中を歩いていた。友人3人はそれぞれ別件があると言って、ヤマトの誘いを断ったためだ。なお、その時に耳と尻尾が垂れ下がりショボンとしたヤマトを見てチェンが悶えまた鼻から血を出しかけたというのも述べておく。

 

「あの、すみません。待ってる人がいるので…」

 

そんな聞いたことがあるような声が人気が少ない通りから聞こえ、そちらに足を運ぶと何人かの男性に囲まれている女性がいた。

別に正義の味方とかそんなものではないが、ヤマトは困った人を見過ごせない人物であるのは事実、なので。

 

「そこまでにしとおけ、嫌がっているだろう」

 

「あ"あ"ん?邪魔すんじゃねえよ」

 

女性を助けるために介入した。

邪魔された男の一人が、ヤマトを睨みつけながら低い声でそう言うが、傭兵として戦場を渡り歩いたヤマトにとってはそんなもの子犬が鳴いてるも同然だった。

 

「…あんたらじゃ話にならん」

 

「んだとゴラァ!!このチビ、痛い目に遭わねえと立場ってもんが分からねえのか!?」

 

まるで、煽るかのようなヤマトの発言に男たちはキレるが、その反応に、目の前の男性たちでは自分にはどう頑張っても勝てないから、降参して欲しいという意味で言ったのに、とヤマトは困惑していたが同時にチビと(気にしていることを)言われて少しカチンときていた。

 

「ちょっと寝てろ!!」

 

「ふっ!」

 

「どわぁぁぁぁぁ!?ガっ!……っててて、ぶっ!?」

 

ヤマトは、キレて殴りかかってきた男性の腕を掴むと、その勢いを利用して背負うように投げ飛ばし、地面に着いた男性に追い打ちをかけ気絶させた。

別に、この男性が自分のことをチビと言ったから追い打ちをかけた訳では無い。背後から襲われる可能性を無くすために致し方なかったのだ。決して、私怨ではない。決して。

 

「あ、相手はチビガキ1人だ!全員でかかれば問題ねえ!」

 

「…話にならない、と言っただろう」

 

〜1分後〜

 

「お、覚えてろよぉぉぉぉ!!」

 

そんな捨て台詞を吐きながら、ボロボロになった男達は走って逃げていった。ヤマトはふぅ、とため息を着くと女性に声をかけた。

 

「怪我はないか?」

 

「え、は、はい。大丈夫ですが…」

 

「そうか…」

 

ヤマトはそれだけ確認すると、何事も無かったのように立ち去ろうとして

 

「ソラ!ここに居たのk…お前は?」

 

「テキサスさん!」

 

「(…………最近、色んな人と会うなぁ)」

 

なんか、似たような展開にヤマトはため息をついた。

 

 

****

 

「ソラを助けてくれたこと、感謝する」

 

「私こそ、改めてありがとうね」

 

「……当然のことだ」

 

なんとなく早く立ち去った方がいいと判断したヤマトは、こっそり逃げようとしたのだが、それを察知したテキサスに掴まり、ソラからも助けてくれた礼がしたいと言われて、そのまま喫茶店に連行された。

何でも頼んでいいよー」とソラに言われ、ヤマトが頼んだのはアイスココアだった。なお、ヤマトがこれを頼んだ時、テキサスとソラは意外そうな顔をした。

それを見たヤマトは昨日、事の顛末を聞いたドクターから貰った「オリジムシでもできる友達の作り方」のテキストの内容を思い出した。

 

──確か、相手が反応したことを起点に話を広げるといいんだっけ?

 

緊張のあまり、バクバクなる心臓を抑えながらヤマトは必死に口を動かした。

 

「…意外だったか?」

 

「い、いや?そうでもないよ?」

 

「………」

 

慌てて否定するソラと無言のテキサス。そして、気まずくなる雰囲気。

それを見たヤマトは内心「そんなぁぁ!何で会話が弾まないの!?頑張ったのに!!」と泣き叫んでいた。

悲しいことにこのコミュ障狼は、会話が広がらず気まずい雰囲気になってしまった原因が、あがり症による無口or言葉足らず+ポーカーフェイスのせいだと自覚していない。

 

事実、先程の発言ももう少し感情の籠った声音で表情が動いていればここまで気まずくならなかっただろう。なお、ソラの発言に「いや、自分でも子供舌だと思う」などと付け加えれ良かったのでは?というのはコミュ障狼ヤマトにはまだレベルが高い要求である。

 

「…ひとつ、聞くが。何故お前はラップランドと行動を共にしている?」

 

「……?」

 

打開策を必死で探していたヤマトに、テキサスはおもむろにそう尋ねた。ヤマトはそれ聞いて内心首を傾げるが、彼女はラップランドのことを避けているのを思い出した。しかし、彼女がそう聞いてきた理由は分からない。けども、ここで答えなくてはダメだと自分の中の何かが訴えていた。

 

「……友達だから」

 

「え?」

 

「………」

 

突然の、ヤマトの発言にソラは驚きのあまり声を漏らし、テキサスは目を見開いているもののすぐに戻し、ヤマトを真っ直ぐ見る。

ヤマトはそれに怯み口を閉じてしまった。

それを見て、テキサスはふぅと息を着くと口を開いた。

 

「……悪いことは言わない、あいつとは適度に距離を取った方がいい。それがお前のためでもある」

 

「嫌だ」

 

「何?」

 

ヤマトのことを思って忠告したのに、それをすぐに拒否されたテキサスは怪訝的な視線をヤマトにぶつける。

ヤマトは、一瞬怯むも今度はそのまま口を開いた。

 

「俺は、人と喋るのが苦手だ。いつも、何を話してどう返せばいいか分からない」

 

──だから、皆、俺とは話さないようなる。

所々詰まりつつも、ヤマトは続ける。

 

「けど、彼女、ラーちゃんは。そんな俺でも、何度も何度も話しかけてくれた。俺と、仲良くなれる人はフーちゃん、しかいないと、思ってたから、嬉しかったし、暖かった」

 

心臓が破裂しそうだと感じるほどに鼓動が早く鳴り、頭は真っ白な上息をするのが苦しい。それでも、それを理由に止まる訳には行かない。

──ラップランドとの繋がりは(彼女は)──

 

「ラーちゃんが、危険な人物なのかは知っている。けど、それでも俺にとっては」

 

──大事なもの(友人)なんだ。

 

ヤマトは自身の想いを言い終えると、慣れないことをしたせいか肩で息をするも、テキサスのことを真っ直ぐ見つめた。

 

「……そう言うなら、私からはもう何も言わない」

 

「あ、待って…」

 

席を立ち上がろうとしたテキサスをヤマトは引き止めた。

 

「……何だ?」

 

「…あなたが、俺の事を気遣ってくれて、あんなことを言ったのは俺でも分かる。だから、お礼を言わしてくれ。ありがとう、テキサスさん」

 

「……ソラ、いくぞ。また今度な、ヤマト」

 

「え?あ、これお代ね!じゃあね、ヤマトくん!」

 

テキサスは、ヤマトの発言と最後に浮かべた穏やかな表情を見て目を丸くするも、背を向けてソラと共に店をあとにした。

 

「また今度…それなら、今度は明るい話が出来るといいな…」

 

ヤマトは、残っていたココアを喉に通した。

ココアの味は、柔らかく甘い味がした。

 

 

****

 

 

「……見ていたんだろう」

 

「……よくわかったね!流石テキサスだ!」

 

「え!?いつからって…あれ?あなた達は…」

 

「……あいつが心配だと、そこの駄犬がうるさいから、その付き添いだ」

 

「私は、この狼が何かやらかさないかための監視だ。」

 

「とか言ってるけど、本当は君たちもヤマトが心配でついてきたくせに」

 

「「………(プィッ)」」

 

「……変なやつだ。ヤマトってやつは」

 

「けど、良い子で面白い子だろう?悪いけど、いくらテキサスでもヤマトはあげないよ?」

 

「お前が、そこまで言うとはな…」

 

「て、テキサスさん…?」

 

「…行くぞ、ソラ。」

 

「あっはい!皆さん、失礼します」

 

 

テキサスはふと、最後ヤマトに言った言葉を思い返していた。

 

「また今度…か。らしくないな」

 

そう言いつつも、テキサスの表情や声音は穏やかだった。

 




なんか最終回っぽいけど、最終回じゃないからね?まだ、友達片手で足りるぐらいしかいないからまだまだ続くんじゃ。


ヤマト:チェンを勢いで落としたやべー主人公。やっと、自力で人と話すことが出来て成長したように見える。なお、今んところ女たらしの才能がある疑惑が囁かれている…でも、ハーレムだと、感じにくいのは彼の人徳のおかげ?なお、身長はギリギリ160cmとのこと(本人談)

テキサス:ペンギン急便所属の星5先鋒。範囲スタンコスト回復持ちという、とんでもないスキルをもっているウチのロドスのエースの1人。今回の話では、ヤマトにラップランドから距離をとるように言っていたが、あくまでヤマト本人のことを思ってなのを誤解しないで欲しい。
なお、今回の件でヤマトやその友人たちと話すことが多くなったとか。ラップランドは相変わらず避けているが…推しキャラの1人で、めっちゃデレさせたい、尻尾モフりたい。

ソラ:星5補助のアイドル。特性やスキル的に完全に大器晩成型。私は未だに育ちきれていない(白目)。今回は、あんまり出番なかったのでいずれは彼女メインの話も書きたい…

フロストリーフ:ヤマトの友人1号兼保護者役。ヤマトの誘いを断った理由は、ラップランドとチェンにヤマトについての講座を開いていたから。なんやかんや面倒見がいい優しいキツネさん。

ラップランド:ヤマトの友人2号兼ヒロインムーブをかます狼。ヤマト講座でヤマトのことを知れたけど、よく知ってるフーちゃんにジェラシー。なお、ヤマトの見守りはテキサスと彼が合流してから開始したとのこと。

チェン:ヤマトの友人3号兼被害者。でも、なんやかんや悪い気はしていない模様。ヤマト講座を受けて、彼の実態を再認識。なお、ヤマトの突然のギャップ萌え行動には、慣れろとしか言われなかった。

ドクター:後日、ヤマトにあのテキストよりいいの貸して!と言われて、マジであれを読んだのかと戦慄し、今度はちゃんとしたものを貸したそうな。


そろそろ、男性オペレーターと絡ませたいけど、誰にしよ
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