……喋り方、合ってるかなぁ()
それでは本編どうぞ!
「視線を感じる?」
「うん…」
ある日、ヤマトはここ最近どこからか視線を感じていた。その視線を向けた方向を見てみても誰もいないため、最初は気のせいかと思っていたのだが、それが続くためヤマトはドクターに頼った。
「フロストリーフやラップランドたちにはその事話した?」
「いや、何となくフーちゃんやラーちゃん、チーちゃんには相談しちゃダメな気がして…」
「そっかー」
ドクターは適当に返事しつつも、ヤマトが例の3人に話していないことにほっと一息ついた。仮に彼女たち、特にラップランドに相談していてたら、今頃とんでもないことになっていた可能性があったからだ。
しかし、視線を感じるとはどういう事なのか?しかも、何かと鋭いヤマトがそれを感じてその方角を確認しても何者かが分からなかったということは、相手は相当な手練だろう。その時点である程度は絞りこめるが、どの人物も理由が思いつかない。
ドクターとヤマトが互いに考えている中、その日の秘書であるテキサスが珍しく口を動かした。
「…ヤマト、どんな些細なものでも構わないからその時視線以外にも何か感じなかったか?」
「…えっと、その凄い情けない話なんだけど……その視線を向けられた時、理由は分からないけど恐怖を感じたんだ。抑え込めないほどではないけどね…」
テキサスの質問にヤマトは、自分のことを嘲笑するかのように答えた。
そして、その答えを聞いたドクターとテキサスはすぐに視線を向けた人物が誰なのかが分かった。
そして、ドクターはそのオペレーターとのある会話を思い出し、彼女がヤマトに対してそのような行動したわけを1人納得していた。
個人的には彼女とヤマトは仲良くなって欲しいとは思っている。だが、彼女の特性なのか不明だが、ループスのオペレーターは理由は不明だが彼女に対して恐怖の感情を抱いてしまう。事実、テキサスとプロヴァンスは彼女のことを避けている。それを考えると、今からヤマトに自分が頼むことはとても酷いものなのだろう。
「ヤマト、実は────」
それでも、ヤマトなら大丈夫だと思って頼む俺は何なんだろうな?とドクターは思いつつも、彼女──レッドについて話した。
*****
「………」
ヤマトはドクターに相談した翌日、早速視線を感じていた。ヤマトは湧き出る恐怖心を抑え込むと同時に、気が付かれないようにその視線がどういったものかを確かめていた。そして、ヤマトはその視線に込められたものが敵意や殺意などといったものではなく、友好的なものと興味(興味に関しては特に尻尾)的なものだと分かった。
「…………(じー)」
「………(な、なんて声かければいいんだろう…)」
しかし、その事が分かってもコミュ障オオカミヤマトはなんて声をかければいいかが分からない。結果として、ヤマトを物陰から見つめるレッドとポーカーフェイスで佇むヤマトという図が出来上がった。
「……そこにいるのは分かっている。(話がしたいから)出てきてくれ」
「………」
ヤマトは抑え込んでいる恐怖心とあがり症によるテンパリで肝心なことを言えなかったが、レッドはひょこっと顔を出すとトコトコと歩いてきた。
「……………」
「…………(……何話すか忘れたあぁぁぁぁ!?)」
ヤマト、ここで予め話そうと1晩かけて考えていたものが頭からすっぽ抜けるという痛恨のミスをしでかす。……なお、ここで『ついでにどう話しかけるかも考えておけばよかったんじゃ?』というツッコミはどうか抑えて欲しい。ヤマトだってこれでも精一杯頑張っているのだ。
「……ヤマト、変わってる」
「……?どういうことだ?」
ヤマトが内心焦っている中、レッドがそう呟いた。
いきなり変わってる発言されたヤマトは、なぜそう思ったのか不思議に思い聞き返した。
「ヤマト、レッド、怖がらない。変なオオカミ」
「(え、抑え込んでいるとはいえ恐怖心持ってんだけど…)」
レッドの発言にヤマトは内心驚いているが、彼女がそう感じてしまった訳はヤマトの無駄に高レベルなポーカーフェイスのせいである。そう、レッドから見たらヤマトは向けられる視線にこそ反応はしていたものの、それはどこから来るものかを探すだけで全く怖がっていないというものだったのだ。
そして、レッドの独白は続く。
「仲良くできる、思った」
「………!」
レッドのその言葉を聞いたヤマトは一瞬だけ目を見開き、そして昨日ドクターが自分に告げた言葉の意味が分かった。
なら、自分がやることは一つだけだ。ヤマトは覚悟を決めてレッドと向き合う。
「正直に言うと、俺はお前に対して恐怖心を抱いている」
「………」
「ただ、それでも俺は仲良くなれたらとと思っている」
ヤマトが最初に発した言葉に、レッドは悲しそうに顔を俯かせたがヤマトが続けて発した言葉を聞くと顔を上げた。
だが、その顔には疑問の表情が浮かび上がっていた。
それはそうだ、怖いのに仲良くなりたいなんて誰だっておかしいと思うのだから。
「どうして?」
「……俺がそうしたいと思うからだ」
「………!」
「それに、恐怖心を抑え込むのは慣れている。抑え込んでいればいずれはお前に対して、恐怖という感情は持たなくなる」
ヤマトの戸惑いも何も無い真っ直ぐな言い方に、レッドは彼が嘘をついてるようには見えなかった。
「……変なオオカミ」
「…………」
「これから、よろしく」
「……ああ、こちらこそ」
──なんとか丸く収まった。
ヤマトがその事実に安堵していると、レッドの視線が自分の尻尾に向けられていることに気がついた。
そういえば尻尾には最初から興味津々だったけ?とヤマトは思うとレッドにあることを提案した。
「触りたければ、触っていい」
「……!いいの…?」
「ああ、気になるのだろう?別に減るものでもない」
──まあ、ラーちゃんに触られた時みたいなことにならないでしょ。
ヤマトはそう思って、軽く提案したのだがこれが誤りだと気がつくのは今から数分後の出来事である。
余談であるが、「ヤマトが襲われてる気がする!」とキツネと龍に説教されてる中、そう叫んだ肉食系ループスが居たとか居なかったとか。
****
○月♪日
レッド、ヤマト、仲良くなった。しっぽ、ミミ、すごい気持ちよかった。もふもふグランプリ、1番なるかも。
キャラ紹介
ヤマト:レッドに(尻尾と耳を)頂きますされた草食系ループス。あの後、廊下を通りかかったテキサスのおかげで無事(?)生還。レッドには加減というものを教えようと心に決めたらしい。
レッド:星5特殊オペレーター。ヤマトの尻尾と耳は我を忘れかけるほど気持ちよかったらしく、ヤマトがあんな状態になるまで触る気がなかったと反省。なお、今回の一件以来ヤマトと一緒にいる姿を見かけた者がいるとか。
テキサス:実は心配で様子を見に行ったところ、レッドに(見せられないよ!)な姿にされたヤマトを見つけ、急いで救出した。この一件でヤマトからかなり慕われるようになった模様。悪い気はしない。
ドクター:レッドから相談を受けていたのを思い出して、カノジョがかつてのヤマトに似ているように感じ彼を諭した。なお、レッドがモフモフ厨だったのは忘れていたので、そちらへの注意はすっかり忘れてた。
どこかの肉食系ループス:説教からのらりくらりと逃げていたが、肝心な時に捕まって助けに行けないという失態を犯す。「あれ、ボクの出番あれだけ!?」