ロドス劇場   作:ゆっくり妹紅

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前回の話で言い忘れてしまった&活動報告で既に言った通り、この「ロドス劇場」お気に入り100件突破しました!!こんな作品をお気に入り登録していただいた皆様、本当にありがとうございます!!これからも投稿ペースと作品の質を上げられるように精進していきたいと思います!


さて今回は初めての試みなので上手くいってるか不安です…なので読みづらいなど、あればバンバンお願いします!

そして今回の内容はタイトルから分かっちゃうと思いますけど…それではどうぞ!


YAMATO'S キッチン

「ふむふむ…基本的な所は出来てるし、全体的に手馴れているね…」

 

調理室にて、ヤマトはグムとドクターによってここに来るように言われた行動予備隊A4のメンバー、そしてテキサスに見られながら料理をしていた。

そして、見られているヤマトの表情は真剣で注がれる視線を物ともせず手を動かしていた。

 

 

何故、こんなことになったのか?それは今から時間を数時間ほど巻き戻す必要があった。

 

****

 

「食堂の手伝い?」

 

ある日、呼び出されたヤマトはドクターから唐突に頼まれた内容を思わず聞き返した。

 

「うん、実は最近ロドスに来たオペレーターが多くなってきた影響で食堂の人手が足りないってグムが言ってたからさ。ヤマトってお菓子以外の物も作れるって聞いたからお願いしたいんだけど…」

 

「手伝いはいいけど…俺の手が加わったものを食べたい人なんているかな…」

 

 

てっきり承諾してくれるだろうと思っていたドクターにとって、ヤマトの反応は予想外だった。しかし、ヤマトが言った言葉もよく考えれば納得できるものでもあった。

実は、ヤマトのロドス内の評価は前より多少は良くなった程度で「よく分からないやつ」や「近付きづらい」といったものは変わらずだ。

ヤマトはそのことを知っているからこそはあのような発言をしたのだろう。

 

それならこちらが取る手段は──

 

「そしたらさ、グムにはどれぐらい出来るか見たいって言ってたしそのついでに、他の人に食べて貰って率直な感想を聞かせてもらおうか。確か、この後なら行動予備隊A4のメンバーなら時間的に大丈夫だったな。あ、ヤマト1人だけだとあれだから…あー、テキサスしかいないけど…まあ、いないよりはマシかな?」

 

「ゑ??あ、ど、ドクター?」

 

自信をつけてもらう機会を与えることだ。

 

****

 

そして話は冒頭に戻る。

今回、ヤマトに出されたお題はロドスにおいて定番メニューでもある、ハンバーグ定食を作ることだ。

ヤマトはハンバーグの作り方はもちろんのこと、ロドスのハンバーグ定食も食べたことはあるため味付けや付け合わせがどういったものかは分かっているので後は自分の方法で作るだけだった。

 

ヤマトはまず、みじん切りにしたタマネギの半数以上の量をレンジで加熱。その加熱している間に、付け合わせの調理を開始。タマネギを切る前に固めに茹でておいたアスパラガスを3等分に切り、それらをバターを溶かしたフライパンで炒める。そして、味付けとして最後に塩コショウを少々振るう。

次は、同じくタマネギを切る前にくし切りにし水に晒してアクを取っておいたじゃがいもの水気を切り、中温の油で素揚げにし軽く塩を振って味付け。

 

想定した時間で、加熱し終わったタマネギを洗ったフライパンで弱火でじっくりとあめ色になるまで炒め、あめ色になったらお皿に戻し冷ます。

 

(次の作業はなるべく手早くやらないとね…)

 

ヤマトは頭の中で意識しながら次の工程に取り掛かる。次にやるのは、ハンバーグのタネ作り。

冷えたひき肉とひとつまみの塩をボウルに入れ、粘りが出るまで手早くよく混ぜ、粘りが出てきたらパン粉、卵、ナツメグ、胡椒、生タマネギと炒めたタマネギを加えて更に混ぜる。

それを終えたら、手のひらに軽く打ち付けるように空気を抜きながら形を整える。

 

「……ここまでの動作に全く無駄がありませんね」

 

「そうだね、包丁とかの扱いも上手かったし結構経験あるのかも?」

 

(……お菓子以外も作れるとは聞いていたが、ここまで手際が良かったのか)

 

ここまでの工程を見ていたアンセルが思っていたことを呟き、それに続く形でアドナキエルも思ったことを口に零す。そして口にこそ出ていないがテキサスもヤマトの手際の良さに感心していた。

 

一方、ヤマトのハンバーグ作りも大詰めとなってきていた。

形を整えたハンバーグを油を引いたフライパンの上に置き、弱めの中火で焼き始めた。

暫くしてヤマトは焼いてる面が固まってきたのを確認すると同時にタイマーをスタートさせ火を弱火にする。

この時点で調理室には既に美味しそうな匂いとハンバーグを焼く音が漂い始め、その場にいる者たちの食欲をそそり始めた。カーディに至っては目を輝かせていかにも「楽しみ!」といったオーラを漂わせていた。

ヤマトがそれを見て内心苦笑いを浮かべ、タイマーがなったと同時にハンバーグの側面が白くなっているか確認し、なっているのを確認するとひっくり返してまたタイマーをスタートさせた。

タイマーがなったと同時に、ヤマトは火を消して蓋を被せて暫く放置した。

ヤマトはその間に、タマネギとニンニクを使ったソースと卵スープを作り終えると今度は大根をすりおろし始めた。

 

「???」

 

(なるほど…ヤマトやるね…)

 

突然大根をすりおろし始めたヤマトに行動予備隊の面々とテキサスが不思議に思っている中、グムだけは彼がその行動の理由を見抜いた。

 

火を消して2分ほど経った頃、ヤマトは再びコンロの火をつけて2分ほど弱火で焼くと、竹串をそれぞれに刺して刺し穴から透明な汁が出てきたのを確認すると、数秒だけ強火にして焦げ目をつけると火を止めて更に盛り付け始め……

 

「……完成だ」

 

ヤマトは盛り付けたハンバーグとご飯、卵スープを行動予備隊とグムの所に配膳した。

 

「食べていい!?」

 

「……その前にサッパリしたハンバーグを食べたい人はいるか?」

 

カーディが待ちきれないとばかりに投げかけた言葉に、ヤマトは待ったをかけハンバーグを食べるものたちに目を向ける。

すると、ずっと静かに手を挙げたテキサスと、少し控えめに手を挙げたメランサを見つけると、ヤマトは先程すりおろした大根おろしとポン酢をテキサスとメランサに渡した。

 

 

「えっと…これは……」

 

「そのままハンバーグに乗っけて食べればいい」

 

ヤマトの発言に、行動予備隊の面々は驚きの表情を浮かべた。ハンバーグに大根おろしとポン酢という組み合わせをこの5人は聞いたことがなかったからだ。

メランサは戸惑いつつも、大根おろしとポン酢をハンバーグの上にかけて、そのハンバーグを口に入れて咀嚼し──

 

「……!美味しい……!」

 

「…確かに、これは美味しい」

 

驚いたように、けれど笑みを零してそう呟いた。

勿論、それを見て他の面々も気にならないはずがなく、ヤマトに少しだけ大根おろしとポン酢を掛けてみたいと頼み、ヤマトがそれに応じて彼らに渡し、彼らはそれを掛けてハンバーグを口に運んだ。

 

「美味しい!大根おろしとポン酢のお陰でサッパリしてて食べやすい!」

 

「確かに…大根おろしとポン酢ってハンバーグに合うんだね…」

 

「ええ…僕もこれは初めて知りました」

 

そして、食欲が刺激されていたせいもあってか彼らはハンバーグをすぐに平らげた。カーディとアドナキエルに至ってはお代わりをヤマトに要求したほどだ。

 

「「「「「「「ご馳走様でした」」」」」」」」

 

「皆、ちょっと聞きたいことあるんだけどいい?」

 

全員が食べ終え、一息ついている所にグムが声を上げ、それにテキサスを除いた5人がグムに視線を向けた。

ヤマトはそれを見て、ついに評価を下されるのかと身を強ばらせる。

そんなヤマトを無視して、グムは言葉を続ける。

 

「また、ヤマトが作った料理食べたいと思う?」

 

グムの問いかけに、5人は黙って顔を見合せた。ヤマトはそれを見て、やっぱり自分が作ったものはダメなのだろうか、と先程彼らが言葉にしていたことを忘れそう思った時。

 

「僕はまた食べてみたいな。作り方も丁寧だったしね」

 

「ええ、私も同意見です」

 

「俺も、ヤマトが作ったものをまた食べてみたいかな!」

 

「私も!食べててなんか、グムちゃんが作ってくれたものみたいに優しい味がしたし!」

 

「わ、私も……また食べてみたいです……」

 

「………!!」

 

行動予備隊A4のメンバーが出した言葉に、ヤマトは驚きのあまり目を見開き、同時に体のうちが温かくなるような感覚と目が熱くなるような感覚に襲われた。

 

 

「え!?ちょ、や、ヤマト!?」

 

「え、え???」

 

「だ、大丈夫!?なんか酷いこと言った!?」

 

(……!?)

 

周りのものは、突然涙を流し始めたヤマトにテキサスも含め全員がオロオロと狼狽える中、ヤマトは視界がぼやけながらもただ思ったことを口に出した。

 

「皆…ありがとう……」

 

「「「「「!?」」」」」

 

メランサ達は、ヤマトが涙を流しながらも穏やかで柔和な笑顔を浮かべたことに驚いたが、同時に自分らが何か不快なことをした訳では無いとわかってホッとし、それを見届けたテキサスはハンカチをそっとヤマトに手渡すのだった。

 

後日、ヤマトは正式に食堂を回す人物の一人として動くことが決定したのに加えて、行動予備隊A4のメンバーとも交流し始めたという、その結果にドクターは顔を綻ばせた

 

 

「そういえば、なんで今までロドスにはハンバーグ定食のソースに大根おろしとポン酢無かったんだ?」

 

「えーとね、人手がね…?」

 

「なるほど…けど俺が入ったから今日から解禁ってことか」

 

なお、ロドスのハンバーグ定食の選べるソースの中に大根おろし+ポン酢が加わったとか。

 

 

 




キャラ紹介

ヤマト:正式に食堂切り盛りメンバーとなった。ちなみに得意なジャンルは和風で得意料理は鮭大根。なお、冗談半分で他にできることを聞いたら家事全般出来るという…主夫かな?1家に1匹どうですか?余談ながら、赤いオオカミとへそ出し生足オオカミにそれぞれ違うタイミングでハンバーグを強請られたとか。

グム:星4重装。アークナイツで料理人といえば?と聞かれたら真っ先に上がると言ってもいいだろう人物。他の二次創作ではオリジム……ゲフンゲフン。ちなみに、素質が強いと思うのは自分だけだろうか?

メランサ:星3前衛。行動予備隊A4の隊長。性格や喋り方は控えめだが、戦場に出せば多くの強敵をバッサバッサ切り捨てるレア度詐欺の1人。ぶっちゃけ回復1人置いておけば敵の幹部クラスを刀のサビにするヤベー奴。その姿から「剣聖」とまで言われる始末。ちなみに信頼度上昇会話でドクターにあるものを渡すのだが…これ、ドクターが男性だと色々とやべー意味を持つ物。多分、知らずに渡してると思うけど…知ってたら恐ろしい。

カーディ:星3重装。行動予備隊A4のメンバーの一人。天真爛漫な女の子なのだが、メンバーからは機材に触らせないようにされるなどトラブルメーカーでもある。でもそこがイイ!!

スチュワード:星3術士。行動予備隊A4のメンバーの一人。こちらは落ち着いた感じの男性。なお、昇進すると硬い敵を優先的に狙うという特殊な素質持ち。上手く使えばハマるステージではハマる。

アドナキエル:星3狙撃。行動予備隊A4のメンバーの1人。個人的にはThe好青年というイメージ。低コストなので今でもお世話になってる低レア狙撃の1人。これからも頼むぜ…

アンセル:星3医療。行動予備隊A4のメンバーの1人。見た目に反して実は男という、アークナイツの男の娘枠。ただ、見た目と普段の口調とは裏腹に、放置ボイスでカーディに舌打ちをするという面も…でも可愛いからそんなの関係ないよネ!(

テキサス:最後の最後で泣いているヤマト(ヒロイン)にハンカチを差し出すというイケメンムーブをかます。もう、こいつが主人公でいいんじゃないかな?

ドクター:ちょっと強引だったけど、これを機にヤマトに対する周りの評価や印象が良くなればと思っている。…ってこいつ本当にドクターか?(他のドクターを見つつ)

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