それとアンケートの方なんですが…正直、上位2人は予想通りだったのですが、3位であの二人で接戦というのに驚いています。
一応、まだアンケートはとっておりますので出来たらご投票の方お願いします。
それでは本編どうぞ!
P.S.危機契約思ったより難しい(白目)
その日の夜、チェンは中々寝付けず軽く体を動かそうとトレーニングルームへ足を進めていた。
この時間帯で利用しているものはいない、そう思ってトレーニングルームに入ろうとしたところで、狙撃のシミュレーションルームが使用中のランプが着いていることに気がついた。
(こんな夜中に狙撃の訓練?熱心なのはわかるが、寝る間を惜しんでやってるのだとしたら注意した方がいいかもしれんな…)
自分と同じく中々寝付けなくて軽くやってるならともかく、もし寝る時間を削ってまで自主訓練しているとしたら話は別だ。
チェンはいつの間にかロドスの連中にもこういう注意をしようとする羽目になるとは、と思いながらシミュレーションルームを覗き──
「え?………」
そこで現れてくる仮想の敵の頭や肩口、膝といった急所を次々に撃ち抜いていく人物に驚愕した。
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「はぁ……」
「チェン?さっきから何度もため息吐いてるけどどうかした?」
「ドクター…いや、何でもない」
執務室にて、ドクターは今回の秘書であるチェンの様子がおかしい事に気がついていたが、先程から聞いても「何でもない」の一点張りで何が彼女にそんなことにさせてるのかを直接聞くことは出来ていなかった。
(うーん…チェンがこんなにため息を吐くと考えると…龍門で何かあったのか?いや、そしたらこっちにも話が来るし…)
ならばと、ドクターは最近習得したマルチタスクを利用して書類を進めながら、チェンがああなった根拠を考え始める。
(龍門や近衛局関連以外となると…ラップランドとリーシーのヤマトを巡る戦いのこと?そしたら疲れた顔でため息を吐いてるけど、今回はどこか悩んでる顔で吐いてたから違うと見ていい。そうすると…ヤマト関連でなんかあったとしか考えられないわけだけど…)
ドクターはそこまで考えたものの、正直これも先程の2つよりは可能性は高いがヤマトがなんかやらかしたり、修羅場以外で巻き込まれたという話は聞いていない。
(だとすると、他に考えられることは──)
「…ドクター、一つだけ聞いていいか?」
ドクターが再び思考の渦に呑み込まれそうになった時、チェンが少し控えめに声をかけた。
ドクターは考えるのを止めてチェンの方に視線を向けて返事をする。
「ああ、俺で答えられることであれば」
「…その、変なことを聞くかもしれないが、ヤマトが精通している戦闘技能は近距離系統全般で、弓術や射撃…特に狙撃はそうではないんだよな?」
「?ああ、その通りだが…」
「そうか…」
チェンが内容に、ドクターは疑問に思いつつもヤマトが入所した時のテストの結果を確認して答えた。
チェンはその答えを聞くと、今度は思案顔になってしまい結局チェンの質問の意図やため息を吐く理由をドクターは明らかにすることが出来なかった。
****
「………」
警備や一部の者以外が寝静まった時間、チェンはトレーニングルームへ向かっていた。
これから彼女がすることは余計な詮索であり、下手をすると
そして、チェンは狙撃室のシミュレーションルームに彼がいるのを確認すると中に入り、仮想の敵を発生させるシステムを切った。
すると、そこで狙撃用のボウガンで仮想の敵を撃ち抜いていた人物は、スコープから目を離し、後ろを向いて──
「自主的に訓練をするのは感心するが、寝る時間を惜しんでまでするのはどうかと思うぞ?──ヤマト」
「ち……チーちゃん……」
システムを切った本人が自分にとって大事な人の1人であることを理解すると、ヤマトは顔を青ざめさせた。
「ヤマト…お前は確か遠距離武器は精通していないという話だったが、これ程の腕を持ちながら何故偽ったんだ?」
「……っ」
チェンの問いかけにヤマトは1歩後ずさる。チェンはそれを見て、やはりヤマトは何かしらの事情があって隠していたのだと判断した。
正直な話、遠距離武器も高いレベルで扱えることを隠していたことには驚いたし、何故か少しだけ裏切られたような胸に穴が空いたような痛みが襲ったのも事実だ。
だが、顔を青ざめさせ何かに怯えるような様子のヤマトを見れば元から無かったが責める気など湧いてこない。
それよりも湧いてくるのは、ボウガンを両手で握りしめて
「…とりあえず、何故こんなことをしてしまったのか話してくれないか?お前は私にとって大事な──」
「……っ!!」
「なっ、ヤマト!?」
チェンが優しい声音でヤマトに声をかけている途中で、耐えきれなくなったようにヤマトはボウガンを抱えて彼女の横を通り抜けて部屋から逃げるように出ていった。
突然の事態にチェンは驚くも、それよりも今の彼女は別のことで頭がいっぱいだった。
『ごめん…』
すれ違いざまにヤマトが小さい涙声で呟くように出た言葉と、目から出ていた水滴。
それが示すことにチェンは思考を埋め尽くされていた。
「ヤマト……お前は一体……」
──何があったんだ。
チェンの絞り出すように紡がれた言葉は、無機質な壁に吸い込まれ消えていった。
*****
「ふぅ……次の作戦の編成やっと終わった」
ドクターは自室で作業を終えると、固まった体をほぐすように手を組んで上に伸ばして息を吐きながら、次の作戦の編成を改めて見直す。
(各部隊の戦力のバランスは同じようにしたけど、不安があるとすれば…予備隊A4、A6、プリュムとヤマトを入れたところかな…)
当初、そこの部隊にはヤマトはおらず彼は初めの段階こそ、ラップランドとチェンがいる部隊に入れる予定だった。
しかし、途中で先程の部隊には戦闘経験が豊富な物がいないことに気がつき急遽、予備隊A4のメンバーとは仲が良くなってきたヤマトを起用した。彼は戦闘経験は豊富で戦闘能力もロドス内では上位の方に位置する上、彼の並外れた危機察知能力ならば万が一があっても撤退のタイミングを逃すこともないだろう、というのがドクターの見立てであった。
(…ちょっとヤマトに頼りすぎかな……あ、そういえばヤマトは結構色んな作戦で功績出してくれてるし、この作戦が無事に終わったら、ケルシーやドーベルマンにも2回目の昇進の是非聞いておこうかな)
ドクターはそこで思考を止めると、ベッドの中に入り目を閉じた。
キリがいいのでここで切って、下へと繋げます。なるべく早く投稿できるように頑張りますのでお待ちください…
キャラ紹介
ヤマト:実は遠距離系統…特に狙撃にも精通していることをロドス内で知っているのはペン急組とある人物のみで、ペン急組はヤマトにも事情があるだろうということで内密にしている。チェンに見られた時は顔を青ざめさせ何かに怯えていたが…?
チェン:あの後、暫く訓練室で色々考えていたがどうしようもないのでとりあえず部屋に戻った。
ドクター:ヤマトのことは友としても、1人のオペレーターとしても信頼しており、そろそろ彼の功績に報いてあげたいと考えていたらしい。