ロドス劇場   作:ゆっくり妹紅

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皆様、アンケートご協力頂きありがとうございました!そして、お気に入りが400件超えました!本当にありがとうございます!
そして今回もリクエスト話となります!
シリアスを期待していた方は申し訳ないですが、まだまだ日常回となります。

さて、今回の話の内容は…どういった話になるかは何となくご想像できるかと。

それではどうぞ!


悩む者達

──身長。

それは、書いた字のごとく身体の大きさのことを指す。

そして、世の中は何かと身長が高い人物が有利になることが多く、それ故に悩んだり、それがコンプレックスになる者は多い。

そしてそれはロドスに属するオペレーター達も例外ではなく──

 

「「どうやったらそんなに背が大きくなるのですか?」」

 

「……え?」

 

ヤマトとヴィグナ(身長が低い2人)にいきなりこんな事を聞かれたホシグマは素で呆けるのだった。

 

***

 

「…なるほど、話は分かった」

 

ヤマトとヴィグナの話をまとめると、互いに身長の低さをどうにか出来ないかと調べ物をしていたところ、2人はばったり遭遇。そこから意気投合をし調べ物をしていたが、「実際に大きい人の話を聞くべきじゃ?」とヤマトが提案した結果、「確かにそうかもしれない」とヴィグナが受け入れたため、こうして実際に背が高い人に聞き込みを行うことになったというものだった。

 

「それで、ホシグマさんは背を伸ばすのにどういったことしてたんですか?」

 

「どういったこと……か…」

 

ヤマトとヴィグナの期待の眼差しを向けられたホシグマは思案する。

正直な話、ホシグマは特別なことをした記憶はなく気がついたらこんなに背が伸びていたのだからアドバイス的なことを教えてくれ、と言われてもぱっと言えるものは無い。

 

「「…………」」(期待の眼差し)

 

かと言って、純粋な眼差しでこちらを見つめてくる2人に対して「そんなものは無い」なんて言えるほどホシグマは非情ではなかった。

 

「…私は好き嫌いせずに沢山食べて沢山動いてよく寝ていたな」

 

「おー…やっぱり調べたものと一致してるね」

 

「くっ…やっぱり好き嫌いしちゃいけないのね…」

 

悩み悩んだ末に出したホシグマの一般的な答えにヤマト達が各々の反応を示している中、答えたホシグマは純粋な子供を騙したような気分になっていた。

 

「ホシグマさん、ありがとうございました!今度、いいお酒持ってきますから!」

 

「あ、ああ…楽しみにしとくとしよう」

 

「次行こうか」と言って去っていった2人を見送ったホシグマは疲れたように息を吐き──

 

「ん?次…?」

 

彼らが去り際に言った言葉に反応したのだった。

 

 

****

 

「ふむ…身長を伸ばすのに特別なことをしていたか…か」

 

「はい、シルバーアッシュさんは何をしていたのかなって」

 

シルバーアッシュはヤマトの質問にどう答えたものか悩み始めた。それも、彼も特にこれといったことはせず気がついたらこの身長だったのだからホシグマ同様なんて言えばいいか分からないからだ。

 

(どう答えるべきか…)

 

かと言って、弟分みたいなヤマトに向かって「そんなものはない」とはとてもでは無いが言えない、というより言う気になれずシルバーアッシュが珍しく考え込んでいる時だった。

 

「おや?シルバーアッシュ様にヴィグナ殿、それにヤマトの3人で何されてるんですか?」

 

「む、クーリエか」

 

そこにシルバーアッシュの部下であるクーリエが声を掛けてきた。そして、この瞬間シルバーアッシュの脳内ではこの状況を打破するための道筋が出来た。

 

「身長を伸ばすのに特別なことをしていたか、と聞かれてな。出来ればお前の場合も聞きたいのだが」

 

シルバーアッシュは自然にクーリエに質問の矛先を向けた。

そう、シルバーアッシュが考えた解決の道筋とは一言で言ってしまえば、他人の意見をそのまま借りる、という事だった。

最も、これは「クーリエならまともな答えを出してくれるだろう」という信頼のもと出されたものである。

 

「そうですね…僕の場合ですと、やはり好き嫌いはせずに沢山食べていたことでしょうか?後は、寝る前にストレッチなんかもやってましたね」

 

「ストレッチもですか…シルバーアッシュさんもクーリエさんみたいな感じでしたか?」

 

「ああ、私もそんな感じだ」

 

ヴィグナの質問に、さも当然かのようにシルバーアッシュが答えるとヤマトとヴィグナは「なるほどー」とメモを取る。

 

「お時間取ってしまいすみませんでした。それでは、失礼します」

 

「シルバーアッシュさん、後でお礼の品持ってきますね」

 

「ああ、楽しみにしていよう」

 

そうしてトコトコと去っていった2人を見ながらシルバーアッシュが息を吐いたところで、クーリエが思い出したかのように言った。

 

「そういえば、シルバーアッシュ様は身長を伸ばすのに僕と同じことをしていた、とそんな旨を言いましたよね?」

 

「ああ、そうだが。それがどうかしたか?」

 

「ということは、苦手な食べ物はもう残したりしませんよね?」

 

「いや、私はもう身長は伸びな…」

 

し ま せ ん よ ね ?

 

「う、うむ…」

 

このあと、ニンジンを目の前に唸るシルバーアッシュが見られたとか見られなかったとか。

 

 

 

*****

 

「やはり、皆さん同じようなことをして背が伸びているみたいですね」

 

「そうだね…やっぱりよく食べてよく動いてよく寝るが1番なのかなぁ」

 

ロドスに所属している高身長であるオペレーター達にある程度話を聞き終えたヤマトとヴィグナは、メモを見ながら結論を纏め始めていた。

 

「あとは、縄跳びをやってた、寝る前にストレッチ、朝起きたら寝たまま伸びをするとかも少数ではあったけど何人かいたよね」

 

「うーん、縄跳びとストレッチは分かるけど寝たまま伸びって意味あるかしら?」

 

「でも、それで身長高い人いるからなんとも言えないよね…」

 

「お前ら何やってんだ?」

 

ヴィグナとヤマトは後ろから声をかけられ、そちらを向くとヴィグナは「げっ」と言わんばかりに顔を顰め、ヤマトは面倒くさそうな雰囲気を出した。

 

「エンカク…」

 

「そうだが?それより、ヤマトいつも通りやるぞ」

 

「…………」

 

「やっぱりか」と思いながらヤマトは呆れた視線をエンカクへと向ける。というのも、実はヤマトの視力が完全に戻ってからエンカクがこうしてヤマトに勝負を吹っ掛けるようになったからだ。

無論、ヤマトとて約束したのだから「2、3度くらいならいいだろう」と思っていたのだが、勝負の結果もあるとはいえエンカクは全く満足せず、最近では3日に1度…酷い時は1日おきに「おい、やろうぜ」と某決闘者みたいな感じで来られたら話は別である。

なお、その2人の戦いは高レベルではあるものの学べる箇所が所々あるため、色んなオペレーター達が見物しに来たり、またはどっちが勝つかの賭け事をしたり、実況をし出す者までいるのを本人たちは知らない。

 

「そら、行くぞ…ああ、そうだ。偶には賭けでもするか」

 

「……必要あるのか?」

 

「ただ、勝敗を決めるのはつまらないからな。そうだな…勝ったら相手に何か命令できる権はどうだ?無論、その内容が無茶なものなら断ってもいいという条件でだ」

 

エンカクの提案にヤマトは思案し、エンカクを改めて見る。身長はヴィグナはもちろんのことヤマトよりも遥かに大きい190cmだ。そして彼はまだ身長が高い秘訣を聞いていない唯一の人物でもある。

 

(……聞いたところで素直に教えてくれないだろうし、乗っかるべきかな)

 

「分かった、それで受けよう」

 

「ふ、じゃあ行くぞ」

 

「あ、ちょっと…!もう!!」

 

トントンと話が進んでいき訓練室へと向かう男2人にヴィグナは苛立ちを隠せないまま後を付いて行ったのだった。

 

「…ところで、お前は俺に何をさせるつもりなんだ?」

 

「そうだな…お前とよくつるんでいる…確かフロストリーフとラップランドだったか?あいつらを紹介してくれないか?」

 

「……………」

 

ヤマトにとって負けられない理由が増えたのであった。

 

*****

 

「はぁ…はぁ…俺の勝ちだ…」

 

「はぁ…はぁ…これで、同点か…」

 

「数えなお、せ…俺が1点リードだ…」

 

「そういや、はっ…そうだったな…」

 

訓練室の演習場の真ん中で、武器を全て弾かれ首元にヤマトの合体剣を添えられたエンカクは疲れでその場に倒れるように横になり、ヤマトも座り込んだ。

 

「それにしても…今日は異様に気合い入ってな……今まで手加減してたのか?」

 

「……負けられない理由があった、それだけだ」

 

怒気を含めて聞いたエンカクに対しヤマトは短くそう答え、エンカクはそこまで命令できる権利が欲しかったのかと驚く中、ヤマトが声をかける。

 

「…勝負の賭けの報酬を使って構わないか?」

 

「あ?早速か…まあ、いいけどよ。んで、何をすればいいんだ?」

 

ヤマトがどういったことを自分に頼むのか分からず、内心身構える。

 

「……身長を伸ばすのに何かやっていたか?」

 

「…今、なんて言った?」

 

「…身長を伸ばすのに何かやっていたか?」

 

「……マジか(まさか負けられない理由ってこれなのか…?)」

 

エンカクは突然聞かれたことに思わず素で驚いたような声を出しながら、こんな理由でヤマトは必死になってて、そんな理由で負けたのかと落胆した。

 

「……教えてくれ」

 

「とは言ってもな…」

 

「ない」とエンカクは言いかけて、期待の眼差しを寝転がっている自分に向けるヤマトを見て口を噤んだ。

そして、考えた末エンカクは──

 

 

 

****

 

「ヤマトさ、最近なんか牛乳よく飲んでるけどどうしたの?」

 

ある日の朝食の時間帯にて。

ヤマトと朝食を一緒に摂っているラップランドが最近彼のお盆に乗っている牛乳瓶を見ながら聞く。

 

「身長を伸ばすのに良いって聞いたから飲むようにしてるんだ…一応、信用に足る人からの情報だからね」

 

ヤマトはラップランドに対してそう言うと牛乳をゴクゴクと飲み始め、そして1ヶ月後にヤマトが自分で測ったところ1mm伸びてたらしく世話になった人たちへお礼を言い回ったのだった。

 

 

 




お気に入り500件達成したら記念としてifルート書こうかなって思ってたんですけど、諸事情のため400件突破記念で書こうか絶賛悩んでます…

キャラ紹介

ヤマト:低身長であることがコンプレックスの狼さん。色んなオペレーターから話を聞いた結果、その全てを実行してのもあって1mm伸びたとかなり喜んでいた。エンカクにフロストリーフとラップランドを紹介するのはなんか嫌だったので、あらゆる戦法を使って辛くも勝利した。エンカクとの戦いは45戦中23勝22敗。そして紹介の意味はヤマトとエンカクの間で認識が違っているが、本人たちはそのことに気がついていない。

ヴィグナ:星4先鋒。レア度的な意味もあって入手しやすく、性能はプリュムの上位互換的な感じ。しかし、素質が一定確率でその攻撃の攻撃力アップというもののため、プリュムのステを超えるまでは少し不安定な部分がある。ツンデレ属性。本編では背が低いもの同士でヤマトと意気投合した。

ホシグマ:色んな意味で大きい姉御。

シルバーアッシュ:完璧そうに見えて苦手な物があったらなんかいいよね!ということでニンジンが苦手という設定をぶち込んだ…うん、怒られそう()

クーリエ:星4先鋒。購買部のフレンドポイントで交換出来るオペレーターのため、彼にお世話になったドクターはかなり多いはず。ステータスも星4のためそれなりに高いため高難易度でも活躍できる。こちらでは、ロドスの厨房組の1人。なお、たまにシルバーアッシュが抵抗できないほどの圧を出せる。


エンカク:絶賛アンジャッシュ中。なお、フロストリーフとラップランドと1度戦ってみたいと考えている。

ラッピー:年齢的にヤマトってもう伸びないと思うんだけど…言わないでおこう(優しさ)


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