ロドス劇場   作:ゆっくり妹紅

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投稿遅くなってしまい本当に申し訳ございません。

そして今回は、メインとなるキャラの情報があまりなく、そして自分が考察とか推理といったものが苦手なため、完全な妄想話となっております。

それが嫌だという人はブラウザバックして下さい。




……ここまで見ているということは了承したということですね?
それでは、本編へどうぞ!


幕間:女傭兵との因縁

Wが初めて彼と戦場を共にしたのは今から6年ほど前のことだ。

とは言っても、Wは途中から別働隊として動くことになっていたので彼と一緒に戦場を駆けたのはほんの少しだけであった。しかし正直傭兵をやっているのが不思議なくらいの射撃、狙撃能力の持ち主だと認めたほどの実力者だったため、彼女にとって彼は中々印象的だった。

 

が、それだけであった。

それでもなお、強いて言うなら──

 

「何処を探せば、剣士に堂々と剣で挑むスナイパーがいるんだ!?」

 

「……?ここにいる」

 

「あ″ あ″ あ″ あ″ あ″ !!そうじゃねえよ、この天然があぁぁぁぁ!!」

 

(騒がしいわね…この2人、本当に傭兵なの?)

 

感情が全く出ない不気味なやつというのと、バカでかい片刃の大剣を持った女性と仲が良さそうぐらいだった。

 

 

 

 

****

 

 

 

 

 

 

(あー、ドジったわね)

 

それから数年後、Wは物陰で痛む足を庇いながら身を潜めていた。

彼女はこの時参加したある戦いの撤退戦で足を挫いてしまい、何とか物陰にまでは移動したものの、部隊の仲間とははぐれてしまっていた。

撤退を決めた段階で本部へ救援要請をしてからそれなりの時間が経っているが、それでも来ないということは、応援が来るのは絶望的だと考え、Wはじっと息を潜めながら改めて自身の手持ちを確認していた。

 

(残ってる武装は、ナイフ、手榴弾2個、フラッシュバン1個に、榴弾砲の残弾は5個…詰んでる)

 

相手は自分がいた部隊が撤退を決断するほどまでの質と数があった。それを考慮すれば数人は倒すことは出来るだろうが、残っている武装的にも戦えば位置がバレて袋叩きにあうのは目に見えていた。

 

(でも無抵抗っていうのは癪だし、投降なんて以ての外なのよね)

 

「おい、いたか?」

 

そこまで考えていた時だった。

近くから声とそれなりの数の足音がなり始めた。

Wはさらに息を潜めながら、武器を静かに手に取り臨戦態勢を取りながら追っ手と思わしきもの達に攻撃を仕掛けるために、タイミングを計り始めた。

 

「いんや、いねーよ…本当に女がここら辺に行ったの見たのかよ?」

 

「ああ、確かに見たぜ…まあ、もしかしたらもう遠くに行っちまってるかもしれないが」

 

「有り得そうで笑えねえ」

 

(仕掛けるなら今…?いや、やるとしてももう少し近づいてから…)

 

「ぐわああああああっ!!」

 

「トム!?な、このガキいつの間に…!?」

 

「か、囲んで袋叩きにしろ!相手は1人だ!数はこっちが勝ってるんだ!」

 

Wがあともう少しで攻撃を仕掛けようとしたタイミングで、悲鳴と慌てる男たちの声が響き渡り、続けて金属音のぶつかり合いや発砲音がなり始めた。

 

(?何が起きてるの…?)

 

一体、何が起こっているのか。Wは様子を確認するために物陰から顔を少しだけ出すと──

 

「……は?」

 

10数人の男たちを、見たことがあるようなバカでかい片刃の大剣を片手に圧倒するループスと思わしき少年が目に入った。

少年は、飛んできた狙撃手の矢を躱すと、目の前の男が繰り出したハルバードの薙ぎ払いをその男を跳び超えるように躱しつつ、着地すると同時に横に一閃。そして、崩れ落ちる男の襟首を片手で掴み飛来してきた矢と術攻撃をそれで防いだ。

 

「ケイト!?てめえ、よくも…っ!!」

 

それを見た1人の剣士が激昂し、周りが静止する前に少年に得物であるロングソードを振り上げて斬りかかった。

少年はそれを感情が削ぎ落とされたような目で見て、剣士の一撃を大剣で弾き返して、がら空きとなった胴体にいつから出したのか、左手に持っていた源石剣にアーツを流しこみ、アーツでできた刃を突き刺した。

崩れ落ちる剣士から源石剣を抜いて、返り血を浴びた少年は自分を囲む男たちを一瞥する。

 

「く、くそがぁぁぁぁっ!!」

 

そこからは少年の独壇場であり、右手の大剣と左手の源石剣、そしてアーツの衝撃波によって追っ手達はものの数分で何も言わぬ骸へと化した。

 

「……………」

 

返り血で髪までもが赤くなった少年は、Wに背を向けている状態で骸の中央でしばらく立っていたが、急に源石剣を懐にしまい、大剣を背負うと、Wが隠れている物陰に真っ直ぐ歩き始めた。

 

(ちょっ、気づかれてたの!?まずい、今の私じゃあいつは流石に──)

 

「助けに来た」

 

「……え?」

 

内心焦っていたWはその少年が発した一言で固まったのだった。

 

 

 

 

*****

 

 

 

「……はー、あんたって本っ当にあまちゃんというか、バカというか……」

 

ヤマトと名乗った少年からの話を聞いて、Wは思わずはそうこぼしてしまい、それを聞いたヤマトは返り血を水で流しながら「心外!」といったような様子でWを見つめた。

 

ヤマトから聞いた話の内容をまとめる…いや、必要も無いぐらいの内容であったが、要は彼はWの部隊の救援要請の信号をキャッチして急いで来た、ということであった。

最も、それだけであるならWとて先程のような発言はしない。

彼女がヤマトをあまちゃん、またはバカ呼ばわりした理由、それは周りはおろか本部にすら何の連絡もしないで単独で来たという事だった。

 

無断でしかも自分の勝手な判断で動いてしまえば、傭兵としての信頼はガタ落ちしてしまうのはどんなものでも分かること。傭兵としての最適解は、非情になって見捨てるというものだったのに、非情になれずに見ず知らずの他人を助ければあまちゃん呼ばわりも仕方の無いことであり、助けてもらったWが思わずそう零してしまったのは仕方の無いことだった。

 

「…とりあえず、戻りましょ…いっ!」

 

「…(足を)怪我しているのか(気づけなくてすまない)」

 

「い、いや歩けるから気にしなくて…っ!」

 

「……(歩くのは無理そうだから、いきなりで申し訳ないが運ぶために)抱くぞ」

 

「え、ちょっ、はあっ!?」

 

ヤマトは無理して立ち上がり歩こうとしているWを見ると、何を考えたのか急に片腕を彼女の脇から背中に回し、そしてもう片方の腕を両膝の下に差し入れて抱き上げる…いわゆる横抱き(お姫様抱っこ)をした。

そして横抱き(お姫様抱っこ)されたWはいきなり事態に戸惑うも、すぐに暴れだした。

 

「早く下ろしなさい!」

 

「(すまないが)近くに停めたバイクまで我慢しろ」

 

「…あのさバイクで来たなら、一旦私をここで待たせて、そのバイクにのって迎えに来ればよかったんじゃないの?」

 

「………!」

 

「え、まさか思いついてなかったの?」

 

これがヤマトと戦場を共にした2回目の出来事であった。

そして、Wは我ながら単純だと思いつつも、絶体絶命のところを独断で1人で助けに来たこと、そして戦闘していた時とのギャップの差にヤマトに対して、自分の知ってる男とは違うように感じ、少しだけ心を開いていた。

 

 

 

*****

 

 

「あら、ヤマトじゃない。こんな所で会うなんて奇遇ね」

 

「あんたは……」

 

「Wよ。私を抱いたのに忘れちゃったの?酷い男ね」

 

「!?」

 

(え、今の信じるの?)

 

3度目に彼らがあったのは、2度目の出会いの後に一言も告げずに去ったヤマトを見つけるために、Wが苦労して集めた彼の目撃情報を元に向かったとある平地であった。

ヤマトはそこで野宿するつもりだったのか、火をたいていた。

 

「それにしても、まさかまたあんたと会うなんてね〜。大抵、戦場で知り合ったやつと2度目も会うなんて中々ないのよね」

 

「…?3度目じゃないか?」

 

「…ちょっと待って、確かになんか見たことある顔ね……ってあんた、もしかして…」

 

ここで、Wはようやく目の前の少年が数年前のとんでも射撃能力を持った少年だと認識し、同時にあの時の連れの女性が持っていた片刃の大剣を彼が使っていたことで、何があったのかをある程度察した。

 

「…まあ、なんで今は遠距離武器使ってないかは聞かないわ。興味もないしね」

 

「………」

 

「…それにしても、あんた変な武器使ってるのね」

 

Wは話題を変えるようにヤマトの武器と思わしき剣を見る。

その剣はパッと見では機械仕掛けのデザインをしているだけの変わった剣に見えてしまうが、ちょっと目を凝らしてみればそれが複数の剣を合体させて1つの剣になっているものということが分かった。

 

「……知り合いに頼んだら作ってくれた」

 

「ふーん…よくこんな変わった武器作ってくれたわね」

 

「……優しい人だからな」

 

「そう」

 

そこで会話がピタリと止まり、沈黙がその場を支配した。

すると、ヤマトは何を思ったのかゴソゴソと自分のバックパックを漁り始め、しばらくして鍋を始めとした調理器具と、じゃがいもや人参といったいくつかの食材を取りだした。

そして、それを見て何も察せないほどWは鈍くなく、意外そうな目をヤマトに向けた。

 

「あら、夕飯作るの?」

 

「…最近はしてない(からあまり期待しないで欲しい)」

 

「へー?もしかして、私がいるから作ってくれるのかしら?」

 

「?そうだが(今日は冷えるらしいので、俺はともかく、Wが風邪引かれたら嫌だから温かいものを食べた方がいいだろう)」

 

「……っ」

 

少しニヤニヤしながらヤマトをからかったWは、下心なしで自分がいるから作る、というカウンターをもらい何故か気恥ずかしくなり黙り込んだ。

そうしている間にも、ヤマトは手際よく調理を進めていく。

 

「完成だ」

 

「……これって肉じゃが?」

 

「それと、けんちん汁と白米だ」

 

数十分後には、ホカホカと湯気が出ている暖かそうな肉じゃがとけんちん汁、そして飯盒で炊いた白米が折りたたみ式の机の上に置かれていた。

ちゃんと自分の分まで用意されていることに、改めてWは驚きつつも少し警戒していた。

見張っている限りでは薬を入れているような怪しい行動はしていなかったが、最初から食材に仕込んであった場合ではその限りではない。

これは助けてもらったとはいえ、そこまで親しくない人物が作った物の上、傭兵として生きてきたWの警戒は当然のことだ。

しかし──

 

「…すまない、いきなり出されても困るか」

 

「あっ…」

 

無表情ではあるものの、どこか落ち込んだような気配を隠しきれていないヤマトを見て、Wは普段であれば感じないはずの罪悪感を心に覚え、ヤマトが彼女の分のご飯を片付けようとした瞬間、ひょいっと盛られた肉じゃがを摘んで口の中へ入れた。

 

「………」

 

「………どうだ?」

 

「………」

 

Wはヤマトの問いかけを無視して、久しぶりに人が作った温かい料理(しかも美味い)ということもあり、夢中で箸を動かしていく。

 

「…ご馳走様。中々美味しかったわよ」

 

けんちん汁を胃の中へと味わいながら流し込み、Wは箸を置いて素直に感想を述べた。

ヤマトもいつの間にか食べ終わっており、Wの感想を聞いて最初は何も言わずに固まっていたが、次第にフッと表情を和らげた。

 

「そうか…良かった」

 

(……なんだ、笑えるんじゃない)

 

一瞬だけ、ヤマトが見せた表情にWは胸を一瞬だけ高鳴らせたが、彼も感情を持つ人間ということが分かり、何故かほっとしたのだった。

 

そして、食器を片付けいざ寝ようとしたタイミングでまた問題が発生した。

それは、2人というともあって交代で見張りをするという話になった際にヤマトが、自分が寝ずに見張りをやるということを言い出したからだ。

暫く、互いに譲らない言い争いが始まったのだが最終的に。

 

「私はまだあんたのこと信じきれてないの。そんなやつに、1晩中見張り任せられるわけないでしょ?」

 

というWの発言が正論すぎたため、ヤマトは渋々とその条件を飲み、Wの提案により先に寝袋に入り、その瞬間に寝息を立て始めた。

 

(寝るのはっや…)

 

Wはそう思いつつ、パチパチと音を立てる焚き火をボーッと見つめて数十分、いや1時間が経ち始めた頃だった。

 

「……っ……うっ……」

 

「……?ヤマト?」

 

苦しそうに呻き声を出したヤマトにWは訝しながら、近くに寄った。

 

「〜〜〜っ~~~~っ」

 

(?何言ってんのかしら…?)

 

声が小さくヤマトが何を言っているのか聞こえなかったWは、興味半分で何を寝言で言っているのか聞こうとを耳を近づけ──

 

「……なるほど、そういうこと」

 

ヤマトが零していた内容に、改めて自分の予想が当たっていたことが分かりため息を吐いた。

そして、ヤマトの本質も同時に見抜いてしまった彼女は、ヤレヤレと首を振りながらため息を吐き、手をヤマトの頭に手を乗せて、軽く撫で始めた。

 

「大丈夫よ、今は1人じゃないから…だから今は何も考えず寝なさいな」

 

そうして、撫で始めて暫くするとヤマトはスースーと魘されることなく穏やかな寝息を立て始め、Wはそれを確認すると「ふーっ」と長くため息を吐いた。

 

(……ま、命を助けて貰った礼として暫くは面倒を見てあげますか)

 

それに美味しいご飯も付いてくるのだから、とWは自分だけがヤマトの本質を知れたことへの感情を無視するように、そう言い聞かせながら見張りを続けた。

 

 

 

******

 

 

 

(懐かしいこと思い出しちゃったわね)

 

Wはヤマトから借りた源石剣の柄を見て、勝手に世話を焼いてしまったループスの少年のことを思い出していた。

 

『それは預ける。だから、いつの日か返してくれ』

 

自分にそう告げて最後別れて以来、会っていない彼はどうしているのだろうか?

今も変わらず傭兵として戦場を駆け抜けているのか?もしくはありえないと思うが既に死んでしまったのか?もしくは──

 

(……ま、死んでさえなければどうとでもなるわね)

 

Wはそこで思考を中断し、源石剣を無くさないようにと専用のホルダーにしっかりとしまい込んだ。

 

(毎回、いい所で逃げられちゃったけど、次会うときは──)

 

 

*****

 

 

──結局、俺はあの人にお礼を言えずじまいで別れてロドスに入った。

──最近までは、何で行く先々で会うことが多かったのか分からなかったけど、ロドスに来て色んな人と過ごしてきた今なら、あの人は俺が完全に壊れないように見守ってくれていたのかもしれない。

──だから、次会えたらお礼を言いたい。

 

 

「あなたのおかげで、俺は一人の人間として生きていけた」

 

 

 

──これは、ある傭兵たちにあったかもしれない話。

 

──近い未来、彼らが同じ戦場を仲間として駆け抜けられるの日が来るのを願うばかり──

 




完結後に出そうと思ってた、裏設定を遅くなったお詫びとしてサラッと出していくスタイルを貫くアホ作者は自分です(出頭)
皆は真似しちゃだめだぞ!(当たり前)

キャラ紹介
ヤマト:Wを無自覚でたらしこみ、更にムサシが亡くなってからの期間が少しだけ判明し、合体剣を使う前はある人物の形見の片刃の大剣と源石剣を使っていたことが判明。そして、自分が壊れなかった理由がある人物が世話を焼いてくれたことに気が付き、会えたらお礼を言いたいと考えている。なお、身長はこの時点では15な(この先は血が着いていて読めない)そして、この時点でコミュ障による口数の少なさは発揮していた。しかしこの時はまだあがり症は関係していない。まだあがり症は関係していない(大事なことなので2回言いました)

W:今回のメインキャラにて、こちらではまだ実装されていないのにも関わらず、こちらの勝手な設定で書いてしまったキャラ。絶体絶命なところを颯爽と駆けつけ助けられた挙句、乙女心が刺激されるようなことをされまくった結果こんな感じに…チョロインになってしまったことは本当に済まないと思っています…。因みに、お姫様抱っこは密かに憧れてたり。

皆様はバグパイプ当たりました?自分は当たりませんでしたが、前のピックアップでケオペ当てたからいいかなと思ってます。
さらに、Wガチャに向けてガチャ運をチャージしていると思えばダメージは少なかったり。


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