いや、ちょっと中々納得出来る出来にならなくて結構時間がかかってしまいました…
そして、誤字修正の報告をしてくださった方、本当にありがとうございます!
さて、今回は短いですし内容薄いというゴミ仕様ですが、それでも良いという方は本編の方へどうぞ。
「うぐあっ!?…うっ…ぐっ……」
「はぁ…はぁ…勝った……?」
鎖のムチで腕を縛り、それから空中で振り回してから地面に叩きつけたループスの青年がピクリとも動かずに地面に倒れているのを見て、全身切り傷や打撲痕などでボロボロの少女は疲れたような声を出しながら、息を吐いて倒れた相手を見る。
ループスの青年は彼女の育ての親が遺していた予想データと自身の予想をはるか斜め上を行くほどの強さであった。正直、青年が別の方向に気を逸らしていなかったら負けていたのでは?と思う程だ。
最も、彼女としてはここまでギリギリの戦闘というのは初めてだったため、多少の不満はあれど初めて「楽しい」と思えた戦闘だったのだが。
「………ぅ……」
少女は痛みと疲れで悲鳴をあげている体にムチを打って倒れている青年の顔を覗き込む。
胸が上下していること、そして呼吸音がしていることからまだ生きているのは分かる。そして、それとは別に──
(──これが
痛みで顔を顰めて気を失っている青年を見て、自分と戦っているのにも関わらず、他の有象無象を一瞬だけ気にしたという事実に対してイラつきを感じ始め、更に自分だけのものにしたいという欲求が少女の中でふつふつと初めて湧いて出てきた。
(そうだ!私のことしか考えられないようにして、ずっと一緒に暮らしてみよう!)
「お嬢!もう終わりやしたか!?正直、もうキッついですが!」
「あ、良いタイミングだね。今終わったから医療アーツ使える奴を私とお兄ちゃんの治療に回して!」
「お兄…?とりあえず、すぐに向かわせます……初めてお嬢の楽しそうな声聞いたな…」
「ん?なんか言った?」
「い、いえ何も」
傭兵家業をしていくうちに、勝手に付いてきた者たちの中で1番気が利く男に少女は「よろしく〜」と言うと、「兄」と呼んだループスの青年の傷に簡単な処置を施すと、彼を担いでフラフラしながらもその場を去った。
そしてその場に残されたのは激しい戦闘があったことを示す様な痕と、そのループスの青年が使っていた武器である、バラバラに別れた6本の剣だった。
*****
「……捜査の進捗は?」
「…申し上げにくいですが、全くと言っていいほど進んでおりません」
「…ヤマトのエリートメダルからの信号は?」
「そちらもまだ…」
「そうか…とりあえず何か些細なことでも分かったら直ぐに報告を」
「分かりました」
あるオペレーターが部屋から出たのを確認すると、ドクターは机の上に置かれた数時間前に起こったある出来事の内容がまとめられた書類に改めて目を通しつつ、自分なりに出来事を簡潔にまとめ始めた。
「機密情報を護送し終えた、ヤマトを含めた部隊は帰還途中、突然武装した集団に奇襲をかけられて、当初は互角であったが後ろに控えていたループスの少女がヤマトに攻撃を仕掛け、部隊とヤマトを分断。当時、隊長を務め指揮を行いつつ前線に出ていたヤマトの強制離脱により、結果としてオペレーターの数人が負傷し、ヤマトは行方不明…か」
大まかな展開を確認したところで、ドクターは頭を働かせる。
(まずは、今回ヤマト達を襲った集団の目的だ。今回護送した情報が目的の可能性は0と見ていい。もしそれが目的なら護送している途中にするはず。次に考えられるのは何かしらを強奪する目的だけど…これも現場にヤマトの合体剣が6本バラされた状態で放置されてたから可能性は低い。…あと考えられるのも可能性は低いけど──)
「ドクター、アーミヤですが入っても大丈夫ですか?」
「ん、ああ。大丈夫だ、入ってくれ」
「失礼します」と言って中に入ってきたのは、先程まで今回の事件に巻き込まれてしまったオペレーター達から証言をさらに取っていたアーミヤだった。
「新しい情報は手に入ったか?」
「はい…その現場にいたオペレーターの1人がループスの少女がヤマトさんに対して、あることを言っていた思い出したそうなんです」
「あること?」
ドクターはそれに違和感を覚えるも、思考する前にアーミヤに続きを促した。
「それでそのあることって?」
「はい、それが『
「!!」
アーミヤが告げた内容にドクターは驚き、そしてループスの少女達が襲撃してきた理由の仮説が一気に現実味を帯びてきたことに、苦虫を噛み潰したような表情を浮かべる。
「ドクター?どうかなさいましたか?」
「…件の武装集団の目的が分かった」
「えっ!?」と驚くアーミヤを他所にドクターは更に思考を働かせる。
(残る問題は2つ。1つはヤマトの位置の特定。もう1つは彼の過去を話していいかどうかだ。…それだけじゃない。仮にヤマトの位置が特定出来てもどういうメンバーでヤマトを奪還するかの問題もある…)
ましてや、相手にはロドスの中でトップクラスの戦闘能力を持つヤマトを破った猛者が最低でも1人はいるのは確定事項というのを踏まえると、自ずとメンバーは絞られてくる。
(…どっちにせよ、ヤマトの位置が特定できるまでは時間がある。じっくり考えて慎重に考えるべきか)
ヤマトを絶対に助ける。
ドクターはそう心に決意しながら、脳内でメンバーを選択し始めた。
*****
「あ″あ″あ″あ″…お兄ちゃんガード硬すぎだよ…」
育ての親が遺し、現在では自分と「お嬢」と自分を呼び慕うもの達の拠点のとある一室で、いかにも拗ねてます!といったオーラを隠しきれていない少女がテーブルに突っ伏していた。
「お嬢、年頃の女の子がそんな声を出したらダメですよ…」
「指図しないでよ…」
注意した男性を少女は睨むも、その睨まれた本人は慣れているのか気にしない様子でココアが入ったコップとクッキーを彼女の前に置いた。
「とりあえず、甘い物でもどうぞ」
「ありがと…」
程よい甘さのクッキーをサクサクと食べながらも、頭の中で少女は兄と呼ぶループスの青年のことを考えていた。
先程、目を覚ました青年を早速自分好みの感じにするために、あれこれやったのだが流石、一時期は育ての親に育てられたこともあってか手応えが全くと言っていいほど感じられず、相手をしていた少女が参りかけたほど精神が強かった。
最も、彼を連れてきた理由を答えた際は困惑したような雰囲気をしていたが。
「それにしてもさあ、お兄ちゃんったら酷いんだよ?【先生】の元で育ったもの同士の、所謂家族なのに私のこと認めてくれないんだ…本当に妹に対してとる態度じゃないよ」
兄というループスの青年を連れてきたから、人が変わったように感情をさらけ出すようになり、以前ではこんな風にぶうたれることは無かった少女に苦笑しながらも、男性は声をかける。
「お嬢、前に作っていた装置は使わないのですか?」
「確かにあれ使えばすぐに思い通りに動いてくれるけどさ…それはなんか違うと思うから使いたくないんだよね…でも、」
──お兄ちゃんが私のものになる前に奪おうとするやつが来たら、使っちゃうかもなあ。
少女は不服な表情で、聞いた者の鳥肌が立つような冷たい声をだした。
今回から暫くキャラ解説のコーナーは休止します。
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