ロドス劇場   作:ゆっくり妹紅

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「ウルサス学生組の話かぁ…どんな話なんだろ」→「ぐわぁぁぁぁ!(SAN値減少)」

という6章でも経験した流れをまた味わう羽目になった上に、投稿が遅くなった駄目作者は自分です…
ああいう話見ちゃうと、どうしてもハッピーエンドにしたくなってしまいます…てか基本的にハッピーエンドにさせたいキャラが多すぎる…

そして分割と結合と手直しをしてたら予想以上に時間がかかってしまい、こんな遅くなってしまいました…本当にすみません。


さて、前書きはここまでにして本編の方どうぞ

あと、感想や批評お待ちしておりますので、遠慮なく言ってください!


再会

『実は、お前より前に育てていた子がいた』

 

──ある日、【先生】がそんなことを少し懐かしむように言い出した時は少し驚いた。

私の驚いた表情に気がついたのか、その日から色々と話してくれた。

曰く、私ほどではないがかなりの才能の持ち主であったこと。

曰く、危機察知能力においては私を上回るほどであったこと。

曰く、捨てるべきではなかった子だった。

 

他にも、色々あったけど【先生】が病に侵されてからは、その育てていた子の話をする時は懐かしそうに、そして後悔しているような声音で話していた。

 

──あの日死ぬはずだった私を救ってくれた【先生】は、私にとってはお父さんみたいなものだから、【番号079】は私にとってのお兄ちゃんと見ていいはずだ…【先生】はお父さん呼びはやめて欲しいって言ってたから、呼ばないようにしてたけどね。

それからはお兄ちゃんのことが気になって色々調べて、【先生】が死んで暫くしてから、今こうして一緒に暮らすようになってからは【先生】に褒められた時みたいに胸が暖かいような感じがした。

 

 

──そう、これからはお兄ちゃんと一緒に暮らすんだから、私は■■じゃなくなるんだ。この先、私とお兄ちゃんは■■として一緒に生きていくんだ。だからさ──

 

 

 

 

 

 

 

 

──『俺はお前のことなんて知らない!』

 

 

 

 

 

 

────私のことを【■】って、【■■】だって認めてよ。お兄ちゃん。

 

 

 

 

 

*****

 

 

 

 

「皆、集まったね」

 

ブリーディングルームに集まった、テキサス、ホシグマ、チェン、ラップランド、フロストリーフ、へラグ、シュヴァルツ、アーミヤ、ガヴィル、サイレンス、レッドを見渡しながら、ドクターは声をかける。

 

「今回ここに集まってもらった皆は、2日前に起きた襲撃事件で攫われたヤマトの救出作戦にあたって俺が厳選したメンバーだ。これから作戦概要を説明するけど、なにか質問がである場合はその都度してくれ」

 

ドクターは全員が頷いたのを確認すると説明を始めた。

 

「ヤマトのエリートメダルの信号がつい先程受信できて、彼がとある地点の地下にいることが分かった。その地下の詳しい構造までは不明だけど、あまり時間をかけられないのも事実。そのため、内部構造を把握してない状態で襲撃することになる。ここからは具体的な内容の説明に入るけど、この時点で質問がある者は?」

 

「ドクター、ちょっといいか?」

 

ドクターの呼び掛けに答えるようにガヴィルが声をあげ、ドクターは彼女に続きを促すように返事をする。

 

「どうしたガヴィル?」

 

「いや、ちょっと言いづらいけどよ。何でヤマトの坊主が生きてる前提で話が進めてるんだ?メダルの信号だけで生きてるとは限らねえし、私たちをおびき出すための罠の可能性だって考えられるだろ?それに、そもそもなんでヤマトが攫われたって断定できるんだ?」

 

「おま…!」

 

「まあ、確かにその可能性はあるけど…そうだね、ヤマトが殺されない、そして攫われたって思った根拠は勿論あるけど…これはヤマトの過去に関係があること含まれるから話せない…けど、俺が何もただ助けたいからだとかっていう理由だけで動いていないのは理解して欲しい」

 

「…分かったよ」

 

「ごめんね…さて、これから作戦内容を説明するよ。まず──」

 

ラップランドがガヴィルに食いかかる前に、ドクターは間髪入れずに堂々と答えた。ガヴィルはそれに対し納得した様子で返事をしたところで、ドクターは作戦の内容を話し始めた。

 

 

 

 

****

 

 

 

 

作戦会議が終わった後、ラップランドは自室に戻り武器の点検をしていたが、それも普段からしていたのもあってすぐ終わってしまったため、ベッドに腰かけ考え事をしていた。

 

思い出すのはヤマトが行方不明と聞いた時のことだ。あの時、ラップランドはタチの悪い冗談かと思い、笑い飛ばしてからそう告げてきたフロストリーフに「そういう冗談はやめてよね」と言おうとして、彼女が体を震わせているのを見て、否応でもそれが事実だと自分に突きつけられた。そこからは、自分でもどうかと思うぐらい荒れて、そして後悔した。

実はラップランドは彼が行方不明になる任務に行く前にいつも通り話していたからだ。

他愛もないいつも通りの会話であったが、よくよく思い返してみればヤマトの雰囲気は少しだけ緊張していたような気がし、もしかしたらなにかと勘のいい彼はこの事態になることを感じ取っていたのではないだろうか。そして、それに気づきドクターに自分も同行する、といえばこのような事態にならなかったのではないだろうか?そのような考えがラップランドを支配する。

 

(……ちょっと歩いてこよう)

 

気が滅入り始めたところで、彼女は時間はまだあるため気分転換に少しだけロドスの中を歩き回ることにし、部屋を出ようと──

 

「ラッピー、うっす」

 

「リーシー…」

 

したところで、部屋の前にいたリーシーに少し驚いた様子を見せた。

 

「…なんでここに──」

 

「来たかって?簡単よ、あんたを激励しに来たの」

 

「は?」

 

「とりあえずちゃんとヤマトを連れて帰りなさいよ?それとヤマト連れ去ったやつは私の代わりにちゃんと懲らしめなさいよ!それじゃ、お願いね!」

 

リーシーはラップランドに言いたいことだけ言い終えると、突然の事態にポカーンとしているラップランドをおいてさっさとその場を去っていた。が、その時ラップランドはリーシーの拳が震え、そして去り際に歯を食いしばっているのが見えてしまい、なぜ彼女がここに来てあんなことを言ったのかを理解した。

 

(勝手に託されても困るんだけどさ……でも、気は紛れたからその礼として、そのお願いはちゃんとこなしてやるよ)

 

何かと絡むことが多い彼女の願いを心の中で受け取ったと同時に、ラップランドの連絡端末が音を鳴らした。

 

「ドクター?どうしたんだい?……うん、ああ確かに。ソレの構造とかは一通り知ってるけど……なるほどね。うん、分かった。それじゃ」

 

出撃前にやることが増えた、とラップランドはため息を吐きながら思うも、ドクターから頼まれたお使いを済ませるためにとある場所に向かったのだった。

 

 

 

 

 

 

****

 

 

 

 

 

「……その話は本当?」

 

「え、ええ…周囲を警戒させているステルスドローンからこちらに向かってくるロドス・アイランドのマークがついた車両が先程確認されました…」

 

「そう…」

 

報告を聞いた少女は湧き上がる苛立ちを抑えきれず壁を殴り付けた。ミシッと嫌な音共に壁にヒビが入る。

今、少女にとってロドスがこの場所を何故突き止められたかは問題ではない。問題は彼らが自分から兄を奪いに来た可能性があるということだけだ。

 

何故だ?何故自分の邪魔をする?確かに最初は兄と殺し会うために接触したのは認める。しかし、それでもロドスの者にはなるべく怪我を与えないように指示をしたし、兄に関しては今はただ■■として過ごせる日々を願っているのに、何故邪魔されなきゃならいのか?

そう、ただ一緒に過ごせればいいだけなのに

 

「お嬢…」

 

「うるさい黙れ」

 

が、今はそれよりどうやって邪魔者を消せばいいのかを考えなくてはならない。相手が精鋭で来るのは容易に想像できる。問題はこちらが保持する戦力で対応できるかどうかだ。正直、相手の精鋭が兄と同等レベルでは負ける。いや、周りの被害を考慮せずに戦えば勝てるが、そんなことをして自分を勝手に慕っている者たちを一緒に消し飛ばすのは流石に気が引ける。

 

「…いや、待てよ……」

 

少女は打つ手なしかとため息を吐いた直後、もう1人()()()()()()()がいるのを思い出した。そして、そこから思考を働かせ──

 

「ねえ、ちょっと頼みたいことがあるんだけど──」

 

 

上手くいけば、自分にとって全て良い方向に進むことが分かると、少女は笑みを浮かべながら近くの者にある指示を飛ばし、他の者にも邪魔者を消すための戦いをすることを告げるために歩き始めたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

*****

 

 

 

 

「…まさか、そっちから出迎えてくるなんてね」

 

エリートメダルの信号が発せられている地点の建物の近くで、進軍していたラップランド達は目の前で陣形を整えて待ち構えている武装集団と睨み合っていた。

 

「…以前、ここに連れてきたループスの青年がいるはずなんだが、彼をこちらに引き渡してくれないか?」

 

「悪いけど、それは出来ないよ」

 

睨み合ったままでは埒が明かないと判断したドクターが、争いを避けられることを告げた言葉に、奥からそれを否定する声が響いた。

と同時に、武装した者たちが道を開けるとそこから黒いコート羽織り、腰に巻いた鎖のムチを、そして背中に長い太刀を背負い両手に拳銃を持ったループスの少女と、青いコートを羽織り、背中に推進機構がついた片刃の分厚い大剣を背負い、右腰に銃のホルスター、左腰に源石剣のホルスターをつけて、左手に大型の盾を持ち、そして変わったデザインのヘルメットを被りバイザーで目元を隠した青年が歩いてきた。

 

「本当はさ、お前達のことはノータッチでいくつもりだった。腹は立つけど、お兄ちゃんがお世話になってたところだから。でもさ…こうして私の邪魔をしてきたんだから、そうはいかなくなった」

 

「…つまり、ヤマトは引き渡すつもりはない。そして、俺らを排除する…ってことかな?」

 

「お前みたいに話が分かる人は好印象を持てるよ…だから、特別に今から殺してあげるね」

 

「!ドクター!!」

 

とてつもない速さで接近した青いコートを着た青年が、腰から抜いた源石剣でドクターに斬りかかろうとしたのを、いち早く気がついたフロストリーフは間に割って入りその一撃を自身の斧の柄で受け止め、そしてその隙を着いてラップランドが死角から斬りかかったが、まるでそう来るのが()()()()()()()()()()()その者はその攻撃を躱し──

 

「逃がすと思ったか?」

 

シュヴァルツが放った攻撃を左手に持っていた盾で防ごうとするも間に合わず、顔面にまともに喰らい、ループスの少女の方に吹き飛ばされて倒れた。そしてそれを見たループスの少女は「あちゃー」と額に手を当て首を振り、そしてレッドは()()()()()()()()()()()()()()()()()()倒れている青年を呆然と見ていた。

 

「今のが先程言っていた奴か?はっ、拍子抜けだな」

 

「んー、ちょっと制限強くしすぎちゃってたかぁ…いや、でも最初からフルパワーだと()()()()()がもたない可能性あったし仕方ないか」

 

ガヴィルの挑発に耳を傾けずにループスの少女が発した言葉に、ドクター…いやその場にいたほとんどの者が凍りつき、そしてドクターが声を震わせた。

 

()()()()()って……まさか…!?」

 

──顔面を撃ち抜かれたはずの青年は何事も無かったのように立ち上がる。

 

「あら?流石に分かっちゃった?それじゃあ、改めて紹介してあげるね」

 

──目元を覆っていたバイザーは砕け散っており、青年の顔がドクター達の目に写り込む。

 

「え……?」

 

「この人は【先生】からつけられたナンバーは079」

 

──どこか虚ろな目で青年はドクターたちを見やり。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ヤマ…ト……?」

 

 

 

「出来損ないの最高傑作にして、私の大事なお兄ちゃんだよ」

 

 

──青年…ヤマトは源石剣をしまい、銃を抜いて構えた。

 

 

 

 

 

 




次回「出来損ないの最高傑作」
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