これからも引き続き皆様の期待に応えられるような話をかけるように頑張ります!
さて、今回は下手すると批判意見飛んできてもおかしくない話なのですが…自分としてはこの話はやりたかったので書かせていただきました。
そして、今回は大陸版アークナイツで実装されたオペレーターが出てきます!つまり、ネタバレがありますので嫌な方は直ぐにブラウザバックをしてください…
ここまで読んでる方は覚悟は出来ているということですね?
それではどうぞ!
──「もしも」あの時彼女がたまたま避けれていたら?
──「もしも」彼女が生きていたら?
──これはそんないくつもの「もしも」が重なった世界線で生きる者たちの話──
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「やれやれ…まさか本隊と分断されるなんてな…今朝の星座占い当たってんじゃねーか」
女性は相棒と自分を取り囲むレユニオン達を見てため息を吐きながら、ラッキーアイテムを持っとくべきだったかと心の中で毒気付くと、彼女の相棒のループスの青年が驚いたように女性を見ていた。
「……占い、見てるんだ」
「おい、俺だってれっきとした乙女だからな?占いとか結構気にするタイプなんだぞ?」
「おと…め…?」
青年は心底疑問に思ったかのような声を出して、困惑した表情で女性を見つめる。
「いい度胸だ、帰ったらお前をふん縛ってラッピー、レッド、リーシーの前に『好きにしていいよ☆』って書いた紙貼っつけて転がしてやる」
「ごめんなさいそれだけは許して」
「冗談だ…さて、奴さんら待ちきれねえみてえだからそろそろやるぞ…背中は任したぞ。ヤマト」
「…そっちこそ頼むよ、ムサシ」
ムサシと呼ばれた女性は右腰に提げている刀を本来の利き手とは逆の左手で抜いて構え、ヤマトは左手に拳銃、右手にかなり長い柄と張り出した鍔が特徴的な大型の両刃直剣を持って互いに駆け出した。
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(ああ、そういやこれってあの時と微妙に似てるな)
ムサシは振るわれた刃を刀で受け流し返す刃で敵を切り裂きながら、捨て駒として投入され利き腕に重い後遺症を残した戦いを思い出していた。
あの時、数的に不利な撤退戦の中でムサシは
(それで、ヤマトが凄い自分のせいだって責めまくって、一時期は
そして、その出来事は代わりの武器を作ってもらおうと訪ねたシラヌイにバレて説教をくらい、それを機にちゃんとした所に所属するように言われた結果BSWに所属した、というのが流れだった。
「っ!」
そこまで思い返したところで、ムサシは急に悪寒を感じ後方へ下がる。すると、その次の瞬間には巨大な武器が振り下ろされコンクリートの地面を砕いていた。
「おいおい…ここでクラッシャーかよ…」
ムサシは斧を構えてこちらを見据えるクラッシャーを見て面倒くさそうにため息を吐いた。
「いや、居るのは事前の情報で知ってはいたけどさ…よりによって分断されてる時にご対面ってなぁ…」
チラッとヤマトの方を見ると彼も別のクラッシャーと既に戦闘を開始しており銃と剣、そしてアーツを駆使して戦っているが、相手はレユニオンのエリート。そう簡単にやられるはずがなく、己の防具と耐久力を活かして強引に攻めているせいもあって、ヤマトは苦戦…というよりも有効打を与えられずに長引いている様子であった。
そして、事前情報であればクラッシャーは更に2体いる話なのだから正直、詰んでいる。
(こりゃあ、ヤマトからの援護は期待できねえし早くケリをつける必要がある…しゃーない、ちと疲れるしシラヌイに説教されちまうけどやるしかないな)
ムサシはそこまで考え、アーツを発動させ右手を刀の刀身に添えて軽く撫でる。
すると──
「っ!!」
「ん?なんでそんな驚いてんだ?炎をアーツとして使える奴なんざ、別に珍しくねーだろ」
ムサシの刀の刀身は赤く燃える炎に包まれ始めた。
「炎熱」それがムサシのアーツである。最も、彼女のそれはレユニオンのリーダーやイフリータに比べれば子供の遊び程度の代物だ。しかし、熱量はかなり高くクラッシャー…いや対峙する者としては脅威であるのは変わらない。
「あー、2人でこの大軍相手とらなきゃ上に、ヤマトが無理しないように立ち回りつつ、お前をさっさと片付けなきゃならんってハード通り越してルナティックだろ…」
とムサシが面倒くさそうに言った直後、立て続けに爆発音が戦場に鳴り響き、それに1歩遅れて悲鳴が響き渡ると同時にオペレーター達を連れたドクターの姿がヤマトとムサシの視界に入った。
「爆撃って…まさか…」
「ば、爆弾!?ど、どこから!?」
「落ち着け!まずは、固まらずに動──うぐわぁ!?」
「ヤマト、ムサシ!遅れてすまない!術士はクラッシャーに火力を注いでくれ!」
「了解!」
オペレーター達が奮闘していく中、ムサシは内心笑みを浮かべていた。
(ああ、そうだ。あの時と違うのは雇い主が信頼できる人であること。あと──)
「子犬ちゃん、私とラップランドで援護してあげるからちゃんと仕留めなさいよ?」
「おい、人のセリ──「分かった!」ヤマト、人の話は聞きなよ?全く…」
「ムサシさん!援護します!」
「オーケー、リスカム!合わせてくれよ!」
相棒以外の信頼出来る仲間達の援護の元に、ヤマトとムサシがクラッシャーを打ち倒すのに対して時間はかからなかった。
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「それで?勢いよくやっちまった結果がこれ?」
「「…はい」」
「そろそろ怒るわよ?」
ロドスの基地内の装備開発関係の部屋にて、正座しているヤマトとムサシを見ながらシラヌイはため息を吐いた。
結論から言えば、武器兼アーツユニットである2人の刀と剣は過度なアーツの使用により、いつ壊れてもおかしくないくらいの損傷をしていた。
「あのさぁ…いつも言ってるけど耐えられないほどのアーツを流すなってヤマトは初犯だからともかく、ムサシは何度言えば分かるの?馬鹿なの?死ぬの?」
「何言ってんだ、馬鹿に決まってるだ──謝りますのでその手に持ってるヤマトの銃を額に当てないでください」
「全く、最初から謝りなさいよ?あと、毎回言ってるけど早くケリを付けようとしてアーツを込めすぎないでよ?」
シラヌイはそれだけ言うとムサシの額に突きつけていたヤマトの銃の一つである「トンプソン・コンテンダー」という銃を、ヤマトに手渡した。
「はい、要望通り倍率スコープを取り付けておいたわよ。あ、もう片方の拳銃もついでに見るわよ?」
「いや、流石にこいつだけは自分でやるよ…俺だけで武器3つも点検と修理してもらうのは申し訳ないから…」
「ムサシ、頼むからあんたも少しはヤマト見習って?」
「嫌でござ──待て待て!そのバチバチなってる警棒を今すぐ下ろせ!!ヤマト!お前も見てないで助け──」
「ヤマト、ジェシカ達があんたのこと探してたから会いに行ってきなさいな」
「え、いや、でも──」
「………」
「わ、分かった…それじゃ行ってくるね」
「お、お前!相棒を見捨てるのか!?この、薄情も──」
ヤマトはその直後に聞こえてきた悲鳴が聞こえぬように耳を塞ぎながら、先程目がイってる状態のシラヌイの姿を思い出さないようにしながらその場を急いで去ったのだった。
****
「ヴァルカン、毎度のことだけど手伝わせてごめんね…」
「なに、私と君との仲だ。気にしないでくれ」
「ツマミうめぇ」
「ムサシ、アンタは反省してくれない?」
ロドスの基地内にあるバーにて、その日の業務を終えたシラヌイ、ヴァルカン、ムサシはカウンター席に腰掛けながら話していた。
「あ、そういえばヤマトって結構モテんだな」
「そうなのか?私はそういった話題はあまり聞かないから知らないが…」
「おう、ここに来る前になんかラップランド、W、リーシー、ジェシカ、エンカクに囲まれててな!あと物陰からレッドも居てな…いやー、アイツがあんなにモテるなんて育てた身としては鼻が高いわ!」
「…その中で男が1人混ざってるし、しかもまともなのがジェシカちゃんしか居ないってのがもう…ヤマトは何で訳アリだったりやばい人に目をつけられちゃうわけ?お腹痛いわ…」
「…胃薬いる?」
シラヌイが弟分のヤマトがとんでもない目に合うのではないか、もしそうでなくても恋人ができてそれを報告しに来た時のことを考えお腹を痛めている友人を見て、ヴァルカンは真剣に心配した時だった。
慌てた様子のヤマトがバーへと転がり込んできた。
「ん?ヤマト?そんなに慌ててどうし──」
「ヴァルカンさんに、ムサシにシラヌイ!?誰か来たら誰も来てないって言っておいて!!」
「は?どういう──」
「ちょっと失礼するわよ〜」
ムサシが問い質す前にヤマトがバーのカウンターの裏に隠れると同時にWがバーの中へと入ってきた。
「おん?Wじゃねーか。一杯飲みにきたのか?」
「それも悪くないけど…生憎と今日は別件なのよ…子犬ちゃん見なかった?」
「子犬ちゃん?…ああ、ヤマトのことか。なんだ、あいつに用でもあんのか?」
「ええ…少しお話したいことがあるから探してるんだけど…こっちに来てない?」
ムサシはこの瞬間、ヤマトが何故逃げてきたのか何となく察した。
恐らく、先程の修羅場から何らかの手段で逃げ出し現在逃亡している最中なのだろうと、ムサシは考え。
「そこのカウンターの裏にいるぞ」
「「え?」」
「ちょっと!?何バラして…あっ」
バラしたムサシにシラヌイとヴァルカンが目を見開き、ヤマトが思わず隠れていた場所から体を出して突っ込んだところで、Wはニヤァと効果音がつきそうなぐらいに口角を歪ませた。
「あら、そこに居たの…もう、逃げちゃダメでしょ?」
「……っ!」
ダッ!(ヤマトが地面を蹴る音)
ガッ!(ムサシが出した足にヤマトの足が引っかかった音)
べしゃ!(ヤマトがコケて地面に倒れた音)
「はーい、捕まえた〜」
ムサシの邪魔によってコケたヤマトをWが見逃すはずがなく、ヤマトはがっしりと首根っこを掴まれる。
そしてヤマトは必死の形相で抵抗しながらもムサシに問いを投げ掛ける。
「む、ムサシ!なんで…!?」
「そりゃあ…やられたらやり返すが俺のモットー…つまりあの時見捨てた仕返しだ☆」
「やっぱり!ぐえっ」
ヤマトがやっぱりあの時見捨てるんじゃなかったと後悔している中、Wはヤマトの首根っこを掴んだ状態で引きずり始めた。
「はいはーい、それじゃお騒がせしましたーごゆるりとー」
「おう、あ、でもヤマトはウブだからお手柔らかにな?」
「な、何言ってんの!?む、ムサシのバカ!!行き遅れ!!」
「おいヤマト!!あたしは行き遅れてなんかないからな!?まだピッチピッチの20代だぞ!?」
が、ムサシの必死の反論はWがさっさと連れていってしまったためヤマトに届くことはなく…
「ムサシさぁ…私が言うのもなんだけどピッチピッチの20代はないわー」
「…素が出てるってことはお前も焦ってはいるんじゃないか」
「……泣くぞ?」
この後、めちゃくちゃお酒飲んだ。
****
「ふー…まさかムサシが結婚を考えてたなんてね…」
シラヌイは自室にて酔っ払った腐れ縁の友人が零した心からの叫びが未だに信じられず、ベッドに腰かけながら呟いた。
(いや、それよりも…)
そこでふと、シラヌイはムサシがヤマトが隠れていたのをWにバラした本当の理由を思い出した。
『アイツにはさ、もっと色んな人に囲まれて馬鹿みたいに騒いで欲しいんだ…今まで、そんな機会作ってやれなかったから、せめてロドスにいる間だけはな』
(あのバカがヤマトのことをあそこまで考えて、敢えてばらしたなんてね…すごい進化よね)
シラヌイはそこまで考えて、ヤマトが鉱石病になりロドスに行くことが決まった際にムサシが上層部に直談判して「自分もついて行く」と言い出した事も加えて思い出し。
(本当、人って面白いわよね)
クスッと笑みをこぼし、これからも彼らと一緒に過ごせることを柄ではないと分かりつつも祈った。
──これは彼女が生き残った世界。
──彼らがこれからも騒がしくも笑顔を浮かべられる日が続くことを祈るばかり──
感想や批評お待ちしてます!
キャラ紹介
ヤマト:ムサシが生き残ったifルートのヤマト。BSWに所属してからは、リスカム、フランカといった先輩やムサシのの指導の元メキメキと実力を上げ、剣にアーツを纏わせたり銃による狙撃が出来たりとオールラウンダーみたいな感じに。そしてある1件で鉱石病を患い、ロドスに行くことになったのだが、そこで過去色々とあった人達と再会し、更に後輩のせいで賑やかな日々を送る羽目に。暫くは「ムサシが自分の背中で息を引き取る」夢を頻繁に見ていたが、ある日を境に全く見なくなったとか。使ってる武器はメインに大型の両刃直剣、サブにベレッタ92Fとトンプソン・コンテンダー(アンコール)。ゲーム的には遠距離前衛で、S2がプラチナみたいな感じになる(この時はトンプソン・コンテンダーによる攻撃しかしない)。ヤマトの剣の特徴を聞いて某ソードワールド2.0を思い浮かべた人はいい話が出来そうですね?
ムサシ:今回の話の主人公と言っても過言ではないオリキャラ。この世界軸ではバランスを崩したお陰で急所は外したが、変わりに右腕を負傷、その怪我が原因で右腕が戦闘に使えなくなってしまった。そのため、大剣が使えなくなったので片手でも使える&使ってみたかった刀を新たな武器として使ってる。今年が20代最後の歳で彼氏募集中。なお、気を抜くと一人称が「俺」ではなく「あたし」になる。戦闘スタイルはゼ○ブレイドのダ○バンさん的な感じ…まあ、あの人は刀に炎を纏わせませんが。
シラヌイ:ifルートで出番が多い武器職人。ヴァルカンとは武器職人仲間として仲はかなり良好。時折、武器談義で夜更かしすることもあるとか。どんな無茶ぶりな武器でも、しっかり作ってくれるため、ムサシからはドラえも○扱いされてる節がある。ヤマトのことは弟、ムサシはほっとけないアホとして見ている。
ヴァルカン:星5重装にして、インドラと同じ公開求人しか来てくれない幻のツチノコオペレーター。性能は持っていないため、詳しくは言えないものの特性が「味方の治療効果を受け付けない」といったもののため、運用はかなり特殊そう(小並感)。また、今回のイベントにて武器職人と面倒見が良い面が描かれた。最高か?
ジェシカ:今回は名前のみだが、実はヤマトの後輩設定。厳しくも優しい先輩としてリスカムたち同様尊敬している。なお、ムサシ曰く「先輩以上の想いを抱えてるぜ、あれは」とのこと。真偽は定かではないが。
W:みんな大好き爆弾魔お姉さん。本編より先にifルートで登場。ネタバレになってしまうが、大陸版では1周年記念ガチャで登場。当小説では、ヤマトガチ勢の1人。何があったかは…本編でいずれ(恐らくW実装されるのが我慢できず、実装前に書くと思います)
バーのマスター:終始無言を貫き通した。