ロドス劇場   作:ゆっくり妹紅

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色々言いたいこと、すっごいありますがそれは後書きにて書かせていただきます。


最終回「頑張るよ」

「──結果として、ヤマトの救出は成功。加えて、彼の妹と彼女に付き従っていた者たちを引き取り、現在は監視下に置かれるのを条件としてロドスに住むことを許可。現在は全員にコードネームを配布し、オペレーターとしての講習を受けている…ふぅ」

 

あの作戦から数日が経ち、ドクターはケルシーに出すための報告書を作成に追われていた。

そして、それも今打ち込んだ内容で最後となり、それをケルシー宛てに送信したところで息をつき、当時のことを思い出す。

 

あの時、ヤマトに通信越しで言われたのは「彼女たちをロドスで引き取って貰えないか?」だった。さっきまで敵だった集団を引き取れと言われた時はどうしようかと考えてしまったが、正直な話ヤマトの妹の能力の高さは喉から手が出るほどのもので、彼女がいればこちらにとってプラスになるのは明白。その上、彼女に付き従っていた集団もそれなりの場数を超えてきたのか実力はロドスの中でも中堅クラスのものと見て良かった。

その結果、ドクターはヤマトの頼みを受け入れ彼女らをロドスに連れ帰り、「どういうことだ」と言わんばかりの厳しい視線を向けるケルシーやドーベルマンをヤマトと共に説得、こうしてロドスで暮らせるようになったのだ。

最も、帰還したら銃弾を避け無かったせいで包帯だらけのヤマトを見てリーシーが気を失いかけたり、グムが泣きそうになったりと一悶着あったのだが…

 

「まあ、結果オーライ…だったのかな」

 

ドクターはそう呟き、コーヒーでも淹れようと席を立ち上がり──

 

「「ドクター!ヤマトはどこに行ったの!?(お兄ちゃんどこ!?)」」

 

「…おい、被せるなよ」

 

「…こっちのセリフなんだけど?あーあ、お兄ちゃんもこんな明らかにも暴力的な駄犬に好かれちゃってかわいそー」

 

「……上等だ、表出ろ」

 

「…すまないチェン、フロストリーフ。すぐに執務室に来てくれ」

 

「ちょっとドクター!?フロストリーフお姉ちゃんとチェンさんを呼ぶのはなし!私、おやつ抜きにされちゃう!!」

 

「おやつはともかく、あの2人の説教は長いからやめてほしいな?」

 

「もう呼んじゃったから…ってか、ラップランドとイカズチもいい加減反省してよ…」

 

ドクターは休暇届けと書かれた書類を書いて出した人物に「はよ帰れ」と願いつつ、目の前で繰り広げられる現状に呆れながらも軽く笑みを零したのだった。

 

 

因みにイカズチはフロストリーフに、ラップランドはチェンにこってりと怒られ、更にイカズチはおやつ抜きの刑、ラップランドはモフモフの刑に処されたのだった。

 

 

 

 

****

 

 

 

 

「……」

 

ある地方の町外れの近くにバイクを停めたヤマトは合体剣を背負い、両手に花束を抱えてとある場所へ向かっていた。

道は前に訪れた時と比べると雑草がそれなりに伸びてしまっており、それは時間が流れてしまったことをヤマトに告げていた。それでも、ヤマトはただ真っ直ぐ迷うことなく足を動かし続け、そして。

 

「……皆、久しぶり」

 

かつて自分が暮らした孤児院が存在し、今では空き地となってしまっていた場所で足を止めた。

 

「……最後来た時、皆のこと思い出すのが怖くてお参りもせずに行っちゃって、本当にごめん…最近、やっと踏ん切りが着いたんだ。」

 

ヤマトは花束を地面において黙祷をした後、申し訳なさそうでありながらはっきりと話し出した。

 

「先生の事なんだけどさ、ロドスっていう会社の人が先生の顔を知ってて、そこから調べたところ先生は、名を馳せた傭兵だったらしいんだけど、ある日突然傭兵を引退してある女性と一緒に感染者と非感染者の平等を訴え始めたらしくてね…それから間を置かないうちにその女性と結婚して孤児院を作って、感染者非感染者関係なく子供を引き取って暮らしてたらしいんだ。けど、ある日何者かが孤児院を放火。その放火が原因でその時孤児院にいた子供達と女性は逃げ遅れて…そして、当時外出してて一人だけ難を逃れた先生はそれ以来姿を見せなかったそうなんだ…」

 

ヤマトはそこまで言って言葉を一旦切った。

初めにこれを聞いた時、ヤマトは驚いたと共に少しだけ安堵していた。

【先生】は元は悪人ではなかった。ただ、大事な人達を失ってしまって、それが誰かの仕業だと知って道を外してしまっただけなのではないか、と。

 

もう、ヤマトの中で【先生】への負の感情は残っていなかった。あるのは、もしその事件が無ければあの人や孤児院の皆…兄や姉たちと今でも笑って過ごせていたのだろうか、という想像だった。

 

ヤマトは「よいしょ」と言いながら地面に座り、懐から中にクッキーを入れた包装紙を花束の近くに置いた。

 

「話したいことが沢山あるんだ。良かったら聞いて欲しいな…お兄ちゃんお姉ちゃん」

 

 

 

 

 

 

 

 

******

 

 

 

 

 

 

 

「──それでね、その子イカズチって名前になってね、いつも俺のそばにいるんだ。…俺もあの子みたいに皆にベッタリだったって思うとなんか恥ずかしいな…。でもそれをラーちゃんやフーちゃん、リーちゃん、メッちゃん、レっちゃんがいい顔しなくてさ…兄離れしろってね…」

 

ヤマトはそこまで言うと、話疲れたのか息をついて黙りこくり少し寂しそうな表情を浮かべた。

 

「俺さ、皆や先生の分まで頑張って生きるよ。もう、死にたいなんて思わない。…見守って欲しい…なんて言える義理じゃないけどせめてイカズチのことは見守って欲しいな…それじゃあ、また来年来るね」

 

ヤマトはそう告げ、立ち上がってその場を去ろうとした時強めな風が吹き──

 

『────』

 

「え…」

 

一瞬見えた光景と聞こえた声に驚き、ヤマトは目を擦り改めて見るとそこは花束と「皆で食べてくれたら」と置いたクッキーだけでだった。

 

ヤマトは自分にとって都合のいい妄想だったのだろうか、と一瞬考えたがそれはしてはいけないことだと何となく感じ、ヤマトは笑みを浮かべて改めて歩き出した。

 

「ありがとう、皆、ムサシ…頑張るよ」

 

それだけ告げて、ヤマトは先程見た光景──孤児院の子供達とムサシが呆れながらも笑っていた──を胸にしまい込んで歩き出した。

 

自分を待ってくれている人達がいる家へ。

 

 




はい、という訳で「ロドス劇場」の考えていたプロットは今回で全て、終了致しました。まず、初めに今までこの作品を読んでくださった皆様に感謝の気持ちをお伝えします。皆様のおかげで、無事に予定していた話を出し切ることが出来ました。本当にありがとうございました。

さて、前にとったアンケート…特にこれといった理由を説明せずにオペレーターを選んでくださいってやつなんですが…あれはヤマトを洗脳を誰が解放するかを決めるやつでした。なのでフロストリーフがヤマトの相手をしたのはアンケートで1番だったから、と普通であれば収まるのですが…実を言うと当初の予定ではアンケートは取らず、フロストリーフが説得するという流れだったので、アンケートにしても同じ結果になったのは正直驚きました。

さて、これからに関してなのですが…最終回と言っておいて非常に申し訳ないのですが…投稿を辞めることはしないです。これからは、2ndシーズンとして最終回とか全く考えてない状態でほのぼのな日常的な話を投稿していきたいと考えています。そのため、基本的にネタが思い浮かんだら書く、という形になるので投稿は今まで以上に遅くなると思われます。下手すると1ヶ月も投稿しないなんてこともあると思います。それでも、いいという方はぜひ暇つぶしになるかわかりませんが読んで下さるととても嬉しいです。
そして、今日からまたリクエストの募集を再開させていただきます。リクエストの内容は本編にそった話だけではなく、ifルートのリクエスト…例えばペン急ルートでこういう話を読みたい!という感じのリクエストも募集するという感じにします。活動報告欄の方で改めてそれようのリクエスト欄を作りますので、ぜひ遠慮なく書いてください。送ってくだされば、なるべく早く投稿できるようにします。
そして、おそらくこの話が出てる頃には出てるであろうアンケートにも協力してくださると大変助かります。ただ、どっちもキャラ崩壊待ったナシなのでそこはご了承ください…いや、本当にすみません。

長くなりましたが、改めて読んでくださった皆様に感謝の言葉を送らせてください。
これまで読んでくださりありがとうございました!

あ、あとキャラ設定ところでヤマトくんのボイスを追加しました。
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