ロドス劇場   作:ゆっくり妹紅

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という訳で、今回はとあるifルートの話となっております。
そして、今回のルートは今までのifの中じゃヤマトは1番救われてると思うルートでもあります。

そして余談ですが一言…大陸版のテキサスの新コーデエチエチですね…


ifルート:辺境の守護者達

──もしも、あの時彼が外出していなかったら?

──もしも、それがきっかけでとある武装集団が出来たら?

──もしも、その武装集団が感染者非感染者関係なく助ける組織だったら?

 

これはとある「もしも」の世界を辿った話である──

 

 

 

******

 

 

 

 

 

「ガルーダ2より各員、目標の確認はできたか?」

 

『こちらガルーダ1、ガルーダ4とポイントB2より目標を視認』

 

『ガルーダ3。狙撃ポイントA2より視認』

 

『こちらガルーダ5。狙撃ポイントC5より視認』

 

「了解した」

 

それを聞いたフェリーンの女性は頷くと、今回の討伐対象の突然変異をして凶暴化した巨大感染生物の狼を望遠鏡越しで改めて確認した。

その生物は元が狼とは思えないほど巨大で、そして頭から鋭利な角が、手足には頑丈な爪があった。

 

「改めて確認するが、今回の感染生物…仮称「狼竜」はその巨体からは想像できないフットワークの軽さを活かした近距離戦を得意とする…が、詳しい情報は不明だがアーツによる攻撃を行うという話もある。ガルーダ2とガルーダ3の両名は離れているとはいえ、奴のアーツ攻撃にも気を配れ」

 

『『了解』』

 

「ガルーダ1、ガルーダ4は狼竜がガルーダ2とガルーダ3の所へ行かないように食い止めるのが役割だ…それでは、行動を開始する!」

 

「了解…それじゃ行くよ。ガルーダ4」

 

「はーい、ヤマトお兄ちゃん」

 

「…行動中は本名で呼ばないでよ……」

 

相変わらずな妹分にため息を吐きつつも、群青のコートを見にまとっているループスの青年は推進機構がついた片刃の分厚い大剣を両手で持ち、丁度真下を通った狼竜の背中へ飛び降りた。

 

 

 

 

 

*****

 

 

 

 

「ガーディアンの第1特務隊の小隊の一つがうちに?」

 

「ああ、そうだ。チェルノボーグの一件で向こうから提案されて決まった」

 

ケルシーから話された内容にドクターは「ふむ」と少し考える。

 

【ガーディアン】。その組織は現在ロドスと協力体制を結んでいる警備組織…という名の武装集団だ。最も、彼らはただの武装集団ではなく天災により被災した都市や地域への無償の救援を行ったり、感染者の保護と治療といった活動の方が多い。そのため、これだけを聞くと慈善団体と思われがちだが、それだと何故武装しているのかという疑問が出てくる。その答えは、彼らは突然変異を起こした危険な感染生物の討伐を第一に行っているからだ。

 

突然変異した感染生物は場合によって天災と同レベルで被害をもたらすこともあり、様々な国家もその対処をしてきてはいたのだが、正直な話そう何度も討伐隊を派遣するほど人員は足りていないところが多く、どの国家も悩みの種となっていた。

そんな時に現れたのが、報酬さえ払えば感染生物を討伐すると謳った【ガーディアン】であった。最も、どの国家も最初は胡散臭い彼らを信用をすることは出来ず、有用性を確かめるため当時最も脅威であった感染生物の討伐を後払いで依頼した。無論失敗したら0という条件付きで。

 

だが、そんな依頼を【ガーディアン】は「あ、いいっすよ」と軽く返事して、そしてその感染生物を人的被害無しの上、周りの被害も軍が対処した場合の予想を下回る被害で討伐を成し遂げた。それも予想を遥かに上回る早さで。

…余談だがそれを聞いた重鎮たちの語録は「ふぁっ!?」「やりますねぇ」「(やった事が)めちゃくちゃだよ」等と野獣になったとか。

結果として、【ガーディアン】は信用を得ることが出来、現在では「感染生物の討伐は彼らがいなければダメだ」と言われるほどに重用されている。

 

「そうか…しかし、特務隊というのは資料で先程で確認した限りでは【ガーディアン】の中でも最強と名高い第7精鋭部隊と肩を並べるほどの隊だろう?そこの一個小隊ということはこちらが払う対価もかなりの物じゃ…」

 

「いや、『対価は住み込みで預かってくれればおk☆』とゴリ押しされてそれで決まった」

 

「えぇ…(困惑)」

 

珍しく心底呆れ疲れたような表情で投げやりに言ったケルシーを見てドクターは困惑の声を上げた。

 

「…全く、トップが交渉役を制御しきれてないとはどういうことだ…」

 

「え」

 

ドクターはガーディアンの行く末が心配になった。

 

 

 

 

 

 

*****

 

 

 

「…なるほど、つまりカシマ代表がゴリ押し交渉したのと手違いで俺らがロドスに暫く住み込みで働くことになった、と?」

 

「……ああ、そういうことだ」

 

「先生………」

 

「本当に申し訳ないと思っている…」

 

威厳も何もへったくれも無い様子で机に突っ伏したヴァルポの青年(年齢は三十路を突破)…ヤマトにとって育ての親兼師匠、そして【ガーディアン】の総司令長…つまり総責任者のマサムネ総司令をヤマトは呆れた表情で見ていた。

 

狼竜を無事に討伐し帰還したらマサムネにすぐに執務室に来るように言われ、慌てて来たらこれなのだからヤマトのマサムネに向ける目は仕方の無いことだろう。因みに、カシマ代表はそんなマサムネの妻なのだが…とにかく押しが強い上に言うことははっきり言うタイプの行動派で、マサムネは結婚してから尻に敷かれている日々が続いている。しかも彼女がとった策は案外しっかりしたものの上成功してるのだから、余計にマサムネは口が出せないという始末である。…最も、夫婦仲は良好そのものでプライベートの時間では新婚夫婦か!と言いたくなるほどイチャイチャしてるのだが。

 

閑話休題

 

「それで、理由をお聞かせ願いたいのですが?」

 

「…チェルノボーグの一件は知っているな?」

 

マサムネの問いにヤマトは真剣な顔持ちで頷いた。レユニオンと呼ばれる感染者の集団がチェルノボーグを制圧した事件であり、その情報を受け取ったガーディアンも救助部隊を編成し、派遣。今現在も救助に追われているといったものだ。

 

「その救助には第7精鋭部隊のクロウ小隊からサルガズの傭兵部隊と最低でもイカズチクラスのアーツ能力を持った敵を確認したという報告が入った」

 

「サルガズの傭兵だけじゃなくイカズチ並の人物が…!?」

 

そしてマサムネの重々しい口調から告げられた事実にヤマトは驚愕し、そしてすぐに今回の出向の意味を予測した。

 

「…今まで以上にロドスとの提携を強めつつ、ロドスがやられないように守る必要がある、ということですか」

 

「ああ、ここでロドスを失う訳にはいかない…かと言ってあまりに大規模な人員を派遣すると、こちらがつけ込まれる可能性がある。」

 

「そこで、俺らの小隊が行く。という訳ですか…」

 

無言で頷いたマサムネにヤマトは納得したような表情をし、続けざまに質問をした。

 

「ところで、俺たちはいつロドスに出向すれば?」

 

「……今すぐ」

 

「……今なんて言いました?」

 

「……緊急性があるため、今すぐロドスへ出向して下さい……」

 

「……………………」

 

「………本当に申し訳ない」

 

先程までの重苦しい雰囲気があっさりと無くなり、残ったのは目を全力でそらすマサムネと諦めの表情を浮かべるヤマトであった。

 

 

 

 

 

*****

 

 

 

 

 

「…うん、暫くはロドスにいる感じになるから会えないかな……え?それなら父さんたちが来るって…もう、お忍びでも今の情勢じゃ危ないんだし、2人とも狙われてもおかしくない立場にいるんだからやめてよね?……うん、それじゃあまたね……ふぅ」

 

 

ロドス艦内の自分に宛てがわれた部屋にて、ヤマトは自分の本当の親と連絡端末で話し終えたところで息を軽く吐いた。ヤマトの両親は、父方の父親の親…つまりヤマトの祖父が残した負の遺産のせいでヤマトを守るためとはいえ、一度手離してしまったのを悔いてしまっており、それが過保護という形で出てしまっていた。最も、それには親バカがあるのもないことはないのだが。

 

「……そろそろ夕食の時間かあ」

 

時計を見たヤマトは、少し疲れたように呟いた。というのも、ヤマトはロドスに知り合いがそれなりにいる。最も、それだけだったら別に良かったのだが、何故か妙に自分のことを気に入ってるヴァルポの女性を始めに、酒が絡むとヤバいゴリラ猫フェリーンのエリートオペレーター、何故か自分を子供扱いしてくる天災土ランスポーターのループス、果てにはちょっとしたきっかけで因縁をつけてきたサルガズの傭兵と白黒のループス(こいつらに限っては今日来て初めて知った)等といった輩がいるからだ。

正直、自分の小隊の(色んな意味で)個性的な隊員の相手だけでも大変なのだから、そこに+αされると考えるときついものがある。

 

「お兄ちゃーん、一緒にご飯食べに行こー!」

 

(…まあ、うじうじ考えてても仕方ない)

 

タイミング良くドアを叩いて呼びかけてきたイカズチの声に返事しながら、ヤマトは頭を振って無理やり意識を切り替えるとドアを開けて部屋を出て、イカズチと一緒に向かおうとしたところで前方から2人の女性が歩いてくるのが見えた。ロドスの制服を来ているのもあって、ここのオペレーターなのだろうと考えながら、ヤマトはその女性とすれ違った時だった。

 

「────」

 

ヤマトは何故か懐かしさを感じ、思わず立ち止まってしまった。それに戸惑いつつも振り返ると、もう既に2人とはそれなりに距離が離れており、見えるのは後ろ姿のみで顔を確認することは叶わなかったところで、イカズチが慌てたようにヤマトに声をかけた。

 

「お、お兄ちゃん!?泣いてるよ!?」

 

「え…あ、あれ…なんでだろう…」

 

初めて会った人のはずなのに、何故か嬉しくて胸が苦しくて、そして無事に会えたことへの安心感がごちゃ混ぜとなって、それがさらにヤマトを混乱させ涙は一向に止まる気配はなかった。

 

 

 

 

****

 

 

「…安心した」

 

「?ムサシ、何か言った?」

 

「いんや、何でもねえよ…ただ、元気そうで安心しただけだよ」

 

「……頭大丈夫?」

 

「おい、ストレートに貶すな。こう見えて心は豆腐通り越してシャボン玉なんだぞ?」

 

「それ、自滅してるじゃない…」

 

 

 

 




キャラ解説

ヤマト:本編やどのルートとは違いやべえトラウマはなく、そして自分の実の親とも良好とめちゃくちゃ救われている。この世界での装備は本編1stシーズンの「再会」の話の装備に加え、手榴弾3個と投擲用のピック数本を持っている。因みに、FA仕様だとそこにメテオリーテが使ってるようなハンドバリスタor爆弾矢と弓のセットと源石剣1本が追加される。歩く武器庫かな?なお、そんな救われてる彼が戦いの場に身を投げているのは、とある事件が関係しているようで…?そして、たとえ世界が違っていても彼女との絆は決して断ち切られない。

イカズチ:この世界線でもヤマトのことを兄と慕うブラコン最強シスター。隙あらば誰にとは言わないが夜這いを仕掛ける。が、成功したことは1度もない。

マサムネ:ifで名前が明らかになった【先生】。こちらではたまたま孤児院に残っていたお陰で襲撃に気づき、奥さんと子供たちを守りきった。その後、なんやかんやあって【ガーディアン】を創立し現在に至る。妻のカシマには頭が上がらず、完全に尻に敷かれている。が、実力はかなりあり、具体的に言うとヤマトとイカズチが2人がかりでかかっても余裕のよっちゃんで倒せるぐらい。尻尾は妻のために手入れしておりかなりモフモフしてる。

カシマ:【先生】こと、マサムネの奥さん。この世界では【ガーディアン】の交渉関係を担当している。気が強く、言うことははっきり言う性格。「自分は傭兵だから」とウジウジしていたマサムネを襲って既成事実を作り、そして同時に彼のハートを鷲掴みしてゴールインという裏設定があったり。

ガルーダ2:フェリーンの女性医療オペレーター。ガルーダ小隊のブレインであり、そして副隊長。モフモフをこよなく愛している。

ガルーダ3:サンクタの男性狙撃オペレーター。基本武装はM24とキャリコM950と改造したベレッタ92F。任務によってはアンチマテリアルライフルを持ってくる。極度の銃オタクで部屋には使わないのに色んな銃がある。彼女募集中。

ガルーダ5:コータスの女性術士オペレーター。見た目はクールで仕事が出来るOLという感じなのだが、実態は天然ポンコツな上、急に変なことを言い出す変わり者。ロドスに着いた時の第一声は「おうどん食べたい」。

ムサシ:なーんか訳アリな発言をしてた姉御。こっちの世界で生きてる理由はヤマトとコンビを組んでなかったため、死ぬはずだった戦いに参加しなかったというもの。つまり、ヤマトとコンビを組んだ時点で…。

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