これからも精進していきますので、これからもよろしくお願い致します!
さて今回はリクエストにあった話を投稿させて頂きました。
それではどうぞ!
1/9 後書きの次回予告(嘘)の内容を少し書き換えました。
訓練所にて、ヤマトは模擬戦用の刀を腰に着けた状態で、少しだけ不満そうな表情のインドラと対峙していた。脇の方を見れば、真剣な顔で見学しているメランサ、何時になく真面目な雰囲気のフランカ、そして──
「……」
まるで見定めるかのように目を向けるシージが立っている。
(なんでこんなことに……)
ヤマトは心のうちでそんなことを思いながら、こうなる経緯を思い返した。
*****
「おーい、ヤマト!今空いてるかー!」
それは訓練所にてフランカ監修の元、ヤマトはメランサと実戦形式の訓練をしていたのだが、その最中に乱入してきたエンカクをヤマトが何とか倒して追い返して暫くしてからの事だった。
さも当然のようインドラが入ってきて、彼女の姿を捉えたヤマトは今度はなんだと言わんばかりの雰囲気を出しながらも、無視するのは気が引けるため、一応返事をする。
「……なんか用?」
「おう!俺と模擬戦やってくれよ!」
「( ・᷄ὢ・᷅ )」←心底嫌そうな顔
「だははは!なんだその顔!」
「ふふっ…!変な顔~!」
(確かにちょっとだけ面白い…)
インドラとフランカは初めて見たヤマトの表情に笑い声をあげ、メランサは笑いを必死に堪え、そしてそれに対してヤマトは更にムスッとした雰囲気を出し、インドラに理由を話す。
「さっきエンカクとやったばっかだし、そもそもメッちゃんの模擬戦の話が先だから今回はなしにさせて…」
「ケチケチすんなよー。1本だけでいいからよ!頼む!」
案の定、引くわけが無かったインドラにヤマトは再度嫌そうな顔をする。ヤマトは別にインドラの事は嫌いではないし、寧ろ彼女の真っ直ぐな性格は好感を持てるほどだ。しかし、かと言ってエンカクと同じレベルで模擬戦を吹っかけられれば良い気はしないのは当然のこと。それに今回に限っては途中でエンカクが割り込んだものの、元々はメランサの模擬戦の相手役というのが本来の話。そのため、その話を破るような行為はこれ以上したくないのがヤマトの本音であった。
なので、何とか断ろうと口を開こうとして。
「私からもお願いできないか?」
突如入口の方から声が聞こえ、振り返るとそこには──
「お、王!?何故ここへ…」
インドラ達、グラスゴーの者たちが王と慕っているシージが何食わぬ顔で訓練所の入口に立っていた。インドラは彼女がこの場に来ていることに驚き、そしてそれはヤマトら3人も同様であった。
「お前がやけに機嫌良さそうに訓練所に入っていくのが見えてな。自分らしくないとは思うが、気になって着いてきただけだ」
シージの答えは分かりやすいものではあったものの、彼女の性格を知っているインドラは驚いたような表情を浮かべている。が、それも一瞬であり、すぐにヤマトの方へ向き直り。
「ヤマト、王もこう言ってるからやってくれよ?な?」
「えーと…」
余計に断りづらくなったヤマトはチラッと、フランカとメランサに助けを求めるよう視線を向ける。そしてそれを向けられた2人は一言。
「まあ、もう1戦ぐらいならいいんじゃない?それに、拳闘士相手の場合に気をつけた方がいいこと教えられるし」
「えーと、その…頑張って?」
メランサは少し戸惑いがちではあったものの、内容はフランカ同様助け舟は出すものではなかったため、ヤマトは諦めたのだった。
「あ、ヤマトが使う武器は
「「え」」
ヤマトとインドラの声が重なった珍しい瞬間であった。
****
ヤマトとインドラが模擬戦をするにあたって設けられた縛りは2つ。
1つはアーツによる身体能力の強化をしないこと、もう1つはアーツによる斬撃などの使用禁止。更にヤマトは普段使っている合体剣ではなく、メランサが使う武器と同様のタイプの模擬戦用の直刀を使うことが追加された。
このルールは、ヤマトみたいにアーツによる衝撃波などが使えないメランサでも参考になる模擬戦ができるようにというフランカの判断の元で決定され、理由を聞いたヤマトはあっさりと承諾し、インドラは「それじゃヤマトの全力と戦えねえ!」と文句を垂らしていたが、シージの一声により渋々了承し、冒頭に至っている。
(…久しぶりに刀を使うな)
そこでふと、ヤマトは刀を見てそんなことを考えた。そして更に思い出せば【先生】から初めて教わり、そして他の武器よりも丁重に教わったのも刀であった気もした。だからだろうか、何故か異様に手に馴染んだ。
「始め!!」
(って考えるのは後。今はやるべきことに集中しろ……!)
(……!来る……!)
フランカの開始を告げる声が耳に入ると同時にヤマトは意識を切りかえ、鞘から刀を抜き放ち距離を一瞬で詰め、抜刀し斬りかかる。
「うおっと!?」
インドラはそれをギリギリで躱し、二太刀目が振り下ろされる前にヤマトの懐に入り込み正拳突きを放とうとするが、その前にヤマトの逆袈裟斬りが振るわれ、それを避けるも、それも予想のうちだと言わんばかりに振るわれる横一閃の三太刀目をインドラはしゃがんで躱す。そして足払いをヤマトにかけるが、それをギリギリで察知したヤマトは後ろに跳んで回避し、着地と同時に再度インドラに接近し刀を振り下ろしたが、インドラはそれをメリケンサックを着けた右手で弾くと、ヤマトの懐に入り込み、ラッシュをかけた。
「オラオラオラァ!」
「っ!」
「ああいう風に拳を武器に戦ってくる相手に間合いを詰められちゃうと、手数、スピード共に負けちゃうから、こっちの間合いを常に保つように意識しなさい」
「は、はい!」
(インドラの連撃をああも捌くとは…なるほど、アイツが楽しそうに話す訳だ)
そのラッシュをヤマトは的確に刀で受けたり、体を逸らして捌いていくが、次第に攻撃がかすり始めていく。そしてそれを観戦しているフランカがメランサに色々と教えていた。その一方でシージはインドラの攻撃を捌くヤマトを見て、道理でインドラが彼のことを楽しげに話す訳だと、1人納得していた。
インドラの怒涛の攻めは、その合間を縫って放たれたヤマトの膝蹴りを防御したことによってよって止められ、その一瞬をヤマトは逃がさず刀を振るって牽制しつつ距離をとった。
「…まあ、あんな風に距離を離す方法もあるけど、他にもアーツで身体能力を強化して思いっきり下がったりとか、色々あるわね」
「な、なるほど…」
フランカの解説にメランサが頷く中、ヤマトはインドラが仕掛けてこないのを見ると、ヤマトは腰を深く落とし刀の切っ先をインドラに向け、左手を峰に添え──突進し、刺突を放った。
「しっ!」
「っ!」
予想以上の速さで離れた刺突をギリギリ視認出来たインドラは、体を横に逸らして何とか躱し、カウンターのの拳を叩き込む直前に、自身の直感が命ずるがままに体を後ろに逸らした。その直後、インドラの眼前をヤマトの刀が通り過ぎた。インドラはそのまま体を後ろに倒しブリッジをするように両手を地面につけると、両足を折りたたみがら空きとなったヤマトの胴体へ蹴りを入れた。蹴りを食らったヤマトは衝撃を逃すためにも、そのまま後ろに跳んで距離を離す。
「……」
「流石だな、今のを防ぐか…」
仕切り直しとなった場面で、インドラは先程の蹴りの手応えの無さからヤマトが攻撃を防いだことを悟っていた。そしてそれは正解であり、ヤマトはインドラの蹴りが胴体に入る直前左腕を盾にして防いでいた。
(……やっぱり真正面からの攻撃じゃ、全部反応されちゃうな。それなら…)
(……?ヤマトの野郎、なんで鞘を外して左手で持って刀を収めやがった?)
ヤマトは少しだけ痺れた左腕を軽く振ると、鞘を腰から外して左手で持ち、刀を鞘に収め腰を深く落とした。そしてそれを見たインドラは内心で疑問に思いながらも、飛び込んだら負けるという確信めいたものが渦巻いていたため、警戒を緩めず様子を伺った。
「「っ!」」
ほぼ同時、いや僅かだがヤマトが先に動いた。
ヤマトはインドラへ駆け出しながら刀の間合いに入った瞬間、鞘から刀を抜き放ち斬りかかるが、インドラはそれを危なげなく躱しそのまま懐へ潜り込み決定的な一打を加えようとして、あることを思い出した。
──なんでヤマトは鞘を左手で持ってた?
「くおっ!?」
結果として、その事を思い出したことによってインドラは意識から外れていた、ヤマトの鞘による奇襲をギリギリで躱すことに成功した。が、それはヤマトとしても想定内、いや、インドラなら躱すだろうと確信を持っていた。
ヤマトは鞘による攻撃の勢いを殺さず、そのまま回転するようにインドラに一閃。インドラはそれを手に持っているメリケンサックで受け止めるが、威力を抑えきれず体制を崩してしまう。そしてそれをヤマトが見逃すはずがなく──
「そこまで!!」
「……」
「……」
フランカの言葉で動きが止まった2人。ヤマトの刀はインドラの首に、インドラのメリケンサックはヤマトの鳩尾、とそれぞれ寸止めされている状態であった。つまり──
「納得出来ないかもしれないけど、引き分けってことでいいかしら?」
「だー、くそ!!納得いかねえ!!ヤマト、もう1回だ!!」
「やだ」
「即答かよ!いいじゃんかよー、お前だってスッキリしてないだろ〜?」
フランカの判定を聞いたインドラはスッキリしないのか、ヤマトにもう一度模擬戦の誘いをかけるも、当の吹っかけられた本人は即拒否。それを聞いて尚インドラはぶうたれ、ヤマトはため息、フランカはヤレヤレと首を振っていた。なおメランサはどうすればいいのか分からず、オロオロしていた。
「インドラ、そこまでにしておけ」
「お、王!?」
「彼女達の訓練の時間の間に1度やって貰っただけありがたい話なのだから、次回に取っておけ」
「…王がそう言うのなら」
「…さて、迷惑かけたな。行くぞ、インドラ」
「はっ!じゃーな、ヤマト!また明日やろーな!」
(それは嫌だ)
そうして嵐のように去っていったシージたちを見送った、ヤマト達はようやく自分たちの訓練ができると安堵の息をついたところで。
「ヤマト、もう1回やろう──」
「帰れ」
何故かまた来たエンカクに対して、ヤマトはただ一言そう告げたのだった。
******
別の日、訓練所にてヤマトは仮想の敵──クラッシャーの一撃をバックステップをして躱すと、合体剣と足にアーツを流し込み、強化された脚力を活かして急接近。
クラッシャーが接近してきたヤマトを迎撃するためにその巨大な武器を振り下ろす直前に、ヤマトは合体剣を全て分離、ギリギリでクラッシャーの攻撃を避け、近くの剣を取り隙だらけのクラッシャーに一閃、続けざまに散らばった剣を手に取って斬り付けていき、そしてそれを計5回行ったところで、空中にある、流し込んだアーツが抜けたファーストブレイドを取り、再度アーツを流し込んで急降下斬りを叩き込んだ。
「…………ふう」
クラッシャーのホログラムが消えると同時にヤマトは息を吐く。
「……やっぱり上手くいかないかぁ」
ヤマトが試していたこと、それは自身の切り札である剣技にアーツを流し込み、術攻撃が出来るかどうかであった。
結果としては失敗。最初の斬撃の段階で事前に流したアーツの出力が0に近いレベルまでになっており、術攻撃にはなっていなかった。ならば、その攻撃する度にアーツを流し込めばいいのでは?という話にもなる訳だが、これにも当然問題があった。
「攻撃のスピードが落ちゃうんだよなぁ…」
そう、アーツを込める時間が僅かに増えてしまうため並の相手ならともかく、ラップランドやチェン、ヘラグといった実力者達レベルになると見破られてしまうという別の問題が起きてしまうのだ。
(…相手によって使い分ける?いや、それだと重装備の相手には通用しないし…いっその事最後の段だけアーツを込めて…)
「精が出るな」
突如声をかけられたヤマトは、少し驚きながら振り返るとそこにはシージが立っており、手には何故か彼女の武器であるハンマーが握られていた。
「……あんたはシージ、さんだったか」
「無理に敬語は使わなくていい、その方が私も楽だからな」
「……用件は?」
「らしくないと分かってはいるがな。お前を理解するにはこれが一番だと思ってな、悪いが付き合ってもらうぞ」
(何で?)
ヤマトは天を見上げ、自分みたいなやつと模擬戦をやりたがる人がこんなに多いのか疑問に思い始めたが、その考えをすぐ脇に追いやってシージに向き直る。
「……1度だけだ」
「感謝する」
直後、2人はお互い武器を振り上げながら互いに駆け出したのだった。
*****
「ヤマト、ポテトをやろう」
「あ、ありがとうございます」
「なんで俺じゃなくてヤマトなんだ……」
後日、食堂で付け合わせのポテトをヤマトに渡すシージと、それを見て面白くなさそうな表情のインドラの姿が見受けられたのだった。
キャラ紹介
ヤマト:インドラとシージに目をつけられてしまった本作主人公。今回の話で刀と、何か見たことあるような技を扱っていたが、この技は全て【先生】から教わったものだと後に零した。シージとインドラの2人とは今回の話以来それなりに話すようにはなった。因みに刀を持ったヤマトは連撃をメインにした戦い方になる。
インドラ:公開求人でしかスカウトできない幻のツチノコオペレーター。ヤマトと1度模擬戦して以来、彼の並外れた勘と剣技、更に人となりが気に入った設定。最近、王であるシージとヤマトが親しげに話してるのが面白くないと感じてる。
シージ:星6先鋒のセイバーライオンさん。彼女も自分らしくはないとは思いつつも、ヤマトの事が1人の戦士として気になり刃を合わせ、彼の人となりを何となく知った。なお、ポテトは「もっと食べて力をつけろ」と言った感じでヤマトを言いくるめて食べさせている。そしてヤマトはそれを何一つ疑っていない。
メランサ:剣聖。今回のインドラとヤマトの模擬戦で、ヤマトの剣技と動き方をある程度学習し、ヤマトが放った刺突技を今は練習中。かわいい(脳死)
フランカ:かわいい(脳死)
次回予告(嘘)
やめて!今、CFのインチキメテオを食らった挙句、リーシーに煽られたら、イライラするわ、煽られて負けるわでWがキレちゃう!
お願い、キレないでW!あんたが今キレたら、ヤマトのあんたに対する印象はどうなるか分からないの?ストックはまだ残ってる、ここを耐えて冷静にやれば、リーシーに勝てるんだから!(多分)
次回、「W、ブチ切れる」 デュエルスタンバイ!
感想や批評お待ちしております。あと、次回予告の内容は…気が向いたら多分やります()