ロドス劇場   作:ゆっくり妹紅

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お待たせしました、今回もリクエストの話です。

……なんですが、リクエスト主さんの想像通りの内容になっているかちょっと微妙な感じとなってしまいました。本当にすみません。

それとまたアンケートを取っておりますので、宜しければご協力の方をお願いします!


かつての思い出

 

ヤマトにとって焚き火というのは野宿する際には必ずするべきものであり、同時に傭兵時代から必須のサバイバルスキルの一つでもあった。

ロドスに来てからも、ヤマトは実践こそはしていないものの、時折やり方の確認や必要な道具類の点検を欠かしたことはない。

しかし、人間というのはどんなに知識などを詰め込んだり、道具の点検などをしていたとしても実際にやらなければ、コツなどを忘れてしまう。

しかし、実践しようにもロドスではそんな機会は全くと言っていいほどなく、やるとしたら休暇を取らなければならない。だが、そこまでやる価値があるかと言われると、その休暇でラップランド達と過ごす時間を無くしてまでやる価値は無いに等しい。なら、ラップランド達を誘って一緒にやるというのも、ヤマト的には自分の勝手な都合に付き合わせることになってしまうため、最初から入っていなかった。

そのため、ヤマトは焚き火の実践というのを殆ど諦めていたのだが。

 

「ヤマト兄ちゃーん、これどう使うのー?」

 

「えっと、それはね──」

 

まさか、子供たちに、近くには川や森があったりする所でキャンプの仕方を教えることになるとは、いくらヤマトでも予想できないことであった。

 

キャンプの仕方を子供たちに教えることになったきっかけはドクターのある提案であった。その提案というのは、「子供達を外で遊ばせてあげたい」というものであり、彼がその提案を出した理由も「たまにはロドスの外の空気を吸うべきだろう」と、理性がなくなったんじゃないかと心配になったケルシー達が案外まともだと思ったものであった。

 

しかし、ここで問題になってくるのはロドスにいる子供たちの多くが感染者であることであった。つい忘れがちになってしまうが、このテラにおいて鉱石病にかかった感染者は排斥される存在であり、その感染者がゾロゾロと外で何かしているのを目撃されたらあらぬ疑いをかけられる可能性が高い。そのため、この提案は無くなる……はずだった。

 

ここからは一部の幹部しか知りえない話なため、ヤマトは詳しくは聞かされていないが、簡潔に言ってしまうと、とある企業がレジャーが楽しめる私有地を貸してくれるとの事で、今回のキャンプが決まったとの事だ。

 

そしてキャンプをするにあたって、流石に一度にロドスの全ての子供を出す訳には行かないので、3分の1に分けて日にちもそれぞれ別にして結構することになったのだが、ここでとある問題が発生した。

キャンプに関して詳しくて尚且つ、子供たちと交流があって好かれている人物が予想以上に少なかったことだ。最も、これに関しては子供たちに「キャンプするなら誰と行きたい?(大人の中で)」といったアンケートを取ったせいで、普段から子供たちの相手をしている人物のみ選ばれたというのが原因なのだが。

 

閑話休題

 

そのため、急遽ロドスの幹部で話し合いをしてメンバーを決めることになり結果として引率兼指導役として任命されたメンバーは、メテオ、ブレイズ、ヘラグ、プロヴァンス、メテオリーテ、ヤマトと子供たちの相手をしている女性オペレーターの計7名であり、この7名は当初こそ自分が選ばれるとは思ってなかったようで驚いていたが快諾、そして時は流れて現在の状況へとなる。……因みに、ラップランドとWは子供たちにとっては色んな意味で刺激的、イカズチとリーシーは野営をした事がないため除外されていた。

 

「ヘラグお爺ちゃーん!魚釣れたよー!」

 

「…これはなかなか大きい。よく釣れたな、偉いぞ」

 

「むー!俺だってー!」

 

「お姉ちゃぁぁん、餌付けられないよ…」

 

「はいはい、やってあげるからそんな声出さないの」

 

川の方ではヘラグと子供たちの世話をしている女性オペレーターの計2人が、子供たちと魚釣りをしており、ヘラグは穏やかな顔で子供たちを見守りながら自身も釣りを楽しみ、女性の方は餌を付けられずべそをかき始めた子を慰めながら餌をつけている。

 

「それで、ティピ型ってのはこうやって、こう組み立てるの!」

 

「???」

 

「いや、ブレイズさん。もっと分かりやすく説明しましょう?全員わかってませんよ?」

 

「あ、あれ?」

 

「仕方ない……いい、ティピ型っていうのは地面に小枝とか杉の枯葉を置いてから──」

 

「猫のお姉ちゃん…」

 

「子供から哀れみの目を向けられる私って……」

 

一方で、ご飯を作るための焚き火を焚くグループの指導をしているブレイズとメテオリーテは、焚き火の型やそのやり方を教える……ことになっていたのだがブレイズの説明は実際にやりながらの説明で、言葉の説明がないため「?」を浮かべて固まる子供が続出。それを見たメテオリーテが呆れつつも、ブレイズの担当分の子供たちも集めて焚き火のやり方をゆっくり実践しながら説明し始め、それを見た子供から可哀想なものを見る目で見られたブレイズは軽く凹んでいた。

 

そして我らがヤマトを含むメテオとプロヴァンスの3人はと言うと。

 

「──こうやってテントは建てるんだよ!それじゃ、やってみようか?」

 

「はーい!」

 

特に問題なくコトが進んでいた。それもそうだろう、メテオは落ち着いた大人のお姉さんという雰囲気があるため怖がったりだとかそういうのはなく、プロヴァンスに関しては持ち前の明るい性格のおかげですぐに子供たちと打ち解けたため、こちらも全く問題がない。そしてヤマトに至っては元々子供たちとは面識があり打ち解けていたのと、教え方が丁寧でわかりやすいというのもあって問題なくスムーズにテントの設営は進んでいったのだった。

 

 

 

 

****

 

 

 

 

 

「それじゃあ、ヤマトとメテオさん。何かあったらすぐに起こして下さい」

 

「分かりました、お休みなさいメテオリーテさん」

 

「お休みなさい」

 

「はい、お休みなさい」

 

時刻は飛んで夜中、設営したテントの近くにある焚き火の傍でヤマトとメテオは火の番と見張りをしていた。子供たちは既にテントの中で寝ており、ヘラグ達も睡眠をとっている。

今回のキャンプは、距離があるのもあって現地で1泊してから帰還という日程になっており、そのためテントの設営をする必要があったため、このような形になったのだった。

そして、引率役の殆どが戦闘を経験しているオペレーターなのも、万が一現地で野生動物や賊などに襲われた時、すぐに対応出来るようにという理由からであり、先程のメテオリーテの発言はその万が一が起こった時のことを指してのことだ。

最も、引率役に来てるメンバーがメンバーなので、襲ったら襲ったで襲った側がとんでもない目に遭う上に、その危険性も私有地というのもあってほぼ無いのだが。

 

「……ヤマトくんさ、結構手馴れてたけど誰から教わったの?」

 

パチパチと焚き火の音だけが鳴る中、メテオが昼間から思っていたことをヤマトに聞いた。

 

「……そうです。けど、知識の方を教えてくれたのは別の人でした」

 

「そう…」

 

ヤマトは一瞬だけ懐かしむような表情を浮かべて返事をし、燃える焚き火に視線を向けて静かに見始め、メテオも変に踏み込まないためにも黙り同じように焚き火に目を向け、2人の間から会話は無くなった。

しかし、この沈黙から気まずさというのはなく、むしろ穏やかでありメテオにとってはかなり良かった。

 

「……初めて焚き火を焚こうとした時、なかなか出来なかったんです」

 

「え?」

 

「知識としてはどうやってやればいいかは知ってました。だから、やってみようとしたんですけど、組み立てるのは上手くいかないわ、組み立てられても中々火がつかないわで全然ダメだったんですよね」

 

突然、話し出したヤマトに思わず目線を向けたメテオは、彼が懐かしそうに穏やかな顔をしていたのを見て、少しだけ驚いたが話をしっかり聞くため黙って耳を傾ける。

 

「そしたら、ムサシ……あ、傭兵だった頃の相棒で俺にとっては恩人なんですけど、中々上手くできない俺のために教えながら一緒にやってくれたんですよね……説明は擬音とか手振りばっかで分かりにくかったですけど」

 

「あら……」

 

「それでも、あの時、俺は凄い嬉しかったんだと思います。誰かと一緒に何かを騒ぎながらやるっていうのは初めてでしたから。だからなんですかね、今日子供たちに教えながら皆と騒いでたらムサシと過ごしたこと思い出しちゃって……あ、すみません。急にこんな話をしちゃって……」

 

そこまで言い終えると自分だけ話してしまったことに負い目を感じたのか、申し訳なさそうにするヤマトは、メテオからすると彼がまだ話し足りないように見えた。それに、メテオとしてはたまにしか話せないヤマトともう少しコミュケーションを取りたいのもあり。

 

「私は気にしてないわ。それより、君の話をもっと聞いてもいいかしら?」

 

「え、でも…」

 

「私が純粋に気になって聞いてるんだから、変に気負わないで。いい?」

 

「……分かりました。それじゃ、オリジムシを食べる羽目になった話を──」

 

「ごめんなさい、話しを振っておいて失礼なんだけど、その話はやめてもらえる?」

 

危うくオリジムシ食事会の話を聞かされそうになったものの、無事回避できたメテオはヤマトの昔話に耳を傾けたのだった。

 

「──それで、何故かそれ以来俺がいつもご飯を作ることになって、今思えば俺が料理をするようになったのは、誰かと話せるきっかけを作りたいというのもありましたけど、本当のきっかけはムサシの代わりにするようになったからだったんだと思います。あ、勿論ムサシの料理も美味しかったんですよ?でもその味付けが結構大雑把で、「飯は感覚よ!」って感じで……けど俺はそれでも凄い好きで──」

 

(……まさか、ヤマト君って結構ムサシさんのこと好きだったのかしら?)

 

なお、その話の殆どはムサシに関する内容で要約すると「ムサシ大好き」の一言に収まる内容であった。

 

 

後日、この一件でメテオは何故かヤマトに懐かれ始め、互いに暇な時は2人でキャンプをする仲になったとかならなかったとか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

****

 

 

 

 

 

 

「…はい、はい。それではその日程で。はい、分かりました、失礼します……ふぅ、疲れたぁ…」

 

「お疲れ様です、社長の好きなホットチョコレートをお持ちしました」

 

「ああ、ありが──あっつう!」

 

「…ふっ」

 

「……わざと、熱々で持ってきたね?僕が猫舌なのを知った上で!あー、舌がヒリヒリする……」

 

(ループスのくせに何言ってんだこいつ……ああ、けどもっと虐めてみたい)

 

「……なんか悪寒を感じるんだけど」

 

「んんっ!…それで、ロドスとは?」

 

「ああ、とりあえず何とか直接面談までは持っていけたよ……まあ、いくら貸しをこっちが向こうに作ったとは言え、よくこんな胡散臭い条件で話を聞こうと思ったよね……」

 

「……それを見越して私有地を貸したのでしょう?」

 

「まあ、そうだけどさ」

 

「……結局、彼がそうなんですか?」

 

「……いや、正直な話直接会ってみないと分からない。写真だけじゃ他人の空似ってやつの可能性もあるわけだし…まあ、それなしでもロドスとはウチの会社で感染者になってしまった従業員達の治療をお願いしたかったから、協力体制をしきたかったんだけどね」

 

「……本人だといいですね」

 

「うん……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

彼が先代の忘れ形見であることを僕は只管祈るよ」

 






今だから言えますけど、当初はヤマトくんにはG○バスターソードⅢか○NソードⅡ(ソードとビームサーベル機能のみ)を使わしてみようと思ってました(カミングアウト)



キャラ紹介

ヤマト:実はムサシ大好きオオカミ。もっともその好きは家族的なもので、尚且つ本人もちゃんと吹っ切れているので大丈夫。今でもムサシが買ってくれたサバイバル道具を愛用してる。

メテオ:星四狙撃の優しいお姉さん。こういう、ラナさんとは違った穏やかなお姉さんは個人的に結構好きです。ただ、今回の話でそのメテオさんらしさが出たかと言われると……はい、(出て)ないです。

引率役の皆さん:それぞれ、戦闘能力と子供たちと上手くやれるかを念頭に選抜。なお、名無しのオペレーターさんは戦闘能力は皆無なものの、子供たちからの人気が1番あったため選ばれた。皆様のご要望があれば、オリキャラ化の可能性が…?

イカズチ:血涙を流す勢いで一緒に行けないことを悔しがってた。

フロストリーフ:保護者陣営が1人増えそうなので少し嬉しい。

最後の2人:あからさまな伏線。

元相棒M(霊):お前……私の必死の説明をそんな風に思ってたんだな……あと、味付け大雑把で悪かったな!どうせ女子力ねえーよバーカ!(泣)

感想や批評などお待ちしております!というより下さいお願いします(土下座)
また、R18の方も含めリクエストは募集しているので活動報告の方からリクエストの方をお願いします!
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