ロドス劇場   作:ゆっくり妹紅

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すみません、少しブランク気味で投稿がかなり遅れてしまいました。
その上、今回の話はリクエストさせてもらった話だったのですが中々展開が思いつかず、いつもより短めです。


アイスとオオカミとスルト

 

「ヤマト、今日のアイスクリームはなんだ?」

 

「今日はシンプルにバニラ味のやつだよ」

 

「お兄ちゃーん!私の分はー?」

 

「イカズチの分もちゃんとあるから、そんな急かさないの」

 

ヤマトはスルトとイカズチに左右を挟まれる形でロドスの廊下を歩いており、それを見た男性オペレーターは「ああ、またか」というよな呆れたような目を、女性オペレーターは微笑ましいものを見るかのような目で、そして一部の変わり者は息を荒らげて見る中、その渦中のヤマトは遠い目をしながら、何故スルトに絡まれるようになったのか、思い返していた。

 

 

 

****

 

 

 

 

既に知っている人が多いと思うが、ヤマトの趣味は料理だ。そして彼がどれだけ料理が好きなのかというと、厨房に立っている時はどんなに忙しくても意識しなければパタパタと尻尾が上機嫌そうに振られるぐらいだ。

 

「~♪」

 

そしてその日ヤマトは、イカズチからのリクエストもあって、子供たちの分を含めアイスクリームを作っていた。製造所の仕事のせいで時計の針は15:30を指しているものの、夕飯を作るのは17:00からなので、厨房内には誰もおらず、そのためヤマトは尻尾を振って機嫌良さげに鼻歌を歌いながら作業をしていた。

 

(よし、あとはバニラ、チョコ、ストロベリーは1時間冷やせば完成だね!あとは冷凍庫に入れるだけなんだけど…予定より時間、余っちゃったな…)

 

冷凍庫にアイスクリームの入れて時計を見たところで、ヤマトは想像以上に作業がスムーズに進み終わっていたことに気が付き、どうしようか考えたところで、部屋にストックしてあるお茶菓子が少なくなっていたことを思い出した。

 

(…そうだ、トッピング用でクッキーも少し多めに作ろう!…そしたら、ついでに前に調べたピーナッツバターカップも作ってみるのもありかな?材料も前に纏めて買ったし…よし、それなら♪)

 

そうと決まれば善は急げだ、と言わんばかりにヤマトはエプロンを外すと機嫌良さげに調理場から出ると、早速必要な材料を取りに鼻歌を歌いながら自室へと向かったのだった。

 

 

 

 

*****

 

 

 

「………」

 

(えっと…次にこれを砕いて混ぜて…)

 

「…………」

 

(……し、視線が凄くて集中できない……)

 

 

必要な材料を持って戻ってきたヤマトはすぐにクッキーとピーナッツバターカップの2つを作りにかかったのだが、途中から視線を感じ、その視線の主に声をかけようか迷ったものの、中々声を出すことが出来ず結局その視線に気づいていないふりをして料理を行っているのが現状。無論、鼻歌なんて歌う気分になれるはずがなく、尻尾も垂れ下がっている。一応、視線からは敵意といったものは感じないのが救いではあるが。対処としてはこのまま放っておく、というのもあるがこうも強烈な視線を浴びせられ続けるのは精神衛生上宜しくない。

そのため、ヤマトは丁度調理の方があとはクッキーはオーブンで焼く段階、ピーナッツバターカップは冷蔵庫に入れる段階になったところで、勇気をだして声をかけることにした。

 

「…さっきから、こっちを見てるが何か用か?」

 

「……思ったより、声をかけるのが遅かったな」

 

その声に反応して出てきたのはスルトであり、ヤマトは予想外の人物の登場に驚いてしまった。それもそのはず、たまに作戦で一緒の部隊にこそなるものの話したことなんて、片手で数える程しかない上に彼女の気に触るようなことをした覚えがないからだ。

そのため、顔にこそ出てないものの戸惑うヤマトに対して、スルトは一瞬だけ視線をとある方向──冷凍庫に向けた後、狼狽えるヤマトに話しかけた。

 

「アイスクリームを作っていたよな?」

 

「あ、ああ…」

 

彼女の発言を聞いて、アイスクリームを作ってる時から見られていたのかと、ヤマトは考えた時、ノリノリで花歌(鼻歌)を歌いながら作ってるところも見られていた可能性があるということに気がつき、羞恥心で今すぐ部屋に返って布団の中で丸くなりたい衝動に駆られるも、何とか堪えてその場に留まる。

 

(いや、まだ鼻歌歌ってたことはバレてない可能性はあるんだ。大丈夫、先に話を逸らせば──)

 

「そういえば、鼻歌を歌いながら作っていたな…尻尾も凄い勢いで振ってたし随分と上機嫌だった上に、顔も凄い気の抜けたというか…こう、ふにゃっとした感じというか…正直、同一人物かどうか疑うレベルで普段と違ってたな」

 

(思いっきり聞かれてたし、見られてたー!)

 

話を逸らそうとした瞬間、スルトにトドメを刺されたヤマトは鼻歌を歌ってノリノリでアイスクリームを作っていたのがバレたこと、しかもそれがあんまり話したことも無ければ、当然そんなに交流がないスルトということもあり──

 

「その、だな。出来たらお前が作っていたアイスクリームを味見──」

 

「くっ、殺せ…!」

 

「いや、待てなんでそうな…って顔がすごい赤いじゃないか!?熱でもあるのか?」

 

「もう、切腹するしか…!」

 

「落ち着け!バターナイフじゃ腹は切れないし、そもそも腹に刺そうとするな!!…くっ、やけに力が強い…お前、さてはアーツで身体能力を……!ぐっ、くだらない事にアーツを使うな!!」

 

錯乱したヤマトの突然の奇行にスルトは驚きつつも、恥ずかしさで顔を真っ赤にしてバターナイフで自害しようとする目がグルグル状態のヤマトを押さえつけにかかったのだった。

 

 

 

 

 

*****

 

 

 

 

(──それで、その後にただアイスクリームを食べたくて声をかけたってことが分かって、イカズチに内緒で先に食べさせてあげたらよく俺のところに来るようになったんだっけ?……っ)

 

そして時は現在に戻り、ヤマトは当時のことを思い出している中、勝手に錯乱して暴走したという黒歴史が作られていることに気が付き、むず痒い感覚に襲われるもののここでまた変な行動をしたら、今度はこの場にいる全員に醜態を晒すことになるので何とか堪える。

 

「ヤマト、早くアイスクリームを…」

 

「はいはい、ちゃんと持ってくるから…」

 

「いや、お前の部屋で食べればいいだけの話だろう。イカズチもそう思うだろ?」

 

「(この女は私のレーダーが反応してないからヤマトお兄ちゃん狙いじゃないわね…ならいっか)そうだね、私もお兄ちゃんと一緒にいたいし!」

 

(……なんか、妹が2人に増えたみたいだ)

 

ヤマトはアイスクリームの時だけ子供っぽくなるスルトに対し、苦笑いを少しだけ浮かべつつも、彼女の拠り所の1つとして慣れていることに対してちょっとだけ、嬉しく思ったのだった。

 

 

 

 

なお、この後たまたま非番であったレッドやWも入ってきて部屋の中が騒がしくなるのを、この時のヤマト達は知る由もなかったのであった。

 

 

 

 

****

 

 

 

ヤマトについて?…あいつは第一印象と今の印象とのギャップが凄い感じだな。

初対面はとある作戦で一緒になった時だったんだが、無口で人と馴れ合うのが苦手な部類で、あと冷たいイメージが強くてな。私も特に興味がわかなかったから、そんなに話すことは無かった。

 

それが変わったのはつい先日、ロドスの中をブラブラ歩いてたら鼻歌が聞こえてきてな。気になってそこに足を向けたら、ドアが空いてる厨房から鼻歌をノリノリで歌いながら、そして凄い機嫌良さげに尻尾をフリフリと振ってるヤマトを見てな。ちらっと見えた横顔も凄いふにゃっとした感じで、あの時の同一人物かどうか疑うレベルで印象が違ったな。

……まあ、その後にも色々あって、あいつの冷たいイメージはただ緊張して張り詰めてたから、っていうのが分かったわけなんだが。

 

結局、今はどう思ってるか?…か。ふむ…まあ、悪いやつではないな…おい、何故そこでニヤつく。いいか、別にアイスクリームを作ってくれたり、食べさせてくれるからという理由ではないからな?本当だからな?




喧騒の掟復刻を記念して、ペン急ルート軸のヤマト達の喧騒の掟の話を書こうかちょっと迷ってたり。

キャラ紹介

ヤマト:料理が趣味の女子力高めオオカミ。スルトにノリノリで鼻歌を歌いながらアイスクリームを作っているところを見られて、心に大ダメージを負って以来、なるべく鼻歌は歌わないようにしてる。好きなアイスの味はチョコ。

スルト:星六前衛にして、S3がやべー性能のやべーやつ。色々と謎が多い人物でもあり、ボイスからしてちょっと近寄り難いようなイメージを受けるが、そのボイスでアイスクリームが好き的なことを言ってたりと、結構可愛い。特化3の道が長い()

イカズチ:アイスクリームを一気に食べて頭がキーンとなった。

レッド:アイスを食べながらのモフモフは至高だとか。

W:抜けがけの気配を察知して、それは許さんとばかりに乱入。無事抜けがけは阻止した。好きなアイスの味は勝手なイメージですけどストロベリーだと思います。

そういえば、字数ってどれくらいあると読みやすいんですかね?4000~5000はやっぱりあった方がいいんでしょうか…
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