レアスキルが欲しいので武器をノー装備で戦います。 作:ジム・ビム
しばらくの間達成感に酔いしれていたが、レベルが22へと上がっていた事を思い出した。
そしてステータスを振り分け、スキルを確認すると新しいスキルが習得していたことに気がつく。
それは【拳の誓約】と【気功の心得】というスキルであった。
【拳の誓約】
【拳法】スキルの効果を+50%ではなく2倍へと変更する。
このスキル習得者の攻撃に装備破壊能力を付与する。
習得条件
【拳法】スキルを習得している。
ボスを単独で倒す。
【気功の心得】
【気功術】スキルの効果の「このスキルの所有者のMPを+50%する。」を2倍へと変更する。
このスキル習得者のINTを+50%する。
【気功術】スキルに【煉気功・散】を追加する。
習得条件
【気功術】スキルを習得している。
レベルが20となる。
【煉気功・散】
MPを消費して周囲のプレイヤーのHPを回復する。
どれも現在の習得しているスキルを大幅に強化する、有用なスキルだ。
俺はそれらを習得できたことに満足し、ずっと気になっていたエルダ―トレントが聳え立っていた場所へ目を向ける。
そこにはエルダ―トレントのドロップ品である大量の木材と宝箱が置かれている。
一先ず木材を回収し、宝箱を開けてみる。
そこには映画やアニメでよく見る中国人が来ている、上下の濃い緑色の人民服と同じ色の帽子と黒い靴が入っていた。
説明を確認すると【ユニークシリーズ】という物のようで、ボスやダンジョンを単独かつ初見で突破した者にのみ送られる装備と書かれていた。
『深緑の帽子』
DEX+20
【万緑の法術】
【破壊成長】
『深緑の衣服』
STR+35
【暗緑の法術】
【破壊成長】
『深緑の靴』
AGI+30
【支える樹根】
【破壊成長】
なんとこのシリーズにはスキルがそれぞれ2つも付いている上に【破壊成長】という破壊されても瞬時に元に戻り、装備が強化されるという強力なスキルを持っている。
そしてこのシリーズに付与されているスキルも中々に強力な物だった。
【万緑の法術】
急速に成長する樹木を自在に操作する。
【暗緑の法術】
自身のレベル以下の樹木属性を持つモンスターを召喚でき、自在に支配する。
【支える樹根】
周囲の木の根を自在に操作する。
正直に言って強力すぎる。
これらのスキルで木々のある場所、とりわけ森の中は自分にとって無敵のフィールドとなったわけである。
おまけにどれもMP消費はなく、試しに木を一本生やしてみると10秒ほどで自分の背丈ほどに成長した。
この早さなら戦闘にも活用できる。
ただ【暗緑の法術】で召喚したトレントを倒してみても経験値もアイテムドロップもなかった。
まあ流石にそれができたらヤバすぎる。
「フフフフフ…」
にやけ顔が止まらず、つい笑い声が出てしまう。
それを押し殺しながら俺は街へ戻る為に歩きだした。
北の森から抜け出すのはさほど時間がかからなかった。
トレントがこちらを見つけても攻撃をしてこないのだ。
とはいえHPが残りわずかなのでトレントは全てスル―して20分後の今、街の医療院で回復してもらったところだ。
「さて、このドロップアイテムはどうするか」
医療院を出てすぐの所でふとアイテム欄を確認してみると、トレントからドロップした樫の木材とエルダ―トレントからドロップした世界樹の木材、そしてトレントからドロップした木刀や木の槍、INTが上がる装飾品などの装備がアイテム欄を埋め尽くしていた。
樫の木材や木刀などはNPCの店で売り払ってもいいだろうが、世界樹の木材はきっとプレイヤー相手に高く売れるだろう。
俺は世界樹の木材を残して全て売り払い、そこそこのゴールドを得ることができた。
そしてHP回復用アイテムを大量に買い、俺は北の森の更に奥地へ進む事にした。
どうやらエルダ―トレントは門番の役割もあったらしく、Eトレントを撃破して蔦の壁が消えた先に真っ暗な深い森があったのだ。
スキルにより俺にとって森はもはやホームグラウンドと化しているのもあり、北の森を全て走破する事を目標にしたのだ。
のちに運営からは『森の皇』、プレイヤーからは『森林の拳帝』と言われることになるとは、この時はまだ知らなかった。
現在の最終ステ―タス
ヴァックス
Lv22
HP 164/164
MP 118/118
【STR 140】+35
【VIT 10】
【AGI 110】+30
【DEX 80】+20
【INT 37】
頭装備 深緑の帽子
体装備 深緑の衣服
右手装備(装備不可)
左手装備(装備不可)
足装備 深緑の衣服
靴装備 深緑の靴
装飾品 (空欄)
(空欄)
(空欄)
スキル
【打撃の心得Ⅱ】【樹木特攻】【拳法】【気功術】【拳の誓約】【気功の心得】
【万緑の法術】【暗緑の法術】【支える樹根】
INTが上がる装飾品を装備しなかったのはこれ以上INTが上がっても無駄であるという判断。
この本文中に書くことができなかったが、装備に付与されているスキルは取り外し不可で、装備の持つ固有スキルという扱い。