エデンの自衛官   作:名無しの自衛隊

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第1話 運命

 「暇だな・・・」

 

 伊丹洋介。職業は自衛官。伊丹は現在勤務地であった日本を離れグアムに来ていた。伊丹がグアムに来ていた理由はただ遊びに来たのではなく、グアムに研修生として来ていたのであった。研修期間は二ヵ月。そして、日本に帰国する前日伊丹は上官から休暇をもらった。

 

「いきなり、休暇を貰ってもすることはないし・・・」

 

 しかし、伊丹はグアムで一つもすることがなかった。何故なら、今までの研修期間ずっと訓練をしており今更休暇を貰ってもすることがなかったのだ。

 伊丹はすることもないため、ぶらぶらしていた。しばらく歩いていると何やら騒がしい声が聞こえてきた。何事だと思い騒ぎがする方向に向かうと学ランを着た学生が軍人らしき男たちに囲まれていた。伊丹は学生を囲んでいる軍人の男たちに見覚えがあった。学生を囲んでいる男たちは伊丹と同じ部隊の者たちだった。

 

 「おい、お前ら。軍人が子ども相手に恥ずかしくないのか?」

 

 流石にほっとく訳にもいかず、学生の前に出て軍人たちに向かって言った。男たちは伊丹にジロリと視線を向けた。

 

 「うるせぇな、おっさんは引っ込んでろ」

 

 「おいおい、俺はまだ二十代だぜ。そいつらは一応俺の同僚なんだよ、だからほっとく訳にはいかないんだよ」

 

 と伊丹と学生は言葉を交わしていると、今まで蚊帳の外にされていた男たちは伊丹と学生の胸をつかみ叫んだ。そして、伊丹の胸をつかんでいる男はナイフを取り出し伊丹の前に突き出した。

 

 「・・・・・・はぁ~、まじでいい加減にしろよお前らこれ以上やったら除籍処分になるぞ」

 

 と伊丹は自分にナイフを突き出している男に言った。しかし、男は聞く耳を持たず叫びながら伊丹に突進して行った。伊丹は「はぁ~」とため息をこぼし自分に突進してくる男を投げ飛ばした。

 

 「おい君、怪我していないか?」

 

 「え・・・はい大丈夫です」

 

 「なら、良かった。お前らもこれ以上したらどうなるかわかるよな?」

 

 あれから、二人の男を投げ飛ばしたあと、少年に「怪我はないかと尋ねた」。先ほどまで伊丹に反発的だった少年も思わず敬語を使い返事してしまった。少年に怪我がないことを確認した伊丹はまだ立っている男たちに向かって言った。流石の男たちもこれ以上揉め事を起こしたくなかったのか倒れている男たちを連れその場から去って行った。

 

 「さてと、君はどうするか・・・?」

 

 「矢頼君‼」

 

 伊丹は少年をどうるかと考えていると、一人の女性が少年の名前を呼びながらこちらへ走ってきた。

 

 「矢頼君、大丈夫怪我してない?」

 

 女性は少年―――矢頼光一の担任操栖モトコだった。彼女は矢頼に怪我がないか確かめた。

 

 「全く、あなたは現地に来てまで喧嘩なんって」

 

 操栖は矢頼に説教しよとした時、伊丹が声をかけた。

 

 「アナタはこの子の担任ですか?」

 

 「えぇ、そうですけど。アナタは?」

 

 「あぁ、自己紹介がまだでしたね。俺は伊丹洋介日本から研修しにきた自衛官です。彼、矢頼君は自分の同僚にいちゃもんをつけられていただけで手を出してはいませんでしたよ」

 

 「そ・・・そうなんですか」

 

 「えぇ、では俺はこれで失礼しますね」

 

 「おい、アンタ・・・・・」

 

 伊丹はそういうと歩き出した。矢頼が伊丹に向かって何か叫んでいたが伊丹は足を止めることをせずそのまま何処かに去って行ってしまった。

 

 

 

 

 

 

 「あ‼アナタは先日の‼」

 

 「あっ、アナタは」

 

 翌日、伊丹は日本に帰国するために乗っていた飛行機の中で操栖と再会した。

 

 「アナタのこの便だったんですね。実はこの飛行機が遅れているのは私の生徒が原因で・・・・・」

 

 「それは別に、アナタの責任じゃないですよ。自分も急ぎの用事はありませんし気にしないでください」

 

 「あははは、そうですか。ありがとうございます」

 

 しばらく操栖と話していると機長のアナウンスが流れた。アナウンスを聞いた操栖は再び伊丹にお礼の言葉を述べた後自分の席に戻って行った。アナウンスが流れ終わり、飛行機は無事に発進した。

 しばらくして、飛行機が安定飛行になると前の方で中学生たちが騒ぎ始めた。伊丹は騒いでいる中学生たちに注意をせず暖かい目で中学生たちを見ていた。

 

 「(俺も、あの子たちの年齢の時は、ああして騒いでたな・・・)」

 

 伊丹が自分の学生生活を思い出し、懐かしんでいると突如機体が大きく揺れた。機内には人の悲鳴が響き渡り、荷物が飛び散り、人も倒れた。近くで尻餅をついているCAを起こし、揺れが収まるのをじっと待った。何気なく窓の外を見てみると、外は昼の筈なのに闇のように真っ暗だった。

 

 「何だこれ・・・・・」

 

  と伊丹が呟いたとき、飛行機が落ちて行った。

 

 (「ある日本の少女に言われたんだ。君の命が危ないとだからこれを持って行ってくれ、これがあれば君の命は大丈夫だろう。なに、空港側には話しておいたから心配するな)」

 

 飛行機が落ちている中、突如帰り際に言われた上官の言葉が走馬灯のように伊丹の頭の中に浮かび上がってきた。

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