エデンの自衛官 作:名無しの自衛隊
今回は長めです。
「うっ・・・・・」
いつの間にか気絶していた伊丹は墜落の際にぶつけた頭に手を置き起き上がった。周りの乗客も伊丹と同じように気絶していた。しかし、CAを含めて何人かの乗客は起きておりCAと共に脱出シューターを降ろし乗客の避難誘導を手伝っていた。
「・・・取り敢えず、外に出ないとな」
伊丹も頭を押さえながら、荷物を手に取り他の乗客と共に脱出シューターを使い外に出た。
「・・・・・何だここは、何処かのジャングルか?」
飛行機の外に広がる光景は木々だけだった。どうやら、飛行機はあの騒動の後この島を見つけ不時着をしたようだ。
「まずは、連絡を取らないとな・・・・・って、圏外か」
伊丹はまず、携帯を使い連絡を取ろうとしたが携帯は圏外で連絡をすることは不可能だった。だが、こんだけの事故なら既にニュースになっていて、救助はすぐに来るだろうとこの時伊丹は思っていた。
「あ・・・あの、手が空いているなら薪拾いを手伝ってもらっていいですか?」
伊丹が携帯をポケットにしまい、これからどうするかと考えていると一人のCAが話しかけてきた。
「あぁ、別にいいけど氷かなんかあるかな?」
「どこかお怪我したんですか?」
「いや、墜落の際に座席に頭をぶつけたみたいで」
「なるほど、分かりました‼今、持ってきますのでお待ちください‼」
「あぁ、悪いね」
伊丹は薪拾いの手伝いを承諾したと同時にCAに頭を冷やすための氷を要求した。
「どうぞ‼」
「あぁ、ありがとう。えーと・・・・・」
「あっ、まだ名乗っていませんでしたね。私は十和アキと言います」
「自分は伊丹洋介です、改めて十和さん氷をありがとうございます。では、自分は薪拾いしに行くので」
CA十和アキは伊丹に機内にあった氷を袋に入れて手渡した。氷を頭に当てて名前を名乗った後伊丹は薪を拾いにジャングルの中に入って行った。
飛行機が墜落してから二日後の夜。乗客たちは全員外に出て数人で火を囲み配られた機内食を食べていた。
「伊丹さん、今日も薪拾いご苦労様です」
「あぁ、十和さんか別に大したことじゃないですよ。こうゆう時に男が率先して動かないと」
「フフフッ、そうですね」
「あ・・・あの‼この子見ませんでしたか?」
伊丹が機内食を渡しに来た十和と話していると一人の女子生徒が話しかけてきた。どうyら、携帯の写真に写っている男子生徒を探しているようだった。
「う~ん、俺は見てないな・・・・・。十和さんは?」
「すいません。私も見ていません・・・」
「そうですか、ありがとうございます」
しかし、二日続けてジャングルの中に入っている伊丹も乗客たちと接している十和も写真の男子生徒を見ていなかった。
「・・・・・もしかしたら、結構奥の方にいるかもしれないから、少し探しに行ってみるよ」
「えっ、そんな危ないですよ」
「そうですよ、もしかしたら熊や猪がいる可能性だってあるんですよ」
伊丹は目の前でしょんぼりとしている女子生徒を見て、可哀想という感情がわき、少しジャングルの奥を探しに行ってくると言った。それに対し女子生徒―――赤神りおんと十和は伊丹を止めた。確かに十和の言う通りジャングルの中には熊や猪などの人を襲う動物がいるかもしれない。そんな、ジャングルの中に一人入って行くことはとても危険なことだ。しかし、伊丹は動物に襲われても対抗できるのだった何故なら…。
「大丈夫ですよ、俺にはこれがあるんで」
「えっ、それって・・・・・」
「銃?」
飛行機に乗る際に上官から受け散った銃器があるのだから。
「って、ことで俺の心配は大丈夫だから」
「うわぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
伊丹はりおんと十和にそう言い銃を構えジャングルの中に入って行こうとした時、突如後ろから男子生徒との叫び声が聞こえてきた。叫び声に気づいた伊丹が後ろを振り返ると頭部がワニのように巨大な獣が乗客たちを襲っていた。
「な・・・何だよあの化け物は」
「きゃあああああああ!!」
「と・・・十和さん‼」
こんな出来事に流石の伊丹も動揺を隠せなかった。しかし、十和が化け物に襲われているのに気が付くと直ぐに正気に戻り一発銃弾を化け物に打ち込んだ。
「えっ?」
「十和さん、早く乗客たちを連れて飛行機に戻ってください‼こいつらは俺がなんとかするので‼」
「い・・伊丹さん。わ・・・分かりました!」
突如目の前で倒れた化け物に驚いている十和をよそに伊丹は他の化け物に銃弾を撃ち込みながら十和に乗客たちを連れて飛行機の中に避難するようにと叫んだ。
「さてと、後三匹か弾足りるかな・・・」
何十人もの犠牲を出しながらも、何とか他の乗客たちが飛行機の中に避難したのを確認すると伊丹は頭部が以上に発達している動物アンドリューサルクスの前に銃を構え立ちはだかった。
「ババウ‼」
「ウウ‼」
三匹のアンドリューサルクスのうちの二匹が伊丹に飛び掛かった。伊丹は飛び掛かってきた二匹にそれぞれ三発の銃弾を浴びせた。銃弾を浴びたアンドリューサルクスは地面に倒れ苦しみながら絶命した。
「バババウ‼」
「うおっ‼」
伊丹に殺された二匹の仇なのか、残り一匹のアンドリューサルクスが伊丹に飛び掛かり押し倒した。なんとかアンドリューサルクスの口を押え伊丹は自分から引きはがそうとした。
「クソっ・・・」
しかし、アンドリューサルクスの力には敵わずアンドリューサルクスの牙が伊丹に届きそうになった時、偶然近くに落ちていたナイフを見つけ手に取りアンドリューサルクスの目に突き刺した。
「ギャウ‼」
目をやられたアンドリューサルクスは悲鳴を上げながら伊丹から降り、そのままジャングルの奥に姿を消した。
「ふぅ~、命拾いしたぜ」
「ひっ‼」
伊丹は冷や汗を拭き、その場に座り込んでしまった。その時飛行機のドアが開き金髪の少女が伊丹の周りに転がっているアンドリューサルクスの死骸を見て悲鳴を上げた。そして、悲鳴を上げた少女を庇うように一人のがCAが少女を抱きしめた。
「あ、あれ・・・・・伊丹さん?」
「あぁ、十和さんか。どうしたんですか急に飛行機の中から出てきて」
「それが………先ほど無線が壊れていたことが発覚してしまったと同時に機長が刺されて、乗客の皆さんが暴れだして………」
「なるほど、わかりました。取り敢えず俺が先導するのでここから離れましょう」
機内の状況を十和から聞いた伊丹は外に出していた荷物から服を引っ張り出し着替えを済ませ、銃62式機関銃に弾を詰めなおし、十和と共にいる少女を見てこう言った。
「一人で走れるかい?」
「・・・・・・・・・」
伊丹の問いに少女は首を横に振った。
「十和さんは、大丈夫ですか?」
「は・・・・・はい、私は大丈夫です」
「なら、行きましょう」
伊丹はそう言い少女を抱えジャングルの奥に向かって駆け出した。
「ふぅ~、ここまで来れば大丈夫でしょう。取り敢えず自己紹介でもしますか?」
暫くジャングルの中を走り続け、近くに動物が居ないことを確認し同行している人たちに自己紹介を提案した。
「じゃ、まず俺から。俺は、伊丹洋介、職業は自衛官だ。因みに階級は二等陸尉だ」
「私は私はCAの十和アキです」
「俺は狩野信造、職業はこう見えても警察官だ。階級は警部補だ」
伊丹の自己紹介を終え、次々と自己紹介をしていった。そして、残りはこれまで一切口を開いていない金髪の少女のみだった。
「・・・・・石動ミイナ」
金髪の少女は静かに口を開き石動ミイナと名乗った。「石動ミイナ」という名前を聞き伊丹を含めてその場にいる大人たちは驚愕した。何故なら、石動ミイナとは日本屈指の大財閥の孫娘なのだから。そんな子がいれば誰だって驚くだろう。
「………なぁ、嬢ちゃん。俺たちをボーディガードとして雇わないか?」
「あぁ、こう見えて俺たち結構強いんだぜ。なぁ」
「あぁ」
少女が石動ミイナと分かった途端、ヤクザの藤木がミイナに自分たちをボーディガードとして雇わないかと提案した。それに、二人のチンピラ丸目と西も続けて言った。恐らく、この三人はミイナを無事日本まで護衛しお金を貰うつもりだろう。
「………でも、こっちのお兄ちゃんの方が強いと思うよ。だって自衛官で銃も持ってるし」
「なるほど、そりゃそうだな。よしっ、兄ちゃんも一緒にどうだ?銃を俺たちに渡してくれれば守りも厚くなるし」
「確かに、この子を守るのは賛成だが銃を渡せない。何故なら自衛隊で使う銃は素人が扱えば事故を起こしてしまう。医者が居れば怪我をしてもなんとかなるだろうがここには医者はいない。だがら、銃は渡せない」
藤木はミイナの話を聞き、伊丹にも話を持ち込み、更に銃を要求した。しかし、伊丹は藤木たちに銃を渡すのを断った。断った理由は銃を素人が使えば事故が起きる可能性があるからだ。
そんなことを話しながら、五日後ようやく拠点になりそうな水辺を見つけ、伊丹たちはそこで救助が来るのを待つことにした。
次回はもしかしたら原作の主人公たちが出るかもです。