仮面ライダーアニマ   作:ちくわぶみん

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第5話「戦意、喪失す?」

「仮面ライダートラップ、コレが俺のもう1つの姿だ…!悪いがアニマ、お前には消えてもらおう…!」

 

天錠剣が変身した仮面ライダー・トラップはマスクドライザーを手にアニマに向かって歩みを始めた。

 

「…やめろ!」

 

アニマもアニマルチウェポンを構えて、トラップへの迎撃態勢に写る。

 

「格の違いってやつを見せてやる」

[ライザー・スラッシュ…!]

 

トラップはマスクドライザーの撃鉄を引く。すると一瞬刃全体が紫色に光った。それを合図に今まで歩いていたトラップは走り出す。

アニマはすかさず防御の構えに出るが…

 

「…甘いな」

 

トラップは一瞬の隙を見計らい、剣を振るう。その攻撃をくらったアニマは大きく後ずさる。

 

「だったら…!」

 

[ワイルドギア・セットオン!サイバーブースト!]

 

アニマはライオンサイバーギアをアニマルチウェポンにセット。刃全体が赤く光る。

 

[ライオン!ソード!ウェポンサイバーブレイク!]

 

「ライオンブレイブスラァァァァァァッシュ!!」

 

先手必勝と言わんばかりにアニマは必殺の斬撃を振るう。

 

 

第5話「戦意、喪失?」

 

 

トラップは何もない虚空に手を翳す。すると、トラップの前に蜘蛛の巣のようなバリアが出現。バリアが斬撃を吸収する。

 

「えっ!?」

アニマはそれに驚愕する。

 

「愚かなことを…」

[ワイルドギア・ブレイクブースト…!]

トラップも撃鉄を長く引っ張る、こちらも刃全体が紫色に光り、蜘蛛の巣状のバリアは刃に取り込まれた。

[スパイダー!スラッシュ!ブレイキングジャッジ…!]

「スパイダーリフレクション…!」

 

紫色の斬撃は、先ほど吸収したアニマの必殺斬撃と相乗効果を生み出し、物凄い破壊力でアニマを切り裂いた。

 

「ぐあぁぁぁぁぁっ!?」

 

アニマは遠くへ吹き飛ばされ、変身が解除された。

 

「大雄さん!?」

 

デイジーたちは大雄のもとへ駆け寄る。

 

「お前一体何なんだよ!?いきなりケンカ吹っ掛けてきやがって!」

 

大切な友を傷つけられたのか、翼はトラップに向かって怒鳴りつける。

 

「所詮脆弱なアニマのシステムだ。弱すぎるにもほどがある。そんなんじゃパラノイアに太刀打ちすらできまい…」

 

トラップも変身を解き、剣の姿へと戻る。

 

「これは警告だ。そんな生半可な覚悟でこれから戦うなら、パラノイアから手を引け」

 

剣はそういうとレブル500に跨り、どこかへ去っていった。

 

「俺だけでいいんだ…。ライダーは俺だけで…」

 

そう呟きながら。

 

 

「ちょっとしみるよ~」

「いてててて…」

平野書店の地下室、大雄はそこで夏樹に先ほどの戦闘で付いた怪我の処置をしてもらっていた。

「一体何なんだ?あのトラップってライダー…」

「私にも分かりません。プロフェッサーが遺したライダーのシステムのアーカイブにもありませんでしたし…」

 

デイジーはパソコンにインプットしたライダーシステムのアーカイブからトラップの詳細を掴もうとしたが、トラップのトの字も見つからなかった。

 

「なんか、打開策とかないの?」

 

大雄の処置をしながら、夏樹はデイジーに聞いた。

 

「打開策、なのかは分かりませんがこれなら…」

 

デイジーはあるページを開いた。そこには「MAIL CHANGE SYSTEM」と書かれており、そこにはワイヤーフレームでコンドルが描かれたサイバーギアとクジラが描かれたサイバーギアが表示されていた。

 

「それは?」

「メイルチェンジシステム。アニマのシステムを、戦況に応じて形態を変化させるシステムです」

「じゃぁ、それさえあれば…」

「恐らく、でも完全なロールアウトまで時間を要するかもしれません」

「それまで時間を稼がなきゃってことか…」

 

翼はため息交じりに言った。

 

「…でも、なんであの剣って人は、パラノイアから手を引けって言ったんだろう。仮にパラノイア側ならそんなことは言わないと思うけどなぁ」

 

大雄はふと思った。

 

 

「クソっ!アイツのミスさえなけりゃ勝てたのに…!ふざけんじゃねぇ!」

 

大きなボストンバッグを持ったサッカー部員の早瀬健二は怒りに任せて自販機横のごみ箱を蹴り飛ばす。

 

「大体アイツがなんだ…たかが兄がプロサッカー選手だからって、監督もみんなもアイツに甘すぎだろ…」

「おーおー…ずいぶん荒れてるねぇ」

 

健二は声が聞こえた自販機の上を見上げる。そこにはどこからともなく現れたアーサーが自販機に腰かけていた。

 

「あん?誰だアンタ」

「まぁ、その辺にいる哲学者って感じかな」

 

そういうとアーサーは自販機から降り、健二を見据えた。

 

「悪趣味だが、顛末から何やら聞かせてもらったよ。君は同じチームメイトがやらかしたミスを根に持っている。その上そのチームメイトの身内がプロサッカー選手故に、監督やらほかのチームメイトも甘やかしすぎてご立腹。そうだろう?」

「アンタ本当に悪趣味だな…当たりだよ」

 

健二は若干引きながら皮肉げに言った。

 

「おいおい、そこまで引くことないじゃないか」

「そりゃ誰だって引くだろ。んで、その哲学者様が何の要件だ?」

「物分かりが早くてよろしい。そんな甘えん坊なチームメイトくんとその取り巻き達に制裁を加えたいのだろう?そこでこれの出番」

 

アーサーはマインドギアを取り出し、健二に投げ渡す。

 

「この歯車みたいなので何ができんだよ」

「まぁ、使ってみればお楽しみということで」

「なんだよそれ…よく分かんねぇって!」

 

健二はアーサーに殴りかかろうとするが

 

「ご利用は計画的に」

 

アーサーはそういうと身体を粒子化させてどこかへ逃げるように消えていった。

 

「何だアイツ…」

 

健二は渡されたマインドギアを見つめる

 

「でも…あいつらどうにかできるなら…」

 

その言葉をきっかけに健二の目は赤く染まった。

その光景をアーサーは見ていた。どうやら遠くへは逃げていなかったようだ。

 

「やはりニンゲンという生命体は興味深い…。これはパラノイア様も標的にするはずだ…」

アーサーはそういうと空間にパネルを展開した。そこには「HAGURUMAZIN-SYSTEM」と書かれている。

 

「今に見ているんだな、アニマ、そしてもう1人のライダー…!」

 

アーサーは笑みを浮かべながら言った。

 

 

翌日、放課後の葉久瑠高校の図書室。大雄はそこにいた。

今日入ったばかりという「黒き太陽~世紀王伝・序章~」を読んではいるものの、全くページが進まずにいた。

理由は簡単だ。昨日のトラップとの戦いでトラップが言った「生半可な覚悟で戦うなら、パラノイアから手を引け」という言葉が大雄の胸のどこかで引っ掛かっていたのだ。

 

「なんだ?大雄、まだアイツの事か?」

 

図書室に入ってきた翼が大雄に声をかける

 

「うん、僕ってアニマになったからとはいえ、まだそんな覚悟をしてる感覚じゃなかったのかなぁって」

「んなこたぁないと思うんだがなぁ。第一、いきなり殴りかかってくる奴に碌なのいねぇから心配すんなって!」

 

翼は 咤激励をかけるように大雄の背中をバンっと叩く

 

「いてて…」

「うげっ、当たり所ミスったか!?」

 

そんな中閑静な図書室に、携帯のバイブのような音が鳴る。

 

「んあ?俺の携帯…ではなさそうだな」

 

翼はポケットから携帯を取り出すが、それと同時に大雄はライオンサイバーギアを取り出した。音の正体はそれだったようで、どうやらギアマリスが現れたらしい

 

「行かなきゃ!」

「あぁ!」

 

翼と大雄は図書室を出た。

だが、ギアマリスの出現を察知したのは大雄達だけではなかった

 

「来たか」

街はずれの路地裏にいた剣もスパイダーサイバーギアを介してギアマリスの出現を察知していた。

 

「それに…やはりお前も来るのか、アニマ」

 

剣はスマホで監視カメラの映像を見ていた。そこには市民公園へ向かう大雄と翼の姿が映っていた。

 

「いいだろう、戦う者の覚悟ってものを見せるには絶好の機会だ」

 

剣もレブル500に跨り、市民公園へと向かった。

 

 

「なんで、なんでキミが怪物なんかに…」

「そもそも全てテメェが悪いんだよ…。兄がプロサッカー選手だからって甘い蜜ばかり吸いやがって…!」

 

市民公園、そこには昨日アーサーからマインドギアを渡された健二が変貌を遂げたスコーピオンギアマリスと、サッカー部員である仁科優吾がいた。優吾はスコーピオンギアマリスのしっぽで首を絞められている。

 

「ちったぁ俺の気持ちも分かってもらわねぇとなぁ。俺の苦しみとやらを…!」

「やめろ…やめてくれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」

 

その時、スコーピオンギアマリスの周囲をレコンドルが飛び、翻弄させる。

それにより気が散ったスコーピオンギアマリスはしっぽの拘束を許してしまう。

 

「よかった、間に合った!」

「デイジーからアレ貰っておいて正解だったな!」

 

大雄と翼が公園に到着した。どうやらデイジーから翼にレコンドルをもらっていたようだ。

 

「早く逃げろ!!こっちだ!」

「あ、あぁ!」

 

翼が優吾に避難を呼びかける。

それを見て大雄はアニマドライバーとライオンサイバーギアを構えた、しかし…

 

「そんなのさせるかよ!」

 

スコーピオンギアマリスはしっぽで大雄ごと弾き飛ばした。

 

「大雄!?」

 

着地のダメージと昨日の戦いで蓄積されたダメージがあったのか、大雄は立ち上がれない。

 

「誰だかわかんねェが、ここでお前も消えてもらうぞ…!」

 

スコーピオンギアマリスのしっぽの毒針が大雄に迫る。その時、何者かの銃撃がそれを弾いた。

大雄は銃撃がした方へ振り向く。すると、レブル500がこちらに迫ってきた。

 

「あのバイク…もしかすると」

 

スコーピオンギアマリスの前でレブル500が停車、剣が降りてきた。

 

「何だ?お前もコイツの仲間か…?」

 

スコーピオンギアマリスは剣に問いかける。

 

「仲間?はっ、馬鹿を言うな」

 

剣はそれを鼻で笑った。

 

「こんな戦う覚悟なんかないヤツが仲間なわけないだろ」

[マスクドライザー…!]

[スパイダーギア・ワイルドオン!]

 

剣はマスクドライザーを構え、スパイダーサイバーギアを起動した。

 

「見せてやろう、戦う覚悟がどういうことか…!」

[サイバーギア・ブレイクイン…!]

マスクドライザーに蜘蛛が描かれたサイバーギア・スパイダーサイバーギアをシリンダーにセットし、ギアを回転する。

「変身…!」

[ナワバリ破りのトリッカー!スパイダーメイル・マスクドギアップ!]

 

剣はその言葉と共に引き金を引く。すると銃口からアニマの変身ゲートに似た歯車のような変身ゲートが展開され、剣の体を包み込む。それと同時に剣は仮面ライダートラップ・スパイダーメイルに変身した。

 

「荒らし<ハント>、スタート…!」

 

その台詞を合図にトラップは歩き出した。

 

「何なんだよ、お前!!」

 

スコーピオンギアマリスも腕のハサミ状のアームでトラップに殴りかかるが、それを見透かしていたかのようにトラップは避け、マスクドライザーで斬撃を繰り出す。

 

「どうした?そんなもんか?」

 

トラップはスコーピオンギアマリスに挑発する。挑発が頭に来たのか、スコーピオンギアマリスはしっぽで攻撃を繰り出そうとしていた

 

[ライザー・ブラスト…!]

 

トラップはマスクドライザーの撃鉄を引っ張る、銃モードの変更を認証したかのように銃口が一瞬紫に光った。トラップはマスクドライザーの引き金を長く引く。すると銃口から蜘蛛の糸のような弾丸が射出され、スコーピオンギアマリスのしっぽはおろか、ハサミを封じた。

 

「ぐおっ!?なんだよ、なんだよこれ!!」

「そろそろハントも終わりだな…」

[ワイルドギア・ブレイクブースト…!]

 

トラップは撃鉄を長く引っ張る。すると左足に紫色のエネルギーがたまり、エネルギーが蜘蛛の足状に変形する。

 

「スパイダーデストラクション…!」

 

トラップは一気にスコーピオンギアマリスとの距離を詰め。後ろ回し蹴りを浴びせる。蜘蛛の足状のエネルギーがスコーピオンギアマリスのボディに注入され。声を上げる間もないままスコーピオンギアマリスは爆散した。

 

「どうだ、コレが…覚悟を決めた者の戦い方だ…!」

 

そう言いながらトラップは変身を解き、剣の姿へと戻る。

 

「冗談…じゃねぇ…!」

 

爆炎の向こうで健二は絶え絶えに言い、気絶した。

気絶したのを見計らったのか、剣はマスクドライザーの矛先を倒れている大雄に向けた。

 

「運が良かったな、今度またこのような真似をしてみろ。今度は変身していなかろうが容赦なくつぶす…!」

「…」

 

マスクドライザーをレブル500のホルスターに納め。剣はレブル500でその場を去った。

 

「やっぱりアイツ…あんなことやってるけど、マジでパラノイア側なんじゃないのか…?」

 

翼は大雄を起こしながらそう言ったが、大雄は剣には何か理由があると確信していた。

 

 

拠点の廃ビルへと戻った剣、いつものようにデスクにあるPCやらモニターを立ち上げる。

ふと視界に写真立てが目に入り、それを手に取る。そこには、2人の幼い少年少女が写っていた。

 

「必ず助けるからな、待っていろよ…結衣」

剣はそう呟き、写真立てを戻した。

 




お読みいただきありがとうございます。

恐らくこんなに連続でアップできるのは紛れもなく奇跡に近い何かです()
やっぱりネタがひらめきーんぐ!したら速攻備忘録に書くか、そのまま本編を書くに限るなぁと思う次第です。

地味に剣は未だに普通のレブル500ですが、ライダーマシンモードもあるにはあるんです。ただそれをどう見せるか…w
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