仮面ライダーアニマ   作:ちくわぶみん

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第7話「仲間無用、蝙蝠飛び立つ」

「あぁ~…色んな意味で定期テスト終わったぁ…完全に数学追試ルートだよ…」

 

定期テストを終えた大雄たちは高校の近くの公園で遅めの昼食をとっていた。

「えっ、そんなに?1週間前に範囲とか教えてもらったんだからその辺重点的にやればそんなんでもなくない?」

「だって~…」

「でも正直山を張ってもきつかったぞ今回の…」

「うーん…そんなもんなのかなぁ?」

 

大雄はふと視線を外す。その時、見覚えのある人物を見つける。

「あ…」

「どうした?って…あっ、アイツ…」

 

そう、噴水を挟んで向かいのベンチにあの剣が座っていたのだ。

 

「あの時に大雄くんをボコスカにしたくれた仮面ライダーになってた人だよね…?」

「うん、でも前の戦いでコンドルの力で撃退したけどね…」

 

大雄たちがそんなことを話していると、剣は席を離れ、公園を出ていく。

何を思ったのか、大雄もベンチから立ち上がる

 

「ちょ、大雄くん!?」

「尾行する気かよ?アイツ何しでかすかわかんないぞ!?」

「分かっているよ。でも、なんであの人、戦うことに執着しているのか、あの時の戦いからずっと疑問に思っていたんだ。絶対に何かあるはずなんだ。なんかあったらモバニマル達で伝えるから!」

 

そう言うと大雄は剣の後を追いかけていった。

 

 

「サイバーギアのシステム、アレはプロフェッサーとあの人しかできないはず…」

 

一方平野書店の地下室、デイジーはパソコンを操作していた。ロックされている情報は前のメイルチェンジシステムのロックの解除と共にほとんどが閲覧できる状態になっていたのか、画面には開発録が表示されている。デイジーがさらにキーボードを操作すると、画面にはワイヤーフレームで描かれたマスクドライザーの図面データが表示された。

 

「『試作型戦闘システム・マスクドライザー』…。だとすれば、あの人が、お兄様が…」

 

デイジーはつぶやいた。そのディスプレイには【Created HALU】という文字があった。

 

 

第7話「仲間無用、蝙蝠飛び立つ」

 

 

「(音を殺して、ただ遠くから対象を見据える…。『紫電忍者伝 神蔵』のとおりにやれば大丈夫なんだろうけど…)」

 

その頃、大雄は路地を歩く剣を追いかけていた。頭上に万一の場合を備えてアニマルモードのレコンドル、足元にはセルレオンが大雄を追いかける。

幾ほどの距離を歩いた先、剣は人気のいない路地裏に入る。大雄もそれを追うように入る。

その時だった、剣は腰に提げたホルダーからマスクドライザーを取り出し、大雄に向けて銃撃を放った。

大雄の身の危機を感じたセルレオンとレコンドルがそれを弾く。

 

「またお前か」

 

剣は呆れたように言う。

 

「単刀直入に言うよ。なんでそこまで戦いに執着するんだ?」

「あの電子生命体から何も教わっていなかったのか?」

「なんで君がデイジーのことを!?」

 

剣の口から電子生命体という言葉が発せられ、大雄はなぜ目の前の男が電子生命体・デイジーのことを知っていたことに驚く。

 

「わりぃがそれは言えない。ただ言えることは、俺が目指しているのはパラノイアの居所。ただそれだけだ」

「パラノイア…それなら僕と目的は同じのハズ。共通の敵を追っているなら、一緒に戦えば…」

「いい子ぶるな!」

 

剣の怒号と共にマスクドライザーから銃撃が放たれるが、レコンドルがそれを防ぐ。

 

「仲間や友なんて必要ない。俺はあいつを、結衣をとりもどすためなら例え悪魔にでもなるつもりだからな…!」

 

剣はそう言うと、路地裏から立ち去った。大雄はそれを見ていることしかできなかった。

 

 

「…って言うことがあってさぁ」

 

大雄はそれから数分経って平野書店の地下室に向かい、夏樹と翼、そしてデイジーに事の顛末を伝えた。

 

「何はともあれ、余計な戦いにならなかったのはよかったが…」

「その結衣って人を取り戻すために手段を択ばないって感じなんだ…。なんかダークヒーロー的というかなんというか」

「恐らく、その言葉から察するに、結衣さんって人もパラノイアに関わっていることも事実ですね…。私もできる限り調べてみます」

「ありがとう…って、もうこんな時間か」

 

デイジーに感謝の意を伝えた大雄は腕時計を見る、セグメントには16:30と表示されていた。

大雄と翼は帰路につく。

道で翼と別れた大雄は、剣の言葉を反芻していた。

―「仲間なんて必要ない」

 

「仲間がいなきゃ、大切な人だって救えないって…」

 

大雄は聞こえない音量でそう呟いた。

 

 

その頃、剣は自分の拠点である廃墟に戻っていた。

 

「仲間…友…」

 

剣は拳を強く握り、壁を思い切り殴った。

 

「そんな絵空事なんかなくても、戦いに勝って勝って、絶対にパラノイアを倒し、結衣を必ず…」

 

剣は紺色のサイバーギア・バットサイバーギアを手に、再調整に取り掛かった。

 

 

「実に惜しい、惜しすぎるねぇ…」

 

アーサーは空中にパネルを展開し、ファイターギアマリスの戦いを見ていた。

 

「しかし、人間の負の感情というのが、興味深いのも事実」

 

そう言うとアーサーはマインドギアを取り出した。

同時に、その事を知らずにリュックを背負った未成年の若者がアーサーを横切る。

 

「やりたくはなかったが、ハグルマジンシステムの完成のために犠牲になってくれ。無駄にはしないから、ね?」

 

そう言うと、男女の若者の胸にマインドギアを埋め込んだ。

 

「はぁ?一体何を!?」

 

女の若者の身体は、ファルコンギアマリスに、男の若者はシーガルギアマリスに変貌していった。

 

「トモダチ…ナカマ…欲しい…!!」

「モット…イイネ…ちょうだい…!」

 

シーガルギアマリスとファルコンギアマリスはそう言うと、空の彼方に飛び立っていった。

 

 

「失踪事件?」

 

翌日、地下室にて大雄が素っ頓狂な声を上げる。

 

「えぇ、あれから一通り調べてみたら、こんな記事があって」

 

と、デイジーはパソコンのデスクトップに5年前のニュースサイトの記事を表示する。

 

そこには「神隠しか!?少女失踪」と書かれていた。

 

「こんなのってよくある失踪事件関連の記事なんじゃ…」

「って、消えた女の子の名前…!」

 

夏樹は画面に指をさす、そこには「天錠結衣」という文字があった。

 

「でも、結衣なんて名前でそんなの断定できるのか?」

「確証はないんですが、記事に『事件当日の夜、この付近で異常な電磁波が観測され、周囲1キロ圏内では通信障害が多発した』というのは、ギアマリスが持つ電子ジャック能力と一致しているんです」

「そういえば、デイジーと初めて会った時にいた駅も確か通信障害起きてなかった?」

 

大雄はふと、デイジーと出会った日に様々な場所で電子機器や通信機器の障害があったことを思い出す。

 

「確かにそうだった気が…。ってかあの電子機器バグらせるのって、あのアンテナのギアマリスの特異能力みたいなのじゃなかったのか」

「デイジー、という事は…」

「恐らく、大雄さんがあの時言った通り、トラップの妹さんもパラノイアに巻き込まれたのは事実といってもいいでしょう」

「でも、目標が同じなら一緒に戦ったほうがいいのになんで拒否ったんだろう…」

 

その時、ライオンサイバーギアが警報を上げる。ギアマリスが出現したようだ。

大雄は地下室を出ていき、現場へと向かった。

 

 

大雄が向かった広場では、シーガルギアマリスと、ファルコンギアマリスが暴れていた。

 

「ギアマリスが2体!?でも、やるしかない!」

[アニマドライバー!]

[ライオンギア・ワイルドオン!]

 

大雄はアニマドライバーを装着し、ライオンサイバーギアを起動する。

 

[ワイルドギア・セットオン!]

 

「変身!」

[百獣無双のライオンハート!ライオンギア・サイバーギアップ!]

 

ライオンメイルとなったアニマは、バスターモードに変形させたアニマルチウェポンを手に、2体のギアマリスに挑む。

その射撃を、ファルコンギアマリスとシーガルギアマリスは翼で弾く。するとファルコンギアマリスは翼を大きく広げて、羽根の弾幕でアニマに奇襲攻撃をかける。アニマはアニマルチウェポンをソードモードに変形して、それを防ぐが、その隙にシーガルギアマリスが嘴から放った衝撃波でアニマを吹き飛ばす。

 

「さすがに2体1じゃ分が悪いすぎる…」

 

アニマはそう呟く。

 

「オマエ、イラナイ」

「ジャマモノ、ツブス」

 

その時だった、シーガルギアマリスの背面を斬りつける影がいた。剣だ。

 

「隙見せるとは、随分と腑抜けだな」

「…!オマエモ、アイツノ、ナカマカァ!!」

 

シーガルギアマリスの腕の攻撃を、剣はマスクドライザーで受け止める。

 

[マスクドライザー…!]

[スパイダーギア・ワイルドオン!]

「仲間?冗談きついぜ。こんなのと一緒にするな…!」

 

剣はマスクドライザーを構え、スパイダーサイバーギアを起動した。

 

[サイバーギア・ブレイクイン…!]

 

スパイダーサイバーギアをシリンダーにセットし、ギアを回転する。

 

「変身…!」

[ナワバリ破りのトリッカー!スパイダーメイル・マスクドギアップ!]

 

変身を終えたトラップはシーガルギアマリスの身体を容赦なく斬る。

ファルコンギアマリスも分が悪いと思ったのか、翼を広げて空高く飛んだ。

 

「逃げられると思っているのか?つくづくだな」

そう言うと紺色のサイバーギア、バットサイバーギアを取り出す。

 

[バットギア・ワイルドオン!]

 

スパイダーサイバーギアを取り外し、バットサイバーギアをシリンダーにセット、ギアを回す。

 

[超音イヤーのバッドガイ!バットメイル・マスクドギアップ!]

 

トラップは紫を基調としたスパイダーメイルから一転し、紺のアーマーに黒いマーキングが施された形態バットメイルと姿を変えた。

 

「あのライダーもメイルチェンジシステムを使えるのか!?」

 

ファルコンギアマリスと交戦していたアニマも驚きの声を上げる。

 

 

「さて、行くか…!」

 

トラップは背面の飛行ユニット・バッディウィングを展開し、シーガルギアマリスを追う。そのスピードはシーガルギアマリスの姿が見えるのに2秒もかからなかった。

シーガルギアマリスはトラップはに向けて再び衝撃波を放つ、しかしトラップはは両腕から超音波を放出し、それを無効化にした。

 

「キサマ、ナゼ、ナカマジャナイ?」

「仲間仲間…呆れたもんだなぁ!」

 

そう言うとトラップはマスクドライザーでシーガルギアマリスを滅多切りにする。シーガルギアマリスの高度は徐々に落ちていく。

 

「お前が消える前に1つ教えてやろう。仲間なんて安っぽい言葉がなくとも、人間ってのは生きていけるんだよ…!」

 

 

[上空アグレッサー!コンドルメイル・サイバーギアップ!]

 

一方、地上のアニマもコンドルメイルへとチェンジし、ファルコンギアマリスとの戦いを繰り広げていた。

ファルコンギアマリスは羽根の弾幕でアニマを攻撃しようとするが、滑空能力を活かしたアニマにギリギリ避けられてしまう。

コンドルメイルは、スピード戦に特化した分、高い攻撃力には多大なダメージとなるため、避けるだけでも精いっぱいだ。

 

「身軽になった分、あの弾幕が怖いけど…そうか!来い!レコンドル!」

 

アニマはレコンドルを呼び出した。呼ばれたレコンドルは自らの意思でグリップのスロットに止まり、アニマはグリップのスロットにコンドルサイバーギアをセットする。

 

「目には目、歯には歯、弾幕には弾幕!」

[モバニアルギア・セットオン!]

[ワイルドギア・セットオン!デュアル!サイバーブースト!]

[コンドル!バスター!ウェポンサイバーデュアルブレイク!]

「コンドルレコーダーシュート!」

 

アニマルチウェポンの銃口から、コンドルを模した弾幕とオレンジと青のエネルギー弾が発射される。その弾幕は、ファルコンギアマリスの弾幕攻撃をすべて打ち砕き、ファルコンギアマリスを穿つ。

 

[ワイルドギア・ブレイクブースト…!]

 

トラップは撃鉄を長く引っ張る。するとマスクドライザーの剣先にに紺色のエネルギーがチャージされた。

 

「バット・クラッキングエンド…!」

 

トラップはシーガルギアマリスに急接近、すれ違い様にシーガルギアマリスを斬る。

その斬撃を食らい、シーガルギアマリは先ほどアニマの必殺技を食らったファルコンギアマリスのいる地点に急降下。

必殺を食らったエネルギーが相反しあい、2体のギアマリスは爆散した。

それと同時にトラップが地面に着地する。

アニマは爆炎の向こうにいるトラップを見つめる。するとトラップは振り向き、アニマにマスクドライザーの剣先を突き付ける。

 

「あの時は使えなかったが、今の俺にはこの力がある。お前は仲間などという無力なものを信じているようだが、仲間など信じなくても戦えるという事を見せてやろう…!」

 

トラップは炎を飛び越え、アニマに襲い掛かった…!

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