プリコネ短編集(仮 作:サツキ
ピクニック()から数日後。美食殿のメンバーはユウキの記憶を頼りに【時戻りの隠れ水】が湧くという水源を目指していた。
少し前、ユウキの記憶を取り戻すために友人の一人が持ってきた情報だった。実際に飲んでもいる。あれの効果は実際は、時戻りなどという名前には合わないものではあるが・・・
「ふむ、記憶もまた混濁し、幼子のように本能的な行動をしてしまう為にそのような名前がついた、っということでしょうか」
「つまり、飲んだやつの本性を引き出す水ってことね。なんでそんなのが近くにあるかは知らないけど・・・ま、物は試しよね」
「試すのは私ですけどね。ヤバいですね☆」
「・・・言い出したのは私だけど、なんで楽しそうなのよあんた」
「何事にも前向きな姿勢はペコリーヌ様の良い所だと思います」
面々は軽口を交えながらその湧き水のある洞窟にまでたどり着いた。
__ここだよ。
「ふーん・・・見つけた奴もこんなところよく見つけたわねえ。」
「おお、なんか雰囲気ありますね」
「主様。中は少々暗くなっております。足元には気を付けてくださいまし」
「ここまで来たんだから、さっさと奥行くわよ」
「さあさあ、コッコロちゃん、ユウキくん。行きましょう」
どんどん進む二人を前に、コッコロとユウキは頷き合い、その背中を追う。
中に魔物の気配は殆どなく、想像以上にスムーズに進む面々。途中休憩をはさみながら、ついに目的の水源にまでたどり着いた。
「はぁ、ここがねー」
「白い、水にですね」
「ふむ・・・?」
間違いないとユウキは答える。
「ま、飲んでみればわかるでしょ。効果も一時的らしいし、気楽にいきましょう」
「そうですね。それでは私の事をしばらく頼みます。それではぐいっと__」
それは完全に油断だった。
魔物の気配がほとんどしないことから完全に注意をそらしれしまい、警戒を怠ったゆえの
「GYAAAAAA!」
魔物の襲撃。
「っ! 危ないペコリーヌ!」
どんっ、とキャルがペコリーヌを突き出す。魔物の攻撃はそのまま吸い込まれるようにペコリーヌのいた位置に入ってきたキャルに入る。
「きゃあああ!?」
「キャルちゃん!」
どぼん、と時戻りの隠れ水に落ちてしまうキャル。
(なにこれ、意外と深い・・・だめ、咄嗟のことで息が・・・)
ごぼっと水が胃に流れ込んでいく感覚。意識がなきなる直前に見えた手。もはやそれすら意識の外で・・・
*
あの後、急いでギルドハウスへ戻ったユウキたち。移動中も目を覚まさないキャルを前に不安はどんどん募っていく。
「キャルちゃん・・・私のせいで」
「ペコリーヌ様・・・大丈夫でございます。キャル様はすぐに目を覚ましてくださいます」
__大丈夫
ベッドに横になるキャル。看病するように三人は寄り添っていた。
その時だった。
「んん・・・?」
「キャルちゃん!?」
もぞりと動き、キャルはその目をゆっくりと開ける。
感極まったようにペコリーヌが飛びつく。
「ん、あれ。ここど」
「キャルちゃーん! 目を覚ましてよかったです!」
「ちょ、こら、ひっつくな!」
二人のいつもの様子にほっと一息を突いたコッコロ。しかし、ユウキはなにかがおかしいと胸騒ぎがする。
「どうしました主様」
言葉にできない違和感。しかし、その違和感も次の瞬間には明らかになった。
「だから、ひっつくなっていってるでしょうが!」
「うぇーん、キャルちゃん厳しい」
「キャルちゃん呼ぶな。というか、‘誰よあんたら‘」
「「・・・え?」」
__え?