プリコネ短編集(仮 作:サツキ
耳の長い人を指さし、
「エルフ!」
獣的特徴を持った人を指さし
「ビースト!」
そして頭を抱え、
「どうなってんのよここはーーーー!!!」
もふ。
自分の頭の上にある猫耳から手触りのいい触感がする事にさらに感情が昂る。
「もぉおおおおお!!!」
「落ち着いてくださいキャルちゃん」
「触んな! そもそも私はまだあんたらが仲間だなんて認めてない!」
「うぅ、どうしたら」
キャルが目を覚ましてすぐ、猫もびっくりな逃げ足でその場から逃げ出したキャルを追いかけるも、ついて来れたのは王家の装備をフルに使ったペコリーヌのみであった。
キャルはいまだに記憶が戻らず、さらにいつにも増して攻撃的であったがゆえに、ペコリーヌも手をこまねいていた。
「どうしましょう・・・」
自分ならこういう時、どうするか。
少し考え、すぐに考えがまとまる。
答えはいつだってシンプルイズベストなのである。
「あ、キャルちゃん。あそこのたい焼き美味しいって評判なんですよ。よかったら食べませんか?」
餌付けである。
「あんた、私がそんな手に引っかかると
*
「んっま~~~~い!」
広場のベンチ。キャルの両脇には積み重ねられた食べ物の数々。
「喜んでもらってよかったです」
それを横でニコニコしながら眺めるペコリーヌ。財布の中はすっからかんではあるが・・・。
ぐーっ、と音が鳴る。
「・・・あんた」
「あはは。恥ずかしい所見られちゃいました。ヤバいですね☆」
キャルを追う際に王家の装備を使ったせいか、キャルが美味しそうに食べる姿を追見たせいか、空腹モードに入ってしまったペコリーヌ。財布は空。どうすることもできないと嘆いていると、
「・・・ん」
キャルは手に持っていたおにぎりをペコリーヌの方へ持っていく。
「・・・え? いいんですか?」
「元々はあんたの金でしょ。それに、私もうお腹いっぱいだし。残ったやつは責任もってあんたが処分してよね」
「キャルちゃん・・・やっぱり大好きです!」
「あー! ひっつくなー!」
普段から、素の自分を出していたのか、二人の関係性は水を飲む前となんら変わりない様子を見せている。
ようやく追いついたコッコロとユウキ。二人もまた、その様子を見て安堵を浮かべるのだった。
「お二人はご無事なようです。良かったですね主様」
__うん。
*
「今のあたしが記憶喪失のような状況ってのはなんとなくわかったわ。それでも、あんたたちみたいな能天気な連中と仲間だったなんてこれっぽっちも信じられないけど」
「そこは信じてほしいのですが・・・」
合流したコッコロとユウキを交えて落ち着いたキャルへの事情説明をすました面々。しかし、キャルはその内容を信じようとはしなかったが。
しかし、その言葉を聞いて悲観する事はない。
「あのー、キャルちゃん?」
「なによ」
「この手は一体」
「別にいいでしょ」
ベンチではキャルとペコリーヌが隣り合って座っていた。キャルは隣のペコリーヌの服をつかんで離さない。攻撃的な口調とは裏腹に、ペコリーヌの事は受け入れている事がまるわかりの現状だった。
普段なら絶対にやらない仕草はあの水のせいかもしれない。普段から言葉の端々にギルメンへの優しさを伺わせるキャルであった。それが分かりやすく表に出ているのかもしれない。
「ま、いいわ。記憶とやらは時間とともに戻るんでしょ。あたしはあたしで好き勝手やらせてもらうから。話は終わりでしょ。行くわよペコリーヌ」
「え、私も一緒でいいんですか?」
「は? 嫌なわけ?」
「いえ! どこまでもついていきますよ♪」
「そ、そう。・・・ありがと」
「・・・お、ぉおう。あのキャルちゃんからここまで素直な言葉が聞けるとは」
「うっさいわね! さっさといくわよ!」
「はーい♪それではコッコロちゃん、ユウキくん。行ってきますね」
「これは・・・邪魔しない方がよさそうですね。わかりました。主様と帰りをお待ちしております。」
__キャルちゃん。
「なによ」
__いつでも帰ってきてね。
「・・・ふん」