吸血鬼に殺され続けるおはなし   作:微 不利袖

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それでは、ゆっくり読んでいってね...なんてね


#6

 

 

「おはよう...で、良いのかな?」

 

「あ...おにーさん......うん、おはよー!」

 

 

相も変わらず血生臭く可愛らしい部屋の真ん中、ベッドの上で座り込んでいたフランは元気に挨拶を返してくれる。吸血鬼って夜行性だと思ってたんだけど、そうでもないんだろうか

 

 

「起きたらおにーさんがいなくなっててビックリしたんだよ?」

 

「そっか...大丈夫、ちゃんと毎日来るよ」

 

「...そう、なら良い!」

 

 

頬を膨らませながらそう言うフラン...やっぱり、少し重ねてしまう。こんな無邪気な笑顔の裏...何かが潜んでいる、他人を壊そうとしてしまう何かが...

 

 

「さて、今日は何して遊ぼうか?」

 

「えっとねー...どうしよっかなー!」

 

 

まぁ、残りでなんとかできればラッキーかな

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『あれ、壊さないのー?折角おもちゃが戻って来たのに』

 

「...うるさい」

 

『あ、もしかして愛着湧いちゃった?いーじゃん、壊しても死んじゃわないんだし』

 

「貴女には関係ないでしょ...黙ってて」

 

『関係ない訳ないでしょー?私は貴女なんだもん。ねー、きゅってするだけだよ?今までと一緒、それですっきりするよ?』

 

「貴女は私なんかじゃないっ!!」

 

『ちぇー、昨日は楽しかったのになー...我慢は身体に毒だよ?』

 

「...どうして貴女みたいなのが私の中に...」

 

『...隙ありっ』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どぱん

 

 

 

 

 

 

 

 

「あっ...」

 

 

握られた右手、おにーさんだったものが辺りに撒き散らされながら、血の匂いをより一層部屋中に充満させる

 

 

「あ...あぁっ...?」

 

 

ぞくり、と震える身体。速くなる呼吸。より強く脈打つ心臓...なんで...なんで、なんでなんで!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「気持ちイイ、の...?』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ふぅ、今日一回目。えーっと、さっきまで読んでた本は...良かった、血溜まりは避けてた。さてと、どこまで読んだっけ...

 

 

「ここかな?それでお姫様と王子様は...フラン?」

 

「あっ、え...』

 

「どうかした?...あ、もう少し前のページ」

 

 

どぱん

 

かしゃん

 

 

二回目、やっぱりもうちょっと前のところだったかな?本を拾い上げ、ぺらぺらと捲る。...あぁ、ここだ。似てるから分かんなかっ

 

 

どぱん

 

かしゃん

 

 

...しばらく続くかな?本は...ベッドの上にでも置いておこうか。毎度拾うのも疲れ

 

 

どぱん

 

かしゃん

 

 

んー...もしかして今日かな?ちょっと残念だけれど...まぁ仕方ないか。何にも分からないままだっ

 

 

どぱん

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

たけど...あれ、死んでない...?じゃあ、なんで...そう考えてフランに目を向ける

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そこにフランの右手は無かった

 

 




ここまで読んでいただき感謝です。それでは、また
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