「おはよう...で、良いのかな?」
「あ...おにーさん......うん、おはよー!」
相も変わらず血生臭く可愛らしい部屋の真ん中、ベッドの上で座り込んでいたフランは元気に挨拶を返してくれる。吸血鬼って夜行性だと思ってたんだけど、そうでもないんだろうか
「起きたらおにーさんがいなくなっててビックリしたんだよ?」
「そっか...大丈夫、ちゃんと毎日来るよ」
「...そう、なら良い!」
頬を膨らませながらそう言うフラン...やっぱり、少し重ねてしまう。こんな無邪気な笑顔の裏...何かが潜んでいる、他人を壊そうとしてしまう何かが...
「さて、今日は何して遊ぼうか?」
「えっとねー...どうしよっかなー!」
まぁ、残りでなんとかできればラッキーかな
『あれ、壊さないのー?折角おもちゃが戻って来たのに』
「...うるさい」
『あ、もしかして愛着湧いちゃった?いーじゃん、壊しても死んじゃわないんだし』
「貴女には関係ないでしょ...黙ってて」
『関係ない訳ないでしょー?私は貴女なんだもん。ねー、きゅってするだけだよ?今までと一緒、それですっきりするよ?』
「貴女は私なんかじゃないっ!!」
『ちぇー、昨日は楽しかったのになー...我慢は身体に毒だよ?』
「...どうして貴女みたいなのが私の中に...」
『...隙ありっ』
どぱん
「あっ...」
握られた右手、おにーさんだったものが辺りに撒き散らされながら、血の匂いをより一層部屋中に充満させる
「あ...あぁっ...?」
ぞくり、と震える身体。速くなる呼吸。より強く脈打つ心臓...なんで...なんで、なんでなんで!?
「気持ちイイ、の...?』
ふぅ、今日一回目。えーっと、さっきまで読んでた本は...良かった、血溜まりは避けてた。さてと、どこまで読んだっけ...
「ここかな?それでお姫様と王子様は...フラン?」
「あっ、え...』
「どうかした?...あ、もう少し前のページ」
どぱん
かしゃん
二回目、やっぱりもうちょっと前のところだったかな?本を拾い上げ、ぺらぺらと捲る。...あぁ、ここだ。似てるから分かんなかっ
どぱん
かしゃん
...しばらく続くかな?本は...ベッドの上にでも置いておこうか。毎度拾うのも疲れ
どぱん
かしゃん
んー...もしかして今日かな?ちょっと残念だけれど...まぁ仕方ないか。何にも分からないままだっ
どぱん
たけど...あれ、死んでない...?じゃあ、なんで...そう考えてフランに目を向ける
そこにフランの右手は無かった
ここまで読んでいただき感謝です。それでは、また