外伝マギアレコード RTA ワルプルギス討伐チャート情報提供者ルート 作:最近ハマってしまった人
猫が起きたので初投稿です
神浜大東団地。
幼馴染の私達が住んでいる、思い出の詰まった大切な場所。
市内でも屈指の巨大集合住宅であるここは、神浜市の東…大東区に位置している。全60棟で、商業施設も併設してる団地。
公園で友達と楽しくおしゃべりして、夕方になればどこかの家庭で夕飯になるだろう美味しい匂いがして、屋上からは辺り一帯を見渡せる心地よい景色。
今日もいつも通りの変わらない朝を迎えた。でも実際は違っていて、もう既にいつもの日常は壊れ始めていたんだ。
最近この団地では色々な事が起きていた。近所の大人達から「物騒な事が起きているから気をつけて」という心配の声を何度も聞いた。
一番多いのは不審者情報。ところどころ…というか張り紙も出されてるくらいで、その張り紙をよく見かける。
そのせいで団地に妙な雰囲気が漂ってきていた。
……暗い話は置いとこ!
そういえばこの辺でクローバーを見つけたんだ!近所の人から教えてもらったけど、クローバーって三つ葉が普通なんだって!
四つ葉は変わり種で、珍しいから見つけた人には幸運が訪れる!
じゃあ幸運は来ない…?って思ったけど、幸せはそう簡単に見つかるものじゃないから、今が一番幸せだから私はまだ大丈夫!
そうこうしてたら見覚えのある背中が見えてきた!同じ団地に住んでる幼馴染のれいらとせいかだ。
2人はこっちに気づいてないみたいだったから、大きな声で驚かしてみる。案の定、とっても良いリアクションを取ってくれた。
せいかは立て続けに驚かされていたようだった。少し悪かったかもしれないなぁ…。
それで2人と話をしながら学校に登校する。今日もまた一日が始まった。
知らない事を知るの、楽しいと思うんだ。だから私は学校は好きだよ!勉強も!私は普通通りにしてるし、楽しい事を楽しんでる!
でも周りの子達は私の事を変な子だって言う。流石に私でも、これは馬鹿にされてるって分かる。
昔からいつもそうだった。どうしてかなんて理由は私には分からない。『天然』とか『不思議』とか言われて、いつも笑われるのは変わらなかった。
そういう風に見られるのは仕方のない事だと思う。でもやっぱり考えちゃうよ。そんなに変なのかな………。
ううん……変なのってそんなに笑われたり、からかわれたりするものなの?そんなに私って…ダメなのかな?
今日、2人と一緒にお弁当を食べるんだ。だから誘ってくれたのを断って、自分の教室から出て行く。
友達と約束があるって言ったら、『今度見せてよ』って言われてしまった。友達は見せるものじゃないのに。
どうにもならない気持ちを抱えて視聴覚室に向かう。ここは人があまり来なくて静かな場所なんだ!
せいかが教室に居ない時は大概この視聴覚室にやってくる。今日もクラスを覗いたら居なかったから、多分ここに居るんだろう。
ノックを言ってから入ると、やっぱりそこにはせいかがいた。れいらは他の子達と食べてるのを見たから、今日はせいかと2人でお昼ご飯!
一緒にいれるだけで明るい気持ちになれる。楽しい事だけ話していたかったんだけど、さっき教室で言われたばかりだったから、つい頭で考えていた疑問が口に出ちゃった。
しまったって思ったんだ。慌てて誤魔化して、自分が団地の不審者だー!とかなんとか。
せいかもそれには乗ってくれたけど、話が気になったのか、せいかなりの考えを私に話してくれた。
「変…っていうのは人と違うってことでしょ?それって当たり前の事だと思うの。」
「……当たり前…?」
「自分は自分、同じ人なんていない。だって、みとはみとだもん。違っていて当然だよ。」
心に爽やかな風が吹き込んだ気がした。考えてみれば単純な事だったのかもしれない。
それ以上に、せいかが私の事を思ってくれているのに感動していた。良い友達を持ったなぁ…なんて感傷的な事を感じている。
ふとした時、携帯に着信が入った。れいらから送られてきたモノで、誰かの掃除当番を変わったから帰るのをちょっと待っててほしいって。
れいらは優しいね!
そう言ったら、せいかが「人が良すぎる」と言う。しんみりとした空気は無くなって、普段の空間が広がっていった。
団地に帰ってきたら、3人いつもの公園でおしゃべりをする。学校での話とか、最近の不審者の話とか。
途中でせいかがハッとした様子で、頼まれていたらしい用事を思い出したから、今日はここでお開きって事になった。また明日と言って自分の家である25号棟の502号室に帰る。
お母さんがどら焼きを買ってきてくれたから、しっかりと手洗いうがいをして、それから食べる!うん、美味しー!
私のお母さんは心配性で、学校での様子とか不審者のお話とか、私の事をすごく大切に思ってくれている。小学生の頃、先生から私が学校に馴染めていない事を聞いてから、より一層気にかけてくれた。
お母さんは私の事で悩まないでほしいと思う。勿論大切に思ってるし、思われてるのも嬉しい。だからこれ以上の心配を掛けたくないのも事実だった。
居たたまれなくなって、買い物に行く嘘をついて家から飛び出てきた。思わずノートを買うとは言ったけど、まだ要らないだろうし予備ってことにしよう。
辺りはすっかり夕方になっていて、とりあえずそのまま歩き出す。そうしたところで先程別れたばかりの姿が見えた。
「れいらー!」
「みと!」
本当にさっきぶりだったから、別れの挨拶もした手前なんだか照れ臭くなってくる。
どうやられいらも買い物に行くらしい。カレーのルウと頼んでたという本。本の方はお菓子作りの本なんだって!
せっかくだし、れいらと一緒に買い物に行く事にした。
それでその帰り道。
せいかっぽい人が歩いてるのを見かけたんだ。ここからじゃよく見えないけど、用事があるって言ってたからそれなんじゃないかな?
「……団地の商店街に用事…?」
団地には『団地中央商店街』と呼ばれている商店街が併設されている。最近は近くに大型スーパーが出来てしまって、店の大半はシャッターを下ろしていた。
昔ここにあった駄菓子屋でよくみんなで遊んでたんだけどなぁ…もう閉店しちゃったんだよね。
でも確かに……れいらが言った通り商店街から出てくるなんて、一体どんな用事なんだろう。
妙な胸騒ぎがやけに気になっていた。
それで結局のところ、妙な胸騒ぎは的中していた。
団地で話題になっていた不審者が、商店街で見つかったらしいんだ。捕まったという訳じゃなくて、自ら保護を求めてきて……。4号棟の人だったみたいだけど、今回の件を何も覚えてないって!不思議だよね。
そんな感じで話していたら、れいらが昨日見かけたせいかっぽい人について聞いた。
せいかは行ってない。そう言ってるけど、なんとなく誤魔化そうとしてるんだなと感じる。
その後急にせいかは家の用事を思い出したらしくて、すぐさま帰って行っちゃった。様子がおかしかったねなんて言葉は喉に突っかかって、それ以上話は進まないように、この事を気にしない努力をする事にした。
それでもこの話は続いて、今度は学校でれいらに呼び出された。1人で抱え込んでいたら頭の中がごちゃごちゃしたんだって。
れいらは商店街に行ってみたらしい。そして、あの時見たのは本当にせいかなんじゃないかって思ったって。
私は今までの仲を壊したくなくて、色々と話を引き延ばしたけど、せいかともう少し話がしたいという気持ちに嘘偽りは無かった。
今、団地の公園で話をする。
れいらは単刀直入に、せいかが何をしていたのか聞いたんだ。本当にただ最近のせいかの様子が気になっただけなんだよ。
だから………
「やめて!」
突然の大声に私はびっくりした。そんなに教えるのが嫌なの…?
せいかは商店街に居なかったって一点張りで、怒らせてしまったのかと心配になって泣き続けてしまった。
2人は言葉を発さない。どのくらい時間が経っていたのかは分からなかった。その後どうやって帰ったかとか、どうやって別れたかは一切覚えていない。
ただ私達の間に深い亀裂が出来たのはどうしようもない事実だった。
私は家に帰ってからも泣いていて、事実をひしひしと感じているだけ。
本気で言い争う事なんて今までなかったのに、れいらとせいかが喧嘩してしまった。あんなに怖い顔をしたせいかを見るの、アレが初めてだった。
どうしてこうなってしまったんだろう。せいかに何があったんだろう。そんなに言いたくない事があるのかな……?
お母さんから声を掛けられる。余計な心配をさせたくないから、本当の事を隠して大丈夫だって事を伝えた。
だけど深刻そうな顔はそのままに、大事な話を切り出した。私にとってとても大事な話らしい。
夜中なのに夢中で外に駆け出した。
いつもの公園で1人、涙の量はさっきよりも増えて泣き続ける。どうしてという思いは止まらない。
こんなに大好きな団地から、こんなに大好きな友達から、離れて引っ越すだなんて。れいらもせいかもあんな事になってしまった。私にはきっと…何もできないんだ。
「どこ…?どこにあるの…?」
四つ葉のクローバーを見つけると幸運が訪れるんだよ……もう一度元に戻って欲しかった。幸せな日々に戻って欲しい。
「……見つからないよぉ…」
スカートも指先も土で汚してしまったけど、四つ葉のクローバーは見つからない。それがなんだかもう私に幸せはやって来ないって言ってるみたいで、余計に悲しい気持ちになった。
地面に座り込んで泣く私の耳に聞こえたのは、鳥の羽ばたきだったんだ。小鳥のような音じゃなくて、もっと大きな音だったから、思わずその方向に顔を向ける。
見れば真っ黒なカラスが嘴にクローバーを咥えてた。
脚で地面を蹴って器用に私の前まで来ると、そのクローバーを差し出した。私にって事なのかな…?
受け取ったそれは四つ葉の変わり種だ。私が探してた幸せの象徴。
「………ありがとう……」
感謝の言葉を伝えると、カラスはその大きな翼を広げて空高く舞っていった。
そしてカラスが去っていったのを確認すると、物陰から白い喋る動物が現れた。何を言ってるか全然分からない。内容は頭に入ってこなかった。
私…夢でも見てるのかな……
四つ葉のクローバーをくれたカラスが飛んで行った方を見上げてみる。色々と起きすぎて疲れてしまっていた。
でもこの日はまだこれだけで終わらなかった。
見上げた屋上に居るのは……れいらとせいか?
「やめて!」
次にその言葉を言ったのは私だ。その夜はもう何が何だか分からなかった。
屋上に慌てて来てみれば、不思議な格好をして大声で喧嘩している2人。どうしちゃったんだろう、これからどうなっちゃうんだろう。
言葉の喋る動物の事を言ったら、れいらとせいかは既に知っているようだった。私だけ知らずに仲間外れだったの?そうだったんだ……。
私はせめて2人が仲直りして、安心してから心残りなく引っ越したいと思う。
伝えたんだ、伝えなきゃいけなかったんだ。いずれにせよ、この事は言わなきゃいけなかった事なんだ。
れいら…せいか……
……私…
「もうすぐ引っ越しちゃうんだよ」
▶︎
団地組の友情を見守るRTAはーじまーるよー
前回はアザレアイベントの後の静かな休息回でした。神浜のヤベーやつ?一体なんのことですかねぇ?
今回は続きからです。前回ラストに首を絞められて、手の跡が残ってしまったので少しの間Yシャツで一番上まで閉めときます。
魔法少女だから少し経てば、この跡も綺麗さっぱり消えます。治癒系の固有魔法ならもっと早く消えますけどね。
さて次に来るイベント『バイバイ、また明日』の見守りですが、介入する気はないので傍観姿勢を決め込みます。
正直言ってアリナパイセンの契約シーン見るだけでソウルジェム濁るほどの為、詩織ちゃんと感覚を共有して遠隔カメラするのは時々でいいです。つまり放置します。
それじゃ倍速いきますよ〜
「その…よろしければ、映画…見にいきませんか?」
おっ組長じゃ〜ん。珍しく映画館にお誘いしてくれましたね。断ると今後が少し不安なので、ガバを潰すために誘いに乗りましょう。
ところで何の映画っすか?特撮?日曜日朝の戦隊モノオールスターズ?ええやん…!
というわけで行くのを約束して映画館にレッツゴーです。いつもの格好でも良いんですが、こういった交友イベントでオシャレすると好感度が上がりやすいです。
といってもまともな服がないので、シンプルな服装となったのがこちらです。いつもと変わらなくな〜い?
待ち合わせよりも早い時間に着くようにしましょう。程よい感じの時間に来とくと、ゲームでも相手に好感触ですよ。
「お待たせしました……!」
スゴイ!カワイイ!組長といえば魔法少女姿とか制服とか着物とかって感じなので、可愛らしい私服に身を包む組長はカワイイですね。
これは…気合い入ってるな?ネームドキャラの私服などは、制作者サイドの力の入れようがよく分かるのでとても好きです。
それでは映画を見にいきましょう。組長がわざわざ特撮の映画チケットを用意してくれたので、お言葉に甘えて思い切り楽しみます。好きなモノを聞いたのってこの為だったのか!やるやん……。
今回のこのイベントは交友イベントの一種ですね。
殆どの場合はプレイヤーから発生させて、好感度を上げる事が出来ます。この組長のように、相手側から誘われる事も勿論あります。
こちらから起こす時は少々運が絡むところがありますが、誘われる場合には基本確率が絡みません。つまり失敗する事は滅多にないって事ですね。
その条件で失敗させるためには、余程の事をしないといけません。その行動に(うまあじは)ないです。
RTA的に交友イベントはうまあじです。たった1日の行動権を消費するだけで、キャラの好感度を通常の接触よりも得ることが出来るからですね。
あと単純に殺伐とした魔法少女界隈の目の保養になります。あぁ^〜みんなかわいいんじゃぁ^〜。
注意点は映画を見にいきたくなる事です。作中劇も結構クオリティ高くて楽しめるんですけどね。BGMなどのアルバム詰め込みセットの中にこういったモノの劇中歌が収録されています。
たまにさゆさゆが歌ってます。いきなり水名ローカル熱血ロボットモノを歌い始めて困った時があります。しかもその試走時は水波レナちゃんが主人公属性に目覚め始めました。
それでこの映画イベントで見る物によって若干ゃ精神に影響を与えます。今見てるのはヒーロー物なので、一部の性格カテゴリ(今回は善性関係)の特徴が一時的に引き継がれます。
しばらく経てば剥がれますが優秀なバフをくれる時があるため、通常プレイでは様々な面でかなり重宝します。クソほど強い子が出来る時が本当にヤバかったですね。しかしこれはRTAなので、映画館バフは役に立てません。
お!見終わりました。本日の判定…普通ですね間違いない。これで失敗とか取ってたら色々と酷いことになってました。
組長も存分にお楽しみいただけた様子です。やっぱりロマン……感じるんですよね?
礼を言いつつ飴玉を渡しましょう。もっと詩織ちゃんと仲良くしてくれよ〜頼むよ〜。実際このイベントまで来たから結構上がってるとは思うんですけど?
いやぁ組長可愛らしかったです。
最高の休日になりました。ああいった作中の作品を見る時は、RTA中の貴重な気休めタイムです。
さてお次は相談所に通います。まだ会っていないネームド魔法少女たくさんいるからね仕方ないね。今後のイベントのためにも、もっと交友関係を伸ばしていきたいです。一度会っただけでも展開がスムーズになりますから、積極的に狙っていきましょう。
たのもー!ここに会ってない魔法少女はおらんかー⁉︎え?今日は組長が相談しにきてる?なるべく邪魔にならないようにしますんで……。相談事を言ってくれないという事はまだ組長の信頼度は足りてないみたいです。一緒に映画見に行ったじゃないですか!どうして…⁉︎
まあ気にしても仕方ありません。とりあえずななかさんは相談中なので、受付のあきらさんとお話ししときます。神浜大東団地についてどのくらい知ってるか確認したいですからね。出来れば団地の魔法少女について知りたいんですけども…どうっすかね?
「あくまで噂なんだけどね。あそこには魔女が住み着いてるらしいんだ。」
ビンゴですね、参京院のトラブルシューターは優秀だなぁ。その事をチームには話したんですか?その話を受けてななかさんが接触した話をしないと、団地の魔法少女について分からないんですよ。
「一応、団地にも魔法少女はいるらしいんだ。でも向こうの方は助けを拒否したって聞いたよ。」
はぇ〜なるほどなぁ〜。ちゃんとこの辺りの会話はしてくれたようです。これで団地に魔法少女がいるって事を知れます。
互いに干渉しない感じになってはいますが、別にカラス使って覗くくらいしても構わんのだろう?なので義手くん2号を飛ばしておきます。備えあれば憂なしですしね、非常事態の時に緊急で呼び出ししてくれるようにあらかじめ指示しておきましょう。
ところで組長固まってますけど大丈夫ですか?なんかデジャヴを感じるんですけど…はて?何かあったんすかねぇ?
「うーん、やっぱり話せないかな……。」
これはもう地道に組長の信頼度上げてくしかないです。そうときまったらとことんやってやりますよ!とりあえず飴ちゃんをあげて頭を撫でていきます。オラ!詩織ちゃんに頼るんだよ!
あ、やばいですね。更に固まってしまいました。これには詩織ちゃんも困り顔。ななかさんのこれからが不安になってきますね。映画館行った時は普通だったんだけどなぁ。
それじゃあそろそろ帰ります。今日も知らない人に会えませんでした。走者の運が落ちてきましたかね?
今回は作中映画鑑賞でかなり時間を取ってしまったため、動画の尺の都合上今回はここまでになります。
ご視聴ありがとうございました。
▶︎
神浜市のとある廃墟一帯。
当然ここらに人なんてもう住んでないし、通行人なんて来るはずがない。静かな廃墟で僅かに聞こえるのはカラスの鳴き声とかその程度。
だけど、『物好き』な人っているでしょ?
私もその一人なんだ。ここら辺で一番大きい廃墟に着くと、寂れてるけど立派に役目を果たしている入り口をノックする。
すると扉を改造して作られた小窓から、白い柔らかな手が伸びてくる。肌の感じからして少女の腕と呼ぶのが適切であろう。
初めて訪れる人からしたら何をしているのか分からないかもしれない。ここはある意味一見様お断りみたいな場所なんだ。何があるのか知るためにもいくつかの手順を踏まなければならない。
私はポケットからとあるカードを取り出して、小窓から出てきた検問役の手に渡す。
「……入ってよし。」
カードは識別みたいなもので、落としたとしてもここの存在がバレないよう、巧妙にカモフラージュされている。それに検問役に渡す時は本人の魔力を微量ながら流して、誰が来たのかとか確認したりするんだ。
検問の子に挨拶をして中に入る。
ここではとある集まりがあって、それに参加するために私も大分苦労をしたんじゃないかなって思う。
廃墟に入ってすぐ中には大きなホールがある。そこら辺に各々の好きな物を持ち込んだり、椅子とかソファとかが中心を囲むように点々と配置されていた。
「おはよう、どうかした?」
「最近なにか気になる事ある?」
「んーいや…私は無い。強いて言うなら今度新人歓迎会みたいなのがあるくらい。」
「そっか…どこまで増えたの?」
「ちょっとだけかな、それでもここの人達は結構居るよ。」
丁度良く人が居たから近況を聞いてみた。特に新しい情報があったわけじゃないから、世間話を続ける。
来るのは全員、魔法少女の契約をした子だ。
その中でも強いって名が知られてる人達は居ない。居るのは弱い部類が大半で、せいぜい中堅って感じの子がちらほらと。
それもそのはず、ここはひとつの互助会みたいなものだ。
魔法少女同士で助け合う事を目的とした組合で、さっきのカードとかはここの会員証である。いやまあ、名目上はそういう崇高なモノなんだけど、なんというか実際の目的はまた少し違っている。
一口で言っちゃえばファンクラブだ。うん。勿論たかがファン達がここまで大きくなったのには、とある理由が絡んでいる。
行き過ぎた信仰というのか…一種の宗教じみてるとは思うけどね。同じ志を持つ者しかいないから、ここでは気兼ねなく過ごせる人も多い。私もここに入ってる時点で同類なのかもしれないなぁ……。
「そういえば頼まれてたやつ渡しといたよ。ありがとうって言ってた。」
「本当か?良かった…皆で分け合ってお金を出した甲斐があったね。」
私は情報収集と装ってやってきている。有益な情報を得られたりするし、あながちこの表現は間違ってないだろう。自分の意志で入ったから、出来れば周りには内緒にしたいところ。
ここは互いに助け合う事を重んじていて、能力の優劣とかあるけど内部で圧政とかされてない。というのも、やはり同じ気持ちで集まった者の集まりだからとしか言い様がない。
組織の魔法少女達は変わり者ばかりだ。でも皆、とある人を応援したいだけなんだよ。
……悪く思わないでね、詩織さん。
猫と戯れるので失踪します