外伝マギアレコード RTA ワルプルギス討伐チャート情報提供者ルート   作:最近ハマってしまった人

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2次創作小説増えろ増えろ…と思っているので初投稿です













第一話 魔法少女の手引き

 

 

 

一度きりの奇跡を起こす代わりに戦い続けなければならない。

 

 

 

それが魔法少女の契約。

いつ落ちるか分からない下り坂を自ら選んでしまったのだから。つまり自ら仄暗い人生を確定させてしまうような悪魔の契約だった。

 

 

でもこれは今さら何を言っても仕方がないことで、これから先をいつも考えては見えないフリしか出来なかった。

ソウルジェムはこの身から抽出された魂で、魔法少女はやがて災厄を振り撒く魔女となる。後の魔女はまた別の魔法少女に倒され生きる糧になる。

いつから始まったなんて知らない命の循環に巻き込まれていた…いや、自ら巻き込まれていったのは間違いないだろう。

きっとそれが運命ってやつかもしれないね。魔法少女の生涯、そして私の人生さ。

 

 

 

 

 

(手帳の初めに記載されたメッセージは誰かの映像からの抜粋のようだ)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

▶︎

 

 

 

 

 

 

 

 

一般の人々とは確かに異なるが、弓有詩織は自分の日常が至って平凡なモノだという事を自負していた。

日々を過ごす為に金銭を稼ぐアルバイト。

生きていく為に行う魔法少女の仕事。

助ける為にグリーフシードを与える商売。

今後これらが増える可能性はあり得るが、これら三つによって弓有詩織の毎日は成り立っている。魔法少女も日常生活も両立して生きていけるような生活サイクルが確立されていた。

 

(そこに果たして生きる実感があるのかと言われたら少し疑問が浮かぶところではあるが、少なくとも彼女はそういった日常を送っていた)

 

 

「また朝食べないの?」

 

そうして昏倒事件以降から増やした同居人、更紗帆奈に食事の有無を呆れ顔で質問される。

頷きだけで返された返答はもう既に分かりきっていた事だった。それでもほぼ毎回のように言ってしまうのは、無言の観察が食べづらくて話を逸らそうとしたからである。

言ってしまえばそれは失敗に終わっていた。弓有詩織の口数が少ないために会話が続かないのが原因だ。結局発言する機会が無いのか口下手なだけなのか人が苦手なのかは誰にも分からない。

 

 

 

 

朝を食べ終えると早速バイトに向かっていく。

もし知り合いに会った時に渡す飴は様々な味を用意していた。色鮮やかな包装紙に包まれたそれらはまるで宝石のように輝いている。

手帳に書かれた今日は午前中だけ万々歳でシフトがあり、午後からはフリーという日程となっている。

未だ書かれていないページの下部には、『診察』の文字が空白に二文字だけ書いてあった。

 

万々歳の店長…由比鶴乃の父親には許可を得ているから、更紗帆奈は弓有詩織が居る時のみバイトをする事にしている。

基本的に弓有詩織の家に同居という形で養われながら監視されているが、その都合上水名女学院を中退するという事を勧めたのだ。

更紗帆奈としては別にそこまで思い入れがあった訳でもないので、別に名残惜しいとかいう気持ちは微塵もない。退屈な授業を大人しく受けるよりかは外を出歩いた方がいくらかマシだった。

 

 

しかし、それはそれとして。

 

 

特に働かなくても十分なくせに休日の隙間ですらバイトを挟んでいるから金銭的にかなり余裕があるとはいえ、人1人分増えても特に気にしない弓有詩織とそんなヤツに養われている自分が何処と無く癪に触ったのだ。

まあ由比鶴乃とシフトが被る時は彼女への配慮からか、和泉十七夜か七海やちよに預けられる事が多いけれども。

 

正直言ってこの店には客が全然来ない。

店の売り上げ的には結構な問題だが、更紗帆奈は客の来ない静かな空間の方が居心地が良かった。

偶に店長の気遣いによって、そのまま昼に料理を食べさせて貰える時が時々あった。なんというかいつ食べても微妙な味だと2人は思う。

弓有詩織の方は特に何も考えずに食べていたような気がするが、更紗帆奈の方は口に出さずとも心の内で50点だと感じていたに違いない。

 

それよりも昼は食事を取ってくれた事に更紗帆奈は少なからず安堵を覚えていた。

コイツは他人に積極的に食べさせようとするのに自分からはあまり食べないのが少し癪に触っていたからだ。

 

(誰かから言われない限り本当に食べようとしないのがまた、更に更紗帆奈の苛立ちを募らせているのだろうか)

 

 

 

そんなこんなで直ぐに半日は消え去る。

店長に挨拶をして終わった後は、約束の時間まで魔女を探して市内を練り歩く。

路地裏を中心にパトロールをして、ビルの屋上から屋上へ飛び移って、見つけた魔女は手当たり次第に殲滅してそのグリーフシードを回収する。

 

使い魔のカラス達、空中を自在に動き回る短槍。肝心の本人は更紗帆奈の周りの手下を倒して身の回りの安全を確保するくらいだ。

やはりベテランなだけあって慣れていると感じる手際の良さ。

他の人よりも劣る身体能力の低さを有り余る経験と技術でカバーするのが弓有詩織という魔法少女の戦い方であった。

 

そうしてその作業と同時進行でグリーフシードの商売を行う。

1人、2人…今日はそれくらいだろう。

 

たった2人だけと思うかもしれないが、これの元がただの慈善事業という事を顧みれば、2人の魔法少女の買い取り金額は下手なバイト一つの時給を優に上回る額だ。

流石に弓有詩織にも顧客を判断して受け渡しをする精神はある。しかし利用条件は事項一つのみで金額の指定なし、最低料金0円からという破格の値段を貫いていた。

 

それでもこうした売り上げが出るのは弓有詩織の人望か商人の実績か、はたまたグリーフシードが魔法少女の生命維持装置だからかは…まあ、彼女にとって知る由もない事だ。

 

 

 

魔法少女とあらば欠かせないモノは、やはり他人とのコミュニケーションであろう。

特にこの神浜という土地においては、他魔法少女と知り合う方がいくつかの障害を回避することができる。

ここまで魔法少女が多いというのも神浜の闇を仄かに感じさせるが、その数の多さと市の魔女の強さ故に大抵の魔法少女はチームを組んでいる。

勿論ソロで活動している者も中にはいるが、新しく契約した少女にはそもそも他を知らない子も多いのだ。

 

そうした事が積み重なって起こるのは大抵は不和ばかりである。というよりこれは神浜だけでなく他の地域でも言えることだ。

魔法少女としての運命を背負いきれず、心が折れてしまう者も中に存在している。そういった少女達を助けようとしているのが他ならぬ弓有詩織である。

なにせ魔法少女は変身したり魔法を使ったりせずとも身体の維持だけで魔力を消費してしまう。

つまり定期的にグリーフシードで浄化しなければ、契約以前と同じ日常生活を送っていてもソウルジェムは濁る一方なのだ。

 

 

だからこそ弓有詩織のような存在は重宝される。

 

 

心が折れた少女達にとっての生命線なのだから。彼女が居なければ既に魔女になっていた魔法少女は多い事だろう。

……同時に本来なら魔女にならずに済む魔法少女も居た筈だ。

例え机上の空論であっても確かにそこに居た。弱い魔法少女達が生き延びる代わりにグリーフシードを得て生きる筈の強い魔法少女が。

それでも見捨てられないのは彼女の性なのかもしれない。少なからず弓有詩織はもしもの可能性を理解していた。

 

 

 

 

 

何はともあれ、今日の商人稼業はひとまず終了した。

時間もそろそろ丁度いい頃合いだから、和泉十七夜との待ち合わせ場所である調整屋へ向かう事にする。

なにやら助っ人として団地の3人も呼んでいるらしく、いつも会う度に和泉十七夜は診察と言っていたが、弓有詩織自身はその行動の意味を理解していない。

まあ特に最近体調が悪いという訳でもないし、断る理由がある訳でもないので好きにさせている。

せっかく誰かに会う用事を取っていたから、美味しいと評判のチーズケーキを買ってきていた。

 

「こちらから呼び出していたのに申し訳ない。」

「……いや…気に、しないで。」

「なんかこの前も食べ物貰った気がする……。」

「みんな〜ケチャップっているかしら?」

 

チーズケーキの上にケチャップを追加投入して食べるとかいう、八雲みたまのある意味猟奇的な問いかけに弓有詩織は首を縦に振る。

その様子を見て和泉十七夜以外の全員は目を見開き、チーズケーキと弓有詩織を交互に何度も見返した。

 

(合うかどうかは知らないけど、少なくとも私は絶対に試したくないかな)

 

……よくよく見ればケチャップを手渡された右手が震えているような気がしなくもない。

 

 

彼女は基本的に優しいと揶揄される人物である。

それだけに純粋な眼差しで見つめられると断りにくくなる性格だった。流石に駄目なモノはハッキリと駄目だと言える人間であるという事は伝えておこう。

 

料理もちゃんとマトモに作れる類なので心配はしないでほしい。いくら彼女であろうとも料理の中に絵の具を入れようとする八雲みたまを看過する事は出来ない。

 

 

 

他愛ない雑談と互いの最近の状況を話しながら、しばらくの間お茶にしていた。

何故か追加でテーブルに置かれた梅干しには満場一致で見て見ぬ振りだが、程なくして元の用事を始める事にする。

診察と言っても方法自体は複雑ではない。これに慣れた和泉十七夜が言うことには複雑よりもむしろ簡単な部類で、何事も無ければものの数分で大した時間は掛からずに終わる。

 

(これはほんの少しの豆知識なのだが、こういう時の『何事も無ければ』という言葉は信用に値しない。所謂お約束だとかフラグだとか呼ばれるモノであるからね)

 

しかし和泉十七夜の『読心』と相野みとの『心を繋ぐ力』があったからか、今日だけはいつもと違っていたようだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ここ、何処なんだろう。」

「病院のようだけど……。」

 

 

 

珍しく複数人が干渉した診察は予想外の結果となった。

 

 

おそらくは弓有詩織の経験した過去なのだろう。似た系統の固有魔法が組み合わさって効果が増していたのだと考えられる。

いつのまにか彼女達は何処かの病院の休憩所に立っていた。窓から見える景色で判断するとかなり高い階に居るようだ。

 

廊下の方に歩いてみれば端から端まで病室の扉が並んでいる。残念ながらそれらの表札達は不思議なノイズが掛かっていて読めない。

病院の内部は人気が感じられず、何処を見渡しても患者どころか看護婦さえ見当たらない不気味さだ。

 

 

ひとまず何か考察をしてみようかと話し合おうとした所、ここに来てからずっと口を開かなかった弓有詩織が突然歩き始めた。

周りの驚きと制止すら無視して進んだ彼女は、長く続いた廊下の端…この階の角部屋にあたる部屋でやっと立ち止まる。

そのまま引き寄せられるようにして彼女は扉を開いた。すぐ後から追ってきた少女達が遅れて病室に入ろうとしたが……。

 

 

「わぁ!?」

「れいら!せいか!」

「……更紗君も弾かれたか。」

 

 

扉に触れた途端、まるでブレーカーが落ちるような音と共に、伊吹れいら、桑水せいか、更紗帆奈の姿がブレたかと思うと姿が搔き消える。

 

散々やられた事のある和泉十七夜はこの現象を理解する事ができた。おそらくは弓有詩織の固有魔法『使役』によって強制的に空間内から追い出されたのだろう。

しかし未だ和泉十七夜と相野みとが弾かれずに残っているのは、直接魔法を行使している者だからなのかもしれない。

 

「仕方ない、ひとまず進んでみよう。」

 

スライド式のドアに手をかけると、それは和泉十七夜が思っていたよりも簡単に開く。

出入り口からは中の広い室内を見ることは出来ないが、壁に阻まれて見えない部分に先程入っていった弓有詩織の後ろ姿が見えた。

2人が立ったままの彼女の近くに行っても反応はなく、その顔は呆然として眼前の光景しか見えないようだ。

続いて彼女の視線を辿った先の光景に2人は目が行った。窓から街並みを一望できるこの部屋の中にあるモノに。

 

 

ねぇ   ちゃん、人が救われる条件って何だと思う?

 

え?なに急に…変な物でも食べた?それとも変な本でも読んだ?

 

 

何処からともなく聞こえる雑音が言葉を遮る。だがそこには幼い少女が2人ほど座って会話をしていた。

綺麗に輝く銀髪に黄色い目の子供、長い黒髪と青い目の子供。片方はおそらく入院中なのだろう。学校帰りと思われる制服を着た少女が病衣の子の傍らに座っている。

 

楽しそうに歓談する彼女達に和泉十七夜は見覚えがあった。

ああ、まさしく己がかつて抱いた『東西の完全な和解』という理想の原型となった2人の少女達である。今はもう夢に見るはずも無かった懐かしき記憶だ。

 

「十七夜さん、あの子達は…?」

「端的に言えば過去の弓有とその友人だ。」

「でも、髪の毛とか目の色とかは……。」

「……それに関しては自分にも分からない。」

 

ふと先に来ていた弓有詩織に注目してみれば静かに、けれども不規則に何度も呼吸をしているのが分かる。この光景に何を感じたのかまでは知ることが出来ないが、軽くパニック状態で過呼吸気味に息を吸ったり吐いたりしていた。

 

 

過去の状況故に干渉する事の出来ない2人の少女達は、その場に立ち尽くす弓有詩織達には目もくれずにいつしかの会話を流すだけだ。

 

 

うーん、大切な人に出会うとか…ああ、努力を続けたらとかかな。

 

お!良いね!それもまた一つの答えだよ!

 

 

何かを考えながら話した制服の少女に病衣の少女が嬉しそうに詰め寄る。

制服の彼女は更にまた深く考え込んだ様子で目を瞑る。その答えを楽しそうに待つもう片方の少女は、彼女の髪を弄りながら笑顔で頷いていた。

それらしき回答をいくつか候補に挙げているのだろう。一つ言うたびに病衣の少女が首を横に振るのを見て、最終的に肩を竦めて彼女の方を見返した。

 

 

 

 

 

 

 

「…ッ!何だ!?」

「なになになになに!?」

 

 

脈絡も無く唐突に景色がブレて、モノクロに映る何処かと淡い色彩の病室が交互に入れ替わる。

 

まるで目眩にも似た感覚だ。強制的に視界を変えられる感覚は気持ち悪く、やがては立っていられずに床に膝を付けてしまう。

ただそれでも隣に立っていた弓有詩織がゆっくりとベッドの近くの少女達に近づいて行くのが見えただろう。

 

 

で、結局答えは何なの?早く正解を教えてよ。

 

あの子は言いました…「   でいたらヒーローは助けてくれないんだって!」と。

 

学校の友達から聞いた話だったんだ……じゃあ   にならない為に必要なものってあるの?

 

 

それでも少女達は何かを話している。

最初から最後までノイズだらけで一つも聞き取る事は出来なかったが、その中でも唯一聞き取れる言葉が一つだけあった。

 

奇しくもそれは銀髪の病衣の少女と弓有詩織の口を開くタイミングが合った時だ。

 

もしかしたら彼女達はまったく同じ事を喋っていたのかもしれない。しかし後ろからではフラつく彼女の表情を見ることは出来なかった。

 

 

 

 

 

…………それは…優しさ、だよ。

 

 

 

 

 

二重に重なったノイズが混じり合った声とも言える音を聞いたあと、視界の気持ち悪さと共に先程まで居た病室も何処かへ消え去るだろう。

 

 

恐る恐る開いた目に映ったのは、色の無い何処か…よく見れば自分達が倒している魔女の結界のような場所。

しかもおそらく最深部、中央に鎮座する魔女から逃げる小さな人影が二つ。

 

ここから下に降りるにはいくら魔法少女と言えども危険だ。それが例え精神世界の中であってもここから飛び降りたくないと感じる高さである。

あいも変わらず弓有詩織は言葉を発さずに映る光景を眺めるだけだ。

いつのまにか元の現実にも帰れなくなっている事に気づいたが、張本人に釣られるように下を覗き込む。

 

 

 

遠くからでは分かりづらいが、もう1人の子を先導している少女が魔法少女らしき衣装に変身しているようだった。

先程見た病室の場面で見た髪色から、それは病衣の子であると自然に推測する事が出来る。

 

それでも制服の少女はそのままで、彼女だけが変身しながら逃げているところを見ると、偶然にも結界に巻き込まれたのだろう。

 

 

 

 

 

しかしながら魔女は迷い込んだ餌を逃さんと退路を断ち、ついに2人の少女は逃げ場を失って追い込まれてしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

▶︎

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

意識を強制的に落とされた和泉十七夜と相野みとは目を覚ます。

 

 

長いことあっちの空間に居たような気がしたが、診察と言うものを始めた時よりさほど時間は経っていなかったようである。

さっきのは何だったのだろうか、疑問を抱えても今すぐ解決できない事に不満を覚えつつ、先に起きていた皆の居る場所へと戻った。

 

どうやら肝心の弓有詩織は2人よりも早く来ていたらしい。調整屋に置いてあった菓子をいくつか既に頬張っている。

何という緊張感の無さ…果たして先程の光景は自覚していないのか、はたまた記憶から抜け落ちているのか。

 

 

 

 

ともかくとして弓有詩織の診察は謎の出来事を起こして終了した。

 

いつも通り帰り際に飴を渡そうとした彼女は、ショルダーバックの中を見ながら手を入れると少し思案するように首を傾げる。

彼女が左手に取ろうしていたのがそれぞれバラバラの味だったのを更紗帆奈は珍しく感じていた。彼女にはなにかと味を統一しようとする癖があるからだ。

 

しかしすぐに取るのを辞めるとそのまま袋の口を向け、好きな味を取って良いよという旨を伝えた。たまには相手に取ってもらおうという粋な計らいなのだろう。

 

 

さてそろそろ家に帰ろうかという所で、スーパーに寄ろうと弓有詩織が話す。

せめてケーキを買う前に買っとけば良かったのでは無いのかという疑問はあったが、コイツは押し付けられた料理を断れないと散々見てきた事によって学習していた。

いい加減飯を食わせないと気が済まない更紗帆奈は愚痴を言いつつ、密かに自宅の冷蔵庫の中身を把握していたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(中略)

 

 

 

ああ、そうだ。

魔法少女ならば覚えておいて欲しい事がある。もちろん経験した少女達なら十分に理解している事だろうけどね。大事な事だし書いといて損は無いんじゃないかな?

世の中は理不尽な事に溢れている。自分の為に生きるのも他人の為に生きるのも、どちらも正解だし間違いなんてない。

 

でも決して望みを絶ってはいけない。

 

そうなってしまったらあの白い悪魔の言う通りなんだ。まあアイツらが言う事に嘘偽りは無いんだけどね…すごい癪だけど。

ともかく私から言える事は特にある訳では無いけど、君を必要としてる人も何処かに居るはずなんだ。

 

 

 

ただ願わくば、君が平和に暮らせるような世界を望んでいるよ。

 

 

 

 

 

(手帳の初めに記載されたメッセージは誰かの手紙からの抜粋のようだ)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

▶︎

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なぁ八雲、弓有について隠し事があるだろう?」

「あら?どうしてそう思うのかしら〜?」

「調整屋の仕事はソウルジェムに干渉して行うからな。対象に何があるのかも間接的に知ることが出来る。」

 

少女達が去ったあと、特に来客の予定は入っていない調整屋はのんびりと過ごしていた。

そんな中ただ一人だけ帰らなかった和泉十七夜は他に人が居ないのを確認し、生温い紅茶を飲む八雲みたまに問いかける。

それは彼女が常々抱いていた小さな疑問であった。

 

「うーん…いくら十七夜でも言えない事ね。」

「…ならいい。言いたくないならば、それは詮索すべきでない事だ。」

「心配しなくても来るべき時が来たら話すわよ。」

 

その声音から彼女はいつもの調整屋としてではなく、八雲みたまとして真剣に話しているのだろう。

それを感じ取った和泉十七夜は横目で八雲みたまを見やると、踵を返して調整屋から立ち去る。

 

背中を見送り紅茶をまた一口飲んで、彼女は静かに息を吐いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……だって、詩織からのお願いだもの。」

 

 

 

 

 

 

 


余談①

第1話「魔法少女の手引き」

・特定のイベントに遭遇

・キーアイテムを他キャラが発見

以上の2つを満たした上で本編開始前に発生する

なお片方のみ達成であったり、どちらも達成出来なかったりした場合はルートが分岐する模様。

フラグ管理が面倒くさいタイプの魔法少女。それもこれも難易度ハードのせいなんだ!走者は悪くねぇ!

 

まだ第1部に入っていなかったので失踪します。

 

余談②

プレイキャラの経歴が隠されるのと同様に、その他のステータスも隠されている事があるらしい。

その場合にはマスクデータとして新たなモノが入っていたり、表記名と中身が違ったりしている。

通常プレイならワクワクするかもしれないが、RTA走者からしたらプレイヤーが確認できないガバ要素なんて恐怖以外の何者でも無い。

 

 

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