外伝マギアレコード RTA ワルプルギス討伐チャート情報提供者ルート   作:最近ハマってしまった人

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遂にここまで来たので初投稿です










Part24 はじまりの走者

 

 

 

 

 

 

やっとメインストーリーに入れるRTAはーじまーるよー

 

 

 

 

前回はたい焼きを奢るだけ奢って終了したんですけども、なーんか途中に変なの入ったぽいですねクォレハ……。

お?走者のチャートは大丈夫か?(明らかに大丈夫じゃ)ないです。

ストーリー自体、謎が謎を呼び過ぎていてもう取り返しが付いていない気がしますが、きっと気のせいでしょう。

 

初見の魔法少女ストーリーはスキップ不可イベントなのが辛いねんな……。

しかもなんかしらの影響があったのか、前回のプレイ時より画面が見づらいんですよね。なんで?(なんで?)

残念ですがプレイヤーに害を与えるような設定はNG。

 

 

 

 

 

 

ともかく今回からようやくRTAも第1部に入れそうです。

開始時期的にも申し分ない頃ですし、そろそろいろはちゃんも来ます(断言)

なぜ断言出来るのかご説明しますと、事前に神浜来訪の電話を貰っていたからです。やっぱ持つべきものはコネやな!

 

今は新西区の駅にていろはちゃんを待っているところです。

帆奈ちゃんは十七夜さんに預けてきました。こういう時にいつもなぎたんを頼るからか、かなり信頼度が高いんですよね。

というか神浜にまた来訪するってことは、もう既にモキュに会ってたみたいです。え?いつ出会ったんですか?

鈴音襲撃の時に詩織ちゃんつきっきりでしたけど、こっちはモキュの姿なんて一切見てませんよ?

 

そういえばRTA収録時にはまだ、いろはちゃんに断られ続ける可哀想な生物でしたね(過去形)

今はアプデが入ってプレイキャラに選択したら、超攻撃的なモキュに進化しました。こんな立派なモキュになっちゃって…斜めブラストとか君さぁ……。

 

 

 

ところでいろはちゃん遅くないですか?

約束の時間に来る電車もう行きましたけど、改札口から出てくるの見てません。

これはもしかして迷ってしまっている可能性がありますねぇ!ありますあります。

どうしましょうか、下手に動くと入れ違いになってしまいそうで怖いんですよ。そもそもどこに居るのかすら分かりませんし。

 

「…あ、詩織さん!遅れてしまってすみません!」

 

おお!噂をすればやってきた彼女こそ、我らが主人公の環いろはちゃんです!

そして詩織ちゃんが本編で全面的にサポートしにいくのも彼女です。ただしあくまで道を舗装する程度ですが。

そういえばいろはちゃん、改札口じゃない方から来ましたけど…一体何を使ってやって来たんですか?

 

「いえその、知り合いに送ってきて貰いました……。」

 

そうだったんですか、今度その人にあったらもう一度感謝しておくようにな!

まあ恒例の飴ちゃんでも渡しておきましょう。とりあえずコレでも舐めて本題に移ろうと思います。

 

 

今回、詩織ちゃんは第1章『はじまりのいろは』のパートナー枠を務めます。

といっても調整屋に送り届けて、かもれに会って、モキュをいろはちゃんに引き渡すだけです。簡単だな!

かもれ宛の手紙を書いて、このまま調整屋で合流できるように時間を調整します。

 

せっかくの機会なので上げる必要がないとはいえ、いろはちゃんと一緒に神浜観光と洒落込んどきます。

それでは調整屋まで倍速じゃあ!

 

 

 

 

 

ここがあの女のハウスね……。

ちわーす!おっ、開いてんじゃーん!

 

「いらっしゃ〜い、あらまた人助け?」

「本当に詩織さんも懲りないよなぁ。」

「いつもの事でしょ、それよりソッチは一体誰よ?」

「レナちゃん、口の利き方がなってないよ……。」

 

まさかのかもれトライアングル勢揃い…だと……?

やるんだったら1人だけでも来てくれれば良かったんですけど、まあココで3人ともいろはちゃんと面識ができるから問題ないな!ヨシ!(現場猫並感)

 

「えっと環いろはです!もし良かったらこれ…詩織さんと選んだので頂いて下さい!」

 

行け!いろはちゃん!感謝と善意のプレゼントだ!

走者はね、気づいてしまったんです。

事情を知らないいろはちゃんを利用して割り勘すれば、彼女達に止められる事なく奢る事が出来る…と。

保存用としてケーキをワンホール買っといて正解でしたね。余ったら調整屋の冷蔵庫で保管しておきます。

 

「……それってもしかして、詩織さんもお金払ってない?」

「ちょっと!今露骨に目を逸らしたわね!?」

 

それじゃあいろはちゃんを調整に突っ込みましょう。

お代のグリーフシードは詩織ちゃんが出すので、心配しなくても大丈夫です。なんなら有り余ってるからな!

待ってる間、かもれにいろはちゃんの事を教えて、ついでに小さい白タヌキの存在も聞いておきます。

 

あ、そうだ。忘れないうちに義手くんに捜索命令を出しましょう。

義手くん2号3号!モキュを見つけたら捕まえて持ってきて!

もし詩織ちゃんが受け取れない状況だったら、いろはちゃん目掛けて投げてくださいね!遠慮しないで!

 

なんかかもれに聞いた話によると、モキュは割と神浜で有名なようです。そら(白タヌキのいない神浜にいたら)そう(一体何だろうと噂になる)よ。

 

「というか知らなかったの多分詩織さんくらいだぞ。」

 

……詩織ちゃんってソロ活動だからなのか知らないですけど、なんか他の子達にハブられてる事多くなぁい?

 

それで肝心のいろはちゃんはどうですかね。

へい!なんかあったりしませんでしたか?主に願い事とか、あと願い事とか……ないですか?

 

「やっぱり小さいキュゥべえが…!」

 

あーあ、いろはちゃんが飛び出していってしまいました。調整屋でイベントを起こさせた走者のせいです。

いろはちゃんを案内していたのは詩織ちゃんです。監督責任があるので彼女が迷子にならないうちに合流しに行きましょう。

みたまさん診てくれてありがとうございました!かもれも今度はちゃんと詩織ちゃんが奢るからな!覚えておけよ!

 

 

 

それで飛び出していったいろはちゃんですが、調整屋でイベントを起こした事によって、強制的に次のイベントが発生しております。

おっ、早速ドンパチが始まってますね。そんな事するの詩織ちゃんが見逃すわけ無いよなぁ!?

じゃけん、すかさず間に短槍を降らせましょうね〜。

 

「……ッ!この槍は!?」

「詩織さん!」

 

という訳で、今介入したこのイベント。

いろはちゃんが調整を受ける事によってフラグが立つ強制イベントです。

内容は…見れば分かりますし、本編を知っているであろう兄貴姉貴達ならすぐに察しがつくと思われます。

よく初邂逅イベと呼ばれるモノですね。

このイベントでは、新しく街に来たいろはちゃんをやちよさんが追い返そうとします。

え?修羅の国の歩き方を知らないなら神浜に居るべきではない?それを教えるためにチュートリアル詩織ちゃんが居るんだろうが!(ドン!)

ちょっと…やり方が強引過ぎとちゃう?もう少し穏便にいこうぜやちよさんよぉ!

 

「……私より先に魔女を倒して証明しなさい。そうすれば見逃してあげるわ。」

「分かりました…受けて立ちます!」

「さっき見つけた結界があるの、そこで勝負しましょう。」

 

だってよ、いろはちゃん!

という訳でどちらが先に魔女を狩るか、やちよさんと競争する事になります。

正直言ってこの時点のいろはちゃんは調整を受けたとはいえ、普通の魔女ですら苦戦する程の弱者です(感覚麻痺)

少なくとも使い魔とまともに戦えるレベルにはなっているので恐れる事はありません。

 

というかそもそも詩織ちゃんって後方支援型ビルドなので、誰かと一緒に戦うのが本来の力を発揮出来ます。

ただその……いろはちゃんって武器がクロスボウなんですよね。

一応近接用のナイフを持ってはいますけど、余程の事がない限り使ってるのを見た事がありません。

かたや後方支援型が2人、かたや水のブラストゴリラ…あぁ^〜大分攻撃力に差がありすぎるんじゃ^〜。

仕方ないのでまともな近接武器を持っている詩織ちゃんが前衛を務めましょう。本編のももこの役割を奪った結果がこれなんだよなぁ……。

 

「お先に失礼するわよ。」

 

そんな事言ってたらやちよさんに先を越されましたね。抜かされるのは予定通りです。

というのも先にやちよさんが魔女と交戦してないと、この後単騎で戦ういろはちゃんが倒すのに時間がかかってしまいます。

しかしあまりにも遅すぎたら今度はやちよさんが魔女を倒してしまい、いろはちゃんの今後の神浜来訪が無くなります。

この後モキュが出てくるんで、ソイツについて行けば丁度いい時間になります。

 

そういえば命令しといた義手くん達は一体何してるんですかね?だいぶ時間経ってると思うんですけ

 

 

 

「モギューーーーーーーーッ!」

 

 

 

… ドッ!?

 

「えっ…詩織さん!?わ!待ってください!探してたの多分その子です!」

 

大丈夫!大丈夫だって!モキュが顔面に降ってきただけです。義手くんさぁ…もう少しちゃんと落とそうや。

なんかちょっと詩織ちゃんが殺気を放ってたような気がしますが気のせいです。ええ。

最近白タヌキ見てないから忘れてたけど、そういや走者の操作を振り切ってまで白タヌキを必ず一回殺してましたね……。

いろはちゃんの制止でなんとかすぐに操作権が戻ったので、さっさといろはちゃんに渡してしまいましょう。

 

渡せば後は勝手にイベントが進み、モキュが魔女のいる最深部に案内してくれます。おまえなかなか…やるやん?

やちよさんが最後の提案でいろはちゃんが単騎で魔女を倒したら、その強さを証明する事が出来たという事です。

 

ご存知の通りこの時点のいろはちゃんは弱いです。

ですが安心してください…実はこのイベントは難易度ハードの修羅の国であっても、大体のいろはちゃんが驚異の主人公補正で突破してしまいます。

さすがマギレコの主人公やってるだけありますよ!先にやちよさんが交戦してないと削れてない体力の分、結構なロスが発生してしまいますけどね……。

 

今回のいろはちゃんは少しタイミングが悪いところがありますが、なんとか普通の方っぽいので走者的に安心感があります。

まあ一部のいろはちゃんは色々とスゴい事になってるんですよね(14敗)

契約してなくてマギレコが始まってなかったり、何故かマギレポ時空の方だったり、なんか変なトラウマついてて戦えなかったり、主人公なのに元マギウス(翼ではない)だったり……。

 

「届いてっ…!!」

 

ひとまずそれは置いておきましょう。

なんだかんだ言ってる間にいろはちゃんがマギアで魔女を倒してくれました。

これで今後、いろはちゃんが神浜を訪れるにあたって、やちよさんから何か言われる事は無くなります。

 

いやまあやちよさんがモキュを殺そうとするのは止めますけど。

確かに詩織ちゃんって白タヌキ絶対殺すウーマンですが、流石にいろはちゃんが必死になって止めようとしてますからね。

RTA的にも本編的にもここでモキュを殺されてしまうと非常にまず味です。

というか第1部が崩壊してしまうのでやめて下さい。

 

 

 

 

 

「あ…れ……?」

「危険かどうか…今、判明したわね。ソイツは危険よ、早くこちらに渡して。」

 

しばらく話してるといろはちゃんが気絶するので、それで余計に疑われたモキュを庇います。

最初の方に電話で彼女から頼まれた以上、チュートリアル詩織ちゃんは必ず神浜市での活動をサポートしなくちゃいけません。

 

「どうしてそこまでソイツを庇うの?その子が気絶したっていう実害も出ているのに。」

 

それはまあ詩織ちゃんが優しいからとか、モキュはメインストーリーで重要だからとか、答え方は様々ですけど……。

たまにはロールプレイも兼ねてそれっぽい回答をしてみるのもいいかもしれません。

 

そうですね、こう言っちゃ悪いけど今のいろはちゃんって神浜側からすれば本当に弱いです。

ぶっちゃけモブとネームドの間に存在する☆1ですね。

そして詩織ちゃんは弱い魔法少女達の為にグリーフシードを売っています。こっちからしたらまだ狭間に立ついろはちゃんは守るべき対象です。

 

やちよさん知ってますか?

商人って、信用で成り立つ商売なんですよ。

 

「……あなたに免じて、今日のところは退いてあげるわ。ただソイツが未知の存在だという事を忘れないで。」

 

詩織ちゃんの信頼度のおかげで見逃してもらえました。やったぜ。

基本ここのモキュを庇うのは大抵やちよさんに対抗心のあるももこなので、本来ならプレイヤーは何もしなくても大丈夫なんですけどね。

もし信頼度が足りなかったら、先にやったロールプレイで成功かどうか決まります。

 

何はともあれ今章のイベントは乗り越えました。つまりは実質メインストーリー第1章クリアです。

後は流れに沿っていろはちゃんを調整屋で寝かせて、起きたら新西駅から元の宝崎市に送り返してあげればミッションクリアですね。

 

 

 

 

 

といったところで今回はここまで。

ご視聴ありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

▶︎

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

病室にいる一人の女の子。

その子はいつも何かを私に話していて、楽しそうに笑っている。

 

「           」

 

でもその声は私に届かない。

聞こえない言葉を話すあの子を見る度に、どこか心を縛られるように胸が苦しくなる。

あなたは誰なの?何を話しているの?……どうしてこの夢を見る度、こんなに愛しくて悲しい気持ちになるんだろう。

 

 

 

私はあなたのこと、知らないはずなのに……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そうして目を覚ます。

綺麗に半分家具が置かれた部屋に日の光が差し込んでいる。起きた私を迎えたのはやっぱりいつも通りの朝だ。

 

ここ最近、私は同じ夢を繰り返し見ていた。

病室の中の知らない女の子の夢。

 

それを見始めた理由はハッキリとは分からない。でも多分、これじゃないかなって思うモノがあったんだ。

だから私は神浜市へと向かう事にした。

急だったけど電話に応対してくれた詩織さんには感謝してもしきれない。

 

 

 

学校が終わったらすぐ駅に向かって電車に乗る……はずだった。

 

「環さん優しい!マジ天使!ありがとう〜!」

「ううん、気にしないで?」

 

放課後の掃除、担当の子は大切な用事があったのを忘れてたみたいで、ついうっかり掃除を代わっちゃった。

頑張っても電車の時間までに間に合うかどうか微妙なところ…詩織さんに遅れるって電話をした方がいいかも。

 

なんとか間に合わないか駅まで走ってみたけど、惜しくも神浜行きの電車は私の目の前で出発してしまった。

諦めて次の電車まで待ってようかな…でも結構な時間があるから、一度荷物を整理してからでも大丈夫そう。一旦家に戻っても良さそうかな?

えっと、まずは連絡しよう、詩織さんの電話番号は……。

 

「あれ、いろはちゃんじゃないですか!」

「……へ?」

 

そう考えてスマホから詩織さんの電話番号を探していたところにキキーッと止まるバイク。

それについていたサイドカーからヘルメットを外し、こちらに話しかけて来たその人は私と同じクラスの子。共通の事があるからか、普段友達の出来ない私でもそこそこ仲が良い。

話を聞いてみれば、彼女は駅近くのコンビニでバイトをしているみたいで、私も知っている共通の知り合いに送ってきてもらったって。

駅の前で途方にくれて困ってそうな様子の私を見つけて、よかったら何か手助けになれないか心配してくた。

 

「じゃあその…よろしくお願いします。」

「……ん、分かった。しっかり掴まってて。」

 

バイクに乗る機会、それもサイドカーに乗る機会なんて滅多にない気がする。きっと私の人生において貴重な経験になる…のかなぁ?

 

 

 

 

 

新西駅の近くで下ろしてもらって、私は待っているであろう詩織さんを探し始める。

幸いにも電車がついて少しした後のようで、待ち合わせ場所の改札前から詩織さんは動き始めていなかった。

詩織さん自身はあまり気にしていなくて、少し落ち着けるためにまた飴玉を渡してくれる。

光に翳すとキラキラと輝いてまるで宝石みたいな桃味の飴。初めて舐めた筈なのになんだか懐かしさを感じる甘さだ。

 

それよりもこれから神浜に何回か来るなら、行っておいた方がいい所があるらしい。

この先もお世話になるだろうから何かお礼を持っていこうという話で、近くのケーキ屋さんで買うことにした。

 

たどり着いたのは『調整屋』という場所。

ここで神浜の魔法少女達はソウルジェムを弄ってもらい、魔力を強化して強くなれるんだって。

中の部屋に居たのは4人の女の子。

八雲みたまさんがお目当ての調整屋さんで、十咎ももこさん、水波レナちゃん、秋野かえでちゃんの3人はチームを組んでる魔法少女みたい。

持ってきたケーキを差し出したら何故か詩織さんがジト目で見られていたけど……。

 

先に事情を説明しておくから調整を受けておいで、と言われて私はみたまさんの調整を受けることになった。

 

 

 

 

 

また見えたのは夢で見た病室。

ベッドの上にいるのはやっぱりあの女の子だった。前より鮮明に見えるけど、相変わらず声は聞こえない。

 

「ごめんね、もう一度言ってもらっていいかな?」

 

声の聞こえない女の子にそう言うと、女の子は途端に悲しそうな顔になって俯いてしまう。

違う、そんな顔をさせたかった訳じゃないんだ。ただあなたが何を言ってるのか、知りたくて聞き返しただけなんだよ。

 

 

 

ねぇ、あなたは一体…私の何なの……?

 

 

 

 

 

女の子は姿はすぐに掻き消えてしまって、私は徐に目を覚ました。

なんだかさっきよりも身体の調子がいい気がする。これが調整屋さんの調整の効果なのかな?

みたまさんは私が大丈夫なのを確認すると、前置きをしてから真剣な顔つきで一つの質問をする。

 

それは私の願い事について。

 

魔法少女なら誰でも覚えている筈の最初の願い。当然のように答えられるから、言おうとして私は口を開く。

でも言葉の続きは不思議と喉につっかえて言えなかった。

いや、そもそも覚えていると思い込んでいた願い事は、記憶がポッカリと空いたように消えていたんだ。

 

 

 

ふと脳裏にチラついたのはあの小さなキュゥべえのこと。

会ってどうなるかなんて分からない…けど、きっとあの子が何か手がかりになるかもしれない!

 

 

 

そう思って調整屋を飛び出した私を路地裏で待ち受けていたのは、青い髪の槍を持った魔法少女。

何を言っても門前払いのようで、同じ魔法少女なのに戦闘が始まってしまう。もしかしたら彼女のテリトリーに入ってたのかもしれない。

相手も戦闘を仕掛けただけあって、それなりの威力を込めた私の矢を、軽く槍を振り払うだけで弾いてる。

このままじゃこの人に負けてしまう…まだ神浜でやらなきゃいけない事があるのに!

 

「………そこ、まで…。」

 

迫ってくる魔法少女と私の間に降ってきたのは短い槍。前に見た事があるそれは間違いなく詩織さんのモノだ。

また詩織さんに助けられちゃったのかな……。

そして襲ってきたこの人は詩織さんの説明によれば、あの西のベテランである七海やちよさんだったようだ。

 

「外から来た魔法少女が簡単に生き残れる程、この神浜という土地は甘くない…弓有さんもよく分かっているはずよ。」

「………………。」

「退くつもりは無いようね…分かったわ、こうしましょう。」

 

 

 

 

始まった勝負は結界内の魔女を、やちよさんが先に倒すか私と詩織さんが先に倒すか。

やちよさんは強いけど2人ならまだ対抗できる…でもやっぱり経験が違いすぎるのだろう。行く手を阻む使い魔を倒している内にあっという間に抜かされてしまった。

 

 

 

 

「モギューーーーーーーーッ!」

「……え…ヴッ゙………。」

 

 

それで囲んでいた使い魔を倒して一息ついた時、私の目にははっきりと白い物体が空から落ちるのが見えた。

詩織さんの顔面に飛んできたのは探していた小さいキュゥべえ。ゆっくりと首を掴まれて剥がされたその子は、どうやら詩織さんのカラスが見つけて持ってきたみたい。

詩織さんから渡された小さなキュゥべえはすぐに手から降りると、まるで何処かに案内するかのようにこっちを見てくる。

 

 

 

もしかしたら魔女のいる最深部へ行ってくれるかも…!

 

 

 

「…………いた。」

「あら遅かったわね、残念だけど勝敗は既に決まったようなものよ。」

 

最深部には倒れ伏した魔女と余裕そうなやちよさんが立っていた。

確かに今から私と詩織さんが入ったところで、あの魔女をすぐに倒せるほどの力をこの人は持っている。

ここで終わってしまうのかな、そう思った時詩織さんがやちよさんの言葉を否定するように首を振った。

 

「……まだ…。」

「…あくまでも諦めるつもりは無いって事ね。良いわ、最後のチャンスをあげる。」

 

やちよさんが最後に提案したもの…それは私一人であの魔女を倒す事。

少しの不安は確かにあったけど、ここで退いていたら何も得られない。

 

 

 

だから私はその提案に乗る事にした。

 

 

 

魔女は砂嵐を飛ばして私の矢を弾いてく。

魔女自身もまるで砂で出来ているかのように、まったく矢でダメージを与えられている気がしない。

急所に狙おうとしても砂嵐で威力を減らされて、当たってもあまり効いていないように思える。

 

神浜の魔女は一筋縄じゃいかないって、改めてその事を思い知った。

 

でもこの機会を無駄にしないで、やちよさんに私の強さを証明するんだ。

そうしなければ夢を見てから燻り続けるこの気持ちを調べることも出来なくなってしまう。

そして、私の事を信頼してくれた詩織さんに報いる事も。

 

 

だから……!

 

「届いてっ…!!ストラーダ・フトゥーロ!」

 

 

 

 

 

 

 

魔女の結界が解けてから辺りを見渡して、安堵したように微笑んだ詩織さんと静かに目を閉じていたやちよさんの姿が見えた。

 

「………いろは…ちゃん。」

「詩織さん!私、魔女を倒せました!」

「……うん…見てた、よ……。」

 

私のそばまで近づくと左手を上げて、優しい手つきで私の頭を撫でる。こういうのは慣れてないからなんだか少し気恥ずかしい。

 

 

カバンから出てきた小さなキュゥべえを受け取ってやちよさんの方を見た。ゆっくりと目を開けたやちよさんは真っ直ぐ私の事を見据える。

 

「それよりも私の用があるのはそっちの方なの。」

 

そして私の腕の中にいる小さいキュゥべえに視線を移した。その冷たい視線は前に似たようなモノを感じた事がある。

いや、正確にはあの時のスズネさんより大分違うけど…多分この感じはそれと似たモノだと思う。

攻撃を仕掛けるタイミングを狙っている視線。

そういえばももこさん達から聞いた話では、神浜市で最近キュゥべえを見かける事がなくなったらしい。

その中でこの子だけ活動していたら、確かに私も不思議だと感じる。

小さいキュゥべえが危険かどうかも分からないから、やちよさんは何かが起こる前に始末しようとしているみたいだ。

 

まだこの子に何か手がかりがあるかもしれないんだ。元気の無さそうなキュゥべえを抱える手に力を入れる。

けれど、すぐに力が抜けて視界が突然傾く。

やちよさんを止めないといけないのに…意思に反して私はそのまま気を失ってしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「お姉ちゃん!今日も来てくれたんだね!」

 

……お姉ちゃん?

またこの病室、そして一人ベッドにいる女の子。今までの夢と違っていたのはあの子の声が聞こえた事。

多分きっと、私はこの子の事を知っている。

嬉しそうな顔に楽しそうな顔、そして時折苦しそうに呻く声、全部見た事も聞いた事もあるんだ。

愛おしくて懐かしいあの子の名前、何だっけ…かけがえのない存在だったあの子の名前。

 

「私、このまま治らないのかな……?」

「そんな事ない!きっと治るよ、うい!」

 

うい…そうだ、うい!

私の大切な、かけがえのない妹。

契約した時の願い事とか半分だけぽっかり空いた部屋とか、今まで疑問だったけどようやく分かった。

そこにはうい、あなたがいたんだ。

 

『お願い、ういの病気を治して!』

 

私はあなたの為に魔法少女になったんだね。

 

 

 

 

 

 

 

 

「詩織さん!いろはちゃんが目を!」

「………起きた…?」

 

目を覚ましたら心配そうな顔で詩織さんとみたまさんが私を見ていた。

あの後倒れてしまった私を詩織さんは調整屋まで運んでくれたらしい。何から何までお世話になって申し訳ないなぁ……。

 

「私、思い出したんです。自分の願い事と、私の…妹の事を。」

 

魔法少女になった理由は病気のういを治すためだった。

でも今まで、私はずっと一人っ子だと思っていたんだ。私だけじゃなくてお母さんもお父さんもそう思ってた。

本当はそこにういがいたのに、まるで最初からあの子がいなかったみたいに消え去っていた。

きっとこの小さいキュゥべえがういのことを思い出させてくれたんだと思う。

何でういが居なくなっていたのかとか分からない事だって沢山ある。それもまだ忘れている記憶があるのかもしれない。

 

 

 

「だからこれからも神浜市に、今度はういを探しに来ます!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だって『環ういって妹がいる環いろは』を『私』は信じてみたいから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 












何人かすり抜けしてたので失踪します






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