外伝マギアレコード RTA ワルプルギス討伐チャート情報提供者ルート   作:最近ハマってしまった人

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走者がどんどん増えてるので初投稿です









Part27 biimの守り人

 

 

 

 

 

 

 

 

「鴉弓真広さんについてですか?」

「はい、何か知っていたら教えてくださるとありがたいです。」

 

やちよさんに『鴉弓真広』と『有鷺』という人物の話を聞いてから、私はその二人について更に多くの人に聞き込みをしていました。

結果はあまりよろしくなく…もう既に何年も前の事件でしたから、記憶に残っている人がほとんどいない有様です。

しかもネット上で検索をしてみても一切画像が出てきません。出場大会の記録映像すらも現在では残っていないようでした。

 

「鴉弓真広……鴉弓…つかぬ事をお聞きしますが、もしかして弓の名家と呼ばれていた鴉弓家の事でしょうか?」

「そうです。言い忘れていましたね、すみません。鴉弓家を知っているんですか?」

「昔、話を聞いた事があります。あまり良い話とは言えませんが……。」

 

そうしてついに知っている人に出会うことができました。

それが彼女…竜城明日香さんです。実はなかなか予定が合わず、一部の水名女学園の方に話を聞けていなかったのでした。

 

 

 

 

 

明日香さんの話では、鴉弓家は武術の名家の中で特に有名だった所だったらしいです。

ただし……悪い意味で。

 

 

 

元とはいえ弓の名手を数々生み出したという鴉弓家は、現代になるに連れてドンドン没落していきました。

やがて残ったのは初代が成し遂げた偉業によって賜った、かつての名誉の証である『鴉弓』という名だけ。

弓の腕にも個人の才能にも恵まれずに、普通の凡人と化してしまった子孫達は、なんとか家を再興させようと奮闘していました。

 

それだけならば未だ夢のあるような良い話で済んだのですが…どうも想定以上にその人達は『鴉弓』に執着していたようです。

それこそ「栄光狂い」だのなんだのと噂される程に、特に武術の名家からは異様に見えたそうな。

神浜という土地の歪んだ環境と歴史が、彼らを狂わせた原因の一端でもあるのでしょう。

 

 

 

そんな中、鴉弓家にとある出来事が起こります。

『鴉弓真広』さんが生まれたんです。

 

才能を持つ者を望んでいた栄光狂いの鴉弓家にとって、彼女はまさしく救世主のような存在でした。

幼いながらにして多くの才能を持つ彼女は、体が弱い事のみが欠点ではありましたが、肝心の弓の腕に関しては天才的です。

まなかも図書館で調べていた時に、チラッと読んだ新聞に載っていた事なんですけど、初代の生まれ変わりだとか先祖返りとか…とにかくそう言った言葉で持て囃されていました。

 

 

さて世間からは期待の目で見られていた彼女ですが……。

果たして栄光狂いとまで言われた鴉弓家が、そうそう彼女のような天才を自由にさせておくでしょうか?

まあ、話を聞いていくうちに薄々勘付いてはいましたけどね。正直言って嫌な予感しかしません。

 

 

答えは当然のごとく「NO」でした。

詳しくは当家の人間にしか分からない事で、今ではもう詳細を知る人は1人も残っていません。

しかしなんとなく想像はつきます。

知られざる彼らの所業は名家の間でも噂されていたそうで、明日香さんもそれの一環で耳にしたとのこと。

 

 

 

 

しかしそれから数年経ったある日、鴉弓家はパタッと行いの数々を止めました。彼らに何があったのかは誰にも分かりません。

ただ分かっているのは『過去の栄光に目が眩んだ狂人達』が『極々普通の善良な一般市民達』へと突然変わった事だけです。

 

聞いているだけでも凶悪に感じる人達がそうそうに変われるものなのでしょうか?

きっと変われないでしょうね。ええ、私達のような魔法少女の願いでもなければ、不可能に限りなく近いはずです。

では誰が契約したのでしょう。そりゃあ、答えは決まっていますよ。

今、話題となっている『鴉弓真広』さん。

状況からして間違いなく彼女だとしか思えませんでした。

 

 

じゃああの行方不明事件が魔女の仕業だとすると、真広さんは魔女に負けてしまったのだと思います。

つまるところ、真広さんを含めた失踪者は全員亡くなっているということ。

そして遺体は残らずに魔女の結界の中のまま。例え誰かに倒されていたとしても、結界とともに消えてしまったのか、時既に遅く魔女の餌となったのか。

 

 

 

 

どちらにせよ、報われない最期だったのには変わりありません。現に失踪者として、死んだ事すらも認知されていないのですから。

それはとても…悲しい事だと、まなかはそう思いました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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本格的にストーリーが危なくなってくるRTAはーじまーるよー

 

前回は口寄せ神社で経歴ガバの一端を中途半端に聞かされました。ぶっちゃけそれだけでほとんど何もしてなくなぁい?

 

 

 

それで今回はその続きからなのですが、実は今までの第1部はチュートリアルです。

というのも今回やっていく第4章『ウワサの守り人』から突然ストーリーの危険度が増すからなんですね。

具体的に言うのであれば、難易度ハードによるランダムな確率が走者のチャートに牙を向けてきます。末恐ろしい世の中ダァ……。

 

まずはじめに第4章の開始条件が『いろはちゃんがウワサの水を飲むこと』です。

現在の彼女がまずフクロウ印の給水屋に会うタイミングがランダムです。何故か桶屋理論で確定させる事は出来ますけどね。

このRTAでも桶屋理論を使って第4章を開始させます。だって1番この方法が確実なんですもん。

 

それで桶屋理論の条件ですが、先駆者兄貴姉貴も述べている通り、深月フェリシアと佐倉杏子を一回会わせるだけで済みます。

来訪タイミングが少し面倒くさいだけで、基本的にこの桶屋理論を採用しているチャートは多いと思います(当社比)

ただ詩織ちゃんは神浜カラスネットワークによって来たかどうかを感知できるので、感知した時にフェリシアを雇って連れ回して会うだけで達成できます。

 

「少なくとも悪いヤツじゃなさそうだ。アタシは佐倉杏子。さっきのお返しだよ、食うかい?」

「ロッキー!食っていいのか!?よっしゃー!オレは深月フェリシア、よろしくな!」

 

出来ました。

ついでに信頼度を稼ぎたかったので、2人にご飯を奢りました。この2人は特に食べ物による補正が大きいんですよね。

というわけで交友関係を得て信頼度稼ぎして、無事に桶屋理論を達成しました。

つまりいろはちゃんが一週間以内に幸運水を飲みます。

それじゃあ倍速モードになりましょう。

 

 

 

 

 

 

おっと…倍速が戻りましたね。

今現在は万々歳で午前バイト中、帆奈ちゃんと同じシフトです。まあ監視ってある以上当然のことなんですけど。

それで止まった原因ですが、会計終わりの帰り際にお客様からなんか手渡されました。これは…封筒じゃな?

 

「後で開けて読んでください。私達からの日頃のお礼です。」

 

待ってください?渡された時とかにチラッと見えましたけど、さっきの団体様全員、魔法少女の指輪してましたね。

日頃の感謝ってことは詩織ちゃんの顧客ですかね。モブ魔法少女達の信頼度も稼いどくものだなぁ……。

 

だがしかし!ヒャア!我慢できねぇ!開封するゼェ!

 

 

『参京区にて幸運呼ぶ水の噂アリ。フクロウ印の給水屋に注意。参京院地下に本体。不幸を操る。』

『担当リーダー格、マギウスの翼白羽根2名。天音月夜と天音月咲。それぞれ水名女学園と工匠学舎に在籍。武器は笛。』

『マギウスの翼黒羽根である部下は十数名。寄せ集めの集団のため戦力も連携も足りていない。』

 

 

えぇ……(ドン引き)

 

何?これは……情報セキュリティガバガバじゃねぇーかよお前んちィ!一般モブ魔法少女にここまで情報抜かれてさ、恥ずかしくないの?

いやてか本当に抜かれすぎですよ?ピーヒョロ姉妹はもうちょっと幹部の役目を果たして。どうぞ。

そして何でこんなマギウスルートでしか得られないような情報が詩織ちゃんのところに回ってきたんすかねぇ…?

モブからの信頼度がめちゃくちゃ高いとか?ハハハ!いや…まさかね?

 

「……何見てんの?」

 

いや〜詩織ちゃんモテモテだなって思っただけですよ。正直なところ信頼度は稼いでもいいですけど、好感度高すぎるのは困りものなんですよね。

ん〜、そのまま流すとめんどくさい事になりそうなんで、省くやつは省いて都合よく要約して主人公ズに横流ししましょう。

といってもストーリー的に教えられる情報は噂の話だけです。

場所とかマギウスの翼とかは、いろはちゃんが巻き込まれてからじゃないとフラグが折れます。くれぐれも注意してください(1敗)

そして書いたらそのままみかづき荘にシュートします。義手くん2号!これ届けてきて!

 

 

 

 

 

 

あ〜バイトが終わったんじゃぁ^〜。

さて今日は何をしますかね、休日なんですよね…とりあえずいろはちゃんが水飲んだかどうかを確認でもしましょうか。

って、おや?あそこにいるのは御園かりん!御園かりんじゃないか!なんか帆奈ちゃんがゲとでも言いたそうな顔してますが、走者は構わず話しかけます。

 

「あっ!詩織さんに帆奈ちゃん、こんにちはなの!」

「……アンタ何持ってんの?チョコ?」

「さっきなぎたんに会った時に貰ったの!1人で食べるには多いと思うし、せっかくだから3人で食べるの!」

「まあ甘いのだったらコイツが食うか…アタシも1つ貰っとこ。」

 

まさかのいつもと逆パターンで、詩織ちゃんがチョコを貰う事になりました。

かりんちゃんもまだ食べていなかったそうなので、帆奈ちゃんとも一緒に食べようと思います。

十七夜さんはこのチョコのこと秘密兵器って言ってたらしいですよ?なんかどっかで聞いたことあるな?

では早速食べてみましょう。詩織ちゃんが好む美味しさだったら、直接聞きに行って買うことを検討します。

 

 

 

 

 

何これニッッッッッガ!!!!!

 

え…?待って♡待って!?とんでもない程苦いんですが!?ほら詩織ちゃんの機嫌パラメータがどんどん下に下がって…………。

 

 

 

……うん?機嫌が下がって?

ウォワアアアアアアアアアアアアアアア!詩織ちゃんの機嫌が急降下してますよ!?

さてはオメー、嫌いor苦手な食べ物に『苦いもの』が入ってるな?ああああ!眉間にシワが寄ってる寄ってる!すごい硬直してますよ!

 

「にっが!何これホントにチョコ?」

「に、苦いの…ちょっとなぎたんに聞いてみるの……。」

 

プレイヤーの好きな食べ物を食べる事は結構ありますが、苦手な食べ物を食べる事はあんまり無いんですよね。

食べるとキャラの機嫌が下がる上に、好感度や信頼度も若干ゃ下がります。後者の方はプレイヤーキャラなので関係ありません。

機嫌が下がるとどうなるかは見て分かる通り、ちょっとしたデバフが付くようになります。ソウルジェムが少し濁りやすくなったりとかロクでもないやつです。

今回はめちゃくちゃ機嫌が悪い以外に変化は見当たらないから、多分良い乱数を引いたのかもしれません。

 

「あ、返信来たの……カカオが90%入ってるチョコレートらしいの、詩織さんが好きなものって書いてあるの。」

「はぁ?こんなのが?っていうかコイツの顔見る限り、好物とは到底思えないんだけど…にが、あ〜苦い。」

「貰った時になぎたんは平然と食べてたの…まだ口の中に苦いのが残ってるの……。」

 

十七夜さんは一度詩織ちゃんの好物を見直した方がいいと思います。

 

これは甘いもので口直しするしかない……ん?あれ?何ですかこの紙?唐突に空から降ってきましたね。

………『20』?

 

「さっきから同じような紙が降ってくるの。だんだん数字が減っていってなんだか不気味なの……。」

 

いやてかコレもしかしなくても今回の標的のヤツでは?

ちょっとそこの御園かりんさん?今日怪しいものや変わった事ありませんでした?

特にない?そう……え?でも給水屋ってところがあったから、そこで無料の水を飲んだって?

ばっかやろ〜う!ソイツが4章のウワサの実行犯だ!フクロウ印の給水屋とはソイツの事だァ!

 

かりんちゃんが既に水を飲んでしまったということは、いろはちゃんが水を飲んだかどうかに関わらず、少なくとも24時間以内にはウワサを倒さなければならなくなりました。

前回の口寄せ神社だったら対処が遅れても大丈夫だったんですが、今回のウワサは幸運が切れると立て続けに不幸が訪れて、最悪の場合ネームド魔法少女がロストします。

ただでさえネームドキャラが欠けるのは防ぎたいところさん!?なのに、よりにもよって御園かりんが巻き込まれるとかウッソだろお前!

 

非常に不味いのでいろはちゃんに急遽電話します。彼女に連絡がいったらやちよさんと鶴乃ちゃんはほぼ確定で来ます。電話が終わったらフェリシアを雇う事にしましょう。

 

『詩織さん!ちょうど良かったです!その…マギウスの翼について何か知りませんか!?』

 

タイミングよくなぁい?

 

 

 

 

 

 

 

 

どうやら既に水を飲んでいたみたいですねクォレハ……昨日飲んでいたようです。こういう時に何かあったら連絡して欲しいですよね、ええ。

いろはちゃん達はもうマギウスの翼に出会っているので、モブからのメモを元にウワサの本体の場所に直行しましょう。

 

今回のパーティーメンバーをご紹介します。弓有詩織、御園かりん、環いろは、由比鶴乃、七海やちよ、深月フェリシア!以上の魔法少女でお送りします。

帆奈ちゃんはまだ借りてるキューブの中に押し込みました。いくらモブ相手とはいえ変身防止を徹底しないと怒られます。

ちなみにあとで佐倉杏子が合流します。いろはちゃんが水を飲んだら、彼女は大体マギウスの翼の方に潜入してますからね。

 

「ウワサを守れば魔法少女は救済される。」

「救済されるって、被害が出てるのになんで……。」

「なにチンタラしてんだ!時間は少ないんだぞ!」

 

ここでキョーコ=サンのエントリーだ!

チームみかづき荘(未完成)が黒羽根から話を聞き出そうとするのを、このまま流れに乗って止めます。

ぶっちゃけこんだけ魔法少女がいるため、詩織ちゃんは完全に後方支援に徹することが出来ます。というかこれが本来のロールなんで……。

 

「これ以上先には行かせないよ!」

「目的の邪魔はさせないでございます!」

 

奥に進むと開けた場所で魔法少女『天音姉妹』戦になります。

今回のプレイでは何故か超強化されてるかりんちゃんを天音姉妹戦に残して、代わりに鶴乃ちゃんを本体叩く組に入れます。

皆さんご存知の通り、今回のウワサは鶴乃ちゃんの固有魔法『幸運』がぶっ刺さる相手なので、この方法がタイムを縮める定石となっております。

詩織ちゃんは先行情報で天音姉妹の武器は笛から出す音だと知っているんでね。作戦を大まかに出して、本体組に義手くん2号と3号を付けます。

 

相手は奥へと向かう本体叩く組に意識が一瞬向くので、その隙を突いて眼前ギリギリに使役槍を撃ち込みます。

これによって視覚的な情報を遮り、詩織ちゃんだけに視線を集めます。一瞬でも全ての意識を走者に割いたのが貴様らの敗因ダァ!

 

 

 

今です!

 

 

 

 

 

 

 

「邪魔をさせない、はコッチのセリフなのだ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ああ!私達の笛を返すでございます!」

「そんなのいきなりにも程があるよ!」

 

工事…完了です……。

いくら中指に紐で結びつけていても、超強化かりんちゃんの固有魔法『窃盗』の前では無力です。普通のノーマルかりんちゃんと違って魔法の精度が上がってるのがハッキリ分かんだね。

実は天音姉妹は笛が無いとタダの雑魚です。必殺技の『笛花共鳴』も笛が無ければ発動出来ないので、もう素手で攻撃するしか戦闘手段が無くなります。

ドッペルくんも魔力を消費してソウルジェムを濁らせないと発動できません。フン!ザコガ!

 

つまり…天音姉妹は完全に無力化されました。

そのため彼女達が動けないように羽交い締めにしておいて、本体叩く組がウワサを倒すのを待っていましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あ、ウワサが倒れましたね。水を飲んだかりんちゃんの所にも『おめでとう』の紙が降ってきたので間違いありません。

ウワサが倒れたあとは現在中間管理職浪人生のみふゆさんが現れますが、まあ別に詩織ちゃんは彼女がマギウスの翼だって事を知ってるので何ともないです。

それどころか記憶操作して情報抜き取ってますからね詩織ちゃんね。

そして他の人には伝えてないし、被害者も覚えてないから訴えられる事は無いです。本当にお前ラスボスみたいな性能してんな。

 

 

 

無事に第4章が終わったので、今回はここまでにします。

ご視聴ありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

▶︎

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『そういえば不思議なお話ですが、鴉弓の屋敷はまだ取り壊されていないそうです。』

『それはまた…どうしてかご存知でしょうか?』

『私も小耳に挟んだ程度でして、理由までは分からないですね。しかし、大まかな場所ならお教えできますよ。』

 

最後に話した会話を元に、私と阿見先輩は件のお屋敷へと向かうことにしました。

住所自体は新西区にあると表記されていますが、実際には新西区と水名区の間くらいに位置しているようです。

だから鴉弓家は水名の旧家のように、昔からの慣習を重んじる家系だったのかもしれません。

 

「こんなに人がいないなんて薄気味悪いわね。」

「仕方ないですよ先輩。だって住人は失踪したのにもう5、6年も放置されているんですよ。」

 

厳かな門に塀で囲まれて中が見えないお屋敷。

先輩のおっしゃった通り、さっきから人1人見かけていません。この辺り一帯が既に1つの廃墟群となっているのでしょうか。

表札が掛けられたままの門をグッと力を入れて押すと、重い音を出しつつ少しずつ中の様相が見えてきます。

 

そこそこの広さのお屋敷は今まで放置されていたのにも関わらず、長年の埃が積もった様子は見受けられませんでした。

それどころか石畳の道も内側の庭も綺麗に整えられており、軽く見渡しただけでも雑草なんて見えませんでした。

まるで誰かが手入れしているかのようです。

 

 

 

 

 

 

屋敷の様子を不気味と感じていた時、まなかの横に立っていた阿見先輩が、突然屋敷の一方向を向きます。

釣られてその方向を見ます…が、そちらに何か気になるものがあったというわけではなく、先輩の行動にただただ首を傾げるのみでした。

 

「そこのあなた!こそこそ隠れていないで、姿を現しなさい!」

 

阿見先輩が声を張り上げます。

当然こんな廃屋に人がいるわけないと思っていたまなかは、先輩の奇怪な行動をいつもの事だと流そうとしていました。

しかしながらその思い込みは呆気なく打ち砕かれる事になります。

 

「………フッフッフ…よくぞ私に気がついた!」

 

廊下の曲がり角からゆったりと歩いてくる姿、腕を組みながらさぞ威厳があるように現れたのは1人の少女。その得意げな顔はまるで、何処かの誰かさんが自分の容姿に自惚れている時の表情を彷彿とさせます。

 

「いや…誰ですか?」

「私は道行くご老人の荷物を持ったり!喧嘩した子供達を仲裁したり!迷子になってしまった人を案内したりする!真のヒーローだ!」

「随分と庶民派なヒーローが居るもんですね……。」

 

そもそもこんなへんぴな所にいる時点で、この自称ヒーローさんは怪しいったらありゃしません。まあ私達もどっこいどっこいなのでしょうけど。

正直言って怪しいどころの騒ぎでは無いのですが、このヒーローさんは自分を管理人だと自称していたため、ひとまずお話しを伺ってみる事にしました。

 

自称ヒーロー兼管理人さんが言うに、自分は行方不明になった鴉弓家の親族で、失踪事件からずっと屋敷の管理をしていたそうです。

一応ちゃんとした遺産相続人ではあるようで、案内された部屋で複雑な内容の証明書を見せてもらいました。まあここまでされてしまっては信じるしかないです。

 

しかしながら彼女はあまり鴉弓家の方の事情には詳しくありませんでした。あくまでただの親族だったからなのでしょう。

見た目だけで判断するのも悪いことなのですが、この自称ヒーローさんはまなかと同じく中学生くらいに見えます。

思い切って伺ってみると、なんと年齢はまなかの一つ下。つまりは現在13歳の中学一年生らしいそうです。鴉弓家の親族と言えども家はあまり厳しくないため、時々こうして定期的に掃除しに訪れるとのこと。

ここは人が居ない場所だから突如やってきた私達にはたいそう驚き隠れたようで、彼女には悪いことをしてしまったと反省しています。

 

 

 

結局のところ、鴉弓真広さんについての調査はここで壁に当たりました。

親族の方に話を聞いて屋敷の中を見させてもらったのは大きいですが、まなかが予想している結末の可能性が高い以上、もう彼女について知ることはないのだと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そういえば最初から最後まで自称ヒーロー兼管理人さんの名前を聞いてませんでした………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 












運営が過去イベを重ねてきたので失踪します






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