外伝マギアレコード RTA ワルプルギス討伐チャート情報提供者ルート   作:最近ハマってしまった人

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ハロウィン過ぎたので初投稿です











Part29 ガバらずには、いられない

 

 

ここのところずっと手紙を書き続けていた。

黒い折り紙に便箋を挟んで、紙飛行機にして空へと飛ばす。

遠くまで飛んでいってほしい…とか、いつか誰かに届いてほしいとか、そんな感じの思いを込めて送り出す。

 

 

 

自分が人より少し優れているのに何となく察しがついていた。

感覚的に矢を射れば必ず思った所に当たってしまう。少し勉強すればすぐに頭に知識が入ってしまう。

 

だからこそ周りや家族は私の才能を騒々しく讃えている。

他から栄光狂いとかいう、名誉などカケラもない名前で呼ばれているのを家族は知らないんだろう。でもそういった人達の血を継いでるのは私だって同じか。

私はその中に入れて欲しくないけど、そういった異常な環境で育ってきたのは重々承知していた。

 

 

「さすが鴉弓の血を継ぐ者。」

「お前は鴉弓家の誇りだ。」

 

 

その誇りがこれからの人生で役に立つ事が果たして何回あるのだろうか?

いや、ない。絶対に無い。例え強制されたとしても私は使いたくなかった。

 

そもそもこの人達は自ら鴉弓家の子孫を名乗っているくせに、賜った『鴉弓』の名にどのような意味が込められているのかも知らないんだ。

あくまでも世間から知られている話しか知らない、形骸化した栄光だけを追い求めて彼らは何を求めているんだろう。

 

 

 

飛ばした黒い紙飛行機は風に乗り、神浜の空を滑るように駆けていく。

市内にはここみたいな廃墟がいたるところに残されていたから、時々こうして屋上を勝手に拝借している。

ここは周りの所と違ってあまり老朽化しているわけじゃない。比較的新しめで、多分完成はしたけど需要がなかったんだろうなって思う。

手すりが丈夫なのが気に入ったポイントだった。別に下に落ちたって良いのだけれども。

 

学校も、稽古も、全部を無視してサボっている時は、なんだか不思議な気持ちを感じる。

スッキリはしていたけど空虚さも同時に訪れていた。こういう事をずっと考えるのを哲学とか言うのかもしれない。

まあ知らないから、私には分からない。

 

 

 

 

 

 

 

「………眩し…。」

 

 

 

 

 

 

 

唐突に背後から聞こえた軋むドアの音と共に、だいたい同年代?くらいの少女の声がした。

こんな辺鄙な屋上に来るなんてよほどの変人しかいないだろう。

ましてや私と同じ年頃の子が今の時間帯に来るのは可笑しいって思わないかな?私は十分にそう思う。

手すりから手を離して、扉を開けた人物を一目見てみようと振り返った。

 

 

 

けれど、次の瞬間には心を奪われていたんだ。

 

 

 

心の蔵をまるごと射抜き貫くような輝き、閃光、快晴の晴天よりも眩しい少女の青い双眼。

あるいは、運命とでも呼ぶべきモノ。

驚くべきことに、その一瞬にして私は捕らえられてしまったのだ。本やテレビとかでしかチラッと見たことがないけど、これが俗に言う一目惚れというヤツなのだろう。

 

「あなたでしょ、コレ全部。」

 

そう言って彼女は持っていたショルダーバッグを逆さにして中身を全て出す。

積み上がった白と黒の山。折り目のついた黒い折り紙と、白い少しだけ高級そうな便箋で構成されている。

 

「……あ、あとコレも。」

 

いつのまにかさっき飛ばしたはずの紙飛行機が、その白黒の紙の山にゆるやかに着地する。

合計数は数え切れないが、それらが私の飛ばした手紙の全てである事を直感でもって感じ取っていた。全部が広げてあるのを見るに、女の子は律儀にもこの手紙を読んだのだろう。

まさかこんな一介の少女の自分語りを集めて、送り主を探して返しにくる人物がいるなんて!

 

「はは、ハッハッハッハ!」

「…なにかおかしい?」

「いやぁ、とんだ物好きがいるんだなぁって!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『前に思ったんだけどさ、   って人と話す時だいぶ失礼だよね。』

 

 

 

『なにを〜!?これでも言葉選びは善処してるんだぞ!』

 

 

 

『私相手には、でしょ?クラスの子とかとちゃんと話せてる?』

 

 

 

『心配せずとも話せるんだなぁ!そういう   ちゃんは人見知り治したの?』

 

 

 

『人見知りじゃないよ、あれは間合いを測ってるんだ。うん、そういうこと。』

 

 

 

『はぐらかすのはダメだよ!弱点は克服するものなんだし、頑張らないと!』

 

 

 

『いいじゃん、   が居れば他にいらないよ。』

 

 

 

『でもそれじゃ   ちゃんの為にならないよ……!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それが、一番最初のお話。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

▶︎

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

透明少女をひとりぼっちから救いに行くRTAはーじまーるよー

 

 

前回は葉月さんと買い物して、詩織ちゃんの経歴ガバの一部が牙を剥いて終わりました。何も進んでないじゃないか…たまげたなぁ。

 

 

 

今回はその続きからです。

前回体調不良になってみかづき荘から帰還した後、倍速中に義手くんから見滝原勢と思しき魔法少女の連絡が来ました。

 

カメラを代わってもらい、映し出されたのは鹿目まどかと暁美ほむらの姿です。しかもメガネ掛けてますよ!やりました、ついに歴史が動いたんですね!

そしたらみかづき荘宛にこちらの持ってる情報の一部を流しましょう。前回の時点で進行状況は確認済みです。

 

 

 

それでですが詩織ちゃんこれから2人に接触します。

大体の魔法少女は悪意というものをご存知ない!?ので、良い人っぽく話しかければすぐに信用します。

更に倍プッシュだ!同じ魔法少女だという事を伝えると効果的でしょう。詳しい事情も話すことができますしね。

こ↑こ↓悪人チャートで出てくるからキチンとメモしといて下さい。

 

そこの君達!この辺じゃ見かけない制服ですね?しかもよく見てみたら何かお困りのご様子で!

良かったらこの詩織ちゃんに話してみません?ああ、心配ご無用!実はあなた達と同じなんです!

ほらこの指輪を見てください!大丈夫!ちゃんとbiim印の走者ですよ?

 

「気を使わせてしまいすみません、巴マミという人を知りませんか?」

「その…私たちの先輩で、神浜に行ってから帰って来ないんです。」

 

これからマミさんを探しに神浜を案内していきます。

ぶっちゃけ彼女らが巴マミに会うのはめちゃくちゃ後になります。いつかって?そりゃあ†ホーリーマミ†になってからです。クリスマスになったら乱数関係でまた話は変わりますがね。

 

なのでもしかしたらウワサ関係かもと言っておいて、そのまま流れで中央区のウワサを調べていきます。

そこでいろはちゃんとやちよさんにバッタリ会わせて、詩織ちゃんはクールに去るって寸法よォ!

ちなみに目を離した隙にほむほむは姿を消してます。第5章中、絶対にはぐれる才能を持っているので阻止はほぼ無理です。

念のためにほむほむ付きの義手くんを飛ばして、というか会う前から1人づつ付けてもらってます。言わずもがな、どこぞのJDを参考にさせていただきました。

 

「なんか…あの人ちょっと様子がおかしくないですか……?」

 

ホントっすねぇ!まるでこのまま電波塔から飛び降りちゃいそうな雰囲気だぁ……(直喩)

コレはまずくなぁい?という事で電波塔の展望室らへんにいる魔女を倒しに行きます。そこの人を止めても大元が生きているので、(意味は)ないです。

 

というわけで現場に急行しますが、階段を登るには走者の手間が掛かるため、『使役』で無理矢理エレベーターを動かします。

動かすにあたって物凄い音がしますけど、後でちゃんと動かせる範囲なので心配無用です。随分生きのいいエレベーターじゃねぇか……。

もちろんのこと負荷は掛かりますが、こちとら魔法少女やぞ!あっという間に展望室に到着です。

 

 

 

それじゃ原作主人公に人助けを任せて、魔女結界にダイナミックエントリー!

支援型と支援型しかこの場に居ないので、せめてベテランで近距離としても一応前衛張れる詩織ちゃんが倒しに行きましょう。

いやだって実際いくら義手くんでヘイト稼ぎできても、肝心の鹿目まどかに攻撃行っちゃったら意味ないですし。

 

「すごい…もう魔女を倒しちゃった……。」

「え?詩織さんだったんですか!?顔が見えなくてビックリしました……。」

「……そのバイザー、飾りじゃなくてちゃんと使えるのね。それで…今回は飛び降りてなくてよかったわ。」

 

っていうか言われて気づきましたけど、ホントにバイザー下げてましたね?

今まで本走走ってプレイしてきて、おしゃれバイザー使ってるの初めて見ました。何気に デフォルトですよコレ。

……そして、やちよさんの言葉は大変耳がいたいものでございます。過去に別件で飛び降り心中未遂してましたし。

そういえば第5章だから会いますね…あの某芸術家……。結局なんだかんだで長い間会ってませんよ?キューブも借りパクしたままです。

 

 

まあ、会ったとしても詩織ちゃんが玩具になるだけだからいっか!

さて何でここにいろはちゃんとやちよさんがいるのか、疑問に思った方もいる事でしょう。

実はけっこう仕掛け単純でして、調査ポイント的なものが一定まで貯まると次の段階に入るんですよ。

今回の冒頭部分で義手くんに情報を送ってもらったことにより、みかづき荘の調査段階を一個引き上げたんです。

 

だからこうしてピンク髪主人公同士をバッタリ会わせる事が出来ました。

作戦通り、後は2人にまどかを案内してもらって、詩織ちゃんはこの場からスタコラサッサします。サヨナラ!

 

 

 

 

お次にやってきましたは水名区です。

さてさて居ますかね?居ますかね?お〜いるいる。ほむほむ〜!!遅くなりましたがお迎えに来ましたよ〜!

 

「弓有さん…!よかった……鹿目さんは…?」

 

まどかちゃんは知り合いに預けてきましたよ。その人たちに話を聞いてる間に探してたって訳よォ……。

神浜は慣れてないと迷いやすいので、ほむほむも今度から気をつけてください…え?魔女がいて無視できなかった?

それじゃあ仕方ないですねぇ!魔法少女として魔女を倒すのは当たり前だよなぁ!?良い子のほむほむには飴ちゃんを追加でプレゼントしましょう。

 

 

おや?なんか向こうから走ってくる見覚えのある人影が……。

 

 

「おーい!食い逃げだぞー!捕まえろ!」

「とんだ冤罪…ってこっちには弓有詩織でございますか!?」

「えっと…事情は分かりませんけど……どんな理由でも食い逃げは駄目だと思います…!」

「だから誤解でございます!」

 

あっ、ここかぁ……(納得)

例の天音月夜食い逃げ()事件ですねクォレハ……。逃がしたらちょびっと信頼度が下がるので捕まえましょう。いいぞフェリシア、挟み討ちだ!

暴れんなよ…暴れんなよ…4人に勝てるわけないだろ!

 

「くっ、お稽古の時間が迫っていますのに…!」

「大丈夫!情報を出してくれたらちゃんと解放するよ!」

 

捕まえたらレッツ尋問タイムです。

ここでは好きな質問を天音月夜に対してする事ができます。ええ、“何でも”質問していいです。

普通のプレイなら電波少女やひとりぼっちの最果てについて質問しますが、やろうと思えばプライベートな質問もできます。

まあそんな事しなくても神浜魔法少女ファイル(完全版)で走者には筒抜けなんですけど。

 

今回は無難に電波少女の正体を聞きます。その他のさまざまな選択肢は君の目で確かめよう!

 

「……電波少女は『二葉さな』という水名の生徒でございます。」

 

はい。これで電波少女=二葉さなが成り立つので、この情報をやちよさん達に共有しましょう。

尋問タイムは基本的に時間が許す限り質問できるのですが、例外として天音姉妹の片割れを質問するとそれ一つで強制終了します。愛がすごい(小並感)

 

 

 

 

もうすっかり夕方になっちまったぜ。

中央区のとこのカフェに全員集合して、それぞれ得た情報を交換してお互いに共有しましょう。

詩織ちゃんは…正直言って会話することがありません。

チームみかづき荘(未完)と見滝原2人が話している間に糖分補給でもしています。『使役』って魔力と頭をそれなりに使うので糖分は大切です。

 

「私、この人に返事をしようと思います。」

 

あ、いろはちゃんが迷惑メールに返信し始めました。

メッセージの相手、名無しの人工知能のウワサに聞くことによって、ようやく今章の決戦のバトルフィールドに行く方法が判明します。

まあ電波塔から飛び降りるんですけどね、初見さん。

 

攻略の手順が分かったら、ひとりぼっちの最果てについて書かれているサイトとかいうのを教えられます。

さっきの話がウワサの罠の可能性があるので、アイさんが信用できるかを確かめるために必要です。証拠出せやオラァ!

さっさと二葉さなとの記録を流せばいいんじゃないかと思うかもしれないですが、彼女はRTA走者じゃないので勘弁してや……。

 

これに関しては第5章限定で噂になっているホームページに入るための情報です。十咎ももこや深月フェリシアからその存在を聞けます。

しかしサイトに入るためにはパスワードが必要になります。これこそが資格とかいうやつです。

オラ!パスワードの在り処を教えるんだよ!

 

『中央区の電波塔の塔脚に書かれてるってさ!』

 

と珍しくグッドタイミングなももこさんが電話でパスワードの場所を教えてくれます。やったぜ。

ちなみにフェリシアが学校でホームページの話を聞かなかった場合の救済策として、この時にホームページも教えてくれます。

これはもうシスターですね、間違いない。

 

じゃあ電波塔の元にイクゾー! デッデッデデデデ!(カーン)

 

 

 

「あーーー!天音の双子がなんかやってるぞ!」

「あれは…パスワードを消すつもりね!」

 

このように、尋問タイムを発生させるとその日の夜に、ピーヒョロ姉妹がパスワードを消しに来ます。

そりゃあ今度も自分達が失態を犯したら、もしかしたらマギウスの翼クビになっちゃうかもしれないしね。仕方ないね。

鶴乃ちゃんとフェリシアが真っ先に駆け出して行きました。実際、手がかりを簡単に消されたらたまったもんじゃありません。

 

 

 

「こうなったら全部かけてしまえば…!」

「……これなら!さっさと逃げよう!月夜ちゃん!」

「月咲ちゃん…今回は成功したでございます!」

 

 

 

 

 

 

な ん て こ と を し て く れ た の で し ょ う

 

 

 

 

 

ピーヒョロ姉妹が珍しくちゃんと仕事をこなした…だと?これじゃパスワードが分からないじゃないか!おのれ天音姉妹!

あーもう無茶苦茶だよ…完全に読めなくなっちゃいましたね。どうしてくれてんの?これが白羽根の実力か…!

 

「こうなったらダメ元で入力してみる?」

「いつまで時間を掛けるつもりなのよ……。」

「あはは、だよねー。」

 

なんてことを鶴乃ちゃんとやちよさんが話していますが、実はこのパスワード問題をすぐに解決する方法があります。

 

一つが、たった今やちよさんにやんわり止められた鶴乃ちゃんです。

実はここ第4章でも活躍した『幸運』の使い所さん!?です。RTAでも救済手段として大変重宝されます。

それなりに時間が掛かるとは言っていますが、固有魔法のおかげで鶴乃ちゃんがランダムに文字を打てば、統計上10回以内に必ず成功します。

 

これは普通にパスワードを消されてしまった場合に使うことが多いですが、しかし今回使うのは鶴乃ちゃんの『幸運』ではありません。

まあ見てなって!じゃあいろはちゃんの持ってるスマホに手を翳しますね。

 

「詩織さん…?え、今何をしたんですか!?」

 

いやぁ?別に少しホームページを弄っただけですよ?ええ。

ただホームページくんにおどs…協力させて、パスワードを入れた場合の先のページを表示してもらっただけです。

 

 

っと、時間がおしてきたので今回はここまでです。

ご視聴ありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

▶︎

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

巴マミが行方不明になっているらしい。

彼女を探して神浜へとやって来た鹿目まどかという魔法少女からその話を聞いた。

 

 

見滝原にいる後輩達に忠告して、最近の異変を調査していた巴マミは、ここ数日の間音信不通で彼女の住んでいる自宅にも帰ってきていないようだった。

それで彼女の後輩である鹿目まどかさんと暁美ほむらさんは、彼女のことを心配して探しにきたという。

弓有さんは困っている彼女達を見かねて声をかけ、今まで行動を共にしていたのだと経緯を説明する。

 

「怪我はしてないでしょうね?」

「……何も……えと、なに…かな……。」

「してないなら別にいいのよ、無茶しないようにしなさい。」

 

前からずっと気になっていたのだけれど、どうして環さんといい弓有さんといい、人を助けないと気が済まないのかしら?

いえ…自殺しようとしていた人を助けるために、一緒に飛び降りたりしないだけ、弓有さんよりも環さんの方が大分マシでしょうね。

 

 

 

私達は中央区の噂を調べているという彼女達と協力して、電波塔に関する調査を合同で行うことにした。

水名で調査をしていた鶴乃達とカフェで合流し、一通り集めた情報を整理していた時、突然環さんのスマホにメッセージが届く。

 

この前からずっと送られていた不審なメッセージ。

ただの迷惑メールと思い込んでいたソレは、驚くべきことに環さんが魔法少女であるという事を既に知っていた。

 

 

『監禁している子を助けてほしい』

 

 

奇妙な要求をする相手に対し、環さんは意を決して返信を試みる。

そこから出てきた新たな情報は、私達の調査を進展させるのに十分なほど有意義なものだった。

 

メールの送り主がウワサであるということ。

監禁されているのは二葉さなだということ。

ひとりぼっちの最果てに入る方法、など。

 

罠かもしれない可能性は大いにあったが、それでも試さないよりは、このウワサの言うことを信じてみた方が良いだろう。

ウワサもウワサで最初から信用されるのは難しいと心得ていたらしく、とあるサイトを見てほしい旨を伝えてきた。

度々耳にしていた噂のホームページ。

フェリシアのスマホの履歴を遡り、見つけたページの先に進むには、何かしらのパスワードを入力しなければならない。

 

「あれ、ももこさんからだ。」

『もしもしいろはちゃん?良い情報が手に入ってさ!』

「本当ですか!?」

 

環さん宛てにももこから掛かってきた電話。

普段ならバッドタイミングに遭遇していただろうが、今回ばかりは運良くグッドタイミングだった。

都市伝説のきまりをかなぐり捨て調べた話では、電波塔の塔脚にパスワードが書かれているらしい。

丁度近くのカフェに集まっていた私達はそこに向かうことにした。

 

 

 

 

 

既に辺りは暗く、すっかり夜になっていたが、目的の塔脚の近くでこそこそ動く影が二つ。

 

「もも、もう見つかったでございますか!?」

「早く消さないと…!」

 

確か、いつぞやのマギウスの翼の天音姉妹…その慌てようを見るに、あのホームページのパスワードを消そうとしているのは火を見るより明らかだ。

鶴乃とフェリシアがいち早く飛び出し、天音姉妹を止めようとする。

 

「今回は汚名返上させてもらうよ!」

「私達だってやる時はやるでございます!」

 

けれども、今回は先手を取られてしまい、パスワードに溶剤をかけられてこの場から逃げられてしまった。

逃げ足だけは無駄に早いのね、あの姉妹……今日は完全にしてやられたわ。

 

「ぐちゃぐちゃで、読めなくなっちゃったね……。」

「そうだね…これ、どうしましょう?」

 

綺麗に全てが消えたわけでは無いけど、文字は歪んだり混ざったりしていて、ここから元の文字を読み取るのはもはや不可能だろう。

環さんがスマホを取り出してあれこれ唸りつつ試しているが、当然のごとくパスワードが違うと表示され、最初の入力画面に戻ってくる。

 

「えっと…詩織さん?」

「…………。」

 

そんな中、弓有さんが動いた。

おもむろに手を環さんのスマホに添えると、画面には指一本触れていなかったはずなのに、突然ホームページの画面が切り替わる。

 

「一体何をしたらそうなるのかしら…?」

「………?協力、して……もらった……。」

「協力って…まあ、気にしても仕方ないわね。」

 

この現象こそ、弓有さんの固有魔法によって引き起こしたことなのかもしれないでしょうし。

そういえば彼女の固有魔法がどういうものなのか詳しく聞いたことが無いような……。

 

 

 

ともかくその話は置いておきましょう。

 

パスワードの先にあったのは『神浜都市伝説辞典』という検証もされていないただの噂を集めたサイトだった。

私の持っている神浜うわさファイルに似ていると言われたのには少し心外だが、私達の求める情報は確かにそこに記載されていた。

 

電波少女の噂に、ひとりぼっちの最果て。

そしてあの『アラもう聞いた?』から始まるウワサの噂。

あのウワサが言っていた事は間違いなさそうだ。なら、電波塔から飛び降りれば、ひとりぼっちの最果てに入れるのだろう。

 

 

次にするべき事は、決まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 












明日はカレーなので失踪します









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