外伝マギアレコード RTA ワルプルギス討伐チャート情報提供者ルート   作:最近ハマってしまった人

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焼き鳥美味しいので初投稿です








Part34 楽園行き再走前夜

 

 

 

その繋いだ手の暖かさが、立ち止まりそうな心に勇気をくれる。

 

『ねぇ、まひろ!この場所はなに?その格好はなんなの?ねぇ…なんか、喋ってよ……。』

『………………。』

 

何も言葉を発さずに彼女の手を引く。

まさか、まさかだ。よりにもよってこの屋敷に魔女が来るなんて思ってなかった。

しかもダメ押しに私の誕生日と来たものだ。しおりちゃんはこんなにも優しいのに、どうして世界は私に優しくないのかな。

 

よくよく考えてみれば、自分の家系が負の象徴みたいなもんだし、魔女だって集まりやすいのかもしれない。

確かに初代はさぞ素晴らしい事を成したんだろうが、そこから何であの人達はあそこまで狂ったのか。

やっぱり性格は改善しても、血筋自体がダメなんだろうか。つくづく哀れな人達だ、可哀想に。

 

そう走りながら呑気なことを考えて、ここからどう抜け出そうかを頭の中で試行錯誤を繰り返していた。

 

『まひろ!!!』

 

しおりちゃんの声で現実に引き戻される。会ってからこんなに焦った表情は初めて見るんだ。

そりゃそうだ、だってしおりちゃんは普通の人。本来ならこんなヤツなんかに巻き込まれない生活を送るはずの人。

この非常識空間での対抗手段なんて持っている訳ない。ここには私しかあの魔女に対抗できる魔法少女はいない。

あの白いヤツ?出来れば顔すら見たくないんだよね。いやなんか私の直感からして危なさそうだし。

もしアイツがしおりちゃんを契約させたら許されることじゃない。こんな危ないものに巻き込ませたくなかったのに!

 

でも…どうしよう。

矢は届かない、そもそも効かない。いやはやもしかして、ココで2人とも短い人生を終わらせてしまうのかな?

良いことはそれなりにしたはずなんだよね。でも鴉弓家というスタートがまずマイナスだったかも。

私のとかは別にいいけど、こんなヤツにしおりちゃんの命までは絶対にあげたくないなぁ……。

 

 

 

 

 

…あれ?それでいいじゃん。

 

なるほどなるほど?ここで魔女を確実に殺せるくらいの必殺技を放てば、アイツは死ぬ!私は人を救うという良いことが出来る!

そしてしおりちゃんは生きてココから出れる!

じゃあ魔力が入ったお守りも渡せば、しおりちゃんがこれ以降襲われる事もないのでは?しかもそれで私が今までにした良いことの功績を引き継けば、しおりちゃんの人生は救われるも同然なんじゃないかな!?天才的な発想……いや昔から知ってるけど。

 

……うん、ごめん。ふざけて言ってみただけだよ。でもこんな状況じゃあそれ以外に取れる選択肢もないみたいだった。

 

『嘘だ…まひろ…ねぇ、どこに行くの?まひろ…置いてかないで……。』

 

だからさ、そんな顔しないでよ。

大丈夫!眠って起きた時には全部終わってるよ!これは悪い夢なんだから。

そう言って無理やり気絶させたしおりちゃんを静かに寝かせて、憎々しい魔女に向きなおる。

自分には出来る、自分なら出来る、私はアイツを絶対に倒すことが出来る。失敗なんてしないんだ、間違えるはずがないんだ。

持てるものを使って、一つの矢に魔力を全部注ぎ込む。これでもかって言うぐらい魔法少女1人分の貯蔵全て。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

でも、まあ…欲を言うのであれば。

もう少し君の近くに居たかったなぁって。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『まだ、まだ生きてる。まひろは生きてるんだ。だから………』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

▶︎

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キレーションランドのウワサを倒しに行く作戦の日。

 

遊園地の廃墟へ行かせまいと出てきたのは、やっぱりマギウスの翼達だった。

私達も鶴乃ちゃんを取り返そうと必死だけど、向こうも向こうで切羽詰まった状況なのかもしれない。

それだけココが正念場だという事なんだ。

 

自警団の方々が黒羽根の前に出て迎え撃つ。

どうやらマギウスの翼とは因縁浅からぬ仲?だそうで、私達がウワサやマギウスに専念できるように、という計らいでもあるらしい。

 

「黒羽根どもの対処は我々にお任せください。各員、特別なサプライズ用意!」

「こちら幻術実行班、用意できてまーす。」

「こちら遠距離攻撃班、準備完了。」

「こちらサポートチーム、設置おーけー!」

「作戦実行!前列は撤退!現場指示を第2部隊に引き継ぐ。」

「第2部隊、現場指示を引き継ぎます。」

 

隊長みたいな子が号令を掛けると、辺りの至る所から魔法少女の影が見えてくる。黒羽根じゃなくて、それぞれ全員が自警団の人達。

実行の合図と共に辺りは一斉に煙幕が張られて、二つの勢力がぶつかり合う戦場は一時的に視界が見えなくなる。

 

班員の子に教えられた抜け道を進んでいた私達には、ギリギリのところで煙が届いていなかった。

煙の外からなら少しだけ見える…けど、何かが真ん中で暴れている。え?あのでっかいのってドラゴン!?

理屈を説明されても、思わずビックリしてしまった。どうやらアレはああいう幻を見せて、羽根達を錯乱させているんだって。

 

「あの子達、一体どこにこんな強大な魔法を隠し持っていたのかしら……?」

「…多分、一人一人はそこまででも…複数人が同じ系統で揃えてるから、魔法が倍増してる…と思う。」

「なんだかデカゴンボールみたいだな!」

 

つまり自警団の皆さんの息が合っているからこその大技って事なんだ。

あんなにすごい技を出してまで足止めのために応戦してくれている。私達だって、マギウスに負けていられないんだ。

 

 

そうしてクロスボウがある左手を強く握った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夜の暗がりを抜けた先に、ウワサの楽園というのがあった。

 

「意外と着くのが早かったね、一体どんな魔法を使ったのかな〜?」

「おや、アレが話に聞いていたおガキ様とやらか?自分達はすんなり通れたぞ、もう少し部下の躾をした方が良いな。」

 

もちろんのこと、待ち受けていたのはマギウスとその翼達。向こうは見ずとも分かる徹底抗戦の構えで、何が何でも私達の妨害を阻止する気なんだろう。

 

「でもここで皆幸せになってもらうのー、そして定員オーバーになったら強制退場してもらうんだから!」

「それは人を殺すってことだよね…そんなの、人を幸せには出来ない!マギウスが間違ってるのは確かだよ!」

 

いつまでたっても話は並行線。

痺れを切らしたマギウス達は、真っ先に私達に攻撃を仕掛けてくる。みふゆさんとかなえさん、メルちゃんの再会も喜ぶ暇なんてなかった。

 

「……っ!仲、直り…先に……!」

「詩織さん!分かりました…すみません、お願いします!」

 

レーザーかなにかを放とうとしていた灯花ちゃんを、詩織さんが短い槍とカラスによって妨害する。

前から色々とお世話になったままだった。この騒動が終わったら今までのお返しをしたいな……だけどその前に。

 

 

 

『……鶴乃、ちゃん…疲れて、そう、だから……うん…』

 

『…えと……頼られ、すぎ…?…みたいな……?…これは、経験…というか、直感…とか…』

 

『………少し、だけでも…負担…減らせ、たら…な、って……優しい…は、大事…!…』

 

 

 

それらはあくまで詩織さんが今までに感じた所感だった。人一倍疲れてるように見えたのに、誰かのために頑張ってしまう姿。

作戦の開始前に教えてくれた気持ちの分も含めて、私達は鶴乃ちゃんと向き合わなきゃいけない。

いや、鶴乃ちゃんと正面から向き合いたいんだ。

 

「あれ?まだ開園前だった筈だけど…まあいっか、ほらみんなもココでゆっくりしていこうよ〜。」

 

ウワサと融合した結果なんだろうか、鶴乃ちゃんは髪も衣装も毒々しいような緑に染まりきっていた。

いつも私達が見ていた活発な鶴乃ちゃんはここに居ない。もしかしたらこの姿こそが本当に鶴乃ちゃんが求めていた姿なのかも、ということが私の胸を締め上げた。

 

「……相野さん、お願いしてもいいかしら?」

「うん!準備はいい?いくよ!」

 

みとちゃんの固有魔法『心を繋げる力』によって、私達はそれぞれの意識の奥深くに潜っていく。

 

 

 

鶴乃ちゃんの大好きなおじいちゃんが亡くなったこと。

願いの結果として手に入れた大金が勝手に使われたこと。

メルちゃんが魔女退治で行方不明になったこと。

やちよさんが唐突にチームの解散を宣言したこと。

みふゆさんが連絡もなく音信不通のまま失踪したこと。

ももこさんがみかづき荘から出て行ったこと。

詩織さんが何かを抱え込んでいるのに気付いてしまったこと。

フェリシアちゃんが孤独に生きてきたのを心配したこと。

さなちゃんが安心できる居場所を作ろうとしたこと。

私が居なくなったういを探していることに協力したこと。

 

 

 

全部、全部笑顔で背負いこんで、気を張りながらも健気に振る舞う鶴乃ちゃんがそこに確かに存在していた。

私だって、鶴乃ちゃんのためになりたい。

もう気を張らなくていいような場所を作るから、互いに助け合っていけるようなチームを作るんだ。

 

 

……だから!

 

 

「一緒に帰ろう!鶴乃ちゃん!」

 

 

その手を繋いだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

奇妙な色合いの観覧車、遠くから聞こえる戦いの音。目を開ければまた元の遊園地へと戻ってきていた。

それでもこの手は繋いだままで、鶴乃ちゃんはウワサと融合した状態から元の姿になっている。

 

「えへへ…心配、かけちゃったね。」

「…!鶴乃おおおお!!!」

「鶴乃…よかった……。」

「おかえり、鶴乃ちゃん!」

「おかえりなさい、鶴乃さん…!」

 

それぞれの思いを伝えて、心を通わせることが出来たんだ。だからもうこの繋いだ手を離さない。

 

みんなで円陣を組んで、号令をかける。

これが私のいるみかづき荘なんだ…!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

▶︎

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

多くのプレイヤーが難易度ハードで苦しめられてきた遊園地に行くRTAはーじまーるよー

 

前回は故人勢が生存していた理由が明かされ、かなえさんが蒼海幇の外部協力者という位置付けになっていました。

そしてマギウスの翼と対抗する謎の自警団が登場し、ほのかに香るモブレコのガバの匂いが鼻につきます。

ここだけ聞いたらガバポイントが多スギィ!

 

 

今回はその続きからです。

ここからが正念場と言えるでしょう。今まで走者が鶴乃ちゃんと築いた信頼度の成果をいろはちゃん達に伝える時です。

まあぶっちゃけ愚痴しか聞いていませんし、愚痴と言ってもほとんどがやちよさんに対するモノなんですがね。

なんか…こう…鶴乃ちゃんはいつも頑張ってたし、たまにはお休みの機会与えた方が良いんじゃね?的な事を言っときます。

意味深な事を言ってもいいですが、その場合あまりメリットはないです。素直が一番!

 

 

 

正直に言うのであれば、キレーションランドでの詩織ちゃんの出番はありません。

じゃあ遊園地のタイムを短縮する手段はどうするのかって?ええ、決まっておりますとも!

 

「みかづき荘の人達を連れてって、心を繋げれば良いんだよね?任せて!」

 

それが彼女、相野みとちゃんさん様で御座います。崇めよ!奉れ!かの者こそが真の魔法少女だ!祝え!新たなる王の誕生を!

みとちゃんさん様は団地イベでも活躍した通り、『心を繋げる力』によって鶴乃ちゃんの本心とチームみかづき荘を繋げてくれます。

そういえば今回の編集時点で聞いた話なのですが、対策次第では固有魔法によって心を覗かれるのを強制失敗させる事ができるようですね。まあ詩織ちゃんには関係ないと思いますけど。

 

そんで部隊編成の指定は(特に)ないです。

大混戦してる最中、それぞれに的確な指示が出せるわけないだろ!いい加減にしろ!

義手くんは詩織ちゃんのためになる行動が基本なので、自分の半身みたいなものですから、指示を出さずともガバ関係がいくらかマシなんです。

というか今更思いましたが、詩織ちゃんって複数の『使役』でも早々にキャパオーバーしませんし、魔力面とかも普通に高いのでRTA的に優良物件では?

その気になれば義手くんの視点共有で優秀な軍師になれそうですけど……まあ、これに関しては性格の『寡黙』のせいで無理そうですね。

 

 

 

さて今回のRTAでキレーションランドに攻め込むイかれたメンバー紹介するぜ!

 

 

何故か生存していた故人勢を加え、更に戦隊モノ追加戦士枠のなぎたんも加えたチームみかづき荘!

「ウワサから鶴乃ちゃんを取り返してみせます!そしていつかは絶対にういを見つけ出します!」

気合十分のご様子で!さすが我らが主人公!まさかの戦力アップの面でも一番君達が頼りだぜ!

 

なんだかいつもの試走よりも好感度不足気味の組長率いるななか組と、逆に何故か高い気がする葉月さんがいるアザレア組!

「帆奈さんはみたまさんの食事を食べてしまい気絶いたしましたので、調整屋にて一部の魔法少女に看病されています。」

すまん帆奈ちゃん…これもRTAの為なんだ……絵の具は入ってないから!まだ大丈夫!セーフ!

 

今回のキーパーソン!ウワサの融合の弱点をピンポイントで突くことができ、それぞれが便利な固有の魔法を持つ団地組!

「特訓した結果を出す時だね!………ごめんね、これから少し忙しくなるから…終わったらでも大丈夫かな…?」

まだ義手くんはしばらくもふってても大丈夫ですが、そのまま持ち帰ったりしないで下さいね!

 

そして最後に相談所メンバーと南凪の苦労人と神浜屈指の芸人育成所の皆さんとその他諸々の魔法少女達だーーーッ!

「あー、そういえばかりんが『帆奈ちゃんが起きたら、前に貸したきりんちゃんの続きを読んでもらうの!だから心配しないでいいの!』と言ってたそうだ。」

みゃーこ先輩、伝言ありがとうございます!かりんちゃんがいるなら調整屋方面は安心だな!

 

 

以上のメンバーでお送りするぜ!

みんな!グリーフシードは持ったな!?武器や魔法の準備はOK?それじゃあKBFへイクゾー!(デッデッデデデデ カーン デデデデ

 

 

 

 

 

 

 

「うぉ!?なんだアレ!」

「ド、ドラゴン!?ちょっとあんなのゲームでしか見た事ないわよ!」

 

【速報】自警団とかいうモブ魔法少女達が強すぎる件について

いやなんか自警団vsマギウスの翼してる場所でデカいドラゴンが暴れてるんですけど?何アレ……。

 

なになに?幻見せる系統の固有魔法を集めに集めて、テレパシー系の固有魔法で同じイメージを等しく共有してるの?だからアレでも形が崩れないんだって?

それに追加して煙幕の中で遠距離攻撃やらを班ごとに分けてそれぞれ交代で回して、医療やサポートなどの体制もしっかり完備してる…と。

 

モブの子達の方が走者より賢くなぁい?

てか完全に魔法少女の集団戦法を理解してますね…この自警団とかいうモブ魔法少女グループ。

君達さぁ…もしかしてぇ…モブレコ、やってたりするぅ?まさかここまでモブがガチガチに作戦固めて強くなってくるとか思わんやろがい!

 

 

ともかくあの自警団達のおかげで黒羽根に戦力を削がなくて良くなりました。お前なかなか……やるやん?

キレーションランドに突撃だぁーーーーッ!

 

「まさかこんなに早くに来るなんて思わなかったワケ。」

「なんで…かなえさんと、メルさんが……!」

 

そりゃあ驚きでしょうとも、どっちの方も二重の意味で。

走者も出来ることなら通常プレイ時にゆっくりと、故人勢とみふゆさんの感動の再会を見たかったんですが……どうしてこうもガバは唐突なんですか?

 

 

 

まあいいでしょう。いろはちゃんと灯花ちゃんの対話が終わって、いよいよ第7章の本格的な戦闘が始まります。

まず最初にすべきなのは、みとちゃんさん様とチームみかづき荘を鶴乃ちゃんの所へ送り出すことです。

 

「もー!邪魔しないでってば!」

 

そのため、真っ先にレーザー攻撃をしようとしていた里見灯花を妨害します。

ぶっちゃけこの実質無限魔力ファンネルちゃんはマトモにやりあっても、(走者に勝ち目は)ないです。

ワンチャン不意を突ければ、前の暴走詩織ちゃん事件の時みたいにいけるんですが、いまいちアレの発動条件分からないままですし。

なんか過去関連だとダメなんですかね?オーダーメイド万年筆とか有鷺詩織とか鴉弓真広とか。

いやそもそも暴走して『使役』を使ったとしても、結局は経歴ガバになるじゃないか…たまげたなぁ……。

 

「アナタの相手はアリナなワケ!」

 

人にビームを撃っちゃダメって習わなかったかァ!?みんな!!マジカル交友関係で集まったみんな!一緒に頑張って応戦しような!

とりあえずおガキ様相手に先手の攻撃を撃ったので、後は他の方々にお任せしましょう。ていうか、するに決まってるじゃないですか!

 

 

だって詩織ちゃんは神浜のヤベーやつ相手で精一杯なんですからねぇ!

 

 

おっと危な…!

他の人達も加勢に入ってはくれているんですけど、詩織ちゃんが完全にアリナァ!にタゲられています。

ひとりぼっちの最果ての時と違うのは、こちらに仲間の魔法少女がいることですね。ただの回避ゲーではなくなりました。

 

やっぱ…魔法少女の輪を……最高やな!

 

とはいえソレで慢心していたらあっという間にポックリ逝ってしまいます。なんたってココは難易度ハードの修羅の国なんですよ?

ガバを引く乱数なんぞ当たり前、こんなの試走やチャートに載ってねぇ!という、走者にとっての地獄めぐりが開始されます。

 

それにしても思いましたけど、何故か生きていた故人勢と感動の再会かと思いきや、マギウスの方針で戦うしかなくなるって…みふゆさん的に辛すぎなぁい?

ここが神浜で良かったですね…なんだかんだでドッペルシステムは魔女化を阻止しているんですから、いやはやおガキ様恐るべし。

 

「なんでそんな固有魔法を持ってるの〜!?」

「あら、こんな時に余所見していいのかしら?」

「由比鶴乃!ただ今ここに参上!みんな、待たせちゃってごめんなさい!ありがとう!」

 

お!来た来た来た来たァ!さすがチームみかづき荘の結束力!みとちゃんさん様の心を繋げる力!

つまりはキレーションランドの難所の突破ですよ!!!!

 

 

 

これは最早勝ったも同然では…?ヨシ!(現場猫並感)マギウス達は早く本当の目的明かして。どうぞ。

そして少女達が謎の声に驚いて観覧車の方を見上げれば、それは紛れもなく、ヤツさ。

 

「まったく様子を見に来てみれば…ボクの命もタダじゃないんだよ?」

 

柊ねむじゃねーか!

チームみかづき荘が鶴乃ちゃんを取り返して再結成されると、戦場に彼女がやって来てマギウスの語りが始まります。

神浜中の感情エネルギーを集めて、自分達の願いを叶えるついでに魔法少女の救済するんだってよ(要約)スゴイ壮大だね。

魔法少女が救済される以前に、一般人の被害がヤベェイ!ことになる上に、そもそも彼女達の目的が達成されて地球がボロボロになるんじゃないっすかね……。

 

「そんなの…ふざけてるわ…!」

 

まあ自分の保身に走るか一般人の平和を守るかの違いしかないんで…え?走者?走者はタイムにしか興味ないです。

詩織ちゃんも面倒くさそうな呆れた顔で話を聞いていますよ。悪い子達は叱らなきゃダメなんでね…マギウスは悔い改めてください。

 

 

 

第7章の難所が無事に突破出来たので、今回はここまでにします。

ご視聴ありがとうございま……ってウォワアアアア!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

▶︎

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最後の3人目、ウワサの創造主である柊ねむが現れて、マギウス達は私達にその目的を告げる。

 

彼女達が掲げている魔法少女の救済について。

魔法少女のドッペルやウワサに巻き込まれた人々から感情のエネルギーを集め、やがてそれが満タンになったらどうなるのか。

 

里見灯花は何十年経とうと人類が知り得ない宇宙の全てを解明できる。

柊ねむは地球そのものを原稿にして新たな物語を創作できる。

アリナ・グレイは自らの芸術を永遠の生の象徴にし、活動に心を委ねる事ができる。

 

 

そうすれば…全ての魔法少女は救われ、全員が幸せになるのだという。

 

 

 

正直、耳を疑うような気分だった。

魔法少女の救済を謳っていたマギウスの本当の目的は、自分達の望みを叶える為だったのだから。

そんなことの為に、多くの一般人や魔法少女を犠牲にして?……冗談じゃない。私はマギウスを認めることができない。

 

「まるで欲望のままに生きる獣だな。」

「………はぁ…そういうタイプか ……。」

 

十七夜と弓有さんがそれぞれ反応を示す。2人とも所感は大体同じ、驚愕と呆れを半々ずつ感じていた。

むしろ、それ以外に浮かぶ言葉が出てこない。ただ彼女達のやっている事は許されざる行為というのは確かなことだろう。

 

「そうそう弓有詩織、流石にもうタイムリミット。元からリターンを貰おうと思っていたケド…忘れてたわけじゃないヨネェ?」

「………………。」

「まあ、アリナはスペシャルな画材を無駄使いなんてしたくないワケ。心配しなくても、リターンは……」

 

そこまで言ってアリナは嗜虐的な笑みを浮かべながら、黙ったままの顔が見えない弓有さんのことを見やる。

 

「……アナタ自身を頂くカラ!」

「………っ!」

 

弓有さんの懐からアリナの結界が飛び出て、彼女の体を包み込んで元のキューブ状の形に戻る。

魔法少女昏倒事件の時にも、ひとりぼっちの最果ての時にも、今まで何度も見かけたことのある結界だ。

弓有さんがとある魔法少女から借りていると前に言っていた、私にとっても見慣れたモノだった。

そしてそのキューブは今、アリナの手元に。

 

「それじゃあボク達はもう戻るよ。」

「ちょっと待って!ねむちゃん!灯花ちゃん!」

「それじゃあ環いろは、じゃあね〜!」

 

そのままマギウス達は姿を消す。

散々彼女達が使っている移動系の固有魔法だろう。黒羽根の中にそういう魔法の持ち主がいるのかもしれない。

もはやこの遊園地の廃墟に彼女達の姿は跡形もなく消え去る。

 

 

 

 

しばらくの間、私達はその場に立ち尽くすのみだった。

 

 

 

 

 











ガチで寒いので失踪します






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