外伝マギアレコード RTA ワルプルギス討伐チャート情報提供者ルート 作:最近ハマってしまった人
仕事が無いので初投稿です
イベントラッシュが近づいてくるRTAはーじまーるよー
前回は組長とお茶して、着ぐるみバイトをしました。
今回はその続きからなのですが、時期的にそろそろ色んな事が動き始めるでしょう。
今回は今話題のアレが出ました。
ついに発表された、あの『第3回神浜現代芸術賞』の事ですね。金賞を取ったのは、皆さんご存知の天才アーティストです。
RTAでは何をやっても作品の餌にされる為、非常にまず味な走者の天敵の方です。
かりんちゃんが大分早期にまほスト展開を自分で持ってったので、それがアリナ・グレイに対してどんな影響が出ているか分かりません。
少なくとも現時点で契約はまだという事が分かっています。
でもアリナに関する事で詩織ちゃんが出来る事は無いです。
せいぜい接触しないようにするのが良いですね。ただちょっと心配なのが、先にかりんちゃんと会ってしまった事です。
お願いだから狙わないでくれよぉ〜頼むよ〜
アリナは契約させると詩織ちゃんに害が及ぶし、契約させないと本編に入れない。どちらにせよ、止める手立てはありません。
放置じゃ放置!いつも通りの日課に前回の着ぐるみバイトを混ぜつつ生活しましょう。
しばらくの間、展示会のある水名区と地雷原の栄区には寄りません。魔法少女商売があった時は…まあ仕方ないので行きますけどね。
あとアリナ契約直後は新西区も少し危険度が上がります。飛び降り後の彼女が入院してくる里見メディカルセンターが新西区にあるからです。
今思うとこの病院、物語の主要人物が勢ぞろいする時期があるのめちゃくちゃ怖いんだよなぁ………
普段から病院三人娘も居ますし……
いや普通に会うなら別に和やか(?)だから良いんですけど、その内本編の元凶が発生するとこっちの身がやばい……
何かあるまでいつも通り倍速します。
恐怖!突然夜中に聞こえるノックの音!
誰ですか……日付け変わってますよ……。しかもウチはチャイム付いてますけど。
あれおかしいね〜、音が聞こえる方向が玄関じゃなくてバルコニーからなんだが……。マギレコはホラーゲームだったのか、知らなかった…。
え⁉︎ここ地上6階建てマンションの最上階だぞ⁉︎
このマンションはすぐ隣に大きなビルがあったりはしませんから、バルコニーに飛び移るのは無理です。
一般人は絶対にあり得ませんね。泥棒だとしてもここまで登って来る意味がないです。
ちなみに害を持つ人物が自宅に来ようとすると、神浜カラスネットワークが総出で攻撃して来ます。ちゃんと設定したので間違いないです。
だから危害を加える人物じゃないってことですね。
とりあえず見てみますか。こんな時間に訪ねてくる人は誰なんでしょう。
「あ、本当に弓有さんなの……。夜遅くに申し訳ないの……。」
御園かりん⁉︎御園かりんじゃないか⁉︎
なんで?(なんで?)
こんなアリナパイセンの危険度上がる時期にどうして訪問してくるんだ⁉︎
そもそもなんで詩織ちゃんのお家に来れたんですか?(純粋な疑問)
「それはこの子が……ってあれ?また居なくなってるの………。」
まあ良いですけども…初対面だって不思議な事に会えましたからね…。
で、わざわざ家に来た理由ってなんでしょうか?予想はついてるんですけど、もしかしたら違うかもしれませんし、違っててほしいんですが。
某芸術家じゃありませんように…!某芸術家じゃありませんように…!
「また相談したい事があるの。その、私の先輩の事なの……。」
うわあああああああああああ!!!御園かりん!!どうして!どうして!!!
落ち着きました……
よくよく考えたらアリナ本人に会ってる訳ではないので、ヨシ!(現場猫並感)
詩織ちゃんのお悩み解決コーナー、走者の華麗な話術で見事解決させてご覧に入れましょう。
「先輩はすごい人なの!私の自慢の先輩なの!でも賞を取ってから元気がないの…好きな絵も全然描かなくなったの……。」
(スランプに)入っちゃったかー。
これは、典型的な契約前アリナですね。
審査員の手紙で「Hey you!世界変える気ないなら作るのやめな!」って言われてスランプに入ったパイセンです。
実際狂気は伝染するっていうし、パイセンの作品が薬にも毒にもなるっていう言い分は言い得て妙ですけどね。
それでその落ち込んでるパイセン見て、かりんちゃんはどうしたいんすか?人のスランプは下手に口出せないんですよ。
一応成功した例外がありますが、その後の本編が崩壊しました。具体的に言うとアリナが団長と化します。
「すげえよミ(ソノ)カ(リン)は」ここは火星ではない
「私は…いつもの先輩に戻ってほしいの。今のアリナ先輩はなんだか苦しそうなの…見ていられないの……。」
じゃあその気持ちを伝えればいいんじゃないっすかね?天才芸術家って言われてても、まだ現時点で15歳っしょ?余裕余裕(謎の自信)
ただちゃんとパイセンが飛び降りて入院しないと、マギウス的な繋がりが無くなってしまうので、これ結構お祈りポイントだな?
「弓有さんでも分からないの…?そうなの……分かったの、私の気持ち伝えてくるの!」
明日平日でしょ?詩織ちゃんだから大丈夫だったけど、今から突撃訪問なんてことはやめて下さい……。
急なイベント発生は走者の敵。
それはそうと、さよなら代わりに飴をあげましょう。もう片方はパイセンにあげなよ。
じゃあな!あばよ!今度来る時は昼間で玄関から来な!
かりんちゃんの鎌、宙に浮けるから乗り物として便利だな……。
今日はエミリー先生の相談所に遊びに行こうと思います。
不測の事態で遅くなりましたが、相談所メンバーと交友関係を築くのが今回の小目標です。
相談所のある水徳商店街は確か参京区でしたね。午前中は丁度万々歳のバイトも入ってます。
イクゾー(デッデッデデデデ カーン
ここがあの女のハウス(相談所)ね。
「お!しおりんじゃん!チッスー!」
しおりんとは詩織ちゃんの事かえ?いいでしょう、詩織ちゃんも満更でもないご様子。
ここがエミリー先生の相談所です。やってるだろう時間に来て正解でしたね。
やっぱコネは繋げておくもんですよ。
「こんにちは、弓有詩織さんですよね?ボクは志伸あきら。よろしくお願いします!」
詩織ちゃんの知名度上がってるぅ!これは交友がスムーズになりますね、間違いない。
あきらさんは組長のチームメンバー第1号です。頼まれると断れない性格から、参京院のトラブルシューターとも呼ばれています。
ぶっちゃけRTAではガバ製造要員でもあります。面倒事を持ち込む力がすごいんだコレが。
ところで、そこに居るななかさんはどうして固まってるんですか?
相談所に居るの珍しいっていうレベルではないですよ?明日は天変地異でも起こるんですか?
「あーこりゃ完全にキャパオーバーしてるねぇ……。」
「まぁ…うん。それで、詩織さんは何のご用件で相談所に?」
(特に用は)ないです。
「なんかぁ、ここらへんにぃ、相談所あるらしいっすよ?」と聞いてやって来ました。これ、挨拶の飴ね?あげますあげます。
「これが……噂の…。」
「やった!あーし、しおりんの飴好きなんだよねぇ。」
おおー、会う度欠かさず渡してる飴玉は好評だったようです。地道な好感度稼ぎは身を助けますね!
遊びに来ただけだから気にしないで大丈夫ですよ。
今相談所に居るのはこれで全員ですかね。今日はあきらさんと出会えただけ良しとしましょう。
結局、ななかさんが相談してた事って何ですか?走者、気になります!
「あー、うーん。相談っていうのは、あまり人には言えないような事が多いんだ。だから教えられないかな……。」
そうですよね、当たり前の事を言い返されました。
だがしかし、詩織ちゃんが聞けないという事は、信頼度がまだ足りないという事!組長との仲はまだまだだったようですね……。
いいでしょう!ならば組長の信頼度の為にも、いつでも頼ってきていい的な事を言っときます。
これでも結構仲良くなってたようだが、それは勘違いだったようだ…何か悩みがあったら詩織ちゃんにも遠慮なく頼ってくれよな!
これ追加の飴ちゃん!オプションで渾身の詩織ちゃんスマイルもあげときます。
知り合いが悩んでるのを知ると心配してしまうのは、性格『博愛』の性なのだ。人助けが生きがいのようなモノです。
「…………あ…あり、がとう…ございます……。」
良いって事よ!でも組長は元気なさそうですね。
邪魔して悪かったです、部外者はサッサと他所へ行きましょう。
詩織ちゃんはクールに去るぜ…。
こんにちは!今日は清々しい休日ですね!
空には雲ひとつとしてなく、穏やかな日々を過ごせる事でしょう!
少なくともさっきまで、走者はそう思ってました!
誰だよ屋上でパルクールしながら移動しようぜって言った奴!実際効率は良いんだが!良いんだが!
「突然出てきてアリナに何の用?」
用とか別に無いんですけどねー!走者はまったくもって用なんて無いんですけどねー!
それもこれも『博愛』ってやつの仕業なんだ!
今にも飛び降りようとしている子がいたら、詩織ちゃんは止めに行っちゃうだろ!いい加減にしろ!
まさか自分が重要なイベントを潰す羽目になるなんて思いませんでしたよ?詩織ちゃんのオート操作がヤバすぎますね……。
どうしてこんな不安定なキャラで走ろうと思ったんですか?
「アリナは今から最後の作品を作るんですケド。」
いやだって見てくださいよ(見えない)!この走者の連打具合を!詩織ちゃんが全然操作権を返してくれません。
このままじゃアリナパイセンが入院してくれなくなっちゃうよ〜!やめてくれ!やめて下さいお願いします!
「はぁ?知らない人にそう言われる筋合いはないヨネ。」
ほらパイセンも苛立ってますって!正論言われてますよ!今すぐ踵を返して立ち去りましょうよ!ね?ね?
いやでもイベント成功しても、初対面がコレとか今後の標的になる確率が高いんだが……(死亡する可能性が)濃いすか?
「やあアリナ・グレイ。おや?弓有詩織まで、奇遇だね。」
うっわ出た。いつもなら無視したいんですが、生憎今はパイセンが契約してくれないと困るんですよね……。
白タヌキに頼る瞬間が来るとはなぁ…。
しかも今回、詩織ちゃんは人前だから串刺しにする事が出来ません。契約してる事バレたくねぇな〜俺もな〜。
「契約を考え直してみないかい?」
詩織ちゃんが珍しく狼狽してますけど、契約前の子に魔法少女の真実言っても、その辛さを知らないから実感湧かずに契約しちゃうんですよ。
それでも叶えたい願いがあるんだ!って言うんです。後悔先に立たずとは正にその事ですよ。
特にこのアリナ・グレイに対してそんな事言ったら真っ先に契約するんだが⁉︎
やめろぉ!(詩織ちゃんのソウルジェムが)濁っちゃうかもしれないダルォ!
「ふーん、じゃあ…『誰にも邪魔されないアトリエが欲しい』んですケド。」
パイセンのソウルジェムが出てきましたよ…あ〜魔法少女誕生の音^〜。
って詩織ちゃんのソウルジェム、濁りがスゴイ事になってるぞ⁉︎やばいやばいやばい、魔女になっちゃ〜う!
急いでグリーフシード使わなければいけません。こういう時の為のショルダーバックですよ、左手だけ突っ込んで入れてあるグリーフシードをこっそり使います。
結構濁りヤバかったですね…さっきの……。
白タヌキ!お前コレが目的だな!魔法少女を増やせる、邪魔な商人を消せる。まんまと利用されましたねクォレハ……。
今度はアリナが身投げしようとしてます。
詩織ちゃんはいい加減手を離してあげてくださいよ!イベント進行不可になっちゃうでしょ!
「いい加減に…してヨネ!」
アッ!待ってそこでそんな事されると………!
あ〜〜!自由落下〜!
このままアリナと無理心中ですか⁉︎
絶対に最後の作品邪魔したから、本編時のパイセン物凄いヘイト向けてきますよコレ!
ある意味ラスボスのヘイト稼ぎなんて、後方支援型の子がやる事じゃねーぞ!
えっちょっと詩織ちゃん⁉︎
空中で体勢変えれるの流石ベテランだけど、何でアリナの下側行ったの⁉︎何故自分がクッションになろうとしてるの⁉︎お人好しが過ぎません⁉︎
ここ大分高いから魔法少女と言えどただじゃすまないですよ!
クッソ!かりんちゃんだったら空飛べるのになぁ!詩織ちゃんさっきソウルジェム濁ってたからなぁ!
不味いそろそろぶつかる!!!
生きてる……生きてるぞ!!!
体力はミリ、視界は真っ赤、ソウルジェムは濁り、体を見ればグロ画像。
これは………瀕死じゃな?
アリナパイセンは気を失ってるようです。近くにはパイセンの設置したビデオカメラがありますね。
あ、やっと操作出来るよ詩織ちゃん!お前スキップ出来ないムービーかなにかかよぉ!
とりあえずこんな状態で生きてる事バレたら、一般人の正気度ゴリゴリ削っちゃうから詩織ちゃんは撤退します!
命が風前の灯火だし、体の修復に魔力使ってる所為で義手くんがいない!
でも動けてる辺り魔法少女マジでヤバイなとしか言いようがない。絶対内臓も骨もやられてますよ。
パイセンは多分、後のマギウスが助けてくれるはず!衝撃による傷は詩織ちゃんが代わりに受けたので、アリナは見た感じ外傷ありません。
では撤退!撤退です!一刻も早くこの場から離れます。近くに治癒系の魔法少女いないかなぁ……。
今回はここまでにしようと思います。
ご視聴ありがとうございました。
▶︎
水徳商店街の角にあるスペース。『エミリーのお悩み相談所』と書かれた看板を前に、ボク達は雑談に興じていた。
今日は相談しに来る人居ないね、なんて言って誰か来ないか待ってたんだよ。
そこに念願の相談客が現れたんだよね。
すごくよく見知った人、なんなら今日も学校で会った人だったんだ。
常盤ななか、ボクのチームのリーダーをしている人。
ついこの前、とある人に恋してる事が発覚してから、ボクは『常盤ななかの恋を見守る会』に所属してる。
肝心のななかは恋を自覚してからというもの、日に日に恋を拗らせてきている。
拗らせ過ぎてチームにまで助けを求めてきた。ボク達の会は適度にちょっとしたサポートくらいしていくつもりだよ。
いつもキリッとしてるから忘れがちだけど、この恋に関する時だけ年相応になるのが最近のななかの可愛い所だと思う。
そしてここに来るという事は……まあ、そういう事なんだろう。
「恋のご相談です。」
そういう風にななかは言い切ったけど、すぐに顔を赤くさせて、手をそわそわと動かし始めた。
最早照れる姿は頼れるリーダーではなく、一端の恋する乙女である。
勿論の事、先生は恋バナに食いついた。
攻略法とかを色々話してたけど、「そういえば相手は誰⁉︎」という重要な事を聞き忘れていた。
ななかは良く出来た人間だと思う。普通に生活してても引く手数多だろう。
でもななかの恋の難易度が高いのは、恋してる人があの人だから。
弓有詩織さんっていう方。
その名前を聞くと、先生は「えぇ!しおりんなの⁉︎」と驚いていた。しおりん?まあとにかく知り合いだったらしい。
詩織さんは魔法少女界隈で有名な人だ。有名ではあるけど、どこで何してるかとかは全然分からない。
だから実在の人物だって思ってる人が意外と少ない。神浜市魔法少女間の噂、都市伝説として語られる事の方が多い。
挨拶代わりに飴を渡してくれるらしいし、グリーフシードも譲ってくれるらしいとかなんとか。知ってる人に聞いた話も曖昧なのが多いけどね。
すごく優しい人だからこそ、人の好意には疎いみたいだった。
相手が詩織さんである事を知ると、先生は目にも分かりやすく唸った。
あの人の攻略は難しいって事。
それでもボク達はななかの恋を応援したい。
すると、また新しく相談所に人が来たんだ。
毛先にかけて色が薄くなってく黒髪に、眠そうな緑色の目。
まさにさっきまで話題の中心人物だったその人がここに現れた。噂をすれば…ってやつなのかな。
何回か話を聞いたり見かけたりする事はあっても、ボク自身彼女に会うのは初めてだ。実際に相対してみると、すごく良い人そうなオーラを放っている。
詩織さんは相談所の事を小耳に挟んだみたいで、どんなところか見に来ただけらしい。
いきなりの意中の訪問者に、ななかはピタリと体を停止してしまった。
心の用意をしてから会わないと、脳の処理速度が追いつかなくなるみたいだ。
表面上はいつものキリッとした表情を保てているけど、まだほんのり耳が赤い。慣れるとこから始めないといけないなぁ……。
相談中に押しかけたお詫びに、と詩織さんはボク達に飴を一つずつくれた。よく話に聞く飴玉配りである。
うん、良いお姉さんって感じがする。
と思ってたら、ななかの悩みについて聞かれてしまった。鈍感というよりか天然なのかな、詩織さんって……。
他人の相談内容は言えない事を伝えると、「そう、だよね。」と言って詩織さんはなにやら考え込んだ。
そしたら突然バッと顔をあげて、ななかの方に近づいたんだ。座ってるななかに合わせてしゃがむと、その手を取って飴を握らせる。
「私にも…頼っていい、からね。」
そしておまけとばかりに微笑んだ。
構図がさながら、お姫様に跪く騎士みたいな事になってる。狙ってやった訳じゃないなら、やっぱり詩織さんは余程の天然なんだろう。
問題は現在恋煩い進行中のななかに向かってそれをしたって事なんだ。
ほら見てよ、今まで目を閉じて照れを誤魔化してたのに、思わぬ出来事で目を開けちゃった。
あ、下を向いた。照れつつもきちんとお礼は言えたみたい。
立ち上がった後、詩織さんは「お邪魔しました」と言って、去り際にななかの頭を撫でて帰ってった。
今日は一連の行動がクリーンヒットしてる。
まさか相談するためにやって来た相談所で、こんな事になるなんてななかは心底思わなかっただろう。
「再起不能だね〜。」
うん、今日はもう駄目なんじゃないかな。
悩みの解決する相談所なのに、余計に悩みを深刻にさせてしまったのは、ななかにとても申し訳ないと思う。
そのすぐ次の日。
ななかを除いたボク達、『常盤ななかの恋を見守る会』はファミレスで緊急会議を開いていた。
理由は勿論、昨日の相談所での出来事。
案の定、他のみんなもななかの事を気の毒に思ったみたい。
常盤ななかの恋路は長く険しい道のりだと、ボク達は改めて認識したのだ。
弓有詩織さん。
間違いなく強敵である。
◁
『大丈夫なの……?』
『へーきへーき!大した事無いって!』
『よかった、元気そうだね。』
『そうだ! ちゃん、ちょっとこっち来てよ!』
『なに?見せたいものと……わっ!』
『捕まえた!』
『まったくもう…びっくりしたぁ。』
『ね!こうしてるとさ、あれみたいじゃない?』
『病める時も健やかなる時もってやつでしょ?』
『でもずっと一緒にいるんだもん、同じようなものだよ!』
『 はいつも私の事ばっかだね。』
『願い事も関係ないよ!』
『まっすぐだなぁ。』
扉の向こうから聞こえる笑い声。
私よりも年上の女の子が楽しそうに話してる。
ここでその人達の話を聞くのが、最近の密かな楽しみになってきた。盗み聞きって悪い事なんだけどな……。
その人達は休憩所とか病院近くの公園で時々見かける。話した事なんてないし、名前も知らない赤の他人。
一人は綺麗な銀髪で黄色い目をしてて、もう一人は黒髪で宝石みたいな青い目が印象的だった。
いつも仲が良さそうで、私もそういった友達が欲しいなって微笑ましく思ってた。
でも数年前から見かけない。
入院してた人の容態が良くなったのかな。良い事なんだけど、少し寂しくなっちゃった。
そういえばずっと前に銀髪のお姉さんから飴を貰ったんだ!
光にかざすとキラキラ光って、宝石みたいな淡いピンク色の飴玉。
『お気に入りの飴なんだよ。』
そう言って私の頭を撫でたお姉さんは、暖かい笑顔を浮かべた。
甘くて舌の上で転がすと、あっという間に無くなった。
その事が今でも印象に残ってる。
私、お姉さんみたいな優しい人になりたいな。
失速するので失踪します