途中気が抜けました
「邪魔をするなっ!」
ゼロは前線、そこから少し離れたところで敵集団と戦っていた。相手はローズ・フィスアリア。ゼロは彼女とコロニー内で会っていた。だから撃てなかったのだ。
悩みがあって何故そちらに着くのか、悩んでいて何故ソイツの味方をするのかゼロには疑問でしか無かった。
「何故俺たちの邪魔をする!」
「あの男の面を保つためよ!悪く思わないで!」
「・・・非人間風情が!」
近づいてくる一機のグレイズは串刺しに、バンカーで貫くがこれでバンカーのニードルは最後。俺はシールドの裏にあった発射装置を取り外し、高速機動で敵集団の中へと入っていき、そのまま破壊を繰り返していく。
ゼロが気がついた時には船が前に出でいる。そして別の場所で戦っているはずのナギアが戻ってくる。二人は肩を並べながら通信で会話を始める。
「・・・船が前に出でるけど何かあったのか?」
「中央を突破するってよその為に俺たちは前に出るんだと」
「んな無茶な」
無茶と分かっていてもやるしかない。ルカはそう考えたのだろう。ナギアが言うには俺たちが前で荒らしている間にルカたちが通過。そのままお茶の子バイバイらしい。
俺たちの回収も織り込み済みらしいが回収方法を伝えられていないので本当かどうかは疑わしいところだ。しかし、俺たちのことなんか正直どうでもいいのでそこら辺はスルーする。
「・・・敵がいるよ」
気づけば目の前には敵の艦隊が、そしてその全面には敵のモビルスーツ隊が壁を敷くようにして並んでいた。中にはローズ・フィスアリアのシュヴァルべ・グレイズも見える。
「・・・どうするよ」
「決まってるだろ?止まる訳には行かねぇ・・・行くぞ」
覚悟を決め、トリガーを引こうとしたその時、俺たちとは別の通信が耳に入る。
『私はセブンスターズの一席にしてアリアンロッド第二艦隊、司令のイオク・クジャンだ!直ちに戦闘を中止せよ!』
「「何!?」」
双方の陣営から声が上がる。そしてアラートのなる方向。そこには見るにも数多くの艦船。アリアンロッドの別艦隊がこちらに来ていたのだ。そしてそれを指揮するのはセブンスターズの一席、クジャン家の投手、イオク・クジャン。
向こう、対面していたモビルスーツ隊が後退していく。恐らく向こうの指揮官が後退を促したのだろう。ぞくぞくとモビルスーツ隊が引いていく。
「・・・すげぇ」
「全くだぜ。何もんだよ・・・」
『二人とも、帰還してくれ。状況を整理する』
「「了解」」
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彼らは私を理解したのか、モビルスーツを引っ込める。やはりラスタル様は正しい!!
「・・・イオク様。奴らは一体何を」
「彼らはラスタル様の協力者だ。ここで死なすには惜しい」
「しかし!奴らは海賊です!!いくらラスタル様とは言え、関わるのはよくないかと!!」
、、、目の前にいる戦艦は、確かに木星圏の観察艦隊の報告にあった海賊船と一致している。しかしラスタル様は「彼らを助けろ」とおっしゃった。ならそれに従うのがアリアンロッドの教え。そして先代より受け継がれてきたクジャン家の教え。
「それに彼らには貸しがる。返さんのは私の家の名がなくのでな」
「「「イオク様・・・」」」
彼らはラスタル様の協力者だ。故に生かしておく価値はあるとラスタル様は言っていた。
「・・・少年たちよ貸しは返したぞ」
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「・・・護衛を?」
「ハリガネ」のブリッジでは、ゼロ、ナギア、ルカの三名と各メンバーが参加していた。通信している相手は「イオク・クジャン」。ギャラルホルンの誇り高きセブンスターズの一人である。だが、あっちにもセブンスターズはいたはず。仲間割れ・・・なんてのはないはず。
整備ハンガーではラピスたちの統率の元、各機体の整備を行っていた。しかし、肝心のガンダム・フレームの装甲はない。ここでできればやりたくないものだ。
「そうだ、お前たちを、お前たちの望むところに届けろとのお達しだ」
「・・・何か褒美をあげたほうがいいかな」
「そんなものは必要ない!!」
ルカとイオク様の個人的やり取り・・・まさか
「そうだよ、俺とイオク・クジャン様は商売仲間さ」
ルカが誇らしげに口にする。ジュピトリア・コロニーでルカがやっていたのは情報の販売、そしてトレードだ、周辺のマッピングをして資源衛星の発見、そして情報提供をするのが仕事だった。
その中でイオク・クジャン、そし彼の上司、ラスタルエリオンと知り合った・・らしい、個人的な情報提供などもしていたらしい、今回の事件のSOSも彼が情報を根回ししておいたくれたらしい。
「さすがだな」
「こんなのちょちょいのちょいですよ。それにラスタル・エリオンっつたらうちの常連客だろ、精算表見なかったのか」
「・・・そういえばそんな名前があったな」
ちょうど数年前だろうか、火星圏、木星圏の監査の時に補給に来ていた気がする。その精算表をルカが発見していたとはな、さすがだな。
気が付けば、周りをギャラルホルンの艦隊が、「ハリガネ」を護衛するように囲んでいた。その光景に少し驚いてしまうが、まぁ恩返しって言うんだ。悪くはない。
「・・・もう少しで歳星だ」
「やっと一息だな」
・・・ここまでは始まり。なんて言えるはずもなく。俺はただ歳星を黙ってみていた