王立ビブリア学園の完璧超人   作:滅悪狩人

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永劫図書館(エターナルライブラリー)と完璧超人

 

 

とある深夜━━暗雲が空を覆い、豪雨が吹きすさび、雷鳴が鳴り響く王立ビブリア学園

 

雨風に打たれカタカタと揺れる窓

 

しかし突如として窓が一斉に割れてしまった。

 

無惨に割れてしまい校舎内の廊下に散らばったガラス片を踏み鳴らしながらビブリア学園の制服を着た一人の少女が歩いていた。

 

「おい」

 

「…………」

しかし、その歩みは一人の男の声によって止められた。

少女が振り返ると、そこにはすでに三又槍〝土竜〟を手にしたカタクリが佇んでいた。

 

「貴様、何者だ?」

 

「あら?もうバレちゃったの?やっぱり早いわね……流石は学園最強の男」

 

「もう一度聞く……何者だ?」

 

「ふふっ、そうね…あえて言うなら……」

少女はカタクリの鋭い眼光にさらされながらも余裕の態度を崩さずに一呼吸置いて

 

 

 

「悪の魔道士ってところかしら?」

 

 

 

 

 

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「……なんだこれは…?」

早朝にアラタはリリスに連れられて校舎に来ていたが無惨に割られた窓ガラスを見て呆然としていた。

 

「どうやら昨晩に何かあったみたいなんです」

 

「……なにか?」

 

「はい、おそらくは━━」

 

「…窓ガラスも気になるけど、なんでこの廊下こんなにボロボロなんだよ?」

そう言ってアラタが窓ガラスから視線を外して周囲を見渡すと、廊下全体に無数の斬撃の痕やヒビが入っておりさらにはキレイに丸の形に開いた壁の穴などがあった。

 

「昨晩この騒動を起こした者とカタクリが交戦したんです」

突然声が聞こえアラタとリリスが振り返ると、騒動で集まっていた生徒達の人垣を割ってミラとアキオがこちらへ歩いてきていた。

 

「この現場には崩壊現象の痕跡を感じます……」

 

「な……なんだよ、なにもしてねーぞ…」

 

「ええっとですね……崩壊現象の痕跡から今一番犯人と疑われているのがアラタとユイさんでして……」

ミラに睨まれ動揺していたアラタにリリスが睨まれてる要因を説明してくれた。

 

「ホントだ、凄い魔力残滓(ざんし)だねん?」

するとアラタの後ろからユイがピョコッと肩越しに乗り出して現場の魔力に驚いていた。

 

「ちょっ…ちょっとユイさんっ!?アラタと顔が近いですよ!!」

 

「ん?…むふふっ……チュッ」

 

「な…!?」

肩越しに現場を見ていたためにアラタとユイの顔が触れあいそうな距離になっているのを指摘したリリスだったが、ユイはイタズラっぽい笑みを浮かべるとアラタの頬にキスをしてしまった。

 

「こっ…こら!!女の子が公衆の面前でキッキキキッ…」

 

「にゃははー♪リリス先生は可愛いにゃー!!」

 

「…………」

突然の行動にリリスは慌て、ユイは慌てるリリスをみて笑っていた。

そして、ユイにキスをされたアラタは気恥ずかしいのか頬をポリポリ掻いていた。

 

「…で?崩壊現象の気配だそうだぞユイ、またオイタしたのか?」

 

「えっー!?ひどーいユイじゃないよー」

話を戻してミラの言っていた崩壊現象の気配の事をユイに聞いてみると、ユイもあらぬ疑いをかけられたことにプンプンと怒った。

 

「だってユイの魔力が暴走してたら、この学園がダンジョン化してるハズだもんっ!!」

 

「ふむ……俺の魔力が暴走したら、また黒い太陽が現れる……みたいなやつか?」

 

「そうそうっ!!」

ユイのいうことにアラタは自身の魔力が暴走した時のことを思い出していた。

 

「残念ですがたしかに、この魔力は貴方たちのものではないようですし今回はカタクリが犯人と交戦しましたので………とても残念ですが…」

 

「残念なのかよ…」

ミラは相当残念そうにアラタとユイが犯人ではないと言うが、残念という言葉を強調していうミラにアラタはやれやれといった感じで肩をおとしていた。

 

「…ってカタクリのヤツがこの騒動の犯人と戦ったのか?」

 

「そうですが?」

 

「じゃあ窓以外に廊下がこんなにボロボロになったのって……」

アラタが再び廊下に目を向ければ、そこには見るも無惨な有り様の廊下があった。

 

「……これでもカタクリは力を抑えてる方なんですが…」

 

「これでかよっ!?」

 

「というよりカタクリが本気を出してしまうと、おそらく校舎の一角が崩壊してしまうので…」

 

「マジでっ!?」

この惨状を作り上げておきながら、まだまだ本気ではないと聞かされてアラタは驚いていた。

 

「そんなことよりリリス先生」

 

「はい、なんでしょう?」

驚くアラタをほっておいてミラはリリスに声をかけた。

 

「今回の魔力…〝あの図書館〟と同じ気配を感じます」

 

「あの図書館…!?……そうですか…やはり…」

 

「カタクリには図書館で待機してもらっていますので、放課後に合流しましょう」

 

「わかりました」

そう言って、ミラとアキオ、リリスの三人はその場から離れていった。

その会話を偶然聞いていたアラタはなにやら怪訝そうな表情をしていた。

 

 

 

 

 

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時間は流れて放課後

 

 

 

ミラ達はカタクリの待つ図書館に入室してきた。

 

 

 

「お待たせしましたカタクリ」

 

「……そんなに待ってはいない、気にするな」

壁に背をつけたままカタクリは待っていたことに特に気にしていない様子だった。

 

「セリナが今図書館にいるが出ていってもらうか?」

カタクリを視線で指した方には、少し浮かない表情をしたセリナが立っていた。

 

「……いえ、問題ありません」

 

「そうか…で?……俺は何をすればいいんだ?」

 

「調査は私とリリス先生で行いますので、アキオとカタクリは不測の事態への対処をお願いしますのでそれまでは自由にしていてください」

 

「……わかった」

魔術の調査に関しては魔力を持っていないゆえに力になれないだろうと考えたカタクリは、近くにあったソファーに腰をおろした。

 

「ふわぁーぁ……」

 

「……眠たそうだなアキオ」

すると、欠伸(あくび)しながらアキオもカタクリの隣に座ってきた。

 

「まーな、朝早くから騒動の調査のために起こされたから」

 

「だったら今のうちに寝ておけ、何があっても万全に行動出来るようにな」

 

「あいよ、じゃあちょっと足を借りるぜ」

 

「…おいっ」

アキオはそう言うと、座っているカタクリの太ももを枕にしてソファーで丸くなるように寝転んでしまった。

その際、アキオは大きくスリットの入ったスカートを履いてたために魅惑的な脚部が晒されてしまいカタクリは目線を上に向けることになった。

 

「……俺も少し眠るか」

夜中に騒動の犯人と戦ってから現在まで起きていたカタクリはほどよい眠気が今になって襲ってきたために仮眠をとると決めるとそのまま意識を落としていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……ん?」

不意に複数人の気配を感じとりカタクリは仮眠によって薄らいでいた意識を起こした。

そして、気配の感じた方へ視線を向けるとアラタ、レヴィ、ユイ、アリンの四人が図書館に来ていた。

 

「アイツらか……」

そのまま再び仮眠をとろうと目を閉じようとしたその時

 

 

 

ドオオォォォンッ

 

 

 

「っ!!…起きろ、アキオ」

 

「…ん!!……出番か?」

突然の揺れが発生してカタクリは眠気を吹っ飛ばし、いまだに太ももを枕代わりにしているアキオを揺すり起こした。

 

「この場所は、〝(えい)(ごう)図書館(としょかん)〟!!」

 

「そんなっ……あの図書館に強制接続させられたとでもいうのですか!?」

ミラとリリスも驚きつつもメイガスモードへと変身していた。

 

「ちょっと寝てる間に面白くなってるじゃねーか、お前らは固まって端にいた方がいいぞー」

カタクリに起こされたアキオは、寝てる間にコリ固まった肩と首をコキッコキッと鳴らしていた。

 

「……来るぞ」

カタクリがそう言った瞬間、黒い瘴気を纏った物体がアラタに高速で迫ってきた。

 

「っ!!」

 

「アラタ!!」

リリスが叫ぶが突然のことに動けなかったアラタに攻撃が当たると思われたが、そばにいたセリナが咄嗟にアラタを突き飛ばしたことで難を逃れた。

 

「ぐっ!?………いつつ、なんだよセリナいきなり…」

突き飛ばされ後ろの壁に激突したアラタがぶつけた頭を撫でながら視線を上げると

 

「……ん?…ニーソ…?ずいぶんと美脚な…」

魅惑的な脚線美が目に入り、さらに視線を上げて見ると

 

「アンタが魔王候補?」

かなり際どい黒の衣装を身に纏ったセリナと瓜二つの顔をした少女が立っていた。

 

「セリナ…じゃない……お前は…」

 

「…リーゼさん」

 

「やはり…貴女が…」

アラタがセリナと瓜二つの顔をしている少女に驚いているのと同じように、リリスとミラも驚愕の表情をしていた。

 

「センセにセンパイ久しぶり♥️…久しぶりついでに━━━その魔力貰っていくわよ」

そう言うと同時に、ミラとリリスの間に一瞬のうちに少女は0と1羅列帯と共に現れて二人に手をかざし

 

「いただき♥️…っ!?」

魔力を奪おうとした瞬間、少女の周囲にあった数字羅列帯が突然切り裂かれた。

 

「おおーっと!!まだこっちにもあいさつが来てないッスよ」

声が聞こえ少女がそちらを見ると、好戦的な笑みを浮かべるアキオと刀を振り抜いたレヴィの姿があった。

 

「アキオにニンジャじゃないっ、元気にしてたみたいね?……それに…」

少女がそこまで言うと真上から三又槍を構えたカタクリが迫るが、少女が数字羅列と共にその場から消えて攻撃をかわされカタクリの三又槍は地面は叩き割り土煙が舞った。

 

「深夜の時以来かしら……コワモテくん」

 

「…………」

離れた位置に移動した少女がウィンクしながらカタクリをあだ名のような名でそう言うが、土煙の中から現れたカタクリは静かに少女を睨み付けていた。

 

 

 

「……どういうことなんだこれは…?」

 

「あの人は私の双子の姉さんです」

 

「姉っ!?」

急展開についていけないアラタに、セリナが衝撃的な事実を教えてくれた。

 

「彼女は…禁忌とされていた〝(えい)(ごう)図書館(としょかん)〟への接続実験を強行した罪人で━━」

 

「元王立図書館検閲官次席(グリモワールセキュリティセカンド)━━」

 

「〝怠惰(アケディア)〟のトリニティセブン……『リーゼロッテ・シャルロック』です」

 

「トリニティセブン……?」

謎の少女の正体にアラタは驚いていたが、それよりも彼女がいまだ出会えてなかったトリニティセブンの一人だと知り呆然としていた。

 

「まさか全員揃った上に魔王候補までいて、しかも学園最強のオマケつきなんて……せっかくだから皆の魔力私が全部貰ってあげるわね」

リーゼは恍惚とした表情で舌なめずりするとそう言ったのであった。

 

 

 

 

 

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