【完結】劇場版 ヴァールハイト・プリキュア アカシックスターズ!ゲームの世界を脱出せよ!絆のプリキュア!キュアエクス対キュアクロス!   作:32期

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今回は、駆のリアルでの探索回になります。駆がどうやって現実でプリキュア達を探すのか、ぜひお楽しみください。今回は駆がメインなので”プリキュア達は出ません”!種に関しても名前だけです。途中でこの作品のオリジナル用語が出てきますが、分からない方は〈本編:ヴァールハイト・プリキュア〉のキャラ設定に詳しく書いてありますので、そちらをチェックするとより楽しめると思います!では、お楽しみください!

場内アナウンス「これより、上映を再開します」

えれな「ふ~!間に合った!」

まどか「みんな、ポップコーンを買ってきましたよ」

ひかる「やった~!まどかさん、ありがとう!」

ララ「ルン!まどか、ありがとルン!」

ユニ「疲れたにゃん…。あ、それ私にも頂戴」

ひかる「あ、ユニ!はい、ど~ぞ!」

ユニ「ありがとニャン…はむっ。…聞いてよ、いきなりハミィ、ハミィ言ってるギターもった知らない子に話しかけられて、『ボーカルやってみない?』だって…訳わかんないニャン!」

ララ「し~!ユニ、静かにするルン!もうすぐ始まるルン!」

ユニ「はいはい、静かにしてるわよ…zzZ」


チャプター3:プリキュア捜索!MUGENコーポレーションの謎!

MUGENスクエア 体験会場特設ステージ

 

side:駆

 

警備員「皆さん、落ち着いて下さい!騒がずにゆっくりと行動して!もうすぐ警察が到着します!それまで会場からは出ないようにお願いします!」

 

駆「…一先ずは会場内を探すしかないか…ん?…あの人は!」

 

会場から消えてしまったプレイヤーを探す僕は、見知った顔を見つける。間違える訳がない、ついこの間”僕の夢を教えてくれた”恩人の事なのだから…。

 

駆「ゆいさん!七瀬ゆいさんですよね!?」

 

ゆい「は、はい!?あ、あの貴方は!?…あっ!すいません!私の友達を知りませんか!?みんながいないんです!」

 

駆「ゆいさん、落ち着いて下さい。…待って下さい、友達ってまさか…はるかさん達がいないんですか!?」

 

ゆい「はるかちゃん達を知ってるんですか!?お願いです、どこにいるか教えてください!ゲームの体験会に参加してたんですけど戻ってこないんです!」

 

駆「…すいません、僕もどこにいるかまでは。それに、消えたのは4人だけではありません…僕も妹がいなくなったんです」

 

ゆいさんを見つけて話しかけると、はるかさん達が来ていたこと、体験会に参加していなくなっていることを僕は知る。4人のプリキュアを合わせた18人の行方不明者…そして種の意識も、どこに行ったんだ?

 

ハリー「ちょっとそこの坊主たち、今の話…詳しく聞かせてくれんか?」

 

駆「ハリーさん!?はぐたんまで…なんでここに?」

 

ハリー「…なんで俺らの事を知ってんのかは、今は聞かん。お前らの友達がいなくなったっちゅう話…ホンマか?」

 

ゆい「は、はい。みんなが戻ってこないんです」

 

駆「…まさか、ハリーさん…はなさん達が戻って来てないんですか?」

 

僕の質問に対しハリーさんは首を縦に振る。はなさん達は5人で来たはず…という事は”9人”のプリキュアが消えたという事になる。18人中9人なんて…こんな偶然あり得るのか?

 

駆「まさか…”プリキュア”を狙って誘拐したのか?」

 

ゆい「えっ!?」

 

ハリー「ゆ、誘拐!?そ、それはどう言うこっちゃ!?」

 

僕は、ここまでの考察を二人に話していく。誘拐の可能性、プリキュアだけが狙われた可能性についてを…。

 

ハリー「なるほどな…でも、なんでお前はプリキュアの事を知っとんのや?」

 

駆「…僕も”プリキュア”だからです」

 

ゆい「あなたも…プリキュアなの?」

 

駆「はい…僕は時生 駆。ヴァールハイト・プリキュアのキュアシードと言います」

 

僕は改めて二人に自己紹介をする…いや、彼らに対しては”初めて”なのか。この世界は”パラレルワールド”…僕たちのいた時代という訳ではないのだから。

 

ハリー「なら…なんで俺らの事を知っとったんや?」

 

駆「僕たちヴァールハイト・プリキュアは、あらゆる時代のプリキュアと接触しています。その過程で皆さんにも会っているんですよ…とは言っても”パラレルワールド”でのことですから、皆さんが僕を知らないのは決して変ではありません。…無駄話はここまでです。僕の考えが正しいなら…他にも関係者がいるはずです。それに、皆さんがどこに消えたのかも探さないと…」

 

コルーリ「カケル…えっ!?ゆいさん!?ハリーさんも!?これはどういうことですか?」

 

駆「コルーリ、説明するよ…とりあえずプリキュアと他の関係者を探しながらね」

 

コルーリにここまでの事を説明しながら関係者を探す。しかし、”誰一人”として怪しいものを見た人はいなかった。

 

ゆい「見つからないね…」

 

駆「…ゆいさん、パフとアロマは来てますか?」

 

僕はゆいさんにパフとアロマがいないかを確認する。

 

ゆい「えっ?来てるけど…館内に入れなかったから今は外にいると思う」

 

駆「コルーリ、ハリーさん、申し訳ないんですけど妖精の姿になってパフとアロマを連れて来てくれませんか?人手は多い方が良いですから。コルーリ、ハリーさんは二人が分からないから君が一緒に見つけて」

 

コルーリ「分かりました!」

 

ハリー「了解や!あっ、はぐたんのこと頼むわ!」

 

ゆい「は、はい」

 

二人は誰もいない物陰に行くと妖精の姿になる。

 

コルーリ「では、カケル!行ってくるチュン!」

 

ハリー「必ずその二人を連れてくる!待っとれよ!」

 

二人は通気口のような狭い通路を見つけ、その中に入っていく。

 

ゆい「行っちゃったね。駆君、私たちはどうするの?」

 

駆「もう少し会場を探しましょう。何か手掛かりは…ん?あれは…ね、ねえ、そこの君?」

 

僕は手掛かりを探していると、見慣れた”クマのぬいぐるみ”を持った女の子を見つける。

 

小さい女の子「ん?な~にお兄ちゃん?」

 

駆「その”クマのぬいぐるみ”…僕の大切なお友達のものなんだ…返してくれないかな?」

 

小さい女の子「え~!…わかった!はい、お兄ちゃん!」

 

駆「…ありがとね」

 

少女はぬいぐるみを渡すと、どこかへ走って行ってしまう。

 

ゆい「駆君?…あれ?そのぬいぐるみ…」

 

駆「はい…少し場所を変えましょう」

 

僕たちは物陰に移動し、クマのぬいぐるみに話し始める。

 

駆「…君は、モフルンだよね。みらいさんと一緒にいたんじゃないの?三人がどこに行ったか知らない?」

 

モフルン「・・・」

 

駆「僕は…みらいさん達の友達なんだ…三人がプリキュアってことも知ってる。お願い、三人を助けるために…モフルン、君の力が必要なんだ!」

 

モフルン「…みらい達を助けてくれるモフ?」

 

駆「ッ!?…うん!だから、君の力を貸して!」

 

漸く声を聞かせてくれたモフルン。みらいさんと一緒にいたはずのモフルンを、あの女の子が持っていたってことは…何かあって二人は離れ離れになったに違いない。それに…モフルンの鼻がようやく手に入った。これなら、みらいさん達の持つ”リンクルストーンの匂い”が分かる!

 

コルーリ「カケル!パフさんとアロマさんを連れてきました!」

 

ハリー「それだけやないで!お前ら、こっち来てみ!」

 

僕たちはコルーリ達に案内され、ステージ近くの”壁”の前まで連れて来られる。

 

駆「…壁があるだけで、何もなさそうですけど」

 

ハリー「ところがどっこい…ここを押すと…」

 

ゆい「壁が回った!?壁の後ろに通路がある!?」

 

ハリー「俺とコルーリはここを通って戻ってきたんや」

 

コルーリ「この通路は外に繋がっています」

 

隠し通路…プリキュア達を連れ出すために使われたとして…ステージに事前に用意しておいたのか?そんなことが出来るのって…イベント主催側だけだよね。という事は…!

 

駆「やっぱり、事前に”プリキュア”だけを誘拐するために…このイベント自体が最初からプリキュアを捕まえるための罠だったのかな?」

 

ハリー「ど、どう言うこっちゃ?」

 

駆「こんな隠し通路、事前に用意していなくちゃ出来ません。それに、誘拐された人の過半数がプリキュアってことは…残りの6名もプリキュアのはずです。こんなに都合のいいことが偶然起きるなんてありえません…最初から計画されていたとしか考えられない」

 

ゆい「たしか…みなみさんは取引先の会長さんから招待されたって言ってた」

 

駆「取引先の会長?…まさか!?MUGENコーポレーションの事じゃ!?なら…会長って”夢幻 獄臣”の事か!」

 

漸く繋がった!この誘拐は”MUGENコーポレーション”が仕掛けた”プリキュア誘拐計画”なんだ!でも…なんでプリキュアを誘拐するんだ?動機は何だ!?

 

駆「…一先ずこの通路から外に出ましょう。誘拐されたプリキュア達を見つける手立ても見つかりましたから」

 

コルーリ「本当ですか?」

 

駆「うん、モフルンが手伝ってくれる」

 

モフルン「モフ!任せてモフ!」

 

僕たちは隠し通路を使って外へと出ると、さっそくモフルンにお願いする。

 

駆「モフルン、早速だけどみらいさん達のリンクルストーンの匂いを辿ってくれないかな?」

 

モフルン「任せてモフ!くんくん…くんくん…モフゥ~」

 

パフ「モフルン、どうしたパフ?」

 

モフルン「甘い匂いがしないモフ…」

 

駆「そんな…このままじゃみんなを見つけられない…」

 

どうすればいいんだ!?MUGENコーポレーションが犯人と仮定して本社に行くか?そもそも、僕の仮定が間違っている場合も考えないといけないのに!?確実にみらいさんのいる場所がわかるモフルンがダメじゃ…!

 

コルーリ〈画面の前の皆さん!モフルンさんが甘い匂いをかぎ分けられなくて困っています!皆さん、ミラクルライトを振ってモフルンさんを助けてください!せ~の、がんばれ~!》

 

モフルン「モフ?急に甘い匂いがしてきたモフ!こっちからするモフ!」

 

駆「ほんとに!?…ゆいさん、申し訳ないんですけど会場で待機してくれませんか?もし、はるかさん達が戻ってきた場合に一人でもいた方が良いですから」

 

ゆい「…分かった。駆君、はるかちゃん達をお願いします」

 

駆「任せてください!コルーリ、ハリーさん、モフルン、アロマとパフも…行きましょう!」

 

フェアリーズ「「「「「了解です(や)(モフ)(ロマ)(パフ)!」」」」」

 

僕たちはモフルンさんの匂いに従って、走り出す。きっとこの先に…プリキュアさん達がいると信じて…。

 

長老「何ジャバ、お前たちは?」

 

駆「がっ!?…モフルン…頼むよってそうじゃない!長老がいるってことはいちかさんも来てたんですね?」

 

長老「ジャバ?その通りジャバ…って、お前は誰ジャバ?」

 

駆「説明をしている暇はないんです!いちかさん達がさらわれたんですよ!」

 

ペコリン「えっ!?いちか達がペコ!?」

 

モフルンの匂いに従って来たら、なんとキラパティに着いていた。あとで聞いた話だと、いちかさん達が体験会に参加するのに合わせてキラパティを持ってきていたらしい。いちかさん達が誘拐された事、僕の事を話したら信じてくれたので、一緒についてきてくれた。今度こそ、モフルンの鼻が活躍するって…僕は信じてる!

 

MUGENコーポレーション本社ビル 

 

モフルン「ここから甘い匂いがするモフ!」

 

駆「ここって…MUGENコーポレーションのビル!…やはり、ここにプリキュアさん達が…種がいる!」

 

ハリー「どっかに忍び込める場所はないやろか?」

 

駆「仮にあったとしてもセキュリティは厳重でしょう。なので…」

 

コルーリ「なので?」

 

正直、どんな方法がベストか分からない。どっちにしても僕たちは後手で動くしかない。なら、答えは一つ…!

 

駆「正面から行きましょう!」

 

「「「「「「「ええ!?」」」」」」」

 

駆「僕とコルーリ、ハリーさんとはぐたん、長老は正面から行きます。アロマとパフ、モフルンにペコリンは潜入出来そうなところを探して。モフルンの鼻が頼りだから、プリキュアが近いようなら僕たちを待たなくて良い。潜入してみんなを逃がすことに集中して!」

 

「「「「了解ロマ(パフ)(モフ)(ペコ)!」」」」

 

四人が侵入経路を探しに行ったのを確認し、僕たちも行動を開始する。

 

駆「…よし、行きましょう!」

 

僕たちは敵陣のど真ん中へと歩き出した。

 

 

MUGENコーポレーション 会長室

 

side:累

 

ピリリリリリッ!ピリリリリリッ!

 

獄臣「私だ…何?私に面会を求める子供だと…映像を出せ」

 

累「…この子、確か体験会にいた子ね。…待って、確かプリキュアのボディとゲーム内のキャラデータの人数が合ってなかったわね。…研究班、予定外のプリキュアとして拘束したキャラデータの番号は?」

 

研究班『は!…確認できました、”100番”のプレイヤーです。座席に座った際の本人映像がこちらです」

 

累「ッ!?信じられない…何故この子は、ゲーム内に意識があるのに”動いているの”?」

 

今、会社に来ている少年と100番のプレイヤーは同一人物…しかし、なぜ動ける?意識はゲーム内にあるはず…実際に他のプリキュアは動くこともできないのに…これは面白いわ。

 

累「お父様、私が彼らの対応を致します。お任せしていただけませんか?」

 

獄臣「…よかろう。その少年たちを応接室へ通せ。(ピッ!)…あとは任せたぞ、累」

 

累「かしこまりました、お父様」

 

お父様は受付との連絡を切り、あとの事を私に託す。予定外のプリキュア…面白い!あなたの力もいただくわ…全ては”あの子”のために!

 

社長”夢幻 累”はある企みを胸に駆達の元に向かっていった…。

 

 

MUGENコーポレーション 応接室

 

side:駆

 

駆「・・・」

 

コルーリ「カケル…顔色が悪いですよ、大丈夫ですか?」

 

駆「話しかけないで…それより、最大限の警戒をして」

 

コルーリ「はい…」

 

どうする?正直門前払いされるのが予想だったが、まさか通されるなんて…。向こうは武装してくる可能性もあるし、何よりこっちは無力だ。キュアシードにだってなれない…通された時点でほぼ詰みなのに!

 

累「お待たせいたしました、失礼いたします。私はMUGENコーポレーション社長”夢幻 累”です。そういえば、あの時の体験会に参加していらっしゃいましたよね。何か御用ですか?」

 

探りのつもりか?どちらにしても、何とかこの状況を切り抜けないと。

 

駆「僕たちは会長に面会を頼んだのですが、何故社長さんが?」

 

累「会長…お父様は多忙な方なのです。なので代わりに私が参りました…何かご不満でも?」

 

駆「…いいえ。では、要件について早速ですがお話ししてもよろしいですか?」

 

累「ええ、構いません。クレームもしっかりと受け止め、今後の参考にいたしますから…どうかご遠慮なくお話しください」

 

相手はいたって冷静…全く顔色が変わらない。厄介だな…。

 

駆「僕は体験会に参加したのですが、その際にあることに気付きまして…」

 

累「…ある事とは?」

 

駆「参加者の人数が終了時に減っているんです…人数にして18名も。それも会場にいた友人の元へ戻っていない」

 

累「…続けてください」

 

駆「ステージから座席も消えていました。そして、ステージ付近の壁には隠し通路が…まるで最初からある特定の人物を狙っていたようにいなくなっているんですよ。それも…みんなが同じ条件をもった人だけです」

 

どうだ…ぼろを出すか?それとも隠すか?

 

累「…それは、”プリキュア”という事ですか?」

 

駆「ッ!?」

 

自分から話していくのか!?何を考えているんだ!?

 

駆「…僕は”プリキュア”が条件なんて言ってないですよ?」

 

累「いえ、分かっていましたから。彼女たちが”プリキュア”であるという事は…ね」

 

もう隠す気は無しか!

 

累「私たちは彼女たちの力を必要としています…ある目的のために」

 

駆「ある目的?」

 

累「ええ、それは…”病に苦しむ人を救う事です”」

 

駆「病に苦しむ人を…救う?」

 

累「ええ。私たちMUGENコーポレーションが、この夢幻台場シティの政策で一番に挙げているものをご存じですか?それは…”医療と福祉”です。私たちは、病で苦しむ人たちの一日も早い回復を願っている」

 

確かに、この街のパンフレットにもそう書いてあったが…それが何故、プリキュアの誘拐に繋がるのだ?

 

駆「なら…何故、プリキュアを誘拐なんかするんですか?」

 

累「プリキュアの事はあなたもご存じでしょう。彼女たちの並外れた身体能力と治癒力…それを医療に取り入れたいのです。そのために少し身体を調べたいのです…よかったらあなたも協力していただけませんか?プリキュアである…”あなたも”」

 

駆「ッ!?」

 

分かって言っているのか!?それともハッタリか!?表情を崩すな…冷静にだ…僕!

 

駆「なぜ、そのように思うんですか?」

 

累「あなたがここにいる事が理由ですよ。プレイヤー100番さん」

 

駆「僕が…?」

 

累「これを見ていただけますか?」

 

そこに映し出された映像には、18名のプリキュアに…もう一人”どこか見たことがある少女”が写っている。

 

駆「種!?」

 

累「やはりお知り合いでしたか。でも、おかしいですね…この映像が事実なら、あなたは”ゲームの中”のはずですよ…プレイヤー100番さん」

 

駆「・・・」

 

どうする!?誤魔化し切れない!

 

累「プリキュアであるあなたに…お願いです…会社を、お父様を助けてください!」

 

駆「!?…どういうことですか?」

 

何だ?急に雰囲気が変わった…。

 

累「お父様は…操られているのです!」

 

駆「操られてるって…誰に?」

 

累「予想は付いています…それはプリカディアに搭載されたAI”Cross”です」

 

駆「クロス?」

 

累「Crossはプリカディアの演算、情報、人間の行動と言ったものをラーニングし最適化するための人工知能です。しかし、それが暴走を始めているのです。お父様は、Crossの催眠に掛かり操られています。今回の計画も…お父様を操るCrossよって行われているのです」

 

ゲームのAIが真の敵であり、自分の父親を操っているという累さん。しかし、そんなことがあり得るのか?

 

駆「…ですが、どうやってAIであるCrossが会長に催眠を掛けると言うんですか?」

 

累「おそらく、お父様のPCから催眠暗示用の映像か何かを見せたのでしょう。Crossは我が社のインターネット全てに接続しています。ですが、ここは安全です。この応接室のみ、ネット環境がなく、監視カメラもありません。先ほどの映像もただの録画ですが、ネットを使用しないようディスクに移したものです」

 

信じてもいいのか?彼女の発言は事実なのか?

 

駆「じゃあ、プリキュアさん達の意識をゲームに閉じ込めているのは…Crossって事ですか?でも、何のために?」

 

累「Crossの目的はゲームの永久的な継続です。プリキュアをゲームに幽閉したのは、Crossが実装予定のジョブ”プリキュア”完成のためにしていると考えられます。プリキュアを完成させ、ゲームを面白くしてプレイヤーが遊び続けることが出来るゲームにする…その考えが暴走しているのです」

 

駆「…どうにか、ゲーム内の彼女たちを助ける手段はないんですか?」

 

累「Crossへの抵抗手段として、彼女たちの変身する”プリキュア”のデータは製作中なのですが…Crossに止められています。データさえあれば彼女たちを変身させ、戦っていただくことが出来ます」

 

データを送れたら、プリキュアさん達はゲーム内でも変身できる。でも、そんな都合のいいものある訳…!?

 

コルーリ「カケル!プリキュアプリです!あれはプリキュア達のデータで構成されています!」

 

駆「そうか!Qaフォーンをプリカディアに繋いでプリキュアプリのデータを送れば…みんなに変身アイテムを送ることが出来る!」

 

累「いい方法が…あるのですね!」

 

駆「はい、僕たちは幽閉されたプリキュアの完成されたデータを持っているんです…それをゲーム内にいるプリキュアに送ることが出来れば…」

 

累「でしたら、すぐにでも行動できます!プリキュア達の身体は研究室にいらっしゃいます。そこはゲームの管理もされていて、データを送るにはうってつけです!」

 

プリキュアの場所は分かった…あとは、この社長の話が事実なのかを検証する必要がある。

 

駆「…ですが、Crossがデータ送信を妨害する可能性がありませんか?」

 

累「そこで考えがあります。…あなたにゲーム世界に行っていただきたいのです」

 

駆「僕が…ゲーム世界に?」

 

コルーリ「は、反対です、そんなこと!駆もCrossに幽閉されるかもしれません!」

 

ハリー「そうや!そもそも、あんたの話が事実という確証もないやろ!」

 

僕もゲーム世界に閉じ込める気なのか…いや、今はプリキュア達が抵抗できるようにするのが先決だ。それに…プリキュアなら相手の思惑も引っ繰り返せる!

 

駆「…分かりました」

 

長老「駆…いいんジャバ?

 

駆「ええ。…累さん、どうして僕が行く必要があるのか説明をお願いします」

 

累「あなたのプレイヤーデータに”プリキュアデータ”を隠すことでCrossの目を誤魔化すのです。Crossは暴走はしていますが、ゲームの永久管理のためプレイヤーには危害は加えません。プレイヤーあってのゲームですから…」

 

駆「だから、ただデータを送るより、プレイヤーにデータを隠して送る方が安全という事ですね」

 

僕の考察に首を縦に振る累さん。だが好都合だ…これでゲーム内の皆さんに会えるし、種の安全も確認できる。

 

駆「分かりました…では、累さん案内をお願いします」

 

累「はい!…あの、ありがとうございます!どうか、お父様を…父の愛するゲームを救ってください!」

 

駆「…任せてください」

 

 

MUGENコーポレーション 研究室

 

累「こちらが研究室です」

 

研究室に入ると、そこには大型の精密機器が潤沢に備えられ、モニターにキーボードが一体化してコンソールのようなものがある。そして、今まで探していた18名のプリキュア達がベッドにキュアモーフを付けられたまま寝かされている。しかし、研究室内には”人が一人もいない”…何故だ?

 

累「職員は退室させています。彼らまで巻き込むわけにはいきません」

 

駆「…では、このQaフォーンからデータを摘出します。どの機械を使えばいいですか?」

 

累「それでしたら、中央のコンソールを使ってください」

 

駆「分かりました。コルーリ、お願い…機械得意だよね」

 

コルーリ「了解です」

 

コルーリにQaフォーンを渡すとコンソール接続用のコードをQaフォーンから引っ張り出し、コンソールに繋ぐ。あんなものまで付いてるのかQaフォーン…。

 

コルーリ「…Qaフォーン接続完了。プロテクト解除…クリア、プリキュアプリの構成データを抽出…クリア、再構成開始…25パーセント…50パーセント…70…80…90…100パーセント…再構成完了です!」

 

累「駆さん、キュアモーフを装着してください」

 

駆「うん…これで良いかな?」

 

僕は空いているベッドに腰掛け、キュアモーフを装着する。また被ることになるとは思わなかったけど…今は仕方ない。

 

累「結構です。今、私がプレイヤーの身体データを作りましたのでキャラクタークリエイトをスキップ…転送座標を〈夢幻の園―始まりの広場―〉ではなく〈プレイヤー100〉に設定。プレイヤーデータに再構成データをインストール…完了。これで準備は整いました」

 

駆「…僕はプリキュア達に合流したら、どうすれば良いですか?」

 

累「ゲーム内にもシステム変更用のコンソールが設けてあります。それがあるのは〈夢幻の園―裏夢幻メイキュウ〉…夢幻の園の広場にある入り口からいける”隠しダンジョン”です。高レベルのエネミーがいますがプリキュアなら突破できるはずです。システムコンソールがあるのは最奥となっています」

 

隠しダンジョンにあるシステムコンソールにアクセスできればCrossを止めることが出来るって訳か。…とにかく、まずはプリキュアさん達と、種と合流だ!

 

駆「コルーリ、ちょっといい?」

 

コルーリ「はい、何ですか?…きゃあ!?か、カケル…何を…」

 

僕はコルーリを抱きしめ、累さんに聞こえない様に耳元で喋る。

 

駆「累さんは何か企んでる気がする…何かあったらよろしくね、コルーリ」

 

コルーリ「ッ!?…はい、分かりました」

 

コルーリも累さんが聞こえない様に小さい声で僕に了解の返事をすると、丁度そこで累さんが話しかけてくる。

 

累「恋人同士の熱い抱擁ですね。…では、駆さん準備はよろしいですか?彼女たちの幽閉と同時に、ゲーム内の時間は現実世界の時間と同一になるよう設定が変更されています…時間の誤差はありません。」

 

駆「ええ、いつでも行けます」

 

僕はベッドに横になり、いつでも行ける準備をする。

 

累「では…お願いします!」

 

駆「レッツ、プリダイブ!」

 

僕は白い空間へと吸い込まれ、身体から抜けていく感覚と共に進んでいく…。種…プリキュアさん…待っててください!

 

 

side:累

 

累「駆さん…〈プレイヤー100〉と接触を確認、Cross からの干渉はありません…成功です」

 

コルーリ「カケル…よかった」

 

ハリー「はらはらしたっちゅうねん!あいつ~!」

 

長老「しかし、これで大丈夫ジャバ?」

 

あの少年…駆という子は、なかなか表情を崩さず厄介だったが、これで良い!無事にゲーム内に送り込むことが出来た!これで、プリキュア達の戦闘データが取れる!それに…。

 

コルーリ「カケルは大丈夫です!絶対にプリキュア達を救いますから!」

 

累(あの”Qaフォーン”と言う端末…興味深い!プリキュアの完成されたデータがあるなんて…あれの構造はどうなっている?…そうだ!先ほど接続した際のデータが残っている…それを使えば!)

 

コルーリが使うコンソールに置かれたQaフォーンを見る累。その機能や構造に興味を持った累はあることを思いつく。

 

ハリー「おい、社長さん?どないしたんや?」

 

はぐたん「かしゃね~?」

 

累「いいえ、何も。私はお父様の注意を逸らしておきます…ここはお任せしてもよろしいですか?」

 

コルーリ「はい、任せてください!」

 

累「では、お願いします」

 

私は悟られぬように研究室から出て、社長室に向かいながらスーツの胸元にある端末を取り出す。

 

累「…”Cross”、先ほど接続した端末データはあるか?」

 

Cross『…データ有り。どうなさいますか?』

 

累「私のデスクに送りなさい…Cross、あなたも引き続きプリキュアの監視と…”お父様の操作”をお願い」

 

Cross『かしこまりました、マスター』

 

累「全て上手くいっている!…プリキュアの力は…私のものよ!」

 

大きな野望を胸に抱く累。彼女の野望の影が少しずつ大きくなり…駆達、プリキュアへと迫っていく。

 

 

To the Next chapter……




いかがだったでしょうか?次回は、種たち”プリキュアside”の話にするつもりです。駆がプリカディアに向かうまでの間、どのようなことが起きていたのか?乞うご期待下さい!

場内アナウンス「これより換気のため10分の休憩とします」

のどか「うわ~!どうなっちゃうのかな~!気になるよ!」

ラビリン「のどか、落ち着くラビ!この後も続くから、ちゃんと待ってるラビ!」

ひなた「なんか駆っち、うちのお兄にみたいだな~!」

ちゆ「確かに、とっても妹さん思いの優しい方ね」

駆「ありがとう、そう言ってくれると嬉しいよ」

ヒープリ「「「えっ!?」」」
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