とある転生者の上限破壊<オーバーフロー>   作:ゴールド龍

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続きです。


2話

 学園都市、東京都の3分の1程の土地を使用し作られた〝学生の為の都市〟である。学園都市は基本的に能力開発というものがあり、それらを研究する為の機関や能力者育成のノウハウを持った学校などで構成されており、非常に発達した科学技術に溢れている。

 

 曰く「学園都市の科学技術は外の世界と比べ数十年進んでいる」とか「学園都市都市内では型落ちの機器だとしても、こっちの機器と比べれば2、3世代性能は上」だとか色々聞いた事がある。まだ他にも色々な噂があるらしいが·····まあ、行って見りゃ分かんだろ。

 

 当麻と一緒に学園都市行きを決めてから数日。俺達は荷物を纏めて学園都市のゲート前に立っていた。どうやらここで転入とかの処理を行うらしい。俺らの他にも転入待ちの児童がかなりいる。見た感じ·····大体30人位待っているみたいだ。·····多いなあ人。俺がそう思ってると当麻が話しかけて来た。

 

「なあなあ軍丞(ぐんじょう)。まだ掛かる感じっぽいか?」

 

「あー·····多分、後30分位掛かりそうだな」

 

「俺ら以外にもやっぱり転入待ちの生徒って思っているよりいるな!」

 

 人数の多さでテンションが上がっているのか、当麻は元気な様子で話しかけてくる。·····ホント、昔と比べて元気になったよなー。そこは本当に良かったと思う。とりあえず、待っている時間が暇なので、当麻と話をして時間を潰す。案外雑談するだけでも時間潰しには十分で、気づけば列は順調の減っていって、俺の番になっていた。

 

「·····お、どうやら俺の番らしい。んじゃ当麻、先行ってるわ」

 

「お、もうそんな時間かぁ」

 

 そう言いつつ、俺は手続きと身体検査(システムスキャン)を受ける。案外サクサク進み、身体検査が終わった。俺の検査が終わり、結果が出る時検査を担当していた人達が妙に騒ぎ始める。·····なんか俺の事でやばい事でもあったか? まさか、俺が転生者だとバレたとかか? ·····それはねえか。

 

 どうやら話が終わったらしい検査官が俺に近づいて来て話し始める。話を聞いた感じによると、俺は異能力者(レベル2)相当の能力の素質があって、能力は一般的な発火能力(パイロキネシス)とか念動能力(テレキネシス)とかじゃなく、書庫(バンク)というデータベースのは未登録の新しい能力者という事らしい。

 

「·····それって、凄いことなんですか?」

 

「すごいも何も、こんな歳で異能力者(レベル2)というのも凄いのだけど、書庫(バンク)にすらない新しい能力なのよ!? ·····少なくとも、今までの能力者であなたとと似ている能力者は今の所いないわね!」

 

 うわお、俺はどうやら新しい区分の能力者の先達になるらしい。この学園都市には能力者の中で位階があり、能力は持っているものの、発動が目に見えない能力者は無能力者(レベル0)、目に見える発動だけど出力とかが小さい低能力者(レベル1)、低能力者よりは出力とかがちょっとだけだけど高い異能力者(レベル2)、他にも強能力者(レベル3)大能力者(レベル4)と上がっていって、その上には能力者の位階で最も高い超能力者(レベル5)があるが、今は説明を割愛する。

 

 とりあえず俺は異能力者(レベル2)相当の能力を持っているという事と、全く新しい区分の能力者であるらしいと言う事が分かった。·····もしかしたら、これが俺の生まれつき持っている力(転生特典)なのかもしれないと今の俺は思った。

 

「とりあえずそこら辺は分かりましたけど·····俺の能力名って一体どんなのですか?」

 

 そう俺が質問すると、検査官は難しい顔をしながら答える。

 

「うーん·····とりあえず分かっているのは、身体能力·····まあ、俗に言う筋力とか視力、体の耐久力を操作できる能力·····と言えばいいかしら。そこから名前を付けるとなるとー·····うーんと、ね·····上限破壊(オーバーフロー)と行ったところかしら?」

 

 上限破壊(オーバーフロー)·····か。なんだかかっこいい名前の響きだ。一応それが、俺の能力という事らしい。その後能力についての話で、「これからここの開発を受ければ能力は強くなるのか?」と聞いたけど、それに関しては本人の才能と努力次第と言った感じらしい。

 よっし、それなら俺は得意だな。俺は前世から、何事も経験とかを積み立てることが好きだ。·····分かりやすい例えを出すならば、RPGとかのレベル上げにやり甲斐を感じる人間だと言うことだ。·····ふっふっふ、これからが楽しみになってきたぜ! 

 

 俺が1人喜びを噛み締めていると、当麻が身体検査と手続きを終えたらしく此方へと向かってくる。さーて、あいつはどんな能力を持っているんだろうか·····楽しみだ! 

 

「おーい当麻! お前は能力はどうだったんだ?」

 

「うーんと、な。·····簡単に言えば、俺は生まれた時から能力があったみたいだ」

 

「·····えっ!? それまじかよ!」

 

 当麻はどうやら、原石と言われるやつだったらしい。簡単に言えば、学園都市で開発や時間割り(カリキュラム)を受けていないのにも関わらず、最初から能力を発動できる人の事を言うらしい。所謂ダイヤの原石ってやつみたいなもんだ。·····生まれた時から能力持ちとか、漫画とかラノベの主人公かよ。マジですげえな当麻·····。

 

 だが、最初から能力を持っている事を知ったはずの当麻は、あまり浮かない表情を浮かべている。·····なんでだ? と思っていたら、当麻は続きを話し始める。

 

「俺の能力·····幻想殺し(イマジンブレイカー)って言うやつらしいんだけど、その能力は右腕じゃないと発動出来ないらしいんだよ」

 

「右腕·····つまりあれか? 右腕を構えたら能力が発射される的な奴か?」

 

「ううん、違うんだよ。俺の能力は、()()()()()()()()()()()()()()()らしいんだ·····」

 

 嘘やろ? つまりは他の能力者に遠距離攻撃されたら、手の打ちようがないじゃんか。·····ジョジョのスタンドで表すなら近距離パワー型って奴か。それは面倒だな·····。だが、まだ肝心の能力の効果を聞いていない。それによっては、手の打ちようがあるんじゃないか? 

 

「なあなあ当麻。ちなみにだけど能力の効果ってどういう感じなんだよ?」

 

「それなんだけど·····能力を発動されても右手で触れちまえば、能力をかき消す的な能力らしい」

 

 ·····ドラクエとかで表せば、遠距離には飛ばせなくて右手で直接触れるいてつくはどうみたいな効果ってことか。·····それだとしても、それだったら防御技みたいな感じでは使えそうだな·····どちらにせよ銃とかの能力とは関係ない武器持ち出されたら、意味が無い能力だよなこれ。しかも能力による遠距離攻撃だったら、打ち消すだけでこっちから攻撃できねえじゃん。·····ピーキーな能力だなあ、これ。まあ当麻らしいっちゃあらしいけど。

 

「そういや、能力のレベルはどうなんだ?」

 

 俺の何気ない質問に、当麻がガチんっと動きを止める。·····おいおい、まさかだけどこいつ·····。

 

「·····無能力者(レベル0)、だってさ。能力の効果は分かっても、俺の能力は区分分けってなると判断出来ないから無能力者(レベル0)っていうことになるんだってさ·····」

 

や っ ぱ り か

 

 ·····うん、確かに当麻らしいといえばらしいが、ここまで運が無いとは·····神様ってのがいるんなら、とんだ意地悪な神様だよなぁ。こんなんじゃ、俺の能力言い辛いじゃないかよ·····。そう思っていたが、結局言わないといけなくなって、俺の能力を伝えたら当麻はその場で項垂れる·····ほんとに、申し訳ねえなあ·····。

 

 

 

 

 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

 

 

 

 ·····(わたくし)こと上条当麻は、何とか軍丞と一緒に学園都市の小学校へと入学した。俺が元々暮らしていた所から離れ、別の場所で尚且つ知らない人らに囲まれて授業とかをするとなると、正直な所上条さんは不安でいっぱいでした。いくら軍丞が一緒とはいえ、また幼稚園の時みてえにイジメられるんじゃないかと内心ヒヤヒヤしていたけど、その問題については心配は要らなかった。

 

 最初から軍丞からの根回しがあったとは言え、少しは避けられたりするものだと思っていたけど、以外にも俺の事を皆は暖かく迎えてくれた。どうやら、親に恵まれている子が多かったらしく幼稚園の時みたいにイジメをするような子が自分がいるクラスでは、殆どいなかった事が幸いしていた。

 

 ·····ここで初めて、幸運が巡ってきたもんだなあ。こんなこと、上条さん初めてで驚きでいっぱいですよぉ? まあ、お陰で小学校生活は特に大きな問題は無く、ちょこちょこ不幸な目にあいつつも、軍丞以外にも友達も出来たし、イジメも無かったので本当に良かったぜ! 

 

 だが、俺よりも軍丞の方が色々と凄かった。授業では1番理解していて、時には先生が間違えた所を指摘出来るくらい頭が良かったのだ。当然テストとかでも100点以外見たことが無い。運動でも能力込だったら、中学生の人にも劣らない程のパワーを持っていた。

 

 ·····ここまで振り返ってきて、軍丞の天才ぶりに本当に驚くばかりだなぁ。本人に気になって聞いたけど、「そんなの、全部毎日の積み重ねしてるからだぜ? それ無かったら俺なんてあっという間に落ちこぼれるっつのー」と軽く流していた。·····まあ、運動に関しては俺も軍丞みたいになりたいから、筋トレとか少しづつだけど始めた。お陰でケンカとかがあっても、大体は勝てる様になった! 目指せ! 筋肉マッチョメンのイケメン計画ぅ! 

 

 ちなみにだが、上条さんの能力は依然無能力者(レベル0)だけど、軍丞は今では強能力者(レベル3)まで上がっている。一応俺の能力で工夫するならどうしたらいいんだ、と軍丞に聞いてみた所「うーん、当麻の場合至近距離まで近付かないと能力が発動できないから、格闘技とかを始めたらいいんじゃないか?」と助言を貰った。

 一応格闘技も少しづつ出来の悪い頭で学んでいくけどさぁ·····くそお、なんで上条さんには軍丞みてえに神様からの恩恵とか、幸運とか分けて貰えないんだ·····。負けねえ様に頑張るけどさぁ·····あー、不幸だぁーっ! 

 

 とりあえず、そんなこんなで俺達は中学生へと進学していった。身長もだいぶ大きくなったし、筋肉もガッチガチって訳じゃないけど、ある程度は付いてきた。友達とも問題なく付き合えてるし、勉強は上手く出来ないけど、そこは軍丞先生からの特別補習を受けてカバー! これで万事問題無しだぜアーッハッハッハァ! ·····さあ、これからの中学生生活頑張りますかね! 

 

 

 

 

 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

 

 

 

 俺·····軍丞京介(ぐんじょうきょうすけ)がまだ中学生になるちょっと前の、小学生6年の夏に時間は遡るが、俺はとある場所へとやって来ていた。

 

「ここかあ·····風紀委員(ジャッジメント)訓練所ってのは」

 

 その建物は、第2学区内にある風紀委員(ジャッジメント)の訓練所で、ここで9枚の契約書を書き、13種類の適性検査に合格したらある一定期間の訓練をこなせば、風紀委員(ジャッジメント)として活動出来る様になる場所だ。何故俺はここに訪れたのか·····それは1週間前に遡る。

 

風紀委員(ジャッジメント)·····ですか?』

 

『あぁ、簡単に言えばこの学園都市の治安維持機関の事だ。基本的には学校から志願者を集めるんだが·····この学校にはまだ志願者がいないんだ。実は俺警備員(アンチスキル)なんだけど、夏期公募迄にこの学校での志願者を集めて欲しいって言われててなぁ·····』

 

『はあ·····それで俺を読んだって言うことは』

 

『ああ、お前が考えている通りお前を風紀委員(ジャッジメント)にスカウトしたいと思っていてな。お前の身体能力や能力も向いているし、何より頭もよくキレるから適していると思ってな。強制的って訳じゃないんだが·····───やって貰えないか?』

 

『ふうむ·····なるほど、そういう事でしたら』

 

『お、やってくれるのか? 俺が言ったからっていって無理してないよな?』

 

『いえ、これは俺の意思ですよ。元から興味はあったんで、高八木先生には普段お世話になってますし、その話受けさせて下さい!』

 

『そうかそうか! いやぁ本当にありがたい! よしっ、それじゃあ試験の日なんだが·····』

 

 ·····という訳で、俺はここへ来ているのである。ちなみにだが、俺が風紀委員(ジャッジメント)に志願した理由は、俺の小学校で体育を担当している高八木正和(たかやぎまさかず)先生には普段お世話になっている為の恩返しも有るが、実はそれは単なる表向きの理由。本当の理由としては、()()()()()()()()()()()()()()()という理由だ。

 

 ·····ん? 試験に合格したら、この街の治安維持活動する奴なのに、理由が不謹慎過ぎるって? ·····自覚はしている。いや、だってさぁ。前世含めて今までの人生こういう活動あんまり出来なくてさ、正直暇だったんだよね。

 だからこそ、危ない事が隣り合わせの仕事をすれば、毎日退屈しなさそうかなーって思ったんだよ。まあ、昔から警察官に憧れていたっていうのもあるけどね。·····正直、親孝行ってなるとあまり危険な事はしない方が良いんだろうけど、前世では叶えられなかった夢だったからこそ、やってみたいって俺は思ったんだ。まあ、色々と思う所が有るけども、とにかく今は風紀委員(ジャッジメント)の試験をクリアしなくちゃな! 

 

 ────数時間後、試験会場にて

 

 ふう·····とりあえず、合格を貰うことができたぜ。試験官を担当していた警備員(アンチスキル)の人曰く「この歳でここの試験を満点でクリアするとか、大したもんじゃん?」と言われた。まあ、今日までに風紀委員(ジャッジメント)に合格する為の勉強を高八木先生から教えて貰ってたし、落ちる訳にはいかないからなぁ。·····にしても、あの試験官担当していた警備員(ジャッジメント)の先生、えらい美人で胸でかかったなあ·····。俺が前世だったら、絶対告ってたな。まあ今は小学生だからそういう事はまだしないけど。

 

 とりあえず、試験に合格した俺は、何とか風紀委員(ジャッジメント)の試験に合格したと学校に報告しに行った。高八木先生は大喜びで、その場に居合わせた校長先生は「この学校から久々の風紀委員(ジャッジメント)の誕生ですなあ」と言っていた。

 とりあえずこれから風紀委員(ジャッジメント)になる為の基礎体力を鍛える為の運動や、風紀委員(ジャッジメント)として活動する為に必要な知識や意識の持ち方等を学ぶ座学とかが始まるらしい。とりあえず、寮へ帰りこの事を当麻にも話すかあ。

 

 凡そ学校から10分位の場所に、俺達が住んでいる寮がある。第13学区だけに、数多くの小学生が寮での生活をしているが、基本的にはこれからの学生生活に慣れるため一人部屋が多い。·····流石に小学生に食事も自分で用意するとなると安全面を考慮したら無理な所があるため、基本的には寮に食事を配給するシステムがある。

 まあ、言うなれば家でも給食を食べれる様な物だ。これは時間が指定されている訳じゃないので、各自各々のタイミングで配給を頼める様になっている。

 

 自分の部屋に荷物を置き、整理が終わった所で当麻が住んでいる部屋へと向かう。今は一応夏休みなので、まだ遊びたいざかりの小学生が多い為か、大体何処の部屋からもはしゃいでいる声が聞こえてくる。他にも外の遊具遊んでいる子もや運動場で走り回ったりする子やボール遊びをしている生徒がここからよく見える。·····若いって凄いよなあと転生前の記憶がある俺は、自分も一応その若い子の中に入るにも関わらず、そう思いながら当麻の部屋に辿り着いた。

 

 ピンポーンとチャイムを鳴らし、当麻を呼ぶ。するとすぐにドアが開けられ、当麻が俺を迎えてくれた。

 

「よう軍丞! 今日はどうしたんだ?」

 

「いやな、俺風紀委員(ジャッジメント)の試験に合格したから、明日からその訓練に行くから暫く一緒には遊べ無いって事を伝えに来た」

 

「うっそまじでぇ!? 風紀委員(ジャッジメント)の試験合格したのかよ! ·····相変わらず凄いな軍丞は。OKとりあえず分かったよ。遊べる時は連絡くれよな!」

 

「ああ、そうするよ。んじゃとりあえず今から一緒に遊ばねえか?」

 

「おう、やるやる! 今日は何やるか?」

 

「うーん、とりあえず外でかけっことかで勝負しよう」

 

「OK分かった! んじゃあ水筒を頼みに行ってから行くか!」

 

「そうだな! よっし、行くぞ当麻!」

 

「おう! 今日こそはお前に勝ってみせるぜぇ!」

 

「ふっふっふ、そう簡単には勝たせないぜ?」

 

 そう言いながら、俺と当麻は水筒を配給に頼んで、スポーツドリンクが入った水筒を持って外へと急ぐ。明日から忙しくなるし、今日は目いっぱい遊ぶとするか! 

 

 

 

 

 

 




今回はここまで。かなり駆け足になっていますが、とりあえず次回はジャッジメントでの訓練の様子とかを書いていきたいなと思っています。とりあえず今回読んでくださった方々に感謝を。次回を楽しみにしていただけると幸いです!·····そういえばUAが昨日の時点で100超えたんだけど·····(震え声)こりゃあいっそう頑張って書かねば(使命感)
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