とあるオタク女の受難(Fate/Series編)。 作:SUN'S
㌣月н日
桜さんが魔術を学びたいと言ってくれた。
先ずは魔術回路の開閉を行えるように仕草や言葉を決めよう。
ん?ああ、私の場合は「目」のおかげかな?
私の起源は「見る」ことなんだけどね。
まあ、最初は目に見えるもの、ぜんぶがチカチカとして嫌だったけどね。人間って生き物は時間が経てば慣れるし、私は目で見た「モノ」の構造や仕組みを知ることが出来るようになってたわけよ。
あの時は驚きより知的好奇心を擽るモノで溢れ返ってることに感激したね。うん、お父さんの作ってた魔術の論文を完成させたら感動されちゃったけど。
いきなり、発狂したかと思えば踊り始めるし、お母さんなんて「娘は天才じゃ―っ!」とか叫び出すし、そして気付いたら時計塔を卒業してた。
あれ、私の人生って波乱万丈すぎない?
一応、友達は居たけど。私の論文や理論を持ち出そうとする人しか近寄ってこないわけよ。
そんな精神のすり減ってるときに鶴野さんと出会ったんだけどね?最初は「この人も論文が欲しいんだ」と思ってたんだけど、気付いたら結婚してたんだよね。
ちなみに告白したのは私だったりする。
㌣月⌒日
私の魔術は第二魔法と酷似しているけど。正確には自分の「可能性」を集め、最適手段を構築するというモノなんだけど。
まあ、分かりやすく言うと私は桜さんの「次の行動」の予測や仮想再現を行うことが出来る。簡単に言えば「未来視」の擬似的再現と思えばいい。
この魔術は使える人はいないし、私は息子と桜さんにしか教えようと思っていない。きっと桜さんの役に立つと思うよ?
そんなことを桜さんの頭を撫でながら告げると「すごい、まほうみたい!」とキラキラした瞳を向けてきた。
いや、これは魔術だからね?なんて思いながらも桜さんの無垢な笑顔には勝てず、魔法としか言えなくなった。
最近の子供は押しが強いのかな?
いろいろと考えながら桜さんの魔術属性「虚数」の安定した使い方を模索する。
やはり、女の子らしいモノが良いのだろうか?等と考えているとお義父さんが「何と言ったか、左手が化生のものはどうじゃ?」と言ってきた。
ひょっとして、お義父さんは「鬼の手」のことを言っているのだろうか?
ふむ、確かに不確定な「虚数」の具現化となると魔力の固定化を行えるようになった方がいい。
よし、お昼ご飯を作ったら桜さんと一緒に地獄先生ぬ~べ~を見るとしよう。
㌣月⊿日
やはり、鵺野鳴介はかっこいい。
桜さんも大絶賛するほど気に入っているし、漫画を貸してあげようかな。いや、漫画はアニメよりグロテスクな表現だった。
まあ、魔素の固定化は結晶を作るようなモノだ。しっかりと基礎を学べば誰でも使えるし、息子の得意とする「強化」や「吸収」と合致するはず…。
そんなことを考えながら「鬼の手」を再現する方法を模索していると獣性魔術のことを思い出した。あの魔術を応用すれば「鬼の手」を再現することが出来るかもしれない。
むう、どのように応用したものか。
私は「獣性魔術」に関して素人以下と言っても過言ではない。そうなると「獣性魔術」の使い手を「見る」しかないな。久しぶりに時計塔へ置いてきた使い魔を使うとしよう。