とあるオタク女の受難(Fate/Series編)。 作:SUN'S
◇月¥日
今朝、お義父さんがいうには雁夜さんの右手の甲に令呪が浮き出てきたそうだ。
そんなことを考えながら海外留学している息子へ妹が出来たという報告を書き記した手紙を送り、リビングにいる桜さんに支配の魔術を応用した無機物の操作を教授する。
私の場合はお義父さんのように人間を操ることは出来ない。ただ、無機物は「ぬいぐるみ」等の稼働範囲の広いモノや機動力のあるモノじゃないとダメだったりする。
とりあえず、私達は避難しておこう。
あの根無し草の雁夜さんが拠点となるのは間桐の屋敷しかない。この住宅街を攻めるとなればアサシンやキャスターのような隠密を行える英霊だけとは言い切れない。
私は桜さんを立派な淑女に育てるため、悪いことは教えないように努力しよう。その前に雁夜さんという甲斐性なしを更正させることか始めないとダメなんだけど。
お義父さんは「心配せずとも良い」と言っていたけど。わたしが桜さんと遊んでいると訳の分からないことを言ったり、お義父さんのことを化け物のように言い始める。
お義父さん、苦労したんですね…。
◇月>日
たぶん、昼頃だろうか?
雁夜さんが「桜ちゃん、君のことは僕が守るよ」等と言うためにお昼寝している桜さんを起こし、抱き締めようとしていたので説教しておいた。
そして、なにより桜さんを襲うとするロリコンを養おうという考えもダメだと思う。
お義父さんや鶴野さんは呆れながらも更正させようと頑張っているし、桜さんも病気の雁夜さんのために治癒の魔術を覚えようとしている。
まあ、私も薬膳料理を作ってるけど。
そんなことを思いながら咳き込んでいる雁夜さんの口の中へお粥を入れ、桜さんの「いたいのいたいのとんでけぇ…!」という愛らしい呪文を聞いていると胸の奥がポカポカしてくる。
やはり、私の娘はかわいい。私の息子もかわいい。幸せで身悶えそうになるのは威厳のためにも我慢しておこう。うん、尊すぎて崇めたくなってきた。
いや、子供を崇めるのは流石にダメだな。
とりあえず、尊死しそうだけど、ギリギリのギリギリまで堪えよう。
◇月∀日
桜さんが私の魔術を見たいと言ってきた。
私の魔術は「心象風景の浸透化」や「固有結界」と類する系統のモノだ。まずは心の中で思い描いたモノを物質として構築し、それを世界と定着させる。
もっと簡単に言えば「押し花」のように世界と世界で挟んで消えないようにする。
まあ、私は特撮の変身アイテムは本物だと世界へ浸透させているせいなのか。息子の誕生日にプレゼントした玩具が本物になってたけど。
あれにはお義父さんもビックリしていた。
とりあえず、桜さんには半永久的に魔素を吸引する術式を施したクマの縫いぐるみをプレゼントしよう。このクマには桜さんに付き従うようにプログラムしている。
たぶん、このクマは時計塔の作った水銀の使い魔より高性能だと思うし、なにより向こうはやっかみが激しくて嫌になる。
私の息子は時計塔へ留学しているけど。物理攻撃を前提として戦ってそうなんだよね。うぅ、お母さんの趣味を押し付ける形になってごめんね。