とあるオタク女の受難(Fate/Series編)。 作:SUN'S
Б月Ⅳ日
昨晩、先日の骸骨の仮面と酷似したモノを着けた男を拾った。交番へ届けるのは違うだろうし、アサシンの英霊だということは判明している。
とりあえず、改造しておこう。
先ずは不要な魔術回路を摘出し、霊基の補強を行うために依り代となる人骨の結合する。
この英霊の不気味さを消すために人造皮革を用いて、真っ黒い皮膚を覆って隠しておけば殺し損ねた英霊だと気付かないはずだ。
それにしても外見を整えれば現代を生きている人間と大差無いわね。そんなことを考えながら魔素を取り込む魔術礼装を腰辺りに取り付ける。
ん?おお、麻酔の切れた瞬間に起き上がるとは予想外だった。まあ、私はアサシンを傷付けようとした訳じゃないし、むしろ保護した側の人間だからね。
フサフサの頭を何度も触っているアサシンの目の前に姿見を持っていき、今の姿を見せると「こ、これが私なのですか!?」なんて言い始めた。
もう少しだけ改良を加えたいけど。
まあ、人権を無視するのはダメだと思うんだよ。瀕死の人間や英霊は改造してでも助けるのは当たり前のことだからね。
Б月゜日
地下室のバーサーカーに朝食を持っていくと機関銃を乱射してきた。いきなり、殺意の高い攻撃を受けるとは思わなかったけど。
鶴野さんが遠坂さんに貰ったワインやパンは残さず食べてくれた。しかし、私の作ったベーコンエッグやポテトサラダは蹴り飛ばしたのは許さない。
むう、外国の英霊は偏食なのだろうか?なんて考えていると工房から出てきたアサシンが桜さんと遊んでいた。うん、わずか一日で仲良くなるとは思いもしなかった。
まあ、桜さんも楽しそうなので良しとしよう。ただ、このアサシンは暗殺王を目指しているそうだ。私は暗殺には疎いため、どのようなことを偉業を達成すれば暗殺王となるのか知らない。
あとでお義父さんに聞いてみようかな。
そう言えばアサシンの情報を得れば雁夜さんの戦いも楽になるのではないだろうか?
そんなことを考えながら桜さんと鬼ごっこしているアサシンへ視線を移そうとした瞬間、バーサーカーが中庭まで出てきていた。
雁夜さん、手綱は握っておいてください。
鶴野さんは桜さんを抱きあげ、アサシンは「新しい肉体の調子を確かめるには丁度いい!!」等と言いながら吹き飛ばされていた。
まあ、肉体強化の術式は未完成だからね。
Б月∪日
今朝、アサシンが戸籍を作ってきた。
私はアサシンの持っている戸籍の書類を受け取り、名前の欄を見ると村雨リョウと記載されていることに気付いた。このアサシン、外見のモデルとなった人物の名前を使うのかよ。
そんなことを思いながらアサシンを見ると格好付けたような笑みを浮かべていた。
わたしはアサシンに住居のことお義父さんに相談するように伝えながら玄関周りの掃き掃除を行っているとランドセルを背負った桜さんが玄関の扉を開けて出てきた。
うん、私の娘はかわいい。毎日に眺めていても飽きないし、愛らしさが増しているような気もするし、最近は鶴野さんもフリフリのドレスを買ってくる。
しかし、バーサーカーとアサシンのふたりを同時に操るのは難しいだろう。そんなことを考えていると鶴野さんが「このヘンテコなアサシンは俺が預かるよ」と言ってくれた。
わたしの夫の気取らない格好良さに発狂しそうになるんですが、どうすれば良いのでしょうか?なんてことを近所の奥さんに相談すると苦笑いを浮かべながら「愛すればいいのよ」と答えが返ってきた。
おお、先駆者の有り難い言葉ですね。夕食は鶴野さんの大好きなモノをメインとしよう。