やはり俺に義妹が出来るのはまちがっている。   作:マッキーガイア

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10話:義妹と初夜

 

「兄さん、一緒に寝ません?」

 

「………へ…?」

 

呆けた声が部屋に響く。最近、心との距離感が近い。

 

なんか良く解らないけど近いのだ。

学校の休み時間も前はあの子にも友達が居たしそんな構ってこなかったけど最近はそんなこと関係なく近い…なんなら俺の膝の上が特等席だと言わんばかりの近さだ。

昼休みも前までは一人一つ分開いていた間の席がいつの間にか埋まってた、

 

「…マジで言ってるの?」

 

「はい、マジです。」

 

「マジですか…」

 

心は真面目にそう返してくる。

…忘れてるかもしれないけど、彼女は″美少女″だ、それもかなりのレベルの…

最近になってやっと慣れてきたんだぞ、最初の時なんかそんなのが同じ部屋に居るって考えるだけでも死ぬかと思ったのに、同じベットしかも一夜をそのまま過ごせというのか?

 

「いや普通に考えて…」

 

「駄目ですか?」

 

話を途中で切られる。

 

上目使いでじっとこちらを見る心。彼女は背が小さいからか常に見上げる形になるのは仕方ないがこんな姿は正直始めてだ。

 

 

「駄目ですか?」

 

 

駄目押し観丸出しなそれは完全に保護欲をくすぐりに来ていた

 

 

「ぐッ……ど、どこでその技を覚えた…?」

 

「小町ちゃんです。こうすれば兄さんなんか一コロだって……」

 

「分かった分かったけど…もう二度とそれやるなよ。」

 

死ぬよ?俺が…

 

「…了承得ましたね。では」

 

「え、そういうことじゃ………ふぐっ」

 

 

 

「分かったと……言いましたよね?」

 

 

 

布団に入られ耳元でそうつぶやかれた、頭を思い切り縦に振る。

 

殺されるかと思いました まる

 

 

 

 

ーーーカチっとスイッチ音とともに暗闇が広がる。

 

「スゥ…………」

 

耳元で呼吸音が小さく聞こえる。

ベットが小さい分密着度は凄い高い。やばい、心臓音なんか聞こえてないよな…もうバクバクだ…

しかし、何故だろうか…なんでこんなに懐かれてるんだ…俺、思い当たりが一切ない(無いとは言っていない)

すぅ……はぁ……まじで、なんなんだこの状況…

 

「………眠りましたか…?」

 

そう聞く心

 

「……ネマシタヨ」

 

「寝てませんね…」

 

「こんな短時間で寝れるかよ」

 

「のび太君はいけましたよ?」

 

「あれは、漫画だろ…」

 

部屋内にことッと音がする。

背中にびくっと振動が伝わる。ふむ……

 

「……怖いのは苦手か?」

 

「え、、、い、いえそんな事は…」

 

「じゃあ、怖い話をしてやろう。」

 

「な、なんでですか!?」

 

俺は少し笑う。

 

「これは友達H君の話だ」

 

「本当にやるんですね!?」

 

「……昔々有るところにH君という小学生が居ました。その子はクラスでいつも一人でした。

天敵は体育の授業で二人一組になれという言葉です。

…しかし、彼は花が好きでした。だから、いつもクラスの花壇に行っては水をあげて、眺めていたんです。」

 

ぽつりぽつりと呟いて行く。

 

「ある時、その花壇がぐしゃぐしゃになっていました。彼が育てていた花は無残にも転がっています。もちろん先生は怒りました。

『誰があんな事をやったんだ。やった奴は出てきなさい』

……もちろん出てくる人なんかいません…」

 

 

 

「すると、ある″友だち″がHくんを指さします。

『Hくんが昨日花壇に向かったところを観ました』

、非難の目がH君に向きました。彼は必死に否定します。でも、信じてくれません。」

 

息がひそめられる。

次第に暗闇は迫ってきた。

 

「いつしか、H君はクラスの影からクラスの汚れに変わっていました……

汚れはいつか掃除されるものです………H君に味方はいません……

彼はどうやってこの状況を変えられるか…そんな事ばかりを考えていました。」

 

「…ある時、彼は考えるのを辞めました。

理由は簡単、言い訳すればするほど、自分を見る目はひどくなるからです。」

 

「兄さん…それって」

 

「彼は思いました。

人は人を否定する事でしか自分を主張出来ない。ならば、俺は自分を否定し続けてやろう、否定が自分を主張出来るチャンスだと言うのならば、俺は構わずそうしてやる。きっと、そうすれば自分を認めてくれる人もきっと現れるから…………って」

 

 

 

 

 

 

「そして…彼は…自分を信じられなくなり、汚れはカビに変色し…いつしか、自分という個体を見失ったのです。」

 

 

 

 

しばらく着いていたからだろうか背中の違和感はいつのまにか無くなっていた。窓から月明かりが照らす。

 

「それは……怖い話ですね、」

 

心は呟く

 

「まったくもってな…」

 

「優しいとか、そんなものじゃ表せませんね…それ……もう馬鹿ですよ。」

 

「優しい話じゃなかったはずだが…」

 

「…ええ、そうですね……馬鹿で、駄目で、どうしようもない話です。それに面白みもない…」

 

心がそう言うと、キュッと背の服を握る。

 

「……兄さん…こっち向いて」

 

少しした空間を埋めるように心は呟く。

身体は硬着したように動かない。それを無理に動かして少し首を後ろに向ける。

 

 

 

「…………………………んっ、」

 

 

 

 

彼女の息が唇をかする

 

それを確認した時には月明かりは俺たちを照らしていた。

 

唇に温かいものを感じる。

 

「……っ、」

 

…キス……か?

 

「…ファーストキスじゃありませんが…」

 

「…っな、何を……」

 

「……証です。」

 

心はそう言う、

 

「証……?」

 

「兄さん、私は貴方に好きと言う感情はありません。」

 

「………なんだよいきなり…」

 

「"好き"じゃないんですよ、もう…」

 

すると、彼女は俺を押し倒すように体を預ける。

 

 

「まだ分かんないんですか…?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

愛してます。」

 

 

 

「……………っ、」

 

 

息を詰めたように肺に空気が圧縮される。

神経は切り取られたように無感覚になり、心臓が音を鳴らす。

 

 

 

暗闇に…月はまだ登っていた。

 

                                                           

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