耳郎さんと   作:元サッカー部

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投票の結果は2020年5月15日00:00にて
1話転校バージョン:4票
2話幼馴染バージョン:19票
両方:2票
なので幼馴染バージョンで書いていこうと思います。
カメもビックリする更新の遅さなのでゆっくり付き合ってくれるとありがたいです。
遅くなりすぎて申し訳ありません。お楽しみくださいませ。


雄英入試

特訓で気絶させられてからあれやこれやがあったのち、気づけば雄英入試が前日にまで迫っていた。

「うん、二人ともお疲れ様。明日のこともあるし、今日はもう終わりにしよう。」

 

「森児兄さん、いつもありがとう。」

 

「いつもありがとうございます。」

森児兄さんもヒーロー(シンリンカムイ)として昼夜を問わず働いているのにそれにプラスして僕と響香に稽古をつけてくれた。

 

「頑張ろうね、森也。絶対受かろう。」

 

「当然っ!森児兄さんも稽古つけてくれたし、クラスのみんなも空気読んで夏休みとかもあまり誘われなかったしね。」

 

「正直、夏とかはもうちょい遊びたかった?」

 

「正直。受かったら春休み遊びまくるつもり。響香もどう?カラオケ。久しぶりに。」

雄英入試を控えているのに余裕か!と多方面から怒られそうだが、それでもまだまだ中学生。遊びたい盛りなのである。

 

「いいよ。二人とも受かってたらね。」

と挑発するように言うのは良いが、僕よりも響香の方が不安な気がするんだけど、と言いそうになるのを抑え心の内に秘めておく。響香のことだから僕が何を考えているかなんてお見通しでバレてると思うけど。

 

「バカなこと考えてないで今日は早く寝なよ。電車、乗り遅れたらそれで終わりなんだから。」

雄英の最寄駅まで新幹線で約1時間。一本遅れればそれで the end なのは間違いないだろう。発言が幼馴染というよりは母親っぽいのはなぜだろうか。

 

「分かってるよ、それじゃあまた明日、駅でね。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「寝坊したーーー!!?」

絶賛ダッシュ中である。

 

「もうすぐ駅着くから!先に新幹線入って待ってて!」

 

「もう入ってるよ。だからはやく!もう5分もないよ!」

 

 

 

「改札超えた後階段だけ!」

 

「しゃべるな!走れ!」

 

『まもなく5番線発車します。駆け込み乗車はご遠慮ください。』

 

「「急げぇ!!」」

階段から一番近くのドアから響香の伸ばす手を掴み新幹線に転がり込んだ瞬間、ドアが閉まり、新幹線は発車した。

 

「ギ、ギリギリセーフ……」

 

「はーなーれーろ!重い!」

今の体勢は僕が響香の体の上におぶさり倒れる際に少しでも響香を気づ付けさせまいと左手を頭の後ろに添え、右手は床に手を付けたことで傍目からは床ドンをしているようにみえることだろう。良かれと思ってしたことではあるが完全に裏目に出ている。

 

「ご、ごめん。」

 

 

「えっと、お客様、早く座席にお付きください?」

 

「「す、すいませんでした!」」

二人して車掌さんに頭を下げそそくさと座席に退散する。両親にお願いして指定席にしてもらえてよかったと心から思った。

もし自由席で空いた席がなくドアの前とかで立ってると車掌さんに怪訝そうな目線で見られること間違いなしだろう。

 

 

「というか、なんで寝坊してんのさ。昨日言ったじゃん。」

響香の睨みつける攻撃!僕の防御が一段階下がった!

僕の言い訳攻撃。

 

「昨日の夜に森児兄さんがオフだから起こしてくれるて言ってたから油断してて……つまり森児兄さんが悪い!」

 

「あんたが100%悪いわ!」

しかし、効果がないようだ。

 

「お客様?お静かに願えますか?」

 

「「ごめんなさい。」」

さらには車掌さんに怒られるおまけつき。

 

その後もなんやかんや話しながら車掌さんに怒られながらも雄英高校に到着した。

 

「もう絶対外で隣に座んない。ウチが恥ずかし目にあう。」

なぜか響香は息も絶え絶え、顔も若干紅潮させた状態で。

 

「響香、大丈夫?」

 

「誰のせいだと思ってんの?」

ほとんどが僕のせいだとは思うけど、響香のせいでもあると思うんだけどなぁ。

 

「ほら、行くよ!時間もそんなに無いし。」

 

 

 

 

~~~~~~筆記試験ナウ~~~~~~

 

 

続いて実技試験となるが

 

説明をしてくれるであろうプロヒーロープレゼントマイクが前に出てくる。

「受験生のリスナー、今日は俺のライブへようこそ!エビバディsay hey!」

誰も答えない。

「こいつはシヴィ!なら受験生のリスナーに実技試験の概要をサクッとプレゼンするぜ!Are you ready?」

誰も答えないから答えようとするが、隣の響香が睨むので黙らざるをえない。なんで僕がしようとする事分かるんだろう。不思議である。

 

「入試要項通り、リスナーはこの後10分間の模擬市街地演習を行ってもらうぜ!持ち込みは自由。プレゼン後は各自指定の演習会場に向かってくれよな!」

 

「響香会場どこ?」

 

「C、森也は?」

 

「Eだね。別々か。同校で連携させないためかな。」

 

「演習場には仮装ヴィランを3種多数配置してあり、それぞれの攻略難易度に応じてポイントを設けてある。各々なりの個性で仮装ヴィランを行動不能にし、ポイントを稼ぐのがリスナーの目的だ。もちろん他人への攻撃などアンチヒーローな行為はご法度だぜ!」

 

「質問よろしいでしょうか!」

 

「オーケー!」

 

「プリントには4種のヴィランが記載されております。誤載であれば日本最高峰たる雄英において恥ずべき痴態。我々受験者は規範となるヒーローのご指導を求めこの場に座しているのです!ついでにそこの縮れ毛の君!さきほどからボソボソと気が散る!物見遊山のつもりなら即刻ここから去り給え!」

皆の気になることを聴いてくれた前半はありがたいが、後半が癪に障るね。

 

「何様のつもりなんだろうね~。天下の雄英はそんな馬鹿なことを言う人でも受験できるんだね。」

「ちょ!森也!何言ってんの!?」

響香は僕を止めようと小声で制するが今回は止まる気がないから無視かな。

 

「なんだと!」

そして僕の予想道理に怒りをこちらに向けてくる受験者A(仮)。

 

「だってそうだろう。いつから君が受験者の可否を決めれるようになったんだ?気が散る?君が未熟なだけだろ。それを人のせいにして恥ずかしくないのか?それに物見遊山?そんな奴一人もいないだろ。全員死ぬ気でここ目指してんだろ。」

 

「ぼ、俺は周りの受験者の為を思ってだな!」

 

「なるほどなるほど、多の為に1を切り捨てると。そんな奴がヒーローになれると思うか?」

 

「そろそろストップだ、二人とも。言い争いなら終了後にしてくれ。そして受験番号7111君。ナイスなお便りサンキューだ。4種目のヴィランは0ポイント。そいつはいわばオジャマ虫。各会場に1体所狭しと大暴れしているギミックよ。倒せないことはないが、倒しても意味はない。リスナーにはうまく避けることをお勧めするぜ。」

おすすめする、ね。言い方が今までと若干違ったね。それにあくまでおすすめ。何か裏がある。

 

「俺からは以上だ。最後にリスナーへ我が高校訓をプレゼントしよう。かの英雄ナポレオン・ボナパルトは言った。真の英雄とは人生の不幸を乗り越えていくものと。更に向こうへPlus Ultra!それではみんな、良い受難を!」

 

 

 

 

「E会場の引率を担当するブラドキングだ。説明はマイクから聞いてるだろうから一言だけ……」

その後の言葉がなかなか出てこない。周囲もざわざわしだしたその瞬間。

 

「スタートだ!」

その一言に反応できたのはひとえに森児兄さんのおかげだろう。特訓の時に毎回じゃないけどこっちのストレッチが終わった瞬間にウルシ鎖牢を打つものだから、一度森児兄さんのストレッチ中にお返しをしかけた時は本気で捕縛されて動けなくされたが。それ以降ストレッチ中の不意打ちはしなくなった。それのおかげで今回は不意打ちとも思われるスタートに反応することが出来た。しかし僕以外にも反応できている人が二人。僕の右側にオレンジ色の髪の女子、左側にはしっぽの生えている武道着を着た少年。

 

「二人ともよく反応で来たね。」

 

「武術が趣味だからな。反射神経には自信があるさ。」

 

「私の場合、パワー型って自覚あるからかな。その分スピードと反射の特訓してきたから。それに先輩がここにいるからね。先に聞いてたから。」

何それずるい。羨ましい。入学後の過去問の入手を是非お願いしたい。

 

「そろそろ戦闘モード入るから!お先!」

 

「私も!それじゃ!」

しっぽ少年が一足先に抜け出すのを追いかけるオレンジの女子。

 

「さて、僕も頑張りますか。」

スタートダッシュに失敗した他の受験者の動き始めたみたいだし、そろそろギアを入れようか!

 

 

 

 

 

 

「37!こいつで、40ポイント!」

終了時間まで残り約2分といったところ。それなりに広範囲で戦ったと思うがオジャマ虫のロボットヴィランの姿が見えない。避けることをおすすめすると言ってたし誰かが倒したとは思えない。

 

『ラスト3分だ!諸君ラストスパートだ!』

そのアナウンスがされるや否や、晴れているにもかかわらず急に曇り、何かの破片が落ちてきた。上を向いてみれば

 

「いやいや、うそでしょ。」

誰が想像しただろうか。オジャマヴィランが市街地の建物よりも大きいなんて。

 

「あー、そういう事」

このカラクリに気づけたのも全て森児兄さんのおかげだろう。響香なしでの訓練の時によく話す、如何に周りの建物等への被害を抑えるべく動くように教えられた。自身の行動で建物を傷つけた場合は自身も修繕費を負担しなければならないとか。つまりあの大型を倒せなくとも動きを封じる、被害を最小限に抑える必要もある。

 

「無理ゲーじゃない?流石に。」

やるべき事は分かったが如何せん方法が思いつかない。森児兄さんと違いあそこまで大きいと捕縛できないし、他の受験者は既に退避していて協力を見込めない。どうするべきか考えていると

 

「危ないよ、あんた!」

いつの間にか目の前にビルの破片と思われるものが迫っていたがとっさに反応できなかった。それを救ってくれたのがオレンジの髪の少女だった。

 

「ありがとう。」

 

「こんな時に考え事って、余裕だねあんた。」

 

「ちょっとね、プレゼントマイクの言い方が気になって。」

 

「二人とも大丈夫か!?」

話し始めるタイミングでしっぽ少年も来た。

 

「建物の上から回り見てたけど、この周りにはもうポイントがないぞ!あのでかいやつだけだった!」

 

「なら早く別のとこに!時間もあまりない!」

二人ともポイントを取りにここを離れるつもりだ。けど一人じゃアイツを止めれない。チャンスは今しかない。

 

「あの、アイツ止めるの手伝ってほしい。」

 

「何言ってんだよあんた。あれ倒してもポイントにならないだろ?」

 

「そうじゃないんだ、うまく言えないけどそれじゃダメなんだ。森児兄さん、ヒーローのシンリンカムイが言ってたんだ。倒すだけじゃなくて、守るって。人も、建物も、平和も。だから、ここでアイツを無視できない。したらダメなんだ。」

 

「あんたってお人好しだろ。絶対。」

 

「そういう君も手貸すつもりだろ?そんな顔してる。俺で良ければ手伝うよ。」

 

「あたしも!流石にヒーローの言葉もあるし、逃げるのも後味悪いしね。どうすんの?策あるなら時間もないし乗るよ。因みにあたしの個性は大拳ね。手が大きくなる。」

 

「俺は見ての通り尻尾だ。地味だがどうにかなりそうか?」

尻尾と大拳、どちらも近接特化型の個性。なら僕が下がって二人のカバーがいいはず。

 

「あいつの硬度がどれくらいか分からない。けどパッと見他のやつと変わらないからただでかいだけだと思う。」

 

「なら方法は1つだな。」

 

「ぶっ壊す一択!」

おう、姉御。発想と発言がヤバいですわ。そのつもりだから問題ないけど。女子だしもう少し言い方あるよね?

 

「足止めするから腕から叩いてくれ!劣化版だけど、先制必縛ウルシ鎖牢!」

森児兄さんは腕から無数に枝を伸ばすけど僕はまだそこまでは出来ない。あくまで指を木の枝に変えそれを伸ばすだけ。故に本数も両手合わせての10本。

 

「なるべくはやく!あまり持たないから!」

マジで。指先からずっとビキビキポキポキ聞こえるし。

 

「行くぞ!尾空旋舞!」

尻尾をバネのように使い大きく飛び上がる。その高さはビルの高さにも匹敵し、お願いをした腕を攻撃するには十分な高さだった。しかし、その硬度は他のよりも固いらしく一撃で腕を壊すには至らなかった。

 

「くそっ!」

 

「あたしに任せて!はあぁ!」

しっぽ少年には劣るがそれでも手を巨大化させ攻撃するには十分に跳躍し攻撃が当たるタイミングで拳を巨大化させ殴る、ではなく掴み、腕をもぎ取った。

 

「今度は一撃で!」

左側では先ほどよりもさらに高く、腕だけじゃなく頭よりも高く飛び上がり尻尾を叩きつけ、一撃で左腕を破壊した。けどその後の処理が間に合わない。僕は距離があるし尻尾君は空中、オレンジの女子は手に片腕を持っており、間に合いそうもない。最後の最後で被害が

 

そう思ったとき。

 

「あんたら、ウラメシいね。」

 

「ん。」

気づけば隣に灰色の髪の女子が、前方、二人というよりロボットのもとに黒髪の響香と同じボブヘアーの女子が向かっていた。

 

「ん。」

前方の女子はふわふわと浮かび彼女が触れたものはみるみるうちに小さくなり道路に落ちた。その被害はほぼゼロといって差し支えないほどだった。すべての腕の破片が

 

『試験終了!怪我をした者は遠慮なく申告してくれ。結果には影響しない!』

終了の時間になった。

 

「何とかなったね!」

 

「た、助かった。ミスをカバーしてくれてありがとう。君たちは何でこっちに?」

 

「そんなつもりはなかったんだけどねぇ。」

 

「ん。」

 

「でも助かったよ、ありがとう。」

 

「ん。」

 

「これで落ちてたら笑いものだけどねぇ。ウラメシい。」

 

「きっと、大丈夫だよ、たぶん。」

 

「落ちたら森児兄さんのせいにしとこう。」

 

「「やめろ!」」

 

「ん?」

 

「何の話しているんだい?」

森児兄さんのことを知らない二人が頭を悩ませている中、特段全員が怪我をしたわけでもなく(森児兄さんの)話をしながら試験会場を後にした。途中で響香と合流し、駅で各々の帰路についた。自己紹介はしなかった。雄英に入学しその後改めて自己紹介したいとオレンジの女子が言ったからだ。その時若干赤めた顔が可愛いと思いました。その直後響香にプラグを刺されしばらく気絶した。解せぬ。

 

 

 

 

 

そうしてあれよあれよといううちに雄英から1通の手紙が届いた。

 

「森也!通知届いた!?」

昼過ぎに通知が届くや否や僕の家まで響香が自身の通知を持って走ってきた。

 

「今届いたとこ。もう見たの?」

 

「まだ。どうせなら一緒に見ようと思って!せーので開けよ!」

 

「それじゃあいこうか。せー「ちょっと待って!?」」

通知を確認し、その後走ってきたのだから準備は出来ていると思うが、どうしたんだろうか?

 

「走ってきて息切れてるのに、もう少し待ってよ!心の準備も出来てないし。」

 

「麦茶でいい?それともハーブティーとかで落ち着かせる?」

 

「麦茶お願い。」

それから数分。

 

「そろそろ開けない?」

 

「う、うん。」

返事こそすれど、通知書を持つその手はいまだに震えている。だから僕はその手を掴む。

 

「森也?開けれないんだけど?」

強がって言ってるが、バレバレである。

 

「大丈夫だよ。大丈夫。いつも特訓したろ?それに、今その心配するのは付き合ってくれた森児兄さんにも失礼だぞ。」

 

「うん、わかった!開けよう!せーの!」

二人同時に封筒を開けるとその中には小さなデバイスが入っていた。

 

『『私が投影された!』』

何故にオールマイト!?そう思ったのは僕だけでなく隣の響香も驚いていた。

 

『『実は私はこの春から雄英に努めることになった!!』』

 

『耳郎響香!実技試験、ヴィランポイント42ポイント!』

『森谷森也!実技試験、ヴィランポイント40ポイント!』

 

「よっしゃ!森也に勝った!」

 

『『さらに!我々が見ていたのはヴィランポイントだけにあらず!レスキューポイント!しかも審査制!』』

 

『耳郎響香!レスキューポイント25ポイント!』

『森谷森也!レスキューポイント50ポイント!』

 

「逆転!」

 

『耳郎響香!雄英高校一般入試通過だ!おめでとう!』

『森谷森也!雄英高校一般入試1位通過だ!おめでとう!』

マジか!

 

「おめでとう森也!」

と言い抱き着いてくる。あとで恥ずかしくなるだろうに。

 

「響香も、おめでとう!」

けど、今日だけは、僕も浮かれていいだろう。拒むこともせず、むしろ受け入れる。ソファーに転がるようにして抱擁を受け入れる。

 

 

 

「森也。通知そろそろだよね。もう来てた?」

 

 

特に何か僕たちの中が幼馴染以上に進むこともなく、森児兄さんの介入により二人そろって顔を真っ赤に染めるのであった。

 




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