今俺の前にはキャスターがいる。聖杯戦争でセイバーと共に戦ったキャスターことメディアだ。目の前にいる理由は一つ。俺が呼んだからそれだけで片付けられる理由である。
「坊や、説明なさい。どうして貴方が私を召喚できたのか、そしてどうして私を召喚したのか」
俺はキャスターに召喚した方法と理由を説明した。キャスターは俺の説明を聞くたびに嫌な顔をしている。説明が終わった後にキャスターに「なにか言うことがあるなら言ってくれ」と言った。キャスターは俺の顔を見るなり大きい声で
「ふざけるのも大概にしなさい。確かに戦力が欲しいのは分かるわ。でもね私の戦いはもうあの時終わったのよ。ましてや召喚術式にルールブレイカーを刺して反英霊まで召喚出来るようにするなんて普通じゃないわ」
正論である。俺の心を表示できるようにしたら恐らく-999と表示されるだろう。しかしいくら正論をぶつけられても俺には戦わなくてはいけない理由がある。反英霊を召喚出来るようにしたのは確かに危険なことだ。しかしそれでも全ての反英霊が悪い奴では無いことを俺は知っている。目の前にいるキャスターと今の俺を作ってくれたあいつがそうであるように必ずしも反英霊は悪で無いことを俺は知っている。
「キャスター確かに俺のしたことは危険なことだそれは認める。でも俺にだって譲れない理由がある。俺は反英霊が必ずしも悪だと決めつける理由はない。キャスターがそうであるように反英霊の中にも良い奴が必ずいる筈だから」
明らかに俺の方が立場的には悪となるだろう。それでも俺は譲れない。聖杯戦争でキャスターの魔術を見た俺がこの中で一番彼女を知っている。彼女の魔術は必ず俺達にとって頼もしいものになる筈だから。
「はあ分かったわ坊や。坊やにも何か理由があるんでしょう。キャスターメディア貴方達の仲間になって戦うことをここで約束するわ」
キャスターの言葉に俺は安心した。キャスターが仲間になる。それはカルデアで魔術を使うサーヴァントの確保にも繋がるのだから。
「それで坊や。私のマスターは誰になるのかしら?」
キャスターの言葉に俺はこう返した。
「この中にキャスターのマスターはいない。何故ならキャスターのマスターはあの人にしか務まらないからな」
そう言って士郎は部屋の扉を開けた。するとそこからはダヴィンチが入ってきた。ダヴィンチの後ろには誰かがいた。教師が着るような服を着て眼鏡をかけている。
「やあ君がメディアだね。私はダ・ヴィンチ。君のマスターを務めるものを案内していたサーヴァントだ」
そう言った瞬間後ろの人物がキャスターの前に歩いてきた。その瞬間キャスターは涙を流しその人物の名を呼んだ。
「そ 、宗一郎様」
キャスターはその人物の名を呼び抱きついた。その人物の名前は葛木宗一郎、第五次聖杯戦争でキャスターのマスターとして俺達と戦った人物である。
「ど、どうして宗一郎様が。宗一郎様は死んだ筈では?」
確かに葛木先生は第五次聖杯戦争でアーチャーと戦い死んだ。俺も目の前で見た為その事は知っている。俺が説明しようとするとダヴィンチは俺の前にでて俺にこう言った。
「君には荷が重い。私に任せてくれたまえ」
どうやら顔に出ていたようだ。ダヴィンチはそう言うとキャスター達に近づき葛木先生が此処にいる理由を話し始めた。
「概念礼装と呼ばれるものを君は知っているね。藤丸ちゃん。メディアさん」
藤丸に概念礼装のことを聞くダヴィンチ。キャスターは召喚されたときに知識として記憶しているので概念礼装のことは知っているようだ。
「は、はい知ってます。確かこの世界の概念が礼装として出たものだと」
「知識として知っているけどそれがどうしたのかしら?」
「そう、それが概念礼装だ。藤丸ちゃん達が召喚した時に概念礼装はこちらで回収していた。士郎君もそれは知っている。士郎君がセイバーを召喚した時に此処にいる葛木さんの概念礼装が私達の元に来たんだ。彼の概念礼装からは他の概念礼装とは違って強い思いを感じてね。調べた結果自我があったんだよ」
「自我が!?」
「そう、私は早速自我を読み取るマシンを作った。そして調べたんだが彼はこういっていたんだ。近いうちにキャスターが召喚される。だから私も彼女の力になりたいとね。そこで私はアインツベルンと繋がりのある士郎君と共に葛木さんをこの世界に復活させる為に準備を始めた。士郎君にアインツベルンの魔術について教わった。その結果ホムンクルスを作ることに成功したんだ。葛木さんはホムンクルスに入ると
言ってこの体に入ったと言うわけだ」
ダヴィンチの説明が終わる。キャスターと藤丸は放心状態になっていた。当たり前だ。ホムンクルスや復活だの話されたのだから。俺がホムンクルスについて何故知っているか。それはイリヤの為にアインツベルンがいるドイツに言ったからだ。アインツベルンはすんなり俺を通し、ホムンクルスを作った人と話すことが出来た。名前は教えてくれなかったがアインツベルンについて知りたいと言うとすんなりとホムンクルスについて教えてくれた。アインツベルンは既に聖杯を諦めており聖杯戦争の勝者と伝わっていた俺に全てを教えてくれた。それがことの顛末だ。
「ホムンクルスとして宗一郎様は蘇った。そう言うことねダヴィンチ」
ダヴィンチの話を聞いて藤丸より先に放心状態から抜けたキャスターはダヴィンチにそう言った。
「確かに私は葛木さんを蘇らせた。それが彼の願いだったからね」
「なんでそんなことを?」
「私がそう頼んだからだ、キャスター」
「宗一郎様?」
「あの時私と共にいることが願いだと分かった。だからこそ私は概念となっても現世にとどまり続けた。またキャスターと共にいたいとそう願って。するとある時どこからか声がした。その声は誰のものか分からなかった。しかしその声の人物はこう言った。君の想い人が再び現れる。その時しっかりサポートしてあげなさいとな」
「宗一郎…様」
葛木先生の話を聞いたキャスターはその場に座り込み再び会えた感動の涙か、それともそこまで思ってくれたことが嬉しかったのかキャスターは涙を流しその場で号泣した。俺にはその時間がとても長く思えてしまう感じがした。
次回「第三特異点レイシフト開始。士郎と葛木
セイバー「キャスター会えて良かったですね(涙目)」
士郎「ああ、会えて良かったよ。本当に」
セイバー「しかし士郎。会えたのは良いんですがどうしてこんな風になったのですか?」
士郎「キャスターのマスターはこの人しかいないと作者が思ったそうだ。召喚されたサーヴァントについては次回一気に来るそうだ」
セイバー「そうですか。分かりました士郎」
士郎「それではまた皆さんまた次回。キャスター良かったな」