葛木先生が仲間になって一週間。俺は次に始まるレイシフトの準備を終え荷物を運んでいた。ちなみに藤丸は既に三つ目の特異点にレイシフトしている。
「悪いな手伝ってもらって」
「大丈夫ですよ士郎さん」
そう言いながら士郎に大丈夫と言った人物、これを見てくれている人なら既に察しは着くだろう。そう新サーヴァントだ。
「ほんとに手伝ってもらって悪いなリリィ俺一人だと時間かかると思ったから」
「謝らなくても大丈夫です。未来の姿であるセイバーさんのマスターである士郎さんの手伝いが出来て私嬉しいです」
そう言いながら士郎に笑顔を向けるリリィ。彼女はキャスターを召喚した後に俺と藤丸が召喚したサーヴァントである。新名をアルトリア・ペンドラゴン。セイバーがまだ王になる前の姿である。その為カルデアにいる職員、サーヴァントからはリリィと呼ばれている。
「しかし驚きました。召喚されて最初に出会ったサーヴァントが未来の私だったなんて。やっぱり世界は広いですね」
「確かに世界は広い。だがカルデアは狭い。せめて俺の部屋をもう少し広くしてくれたらありがたいんだけどなー」
そう言いながら愚痴を溢す士郎。士郎の部屋は職員用の部屋なのだがその中でも一番狭い部屋を士郎は使っている。その為広さ的には畳3つ敷いたくらいの大きさしかないのだ。
「確かもうすぐ士郎さんの部屋は増築されるんでしたか?」
「ああ、何分狭すぎるとダヴィンチや職員の人達に言われてな。確か明日だったな」
士郎の部屋は狭すぎるが故に以前から問題になっていた。マスターとなってからは更に必要性が高まった為に明日士郎の部屋を増築することになったのだ。
「明日とはもしかしてこの荷物は士郎さんの物なんですか?」
「もしかして気付いてなかったのか?」
「はい、てっきりカルデアの備品やレイシフト等に使うものだと」
「確かにそう思うのも無理はないな。運んでもらってる礼と言ってはなんだが何かお菓子をご馳走するよ」
「本当ですか!?まさか士郎さんのお菓子を食べられるなんて」
「おい、よだれ出てるぞ」
やっぱりセイバーはセイバーなんだなと思う士郎だつた。
一方こちらは葛木先生とキャスターside。ちなみに部屋は同室です。
「宗一郎様。お茶の用意が出来ました」
「すまんなキャスター」
「いえ、宗一郎様と一緒に入られるのが私の幸せなので」
幸せオーラ全開でキャスターは葛木先生にお茶を出していた。恐らく非リア充がこれを見たらあまりの光に死んでしまうだろう。しかし、その空気もすぐに消えた。勢いよくドアが開けられサーヴァントが入ってきた。
「おい、食堂はどこだ。案内してくれ」
そう言いながらイアソンが部屋に入ってきた。イアソンはまだカルデアにある部屋を覚えきれていないので葛木先生に案内を頼もうとしたのだ。イアソンはまだ召喚されて間もないのもあるが何よりキャスターを一度もカルデアで見ていなかった。それが自分のした失敗と気付かずに。
「イアソン、私と宗一郎様の部屋によくも入ってきたわね」
「な!?メディア何故お前が」
「ここでルールブレイカーの錆びにしてあげるわ。そこでじっとしてなさいイアソン」
「ひい!?助けてー」
イアソンがした失敗。それは「葛木先生がいる部屋」と勘違いしていたことだろう。ここは「葛木先生がいる部屋」ではなく「葛木先生とキャスターがいる部屋」だ幸せな時間を邪魔されたキャスターからしてみればイアソンは邪魔者でしかない。今にも襲いかかろうとするキャスターに震えるイアソン。しかしそこに救いの手は差しのべられた。
「止さないかキャスター。まだ彼はカルデアの地図を覚えきれていないのだ。無理はない」
「ですが宗一郎様この男に情けをかけては…」
「食堂に行きたいのだろう?なら私が案内しよう。まだ昼飯を食べていないからな。キャスターも一緒に食べに行かないか?」
「も、もちろんです。ああ、宗一郎様から誘ってもらえるだなんて」
葛木先生の言葉ですぐに正気に戻るキャスター。もうこの二人結婚した方が良いのでは?
「さあ行こうキャスター」
「はい宗一郎様」
「俺を無視するなー」
こうして三人は食堂に向かった。
場所は代わりここは食堂。此処にももちろんサーヴァントはいる。
「お、来たね。一体どんなものを食べたいんだ?」
そう言いながら入ってきた士郎とリリィに向かって話すサーヴァント。彼女はブーティカ。リリィと同じで後から召喚されたサーヴァントである。
「ならこの昼食セットAで」
「私も同じのでお願いします」
「了解。少し座って待っててくれ。すぐに作るよ」
そう言いながらブーティカは食堂の奥に向かっていった。ブーティカもメディアの後に召喚されたがはっきり言って戦闘に出したくない。理由は一つ。料理が出来るからだ。まあサーヴァントで戦闘をしないのは余程の事がない限りあり得ないだろう。そんなことを考えていると俺の肩にトントンと手を置く人物がいた。
「お前もしかして料理出来るのか?」
「えっ!?」
いきなりの発言に俺は驚いた。俺に話しかけてきた人物の名前は「タマモキャット」玉藻の前と呼ばれるサーヴァントの派生みたいなものと俺は記憶している。正直に言うとめんどくさい。彼女のクラスはバーサーカー。狂化スキルが入っているのである意味理性がブッ飛んでいるサーヴァントである。
「俺の料理なんてサーヴァントが作る飯に比べたらまだまだだよ」
「そう思うならそう思えば良いワン。もしサーヴァントに負けないと思う料理が出来るようになったら是非此処に来て働いて欲しいワン」
そう言ってタマモキャットは調理室に姿を消した。確かに料理は出来る。だが俺の料理はあいつには勝っていない。もしここであいつと会えたなら料理で決着を着けたいと俺は思っている。そんなことを考えながら俺はリリィの座っている席に向かう。いつの間にか料理は出来ていたようでリリィが俺の分も持っていってくれたようだ。
「悪いなリリィ。俺の分も持ってきてくれて」
「いえ、このくらい平気です。私がしたいと思っていることなので」
「そう言ってもらえると嬉しいよ」
それからしばらく俺達は雑談を交えながら食事を取った。途中葛木先生とキャスター、そしてイアソンが来たのだがイアソンは何故かキャスターに怯えていた。まあ理由は大方予想がつくのだかここは言わない方が良いだろう。リリィとの食事も終わり俺は部屋に戻り約束したお菓子を作ることにした。お菓子は材料があまりカルデアになかったのでレイシフトした時に取ってきた果物等を使いクッキーやビスケット、そしてジュースを作った。我ながら良くできたと思う。そんなことを考えリリィを呼ぼうと部屋を出たときに事件は起きた。
「緊急連絡、緊急連絡、カルデアが攻撃を受けています。繰り返します。カルデアが攻撃を受けています。被害は外壁二割損傷、シャドウサーヴァントの攻撃と確認。迅速な対応をお願いします」
「なぁ!?」
俺はその声の続きを出すことが出来なかった。カルデアが攻撃を受けることにではない。人理修復をしているのだ。敵にいつ襲われてもおかしくはない。だがまさか敵がシャドウサーヴァントだとは想像できなかった。俺はすぐに管制室に向かって走り始めた。
次回「襲撃」[newpage]
キャスター「まさか私達が此処の担当になるだなんて」
葛木「まあそう言うなキャスター。作者の気分次第なのだ。仕方がない」
キャスター「そうですね。でも宗一郎様との幸せな時間を邪魔したイアソンとそう仕組んだ作者を私は許しませんよ」
葛木「物語上仕方のなかったことだ。サーヴァントの数も修復している特異点の事を考えて出しているのだ少し位許してやろう」
キャスター「そうですね。サーヴァントが少ない感じがしますがまあ大丈夫ですよね」
葛木「ああ、それに次回は私達にも出番が来るようだ。気を引き締めてやるとしよう」
キャスター「はい、宗一郎様。あ、でも来週は作者の都合で休ませてもらいますね。何でもリアルで書く時間がないとか」
葛木「そうか、なら少し待つとしよう。いずれ出番は来るのだ。それまでは共に過ごすとしよう」
キャスター「宗一郎様♥️」
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