士郎がカルデアの職員になるようです   作:レンリック

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これはカルデアから遠く離れた場所での話である



剣の丘

士郎が目覚める数時間前、とある場所で一人の男が時を待っていた

 

 

「貴様はたどり着いてしまったようだな衛宮士郎」

 

 

男は誰もいない丘で独り言を言っているように見える。

 

「たどり着いたのではないわ。私が導いたのよ士郎君♪」

 

「しかしそこまで話してしまってはあまり意味がなかったのではないかね?ユスティーツァ・リズライヒ・フォン・アインツベルン?」

 

 

男は何時からそこにいたのか分からないから女性に問う。

 

 

「あら、否定しないのね自分が衛宮士郎だって?」

 

「既に諦めたよ。貴方はここに来る度に士郎と呼ぶせいで他の抑止の守護者から生暖かい目で見られているのだよ」

 

「ふふっごめんなさいね。でも私からしたら貴方も今の衛宮士郎君も大して変わらないから混ざっちゃうのよね」

 

 

男はもはやなにも語らない。目の前の女性に何を言っても無駄だと確信しているからだ。

 

「大体貴方は何で私のことをフルネームで呼ぶのかしたら?私のことはユスティーツァで良いと言ったわよ

ね?」

 

「貴方はイリヤの先祖だ。呼び捨てで呼んで良い人ではない」

 

正論だ。男の前に立つ女性「ユスティーツァ・リズライヒ・フォン・アインツベルン」

聖杯戦争を作った三人の一人でありイリヤの先祖である。男はイリヤの先祖に対して尊敬はしている。だが気軽にユスティーツァなどと呼んでしまった場合、後ろから姉に

 

 

「コラァ、私の先祖様を呼び捨てにしちゃダメー」

 

 

等と言われてしまいそうである。と言うか実際に一度言われている。

 

 

「でも私貴方にはユスティーツァと呼んで欲しいわ。だって貴方はその資格を十分に満たしているのだから

「待て、資格とはなんのことだ?私はその資格というのを今初めて聞いたのだが?」

 

 

男はいつもの口調でツッコミを入れてしまった。その瞬間しまった!?と心の中で思っているのだが

 

 

「だって貴方は私の子孫を守ってくれたじゃない。それが貴方の居た軸とは違うとしても貴方には分かるでしょう?未来の英霊さん♪」

 

 

成る程つまりこの人のいう資格とは子孫つまりイリヤを守ったということが自分の中で資格を満たしたと思っているのだろう。

 

 

「失礼ながらユスティーツァ…さん、私はその世界線でもイリヤを守れていない。最後はイリヤが自分を生け贄にして聖杯の門を閉じて二度と会えなくなってしまった。私もこの手で何人も殺している。とても資格があるようには思えない」

 

 

男の手は汚れている。それは男が一番良く知っている。それに加えバーサーカーからお前が守れと言われたにも関わらず自分の妹を守れなかった。故に彼は自覚している。こんな自分に資格何てものは無いと。

 

 

「貴方は勘違いしているわ士郎、イリヤは自分の意思で門を閉じたの。だから貴方が自分を責める必要なんて無いのよ。それにね」

 

 

ユスティーツァは男に微笑むと

 

 

「その軸のイリヤは私の中で生きている。彼女は貴方を責めていない。だから貴方は自分を責めないで士郎」

 

 

男はその言葉に涙を溢す。自分のような英霊の紛い物には相応しくないと判断したからではない。その気持ちに打たれたのだ。

 

 

「ホントに私は人から教えてもらってばかりだな。遠坂に桜、藤姉やイリヤ、そして切嗣にも私は教えてもらうことしか出来ない」

 

「そんなこと無いわ。だって貴方は過去の自分に、遠坂凛に託したじゃない。士郎には想いを、遠坂凛には自分を自分のような存在になってほしくないからこそ託すことが出来た。それが貴方でしょ衛宮士郎」

 

 

ユスティーツァは話を続ける。男の人生が想いが、選択は意味があったのだとそして自分の責務を果たして欲しいと男に願う。

 

 

「だからお願い貴方の力が必要なの。お願い士郎」

 

 

女性の言葉に男は覚悟を決めこう答える

 

 

「任せろ。俺は自分の仕事を果たす。なあに心配することはない。衛宮士郎は壁にぶつかってもへこたれない。それは俺自身が一番良く理解している。だから安心してくれユスティーツァ・リズライヒ・フォン・アインツベルン、いいやユスティーツァさん。俺はあいつらを自分の全てを使い導こう」

 

 

男はそう言い剣の丘から歩き始める。男の背中には安心感があった。きっとやり遂げるとやり遂げて見せると。男は剣の丘を道を歩きその出口へと向かう。

 

 

「ありがとう。貴方なら出来るわだって貴方は私の、いいえ私達の家族なのだから」

 

ユスティーツァは自分も役割を果たそうと想いその場から離れる。男に聴こえぬように囁きながら

 

「行ってらっしゃい士郎」




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