ランサーを召喚した俺達は今レイシフトの準備をしていた。
「さあ今回の特異点は冬木に比べてとても難しいものになるだろう。だけど君達なら今回の特異点も修復できると信じているよ藤丸君」
そう言いながらDrロマンはレイシフトの準備を進めていく。今回の特異点はオルレアンという場所だ。藤丸達が冬木を修復したと言っても冬木は俺の住んでいた場所だ。時代別で見ればまだ楽な方だろう。だが今回のレイシフトは違う。オルレアンはジャンヌダルクがいた時代なのだ。何が起きるか分からない。その為今回のレイシフトは藤丸も俺達職員も正真正銘最初の人理修復なのだ。俺もカルデアの職員として準備を手伝っていると後ろから声をかけてくる人物がいた。
「おい坊主、お前緊張してんのか?お前がレイシフトして戦うわけでもねぇのによ」
やっぱりこいつか。と言うかこいつ以外に考えられないよな。藤丸はDrロマンと話をしているしダヴィンチは職員達に指示を出している。俺に話してくるやつなんて消去法を使ってもこいつだけなのだ。いや、後二人いたな。
「士郎さんそんなに緊張しなくても大丈夫ですよ。レイシフトするのは私達と先輩なので」
「そうだぞ坊主、お前は緊張する理由もねぇしお前はマスターのサポートに務めりゃ良いんだ」
そう言いながらマシュとキャスターのクーフーリンも俺に言葉をかけてきた。
「そういうわけにはいかないだろ、俺達が藤丸をサポートするということは藤丸が死なないようにサポートするって捉えることも出来るんだ。何より場所は違えど俺達も世界を救うために戦っているんだ、緊張しないはずがないだろ」
これは紛れもない本心だ。確かに俺を含めて職員達もレイシフトするわけではない。代わりに俺達はレイシフトしている藤丸のサポートをするのだ。それはつまり藤丸を死なないように全面的にサポートすると言うことだ。確かに戦いは避けられるわけではないがそれでも出来るだけ戦いはしてほしくない、それが俺の本心だ。
「確かにそうだな、坊主も此処で俺達と戦ってんだ。お前が俺達のサポートをしてくれるのはありがてぇ。俺達だけじゃあマスターをサポートすんのも限界があるしな。頼んだぞ坊主」
そう言ってランサーは藤丸の所に戻っていく。恐らくランサーは俺の事をマスターと同じくらいに信用しているのだ。なら俺はその期待に応えなければならない。そしてランサーを追うようにマシュとキャスターのクーフーリンも藤丸の所に戻っていく。そして
「それじゃあレイシフトを開始するよ、藤丸君」
そう言ってDrロマンがレイシフトの開始を告げる。俺はレイシフトする様子を見守りながらDrロマンの指示を待った。レイシフトは順調に終わりそれを見届けた俺の所にDrロマンがやって来て直ぐに質問をしてきた。
「士郎君は藤丸君達の体調管理や敵がどこにいてどう対処すれば良いか分かるかい?」
「分かるには分かるんだけどやっぱり口で伝えるのはちょっとな」
「そうかい?なら教えてくれないか君の得意分野を、僕はまだそういうのを知らないからね」
質問の内容は簡単だったが俺は自分に対してしまったと思った。俺はDrロマンに自分がここに来た理由は言っていても得意分野を言ってなかった。俺の得意分野を知っておけば指示が出しやすくなる。そうなればもっと効率良く指示を出すことができ作業も早くなるだろう。俺は心の中で反省して自分の得意分野を伝えた。
「俺の得意分野は機械修理だ、高校の時はよく生徒会の手伝いで機械を直してたよ、後は掃除とかかな」
料理も出来ることは出来るが俺の料理はカルデアにいる女性職員達に比べれば負けるだろう。だからあえて俺は料理を得意分野に入れて言わなかった。
「なるほど機械修理ね、それに掃除か、うん士郎君は裏方の方が活躍できそうだね」
「裏方でも何でも役に立てるなら俺はやるよ」
「ありがとう士郎君。なら隣の部屋に壊れた通信機を置いているんだ。修理しようにも時間がなくてね、お願いできるかな?」
「分かった、すぐに修理してくるよ」
そう言って俺は部屋を出て隣の部屋に向かった。扉を開けて中を見るとそこには通信機があった。
「これだな、どれどれ外から分かるのはケーブルが切れてるとこだけだな。これだけじゃ分からないし中も見てみるか」
そう言って俺は通信機に手を置き昔やっていたようにいつもの言葉を詠唱する。
「同調開始」
昔蔵でやっていたことを思い出し俺はその言葉を口にした。
「中は金属の接続部分が使えなくなってるな、それにこっちはスイッチが押されても起動出来なくなってる。でもこのくらいなら問題ないな」
何を言ってるのか分からない。恐らく第三者が見たら真っ先にそういうだろう。しかしその第三者もこの部屋には存在しない。その為恐らく独り言がこれから多くなるだろう。何故ならカルデアの機械は他のところに比べて最新のものだからだ。士郎が機械を修理出来ると言っても最新のしかもカルデアの機器となれば一日で修理が終わるのは不可能に近い。だからこそDrロマンは機械の修理を士郎に頼んだのだ。しかし士郎はそこに気付いていなかった。
「よし、始めるか」
そう言って士郎は機械の修理を始めた。しかし作業は簡単には進まなかった。
「あれ、おかしいな何処かで間違えたかならそこを探しだして直さないとな」
そう言いながら士郎は修理を続けていく。気付けば時計は6時の所に針を置いていた。しかし士郎はそれに気付くこと無く作業を続けた。そして一夜明けて
「やっと終わったー。カルデアの機械は中が精密にできてるから弄れるところは限られるし何より一つ間違えば全て狂うな。最初にしてはまあまあだがこれからもしていくとなると流石に時間が掛かりすぎるな」
修理に掛かった時間を反省し士郎はDrロマンの元へ向かう。
「Drロマン頼まれてた修理終わったぞー」
「え、もう終わったの?僕でも一週間は掛かるのに」
「そうなのか?でも俺的には反省しないと駄目だな。時間が掛かりすぎたこういう大事なのは早く、そして時間を掛けずにやらないと」
「まるで職人だね士郎君は、でも、ありがとう君のお陰で藤丸君のサポートをもっと出来るようになる。君は自分の部屋で休んでくるといい」
「そうかならその言葉に甘えて休ませてもらうよ」
そう言って俺は部屋を後にした。自分の部屋に戻り時計を見ると
「え、こんな時間だったのか?そりゃあ疲れるし休めって言われるわけだ」
士郎が時計を見ると針は4時のしかも午後の所に来ており何より日付が修理を始めた日の二日後になっている。一日しかたっていないと思ったらどうやら二日たっていたらしい。時間には気を付けないといけないな。そう思いながら士郎は布団の中に入り眠りについた。それから一ヶ月後藤丸達は無事にオルレアンを攻略しカルデアに戻ってきた。清姫という新しいサーヴァントを連れて。士郎は藤丸に
「お疲れ様、部屋を綺麗にしといたからゆっくり休むといい」
そう言って士郎は自分の仕事に戻っていったのであった。
次回「新サーヴァント召喚?」
特にないですねこの時点までは、だってこれストックですしこれから先はpixiv投稿したら直ぐにこっちも投稿とはなりませんね(笑)