駆逐艦雪風の業務日誌   作:りふぃ

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遅くなってすいませんでした。


業務日誌設定資料

注)

 

駆逐艦雪風の業務日誌本編のネタバレが大量に含まれております。

でも先に知っている方が楽しめる部分もあるかもしれません。

ご使用は自己責任でお願いします。

 

 

 

・大雑把な歴史

 

ある日横須賀を始めとして、世界が立て続けに巨大な地震に襲われました。

その地震から10年後、深海棲艦が出現します。

彼女らによってシーレーンが破壊されてから、人間の間隔で数世代が経過しています。

20年程を一世代にするとして、既に100年以上は経過している感じでしょうか。

特に最初の10年、15年は人類やられっぱなしでした。

当時の最新兵器の数々は、深海棲艦に傷一つつけることは出来ませんでした。

深海棲艦は海域を支配し、泊地級の鬼や姫が固定基地を作成すると、人類は衛星を使う事が出来なくなりました。

おかしな妨害電波でもだしており、送受信不可能と言うことに。

人類は追い詰められ、モハヤコレマデか! と言う所で奇跡が起きました。

何処からとも無く現れた一隻の艦娘により、深海棲艦の一部が壊滅します。

さらにその艦娘の出現と同時期に妖精さんが世界各地に存在を確認されるようになります。

その艦娘と妖精によって、深海棲艦に対抗できる艦娘の存在が認知されていきました。

たった一隻で人類を救った艦娘。

彼女が現れてから一年後、世界で始めて妖精さん達の手による艦娘の艦隊が深海棲艦を撃破する事に成功します。

彼女はその勝利を見届ける直前に姿を消しました。

三笠という名を残して。

もう、何十年も前のお話です。

 

 

・世界観とルール

 

――大本営

 

陸海合わせた最高司令部です。

確保した海域に鎮守府を作ったり、資材を供給したり様々なお仕事をしています。

現状ぎりぎりで機能していますが、内部には派閥があり、これもぎりぎりのバランスで成り立っています。

現在では深海棲艦が出現してから数世代が経過し、戦況が一進一退ながらもやや膠着気味な為、保守派の勢力が徐々に力を増しつつあります。

この勢力は戦争を終わらせる事によって特需がなくなる事を嫌がっており、形だけの戦争状態が続くことを願っています。

一方主戦論を主張する派閥もあります。

主張内容の温度差は各派閥内でも様々です。

 

 

 

――鎮守府

 

取りまとめる提督と艦娘が生活する泊地です。

大本営からの深海棲艦討伐のノルマや、指名によって特殊な任務をこなす為に戦力を集めます。

 

 

 

――提督

 

才能のある人間が、専用の施設で訓練を積んだ後に任命されます。

才能とは艦娘や深海棲艦に関する、不可思議な要素を感じる事が出来るかどうかです。

ゲーム内で数値として見れる部分をフィーリングで把握する事が必要になります。

提督の中にもこの感覚の鋭敏、鈍感はぴんきりです。

本編のいもTのように才能があると知られている場合、それ以前の部署と地位にもよりますが、転属を希望すれば提督職に移籍出来る事もあります。

また、この才能は艦娘であればほぼ全員が所持しています。

 

 

 

――艦娘

 

この世界では四種資材と開発資材を妖精さんに委託して、艦娘を建造します。

どんな艦娘が生まれるかは資材のバランスと妖精さんの気まぐれ、そして何より運によります。

妖精さんはその腕によってある程度提督の希望を引き寄せやすく出来ますが、どんな妖精でも建造結果を自由には出来ません。

基本的には航空母艦、戦艦などの大型艦になればなるほど建造率は下がります。

この世界ではオール999建造でも駆逐艦が生まれる可能性があります。

また開発のみならず建造も失敗が存在します。

艦娘は種族艦娘であり、人間とは明確に別のものとして存在しています。

艦娘と人間が恋仲になるような例もありますが、男性の人間とつがいになっても艦娘に人間の子供は産めません。

しかしその一方で、月一の生理機能は存在します。

艦娘に男性個体がおらず繁殖の義務が無い現状、彼女らにとって同性愛という概念や禁忌の意識は余りありません。

また友情や愛情、姉妹愛や僚艦の信頼など、様々な好意の壁が薄いです。

 

 

 

――艦娘の固体差

 

この世界の艦娘は建造によって生み出されますが、その際の性能には固体差があります。

これは同一艦であっても同様です。

また、能力や錬度の成長限界が存在し、個々によってまちまちな成長期もあります。

例えば同じ羽黒さんでも、生まれたときから未改造の近代化改修済み級の強さを持った子(要するに日誌本編の羽黒)もいれば、原作の初期能力程の羽黒さんもいると言う事です。

そのまま改2級のステータスまで伸びていく羽黒さん(要するに以下略)がいれば、未改造の最大値程までしか伸びない羽黒さんもいるでしょう。

勿論他の艦でも同様です。

原作のように、同じ艦なら誰でも同じステータスに届き、誰でも錬度99に届くわけではありません。

とても不公平な世界になっています。

妖精さんの腕の見せ所であり、腕が良いとされている妖精の作は高い性能を持っている事が多いです。

多いですが……あくまで比較的であり、運の要素を完全に排除する事は出来ません。

また、艦娘として生まれる際には言語や様々な基礎知識を持ってきます。

同時にその艦の前世の記憶も持ってきますが、どれだけの事を覚えているかは、やはり個人差があります。

また記録が曖昧になっている部分については艦娘の記憶も曖昧になっており、どんな説を信じるかは個人によってまちまちです。

これも例として上げますと、比叡を沈めたのは自分だと心から信じている雪風がいれば、自分ではないと考えている雪風も存在します。

 

 

 

――開発資材

 

原作ゲームよりはるかに貴重な品になります。

艦娘の核になると言われている素材であり、人工的な生産に成功した例はありません。

また、兵器の開発に用いることも出来ますが、兵器開発はこの資材が無くても成功するときもあります。

妖精はあったほうが性能の良い装備を作りやすいと言い、実際のデータでも示していますが、艦娘自体の数が足らない現状では兵器開発に開発資材を回す余裕はないようです。

この資材がどのように生成されるのかは不明です。

深海棲艦を撃退して確保した海域で、艦娘達が稀に発見する事があります。

発見頻度は確保し続けている海域よりも、深海棲艦と戦って奪い返した直後の海域の方が多いと言われています。

開発資材は大本営が要求する撃破実績に加味する事が出来、討伐するよりも比重が重いです。

半期の決算は開発資材十個も献上すれば終わりますが、その様な大豊作を経験した提督は一人も居ないと言われています。

 

 

 

――四種資材

 

燃料、弾薬、鋼材、ボーキサイトの四種資材は世界的にみて比較的潤沢であり、現状ではおおよそ需要が満たされています。

ある意味で艦娘の総数が少なく、人手が足りていない現状を物語っている側面もあります。

鎮守府によっては艦娘が自前で四種資材を購入して工廠に装備の開発を委託する事も許されています。

いもTの所属する国では、大本営から鎮守府の規模と戦果に応じて四種資材が配給されます。

また大本営にコネさえあれば多目の資材を分捕る事も不可能ではありません。

それ以外でも各鎮守府は燃費の良い艦隊を組み、遠征によって物資の集積地から独自に資材を集めています。

この遠征で得られる各資材は原料であり、一度鎮守府等の専用設備のある所に持ち帰り、妖精さんによって精製されて初めて通常の使用が出来ます。

集積地の資材を艦娘が直接使う事は不可能ではありませんが、精製後の十分の一程の効率しかありません。

 

 

 

 

――固有スキル

 

この世界では多くの艦娘が固有スキルを持って生まれています。

但しこれも大幅な個人差があり、命中+1や回避+5などの目立ちにくいスキルも多く存在します。

また、本編の雪風や時雨の『記憶』のようにバッドステータスを起こすスキルもあります。

それら全てを含めたとき、何のスキルも持っていない艦娘は居ないと言っても良いでしょう。

原作と違い能力をデジタル化して確認するすべが無い関係上、固有スキルを認識して意識的に使っている艦娘は極々一部に限られます。

優れたスキルを持ちながらそれに気づかず、凡庸な性能に埋もれた艦娘も多く居る事でしょう。

スキルの発掘は艦娘にとって死活問題であり、直接戦闘から一歩引いた位置から俯瞰出来る司令官にとっては腕の見せ所と言えるかもしれません。

鎮守府のエースに君臨するような艦娘達は優れたスキルを持ち、その存在を認識して使いこなしているか、常時発動するスキルを持っている場合が多いです。

 

 

 

――艦娘戦力

 

世界各国に登録されている艦娘の数は凡そ二千隻程であり、うち半数は一国に集中しています。

このバランスは妖精の分布と、開発資材が発見される海域がその国の近くが多い為です。

その分守る担当の海域も、当然ながら広いですが。

戦艦、正規空母等の大型艦は、全体の一割程といわれています。

一つの鎮守府は凡そ二十隻から五十隻の艦娘を保有しています。

艦娘は鎮守府同士合意が取れれば移籍することも可能です。

よほど戦力のバランスを崩さない限りは大本営が口を出す事はなく、報告を入れれば追認してくれます。

バランスを崩すような移籍は、そもそも鎮守府同士で合意に至らないことが多いです。

また、大きな鎮守府が小さな鎮守府を相手に無理を通そうとした場合は大本営に直訴出来ます。

この様な時の対応に強い影響力を発揮するため、逆に合意済みの小規模な移籍は黙認されている現状です。

鎮守府としても黙認してくれている間が花ということは、殆どの提督が承知しています。

 

 

 

――深海棲艦戦力

 

各地の海で至る所に泊地級の鬼、または姫が基地を作っています。

また深海棲艦は新たに奪い取った海域にも基地を作ります。

しかし基地作りにはかなりの時間と多くの輸送艦の出入りが必要であり、防衛戦を強いられる彼女らから海を奪い返す事は決して不可能ではありません。

現状艦娘サイドは新たな泊地を作られる事をぎりぎりで阻止し続けています。

泊地級の鬼姫は災害指定の脅威とされ、鎮守府一つで如何にか出来る存在では無いとされています。

近代において深海棲艦の泊地に攻め入った場合、そのキルレシオは凡そ3/1=3.00程。

艦娘一隻に対して深海棲艦は三隻沈める戦果を持って勝利と認められています。

しかし泊地の艦隊を叩くだけでは陥落しない事、またあわよくば泊地その物を叩けたとしても完全に占拠し続けなければ深海側の妖精によって修復されてしまう事を考えると、一局地での勝利以上の結果をあげた提督はおりません。

泊地級の鬼姫達はそれぞれに性格や海域支配の熱意も異なり、人間サイドからは危険度の区分けが行われています。

主に脅威となるのは南北に位置する泊地級であり、高い危険度と戦力を持っています。

此処ではその一部をご紹介いたします。

 

飛行場姫

 

深海サイドからの識別名はリコリス。

人間サイドからの識別名は、南方連合トラック泊地の司令官が命名したマジキチ。

あり方を例えるならば、狂人。

不快な奇声で笑いながら周囲の全ての破壊を望みます。

最初期に誕生したと言われる泊地級の姫です。

発生当時は平均的な能力の姫級だったと言われていますが、当時は提督、艦娘共にその力と対策の情報があまりに少なすぎました。

当時の戦闘でリコリスは壊滅寸前まで破壊されましたが、代償に参戦した艦娘の四割がこの海で沈み、三割以上の鎮守府が戦力を維持できずに瓦解したと言われています。

自身が死滅寸前まで追い詰められた経験と、提督や艦娘の怨念を溜め込んだ飛行場姫は発生当時よりも遥かに強大な力を保有しています。

滑走路は島全体に拡張され、弱点である三式弾対策の為か、縦方向にも壁のように甲板を積み重ね、自身の防御としているようです。

今でも、島の施設が壊されるたびに瘡蓋を被せる様に修復しつつ島全体に侵食を続けていると言われています。

航空母艦には乗せることが出来ない高速戦闘機、長距離攻撃機、高々度爆撃機を用いる上、当人は時間への干渉能力すら持っていると言われています。

強大な力を有し、好戦的でもあるリコリスと彼女が率いる部隊は現在世界でもっとも明確な人類の脅威です。

南方戦線こそ人類と深海棲艦のフロントラインといわれています。

このマジキチの対応のためだけに近辺にラバウル、ショートランド、ブインと立て続けに鎮守府を建立した経緯があります。

 

 

北方棲姫

 

北方AL方面に発生した、比較的新しい天災指定級の姫になります。

深海サイドからの識別名はホッポ。

人間サイドからの識別名は復讐者。

発生当初、自分から外に攻勢を示さない北方棲姫は泊地級の中では比較的危険度が低いと言われていました。

しかしある時、この近海を通った輸送船のいる港が壊滅。

出発地点も到達地点もほぼ同時に襲われました。

北方棲姫の報復対象は戦闘行為のみならず海域侵犯も含まれており、しかも付近を通った船を一度見逃して根拠地ごと襲う為に危険度は上方修正されました。

過去に一度北方棲姫討伐の為に連合が組まれましたが、深海棲艦水上部隊の大艦隊に阻まれ、失敗しています。

その時の報復攻撃は艦娘のみに留まらず、その艦娘が所属していた鎮守府にまで個別に直接攻撃されています。

この執拗な報復攻撃は他の泊地級には見られない行為の為、人間サイドからは復讐者(リベンジャー)と呼ばれるようになりました。

こちらから手を出した時の被害は飛行場姫との戦闘すら上回る事、海域に踏み込まなければ襲ってこない事などを踏まえ、南の戦線を攻略するまでは放置が推奨されています。

しかし北方棲姫の守備範囲がかなりの広域に渡る事、足回りを故障した船が領海に流れ込んだだけでその泊地ごと報復対象にされる事から、早急な対応を求める声も聞かれます。

北方棲姫がどのような手段で敵艦の根拠地を特定しているかは不明です。

余談ですが業務日誌開始時の北方棲姫は深海妖精による修復中でした。

北方棲姫は兄Tの擬似突出による釣り出しと、カウンターに被せる小型艦の奇襲によって深刻な損傷を負っています。

現状北方棲姫の報復攻撃を唯一撃退した例ですが、その戦果は当時作戦に参加した艦娘と妹しか知りません。

 

また、本編に登場した先代戦艦棲姫、戦艦レ級の極秘資料は以下の通りです。

 

No??.先代戦艦棲姫

 

あふれんばかりの才能を持つが、伸ばす方向を盛大に間違えた努力の方向音痴。

空母に弾丸を届かせたいばかりに空間を捻じ曲げ、小型艦をなぎ払う為に落雷を生み出す様は最早水上艦の規格外。

多くの鎮守府から討伐目標にされていたが、圧倒的な装甲と理不尽な大火力によってその全てを返り討ちにしてきた。

陸上基地系の鬼姫達と同様の天災指定。

現在は代替わりしている事が確認されているが、原因は今のところ不明とされている。

 

 

・空間把握

 

機能1.認識できる範囲の物体の距離や速度を正確に把握する事が出来ます。

機能2.砲撃時、弾丸の飛距離を殆どそのまま命中射程にしてしまえます。

機能3.砲撃時、命中に+5の補正が掛かります

機能4.電探や水上機との併用で更に精度が上がります

 

・精密操作

 

機能1.艤装の硬い腕部分の操作技術に優れています。

機能2.回避判定を放棄し、装甲値100%~150%の間のみでダメージを算出出来ます。

 

・弾丸転送射撃

 

機能1.自分の直上、500㍍付近に黒点『あ号』を作成します。

機能2.対象の直上、500㍍付近に黒点『ゐ号』を作成します。

機能3.黒点あ号を通過した戦艦棲姫の砲弾は、黒点ゐ号から真下に降り注ぎます。

機能4.黒点あ号、またはゐ号に艦娘の砲撃、または爆撃が直撃した際、火力120以上であれば黒点を破壊する事が出来ます。

機能5.このスキルは初見属性を持ち、予備知識の無い相手に使った場合命中に大幅な上方修正が入ります。

機能6.夜戦時に黒点の視認はほぼ不可能であり、狙われた対象は回避に下方修正をうけます。

機能7.黒点ゐ号は姫の装備する電探の効果範囲(約250㌔)ならば何処でも作成出来ます。

機能8.対象が50000㍍以内に居る場合、命中関連のペナルティは受けません。

機能9.対象が50000㍍以上離れている場合、電探の反応のみで相手の頭上に黒点ゐ号を作成し、砲撃時の命中が-5されます。

 

・弾丸相殺射撃

 

機能1.対象の命中判定と自分の命中判定を比べ、勝てば砲撃を中空で撃ち落とします。

機能2.このスキルは自分の艦砲射程の中を対象の弾丸が横切る時にのみ使えます。

機能3.このスキルは陸上基地タイプの味方への攻撃もカット出来ます。

機能4.スキル使用時、砲撃フェイズ一巡目の場合は砲撃順が一番最後に、二順目の場合は砲撃の機会を失います。

 

・渦潮作成

 

機能1.最早天災の領域です。巨大な渦を作成します。

機能2.敵と自分の間に自作した渦を挟む場合、雷装値を無効化します。

機能3.渦の側面を駆け抜ける際、最大速度に凡そ10ノットの上方修正がかかります。

機能4.機能3の距離、また潮に乗って加速出来る方向は限定的です。

 

・赤口

 

機能1.最早天災の領域です。指向性を持った天雷を操ります。

機能2.黒点あ号、及びゐ号を使用し、弾丸転送射撃との併用は出来ません。

機能3.スキル使用時、使用者の耐久最大値から一割のダメージを負います。但し耐久1以下にはなりません。

機能4.火力値100を基準とし、機能3で減少した耐久値分を上乗せします。

機能5.このスキルは陣形、及び接敵状態による火力増減を受け付けません。

機能6.このスキルは初見属性を持ち、予備知識の無い相手に使った場合命中に大幅な上方修正が入ります。

機能7.黒点ゐ号を起点に任意の方向、約5000㍍をスライドし、間にいる対象全てに巻き込み判定を行います。

 

 

 

No??.少女

 

先代戦艦棲姫によって見出された深海の天才。

倦戦気質で面倒臭がりだが、自分の価値観から判断する好き嫌いには非常に忠実である。

基本引き篭もりであり、今までどの鎮守府にも存在が確認されていなかった。

後に戦艦レ級と呼ばれ、鬼姫種とは明確に区別される。

 

 

・才能

 

機能1.艤装のみならず、本体の性能も規格外です。

機能2.認識した戦闘スキルを把握し、大まかに自分のものにします。

機能3.コピーしたスキルを使う場合は行使判定で達成値に-2の補正を受けます。

機能4.スキルをコピーする為には成功判定が存在します。

機能5.成功判定は伝聞で-6、海戦の別戦場で-3、直接戦闘の相手から-1の補正を受け、それが砲撃関連のスキルの場合は+2の補正が掛かります。

 

・技師

 

機能1.戦艦の姫が驚愕した器用さの主原因です。

機能2.一部の特殊な艤装を除いたあらゆる兵器を使いこなします。

機能3.一部艤装を開発、または改修して作りこんでいくことが出来ます。

 

・飛び魚艦爆

 

機能1.自作の艦載機です。

機能2.小型の軽量で小回りが利く上に馬力があるので重いものも運べます。対空、爆撃の両用に高い性能を発揮します。

機能3.対潜攻撃に参加できます。

機能4.この艦載機は水上機です。

 

・多弾頭烏賊魚雷弾

 

機能1.自作の小型魚雷搭載弾です。

機能2.弾丸一つに付き五本の魚雷を搭載出来、16inch三連装砲によって最大15射線の雷撃を行えます。

機能3.弾丸の飛距離は20000㍍程であり、魚雷の泳ぐ距離は5000程です。

機能4.この雷撃は開幕雷撃フェイズに参加できます。

機能5.この雷撃は砲戦後雷撃フェイズに参加できます。

機能6.夜戦時にこの弾丸を直当てする事でダメージに最大45の確定ダメージが入ります。

機能7.夜戦時に雷装値が火力に乗る事はありません。

機能8.このスキル(艤装)は初見属性を持ち、予備知識の無い相手に対して命中に大幅な上方修正がかかります。

 

・防衛機構

 

機能1.多様な艤装を搭載したため、異常なまでに複雑化した防御区画を作りこんでいます。

機能2.このスキルは被クリティカル時に一定確立で発動します。

機能3.次の自分の砲、雷撃フェイズを一手番放棄し、内部機構のダメージコントロールを行います。

機能4.このスキルを発動させた被クリティカルダメージを50%カットします。

 

 

 

――錬度

 

この世界で艦娘は、かつての記憶を経験値として持って建造されます。

そのため、建造当初でもレベル1で生まれてくる事は殆どの場合ありません。

但し、全ての艦娘が同じように高い錬度に至れるとは限りません。

また、早熟の艦娘もいれば晩成の艦娘も居ます。

錬度の向上に比べて能力が伸びやすい、逆に伸びにくい艦娘もいるでしょう。

これら、生まれ持った才能は建造する妖精の腕と、何よりも運に左右されると言われています。

艦娘をどのような戦場に送り出し、どのような経験を積ませるか。

それは鎮守府司令官の運用能力が問われる事でしょう。

一概には言えませんが、元の値からどれだけ成長出来るかはある程度データが取れており、元から強かった艦娘はその上にも比較的至りやすいといわれています。

初期値が低かった艦娘は元から強かった艦の最終能力値や錬度には届かない事が多いですが、中には沈む間際まで伸び続けた艦や、改装で機種を変えて向上を続けた艦の例もあります。

凡その目安と、日誌本編のいもT鎮守府所属艦の現状最終値、及び一部エクストラ艦娘の錬度は以下のとおりです。

 

・Lv.1~40

建造されたばかりの艦娘の殆どがこの中に含まれます。

いわゆる新人時代であり、この領域を卒業するまでに凡そ半数の艦娘は沈むと言われています。

いもT鎮守府に所属する艦娘のうち、此処に該当する艦娘はおりません。

 

――

 

・Lv.40~60

鎮守府内において何れかの艦隊に所属し、任務を受けるレベルです。

鎮守府の規模と艦種にもよりますが、此処での上位者は戦闘部隊である第一艦隊に所属する艦娘もいるでしょう。

いもT鎮守府に所属する艦娘では山城、赤城、大和がこの錬度に該当します。

 

――

 

・Lv.60~70

中堅以上の鎮守府では第一艦隊を構成する艦娘が多く含まれる錬度です。

また、規模の小さい鎮守府では第一艦隊旗艦、兼秘書艦を勤める艦娘がいる事もあります。

一線級と呼ばれる艦娘達の錬度と言えるでしょう。

いもT鎮守府に所属する艦娘では羽黒、夕立、足柄、矢矧がこの錬度に該当します。

また、他所では陸奥、古鷹、加古がこの錬度に該当します。

 

――

 

・Lv.70~80

鎮守府の中でも精強と言われている所では、この錬度に至った艦娘が2~3隻は居ると言われています。

第一艦隊の構成要員や、旗艦、秘書艦を勤めている場合が殆どです。

この領域の艦娘を保有する事は、提督の育成手腕や運営手腕が優れている事の証明であると認識されています。

いもT鎮守府に所属する艦娘では、島風がこの錬度に該当します。

また、他所では長門、金剛がこの錬度に該当します。

 

――

 

・Lv.80~90

上記のLv70~80の艦娘達の中で、長期に渡って第一艦隊構成員を勤め続けるような艦娘は、極稀にこの領域に至っている場合があります。

艦娘として恵まれた才能と、多くの糧となる実戦経験。

その上で決して沈まず生還し続ける運を備えた、一握りの艦娘が足を踏み入れる世界です。

この領域の艦娘が一隻居なくなる事は、新人艦娘百隻に匹敵する損失になると言われています。

艦娘を此処まで育てる為には、司令官もそれ相応の育成管理能力を求められるでしょう。

いもT鎮守府に所属する艦娘では雪風、時雨、五十鈴がこの錬度に該当します。

また他所では比叡、翔鶴がこの錬度に該当します。

比叡、翔鶴の極秘資料は以下の通りです。

 

 

No??.金剛型巡洋戦艦比叡

 

長門達の鎮守府では初めて建造された戦艦。

人間不信、シスコン、自傷癖の三重苦。

実は鎮守府の中で最高錬度の艦娘である。

 

 

・超感覚

 

機能1.常人には見えるはずの無いものを見、聞けるはずの無いものを聞き、知覚出来るはずの無いものを感じる事が出来ます。

機能2.対峙するものの虚実を把握してしまいます。

機能3.砲戦時、自身の回避能力が上昇します。

機能4.機能3の効果は味方艦艇が少ないほど大きくなります。

機能5.コンディション値に常時、-5の補正が掛かります。

機能6.機能5の効果は味方艦艇の人数によって二重まで重複します。ただし、金剛型姉妹の場合に限り疲労の重複は起こりません。

 

・神託

 

機能1.神、またはそれに類する妖しの声を聞き取れます。

機能2.このスキルは超感覚の無いものには効果がありません。

機能3.世界に起こる出来事のうち、知りえる筈の無いものを知覚する事があります。

機能4.砲戦時回避能力が上昇し、またカスダメも無効化します。

機能5.砲撃時の命中判定に大幅な上方修正がかかります。

機能6.敵のスキル使用時、判定に成功すると初見属性を打ち消します。

 

 

 

 

No??.翔鶴型航空母艦翔鶴

 

雪風達の鎮守府の隣に越してきた司令官の相棒。

驚異的な錬度と爆発力を誇る。

一航戦潰し、または一航戦嫌いの悪名を持つ。

 

 

・不屈

 

機能1.どんなに不利な戦況でも諦めず、思考を戦闘行為に回せます。

機能2.中、大破。または同判定時に火力値、回避値が上昇します。

機能3.上昇値は耐久の最大値から現在の値を引いた差分になります。

 

・逆境慣れ

 

機能1.戦場の危地に慣れています。

機能2.中、大破。または同判定時に命中精度が下がりません。

 

・PDC

 

機能1.被弾する事に慣れきったモノの境地です。

機能2.回避失敗時、被弾箇所をほぼ完全に制御出来ます。

機能3.中、大破時も飛行甲板を守り抜き、艦載機の発艦が可能です。

機能4.戦闘時何度でも使用可能ですが、一度使うと戦闘終了時にコンディション値が5下がります。

機能5.機能4の効果は累積しません。

機能6.このスキルを使用して受けた損傷は入渠時間が長引きます。バケツ使用時は影響がありません。

 

・焦燥

 

機能1.言い知れぬ焦りを抱えています。

機能2.接敵した相手に対する命中が上がります。

機能3.艦隊のどの位置にいても敵勢に対する先頭に立とうとします。

機能4.旗艦時、翔鶴を庇った僚艦の回避が減少し、被ダメが最大二倍になります。

機能5.僚艦時、全ての味方に対して庇う判定を行います。

機能6.前世において翔鶴より先に第一航空戦隊に所属し、さらに今世で翔鶴を倒した者の麾下にある場合に限り、上記全ての機能が作用しません。

 

――

 

・Lv.90↑

当代に冠絶する英雄となりうる領域です。

時代によっては一隻も存在しません。

いもT鎮守府に所属する艦娘では加賀がこの錬度に該当します。

本編には登場していませんが、南方連合トラック泊地に三隻、西のブルネイ泊地に一隻、此処に至った艦娘が居る……かもしれません。

 

 

 

・キャラクター

 

第一艦隊

 

――大和

 

鎮守府の代名詞であり表の看板。

錬度は発展途上だが、大和型の艤装は多少の錬度差をものともせずに覆す。

建造当初の錬度は十五相当。

基本臆病で人見知りな性格であり、開き直るまで煮え切らない。

やや依存的であり、司令官には最初に突き放された為に庇ってくれた雪風に懐く事になる。

自分自身でも全貌を把握出来ないほどに底知れない憎悪の火種を抱えている。

最早何が憎いのか、自身でも分からなくなっている。

自分の憎悪に気づく前に雪風への思慕を持てたのは、彼女にとって幸運だった。

補給艦娘に匹敵する料理の腕とレパートリーを誇るが、当人は普段燃料しか口にしていない。

禁欲ではなく、自分ひとりの生命維持に手間をかけるという発想が無い。

好意を持った相手に尽くすことが大好き。

二十一話終了後、南方連合との交換研修で妹の武蔵と出会っている。

 

――赤城

 

嘗て世界最強と謳われた第一航空艦隊所属、一航戦の旗艦。

建造当初の錬度は二十相当。

現世の生みの親であるベネットのお遊びで一部装甲が強化されているが、地味なところで耐久も相応の上乗せが成されている。

実は装甲空母並みの装甲に加え加賀並みの耐久を備えるが、当人が気づいていない。

任務至上主義の戦闘狂だが、敗北の記憶と戦艦達に対する罪悪感も持っている。

自分の旗艦として大和がある限りにおいて、心身両面を支える姉であろうと決めていた。

反面加賀に対する独占欲と甘えからくる容赦の無さは過激な程。

この点では加賀も似たようなものなのでお互い様だが。

 

――足柄

 

繊細で緻密な感情の機微を読み解きながら、豪放な性格で受け止めてくれるバランサー。

建造当初の錬度は三十相当

大和と赤城の心の距離を見ながら五十鈴と友好を持っていた。

身内に対しては自己評価程ドライな対応が出来ない。

羽黒の上司としての雪風を認めているが、その内面に抱えたモノが羽黒を不幸にする可能性には気づいている。

妹の思慕を応援するか、全力で阻止するか迷っているうちに雪風が結論を出してしまった。

羽黒と違い、自ら攻め入って叩き伏せる海戦を非常に好む。

旗艦としてまとめる事も出来るが、何も考えずに砲撃戦がしたい人。

 

――五十鈴

 

艦隊決戦、対空戦闘、対潜戦闘等々、あらゆる分野を得意以上の水準でこなせるオールラウンダー。

建造当初の錬度は三十相当。

感情を持て余す大和や、それをいたわる赤城の甘さを冷めた目で見ている部分があった。

五十鈴自身の意識は艦時代の影響が強く、足柄との交わりで少しずつ人に近い心を持った艦娘になっていった。

夕立との模擬戦を経て水雷屋としての野望と艦娘としての性能に覚醒。

いずれ第三艦隊から矢矧を自分の後任にあて、自分は第二艦隊の鬼畜艦トリオを取り込み、最強の水雷戦隊を作ってみたいと考えていた。

 

 

第二艦隊

 

――雪風

 

いもT鎮守府時代の最初の艦娘。

鎮守府名物鬼畜艦トリオの一角であり、面倒事(旗艦業務)担当。

司令官は最低資材で建造されたと思っているが、現場の妖精によって盛られていた。

建造当初の錬度は六十相当。

後方勤務畑のいもTにとって、前線の指揮と全体の行動方針を提案出来る雪風を最初に得られたのは幸運だった。

立場の向上による権限の強化と責任の増大を面倒と感じるタイプ。

出来れば今すぐにでも優秀な軽巡洋艦の下で水雷屋をやりたいと思っている。

自己評価を書かせれば得意な事は『無し』と書く。

当人の認識としては旗艦業務も苦手。

だがそれにも増して護衛任務に強い苦手意識を持っており、出来れば二度とやりたくない。

嘗ての戦いの中で沈んだ仲間達に対してはある程度振り切っているが、改めて思い出したい記憶ではない。

自分自身の手で砲、雷撃処分した、若しくはしたかもしれない艦達に対する罪悪感は非常に強い。

反面、敵に沈められた味方に対しては冷淡。

あたる場所に突っ立っていた方に責任がある。

基本誰も信頼せず、心を預けるような相手を持つつもりも無かった。

今は多くの仲間に支えられ、そんな自分に嫌悪感を持って変えようとしている。

大和と羽黒に大切に思われておきながら、自分の一番大切な気持ちが分からない現状に長い間苦しんでいた。

 

――島風

 

雪風が拾ったウサギちゃん。

鎮守府名物鬼畜艦トリオの一角であり、回避盾担当。

実はいもTの先任者が最初に建造した艦娘でもある。

いもT鎮守府着任当初の錬度は六十相当。

自分の性格が集団に向かないことを自覚しており、先任の時代からやや周囲との距離があった。

誰よりも早く海を駆ける事が出来ればそれで幸せな子。

任務には非常に忠実であり、旗艦として従わせる事も旗艦に従う事も出来る。

やりがいは感じていても楽しいとは感じ無い艦隊行動に従事する日々を送っていたが、ある事件をきっかけに周囲の感情を理解しようと考えるようになる。

そうして努力した結果、周囲に合わせる煩わしさを再認識するに至った。

更に紆余曲折を経た挙句、現在では性能以外の面では自分より強い雪風を相棒と認め、やっと楽に付き合って行ける仲間を手に入れた。

 

――夕立

 

鎮守府名物鬼畜艦トリオの一角であり、火力担当。

その一撃は戦艦山城が涙目になる程。

建造当初の錬度は二十相当。

ベネットが進水前にかなり手を入れた艦娘であり、艦娘夕立の性質をよく知る彼が、初期錬度を出来るだけ『低く』作ろうとした艦娘である。

そのため、前世の自分が沈む二十日前後の記憶がかなり曖昧になっていた。

現在は錬度の向上と共に少しずつ無くした記憶を取り戻している。

記憶が戻ると共に歪みも抱えるようになった。

嘗て秋月の指示で由良を沈めたように、適うなら秋月に瑞鶴か翔鶴を沈めさせて見たいと思っている。

自分の望みが狂っているという自覚は無い。

夕立は自分がどんな顔をして由良を沈めたのかが知りたいだけであり、その鏡にするなら秋月しかいないと思っている。

秋月に対して個人的に思うものは一切ない。

自分の司令官や仲間達には忠実であり、なつっこい。

誰かを嫌うようなことは少ないが、時雨の底知れなさを不気味には思っている。

雪風指揮下で行動する時、スキルの相乗効果は非常に強力。

 

――羽黒

 

当人を除く第二艦隊全員が満場一致で認める天使。

鬼畜艦トリオの陰に隠れがちで目立たないが、第二艦隊唯一の重巡洋艦にして最大戦力でもある。

雪風達のうち誰が抜けてもその穴を埋められるオールラウンダー。

建造当初の錬度は四十相当。

内向的な性格だが芯は強く、危地にあっても崩れないため土壇場に強い。

開き直った時の戦闘能力は同型の姉である足柄すら上回る。

雪風がいるときは温和な二番目として支え、不在の時は代理として第二艦隊を指揮することが多い。

艦隊旗艦としての能力は並だが僚艦からの支持は厚く、協力体制が非常に強固。

雪風が前世と今生を通じて初の大破を経験する原因となった艦娘であり、それがきっかけで雪風を意識するようになる。

大和の気持ちを知るが故に想いは内に秘めていたが、ふとしたきっかけで雪風に伝わっていた。

 

 

第三艦隊

 

――時雨

 

嘗て雪風と並び賞された武勲艦。

僚艦の矢矧、山城の自爆によって第三艦隊旗艦に任命される。

建造当初の錬度は五十相当。

前世で自分を拾ってくれた山城を崇拝しており、彼女の幸せを第一に考えている。

反面、自分自身の手によって幸せにするという発想は欠片も持っていない。

やりたくないのではなく、出来ると思っていない。

強姦まがいの手段で山城を拘束しようとするのは、全て大切な人を戦場に出したくないという極真っ当な感性によるものだったりする。

同じ白露型である夕立の歪みには気づいているが、同艦隊に来ない限りは手も口も出すつもりが無い。

むしろ夕立の思うとおりにさせて見ても良いのではないかと思っている。

何事にも前向きであり、土壇場に強い白露に対しては唯一の姉という以上の尊敬を向けている。

自分の損傷に関しては命に関わるレベルで無関心だが、それを表に出す事は山城の気苦労を増やす為自重もしている。

自重して、やっとあの有様である。

 

――山城

 

第三艦隊の切り札。

建造当初の錬度は三十相当にして、初期から航空戦艦として改造を受けた。

不幸が口癖の根暗美女。

現世でははじめから時雨が寄り添ってくれた為、本気でどん底には嵌っていない。

扶桑姉様至上主義。

実は家事万能で女子力が高いとは時雨談。

時雨の過激な発想と行為に戸惑うこともあるが、根本的な部分で自分を傷つける事は絶対に無いと信じきっている。

徐々に時雨の真意を理解するにつれ、その根本にある自傷的な投げやりさを何とかしたいと考えるようになった。

低血圧で朝に弱く、僚艦の矢矧に起こされる事がある。

 

――矢矧

 

別の鎮守府から移籍してきた軽巡洋艦。

大和や雪風といった坊ノ岬組みと戦いたいとの思いから移籍を決意。

艦娘としての生活は年単位で過ごしており、現世での戦闘経験は豊富。

着任当初の錬度は五十相当。

前世の自分は活躍出来なかったと考え、今世での戦果を強く望む傾向がある。

その為、やや前のめりになりすぎて周囲が見えなくなる事がある。

また、土壇場で自分に自信が無い。

現世で自分の姉妹に会ったことがない。

阿賀野を介護する能代の噂だけは聞いているが、私生活にだらしない阿賀野の噂をまるっきり信じていない。

 

 

鎮守府

 

――加賀

 

ブラック鎮守府に生まれ、過酷な環境で生き抜いた航空母艦。

あまりに短いサイクルで出撃を繰り返していた為、慢性化した疲労が休息でも抜けきらなくなっていた。

其の状態で尚酷使され続けた結果、多くの艦娘達がぶつかる限界の壁をいつの間にか越えていた。

いもT鎮守府に着任当初の錬度は九十相当。

高錬度であり、しかも強力な空母の艤装を使う為、戦闘能力は非常に高い。

メンタルは決して特別なモノはなく、感情の触れ幅に対応出来ない時はよく吐く。

辛い時は他人の手を借りるよりも自分がもっと頑張れば良いと思っている。

頑張れない、出来ないのは自分が悪いと考えており、自分の中に抱え込む悪癖がある。

やや悪い方面で完璧主義だが、他人に対してそれを求めたり、強制することは無い為軋轢が起こることは少ない。

反面、身内と認めた存在には容赦も遠慮も無い。

赤城曰く、無自覚なドS。瑞鶴曰く、鬼畜チビ。翔鶴(調教済み)曰く、お姉様。

赤城の姉、天城の身体を使って改造された自分の身体には強い違和感がある。

艦娘加賀が持つ初期知識で天城と自分の顔が似ていることを知っている。

赤城を型の繋がらない妹として愛しているが、其の感情の出所が自分自身か、自分の中の天城なのか分からなくなる事がある。

戦闘空母へと改造を受け、航空母艦以前の自分に近づいた事でやっと自意識が安定した。

 

――いもT

 

本名 楠瀬 茜

両親と兄の四人家族だったが、現在兄は行方不明。

大本営では順調な出世街道を歩んでいたが、兄の蒸発と共に自らドロップアウトした。

鎮守府司令官としての素質は兄と共に知られていた。

金勘定と補給計画立案、運用が非常に得意。

大本営で彼女の後任が次々と辞任する事態が起こり、現在では彼女の穴に三人の職員を当てて対応している程。

幼少時代から一部を除いて様々な面で優秀だったが、身近にいた兄が化け物じみた天才であった為、日陰の道を歩むことになった。

兄の存在が煩わしくもあったが、自分を一番買っていたのが兄である事も知っていた。

父親の名は翔。

彼は大本営勤務の将官であり、いもTが無茶する時に毟られるのはたいていこの男。

父親は娘の幼少時代に息子の才能に目がくらんで贔屓した自覚があり、現在では罪悪感を持っている。

母親の名前は黒子。

彼女は豪商の一族であり、当人もやり手。

一家のヒエラルキーのトップはこのママン。

いもTは自他共に認める母親似。

長期に渡って本名不詳だったのは作者が全く考えていなかった為。

其のせいで少し困る事もままあった。

この設定資料公開が遅れた原因の一つ。

楠瀬(くすのせ)とは作者の所属する宿毛サーバーの元。

宿毛湾のある高知県から発した苗字。

名前は適当。

 

――兄T

 

本名 楠瀬 琢磨

軍艦と大戦艦巨砲主義が大好きな子供がそのまま大人になったような男。

イケ面の上性格も良いため昔からよくモテた。

……が、すぐに隣の女より軍艦が好き(超重度)だと気づかれる為、妹の幼馴染を除いて長続きしたことが無い。

礼儀作法のTPOを外す事は無かったが、組織の目上にへつらったりおもねったり出来ない性格。

当人はどれだけ上に睨まれようと提督業が出来れば良かった。

僻地に飛ばされたものの、そこで空前の大戦果を上げてしまう。

上層部としては忌々しく機会があれば排除したかったが、父親が大本営内に一定の派閥を持つ上に若手の妹一派まであったため、強硬手段には出られなかった。

軍艦の魂と記憶を持った艦娘達へはある種の崇拝に近い感情を持って接している。

相対的には十分に優秀だったいもTを自信喪失させる程の天才。

その能力は雪風といもTの得意分野を足し算して二で割らない……より尚高い。

工廠部部長とは魂の兄弟。

よく二人でロマンを追い求めた研究と題した無駄遣いが行われており、霞に尻を蹴飛ばされていた。

海上で敵勢力に襲われ、行方不明となる。

 

――ベネット部長

 

兄T時代から鎮守府の統括妖精を勤めていた大妖精。

兄Tと意気投合し、育んだ絆はソウルブラザーの領域である。

本編開始前からいもTの存在を知っており、兄T失踪後も鎮守府に残り彼女を待っていた。

現場の要求よりも自身の発想や閃きを優先する傾向が強い。

楽しいこと、やりたいことが仕事に優先されるのは彼に限らず、多くの妖精に共通する悪癖である。

いもTや艦娘達からすれば困り者だが、皮肉なことに腕は良い。

既存の兵器開発や艦娘建造の技術は言うに及ばず、新たな艤装を作り出したり、艦娘に独自の改造を施せるほどである。

変態が技術を持ってしまったとはいもT談。

基本自分が作った艦娘に対しては強い愛着がある。

 

 

 

・エンディング。

 

あくまで私が自分なりに艦これの世界観を解釈して、明示されていない設定を捏造した上でシナリオを作っていくとすればになります。

私の妄想と、これまでのようにTRPGのセッションシナリオっぽく考えていくとすればこんな感じのルートが用意してありましたというご紹介です。

また、エンドは決まっても其処にいたる道筋はまるっきり未定です。

以下の条件はあくまでガイドラインであり、艦娘達がこっちの想定を超えた裏道を見つければその限りではありません。

SSとか書いてると、キャラが勝手に動くこが結構あるんで……

 

 

――トゥルーエンドルート

 

条件1.戦艦大和の????が初期段階である事。

条件2.世界の海に散った三笠の欠片を集め、艦娘三笠を呼び出す事。

条件3.先代戦艦棲姫の角を雪風の手でレ級に返す事。

 

大体この辺りを守っていけば登場人物が皆さん、ある程度幸せになれるエンディングに行き着くと思います。

三笠の欠片を手に入れる為には潜水艦が必要になります。

一つはいもT鎮守府近海、正面の危険域に沈んでいます。

ノーマル、バッドルート程味方艦艇の強化が入らない為、道中は非常に苦しい道のりになるでしょう。

勿論エンディングまでたどり着けずに詰む事もありえます。

ラストバトルは艦娘三笠の予定です。

三笠の口から深海棲艦と艦娘、また妖精の正体も明かされるでしょう。

この時大和の????が初期か第二かで得られる情報が変わります。

主要構成メンバー全員に生存の可能性があり、深海棲艦無限増殖も止めることが出来ます。

条件3は未達成でもこのエンドに入れますが、レ級との決戦回避がほぼ不可能になります。

そしてレ級が沈んでいる場合、ある艦娘の生存ルートが非常に厳しいものになるでしょう。

 

 

――ノーマルエンドルート

 

条件1.戦艦大和の????が第二段階に移行している事。

条件2.大和の侵攻深度が進んでいる状態で姫級の深海棲艦を五種類以上沈める事。

条件3.先代戦艦棲姫の角を雪風の手でレ級に返す事。

 

力押しでいけるルートです。

このルートだと三笠と深海棲艦の関連が殆ど出てきません。

大和は????の第二段階でソウルクラッシュのスキルを習得します

その状態で鬼、若しくは姫を沈めた場合に転生を失敗させることが出来るようになります。

また????第二段階の大和は各能力の強化も著しい為、道中は非常に楽になると思われます。

姫種を五種類滅ぼした時、どんな状況で在ろうと大和の侵攻深度は三段階に入ります。

この状態になりますと、最終決戦の相手は三笠から大和に移ります。

この大和を倒せば、深海棲艦の無限増殖を止めることが出来ます。

最終決戦に雪風が向かい、勝利した場合に限り状態瀕死で大和も正気に戻せます。

大和を回収し、急いで入渠施設まで引き返せれば全員生存もありえます。

 

 

――バッドエンドルート

 

条件1.戦艦大和の????が第二段階に移行している事。

条件2.大和の侵攻深度が進んでいる状態で姫級の深海棲艦を五種類以上沈める事。

条件3.先代戦艦棲姫の角をレ級に返していない事。

 

凡そノーマルルートと同じですが、全員生存の可能性が限りなく低いルートになります。

先代戦艦棲姫の角を開発素材にして兵器開発を行った場合、非常に強力な艤装を作ることが出来ます。

大和専用装備であり、装備条件は????の第二段階以降です。

セッションシナリオと言うよりは、むしろ作業のように姫種の元に赴き、沈める事になるでしょう。

それ程道中が楽になります。

このシナリオだといくつかあるポイントの中で戦艦レ級と必ず戦うことになります。

レ級の説得は難しく、沈めた場合は芋づる式にある艦娘の懐柔も困難になるでしょう。

深海棲艦無限増殖阻止の条件戦闘は戦艦大和であり、ノーマルルートと変わりません。

雪風が戦えば正気に戻せる点も同じです。

しかし大和戦後の脱出路で、ある艦娘とのラストバトルが発生します。

その場合、瀕死の大和の入渠が間に合う可能性はほぼありません。

最終戦は該当する艦娘を事前に沈めておくことで回避する事もできます。

 

 

 





後書き

どーも恐縮です。りふぃです。
一言……は、いいか。
大変お待たせいたしました。
駆逐艦雪風の業務日誌、設定資料集をお届けします。
日誌本編の最終話で出すよと言いつつ、既に年度が変わろうとしていますね……
申し訳ない。
正直、脳内にはほぼこの世界の仕組みを作りきっている心算だったので後は出力するだけと甘く見ておりました。
物語を作るわけでもなくただ設定を羅列するだけなんざ楽勝だって……
ちっとも楽じゃなかったorz
正直、これで全ての設定と言うわけではありませんし最初から全部を書き出そうとも思っておりませんでした。
でも此処を書いたらこれも出しておかないと……という芋づる式の設定が結構ありまして、当初の予定の倍近い量になっております。
一番手が止まったのはいもTのフルネームです。
自分はドラクエやTRPGの名前決めには最低半日使う子なのですが、今回は本当にやばかったですね……
あ、あとこの設定資料は後日予告も告知も無く弄ることがあるかもしれませんw
設定は生えるものという事でご了承ください。

リアル提督業では無事に冬イベを全ステージ甲突破いたしました。
新キャラである戦艦水鬼!
惚れました。
ビジュアル見て涎が出そうでした……片角で戦艦棲姫の上位互換か……いいなぁ……
そして最後はやはり雪風がきっちり沈めてくれました。
最後何回かかったかな……もう海色は深海棲艦サイドの処刑用BGMにしか聞こえませんorz
そして菱餅もしっかり十個集めましたよ!
熟練見張員とか是非雪風に積みたかったのでイベントの残り資材つぎ込んで頑張りました。
そしてこのタイミングで武蔵発見と建造率アップ!
……運営さん資材貯めさせる心算ないですよね?
とりあえず回してみましたが、燃料と弾薬が無くなるまでやっても武蔵さんはでませんでした……
燃料と弾薬が8万超えた所で其処を切らないようにまた大型やりたいですね。

こんな所かなー。
今後の予定も何も白紙なんですが、ぽつりぽつりと短編を書いていきたいかなって思っています。
長編は疲れただぁ……
ただ、出して上げられなかったでっちーや霞も何かで書けたらなって思います。
一応彼女らの設定は決まってるんですけどね……出力しきれませんでした。
それでは、また何かの後書きでお会いできる事を楽しみに……ひとまず締めさせていただきたいと思います。
どうもありがとうございました。

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