姫
雪風は負傷により予備役へ編入され、第二艦隊の旗艦は重巡洋艦羽黒へと移っていた。
演習の翌日には羽黒率いる第二艦隊と時雨率いる第三艦隊は、それぞれの目的の為に例の鎮守府跡に赴いている。
羽黒達は集めた資材を運び込むため。
時雨達は大和を送るため。
そして演習から九日目の昨日、無事大和を送り届けた時雨達が工廠部部長を連れて帰還した。
部長は到着と同時に司令官の依頼を受け、雪風の艤装と本体のメンテナンス、及び演習の映像記録を検証する事となった。
当事者の一方である雪風は部長の帰還まで海に出ることも許されなかった為、もっぱら秘書艦加賀の更に秘書のような位置に納まり、お茶汲みとコピー取りに追われていた。
心底嫌いな事務仕事に辟易していた雪風は、コレで解放されると工廠部部長に泣きついたのは愛嬌である。
部長率いる居残り組み妖精による、丸一日の総点検。
翌日の朝、呼び出された雪風は部長の診断を聞いていた。
「雪ちゃんの弄っていた艤装に問題はねぇ。正直、うちの新米妖精じゃぁ相手にもならねぇ位良いメンテしてあったぜ」
「まぁ、あれに命預けていますので」
「良い心がけだ。夕だっちゃんのも含めりゃ十点以上の兵装の整備が完璧……にも拘らず、一番良く使う10㌢連装高角砲だけしくじったってのは、可能性ゼロとは言わねぇが考えにくいわな」
「むぅ」
「実際演習の中でもバカスカ撃ちまくって問題なかっただろ。時雨ちゃんとの同航戦の映像も見たが、整備不良の状態だったら先ずあの連射に耐えられねぇって」
雪風は診断書を渡されたものの、平仮名か台湾語で書けと部長に突き返している。
今は一枚の紙を左右から挟み、一つ一つ要点を読んでもらっている雪風。
妖精に母国語を教えてもらっていると言う現状は雪風を心底情けなくさせたが、読めないものは仕方ない。
「整備不良による弾詰まりじゃねぇとすると……考えられるのは耐久不足だわな」
「耐久不足?」
「おう。滅多にあるもんじゃねぇんだが、艦娘が自力で出す火力が艤装の耐久限界を超えちまう事があるんだわ」
「聞いた事が無いですねぇ」
「案外、うちの鎮守府だと笑えねぇんだぞこれ。わんこがいるべ? おめぇん所に」
「あぁ、ぽいぬちゃんの状態がそれなんですね」
「あの子がもう少し火力上げてくると、10㌢連装高角砲がやばくなって来るんだわ。まぁ……それなんで、耐久限界のたけぇ装備をこさえてみたんだが……」
「あ、あの夕立砲ってそっちの意味があったんですねぇ」
「振られちまったがな。コンセプトの良し悪しは別にして、使う当人のパフォーマンスを犠牲にしたら意味がねぇ。また一から作り直しさ」
肩を竦めたベネット。
雪風としては多少使いづらくても安全第一と言われればそちらの使用も勧めてみたいと思う。
最も12.7㌢連装砲B型改二は、今のところ夕立しか使って居ない。
使い心地がどんなものかは夕立しか知らないため、現時点ではなんとも言いようが無いのだが。
其処まで考えた時、雪風は部長の推論の意味に追いついた。
「ん? もしかして、あの時の雪風ってぽいぬちゃん越えの火力が出てた?」
「多分出てるぞ。映像だと一種のゾーンに入ってる傾向が見られたしな」
「おおおおっ!? ゆ、雪風も遂に大戦艦巨砲主義の仲間入りですかっ! 浪漫砲実装ですかっ!?」
雪風はその考え方が時代遅れな事は身にしみて分かっている。
そして周りから求められているモノが、単艦の戦力よりも指揮能力だと言う事も。
しかし一旦それらを外した場合、雪風が本当にやりたい事は時代遅れの大艦巨砲戦である。
その可能性が垣間見えた瞬間、雪風は喜色を爆発させて部長に詰め寄った。
部長としても雪風の気持ちは分かるのだが、事はそう簡単ではない。
雪風に捕まる寸前に空間転移でその手を逃れ、両手をかざして押し留める。
「まぁ落ち着け? 落ち着いてこの映像を見てみろや」
「……これって雪風の自滅シーンじゃないですかぁ」
「事故当時の貴重な資料だろ。つべこべ言わずに良く見ろ」
部長が手元のリモコンを操作するとモニターが映像を映し出す。
それは雪風が時雨の魚雷を回避し、回避動作のまま狙い撃ちする瞬間だった。
魚雷回避からコマ送りで写される映像。
画面の中で雪風の手にした主砲が爆発する。
その瞬間は三種類の角度から写された映像が公開された。
「……どうよ? 弾……出てるか?」
「……飛んで無いです」
「そうさな。だから弾詰まりだって判定された訳だが……多分コレ、強く早く撃つ為に砲の中で蓄えられた内圧が高まりすぎて、発砲前に自壊してるんだわ」
「……」
「俺らが此処で作ってる10㌢砲の耐久限界って、総火力値80くらいから引っかかってくる。勿論、火力値一つ二つ超えたくらいで即座に暴発するようには出来てねぇよ?」
「ふむぅ」
「そんな砲塔が一発爆破と来ると……俺っちの予想じゃあ、あの時の雪ちゃんの火力値は100以上って仮計算が立っちまう」
「あ、もしかしますとぉ……」
「おう。当然だが、駆逐艦に搭載出来る奴にそんな火力に耐える砲は、現状存在しねぇからな?」
「……夕立砲はどれくらいです?」
「火力値85くらいまでは耐えられると見てる。その分重くなっちまったがな」
「……艦娘の性能と受け止める艤装の追いかけっこですねぇ」
「普通は艤装が勝つようになってるんだよ……だが他所様はどうだか俺もあんまり知らねぇが、いろんな妖精におめぇら良く言われるじゃん? お前らのような駆逐艦がいるか……てよ」
「真に遺憾である……です」
「だが事実、こうした結果が一つ出て来たわけだ。其処は受け止めて先を考えねぇとな」
「そうですね」
話し合った結果、現状では雪風が自省自律するしかない。
旗艦としての思考と駆逐艦としての思考。
相反する本能が雪風の中で絡み合い、一本の糸の様にその精神を形成していた。
雪風は自分の中に、自分自身にすら噛み付く化け物を飼っている事がはっきりしたのだ。
現状その化け物を受け入れる艤装が無い以上、自滅にしかならない役立たずな力である。
「こっちでも新兵器開発を進めるが、現状だとパフォーマンスで落第もらった12.7㌢連装砲B型改二が精一杯。此処から一足飛びに実用性の高い艤装が開発出来る可能性は……低いと思ってくれや」
「はい。実際あの時の雪風って思考が攻撃に振り切れていましたからね。第二艦隊率いている時にあんな自分は必要ないです」
「軽量化、低コスト化、高火力、高耐久……一度に済ますにゃ時間が掛かる。だがよぅ……雪ちゃん、運が良かったぜ?」
「おや?」
「あの時の雪ちゃんって魚雷切らしてたから主砲撃って手先で爆発したろ? アレが魚雷だったら上と下が泣き別れだぜ?」
「ひぃいいいいいいいいっ!?」
思い切り想像してしまった雪風が、全身に浮き上がる鳥肌に身震いした。
艦娘自身の性能が艤装の限界を押し潰したのなら、確かに魚雷だってそうなったろう。
雪風は幸運の女神に感謝しそうになったが、どちらかと言えば悪意にみちた悪戯の類に思えたのでやめて置いた。
「あ、そうだ。新兵器といやぁアレだ。前約束したろ? アレが出来たぜ」
「おお? ですが、まだ雪風って減俸終わって無いので資材出せませんよ?」
「あっちの鎮守府に地下倉庫があったのよ。そこそこ溜め込んでたみてぇだな」
「……まぁーたポンポンにナイナイしちゃったんですね。このヤクザ妖精さん」
「そうやって貯めた資材が、何時何処で役に立つか分からねぇのが世の中ってモンだ」
「ふーん」
雪風は其処で一つ思いつき、意地の悪い笑みを浮かべて問いかけた。
「……例えば、お兄さんの後を追い駆けて来た妹さんの最初の一歩に上乗せしたり……ですか?」
「さぁ、知らねぇな」
「隠さなくても良いですよ? しれぇが部長さんのご贔屓なのは見てればよーく分かりますもん」
「……あんな未熟者はどうでもいいが、あいつの兄貴にゃあ世話になっちまったからなぁ」
「しれぇのお兄さんってどんな方だったんですか?」
「あー……軍艦とか大好きな子供が、そのまんまでっかくなっちまった様な男だったな」
「部長さんと気が合いそうですねぇ」
「魂の兄弟さぁね。あのやろう、他の提督にゃぁ一切妹のこと話してねぇんだが、俺っちには良く話してたんよ」
「おお?」
「仲悪いって話だった割りには良く会って飲んでたみたいだし、聞く限りだと妹者も無自覚にブラコンだったぞ?」
「あ! もしかして部長さん、お兄さんが居なくなった後も此処に居たのってしれぇを待っていたんですか?」
「おう。話半分に聞いたとしても追い掛けて来そうだと思ってよ……で、あの野郎が言ってたことが半分でも本当なら見所はあらぁな。悪くねぇ仕事が出来るんじゃねぇかと思ってよぅ」
部長が少し遠い目になり、工廠の中をぼんやりと見渡した。
きっと彼の目に映っているのは、彼女の兄の時代の工廠の様子に違いない。
「雪ちゃんはもう気付いてるだろうが、あいつと最初に建造した艦が島っちゃんさ」
「やっぱりあいつは出戻りだったんですね」
「おぅ。後々揉めるのが面倒だから調べてみたら、再配置先の鎮守府では夜戦時行方不明で戦死扱いになっていたな」
「そうでしたか……」
「雪ちゃんが生まれたのは、島っちゃんが生まれたのと同じレシピだ。初手で島風を引き当てたあの野郎には驚いたが、その妹は雪風だろ? この兄妹、何か持ってるって確信したね」
「しれぇって運がいいのか悪いのかって言えば微妙だと思いますよ……」
「普通ならこんな僻地の維持は軌道に乗らずで頓挫するさ。それが何とかなっちまってる。結果が全てさ」
「最初期の苦労って、主に部長が原因だったんですけどねっ」
「そこはそれ。妖精が本能と遊び心を自重出来るはずねぇだろう?」
「……コレだから妖精さんはぁ」
ため息を吐いた雪風に意地の悪い笑みを見せる部長。
自分の親に近い存在だが、どうにもこの妖精は苦手だと思う雪風だった。
「で、雪風の新兵器ってなんなんですか!」
「ふむ、このケースなんだが……」
ベネットが中空から、雪風の腰ほどの高さと身長ほどのケースを取り出した。
妖精の不思議を目の前で見せられた雪風だが、一旦無視してケースに手を伸ばす。
「ちょい待った。その前にそいつの説明をさせてくれや」
「はい?」
「そいつの中身は魚雷発射管と魚雷だ」
「数は?」
「……六射線九本」
「量産性は?」
「現状ワンオフ状態だな。発射管も魚雷も一人分を賄うのがやっとだ」
「むむむ、それは少し厳しいですねぇ」
「ソレを補って余りある性能してるつもりだぜ? だけどイメージが悪くてよ……」
珍しく歯切れの悪いベネットに違和感を覚えた雪風。
彼が内心で様々な言葉や思いを噛み砕くのを待つため、しばし無言の時間が流れる。
やがて口を開いたベネットは、今回の新兵器を解説した。
「こいつはあの悪名高い回天をベースに改良した魚雷だ」
「まぁーた物騒な奴を持ってくるぅ……」
「物騒って言うけどな? 回天の原点って魚雷に誘導性を加味して命中精度を上げる事と、一発で仕留める炸薬を運ぶもんだろ?」
「まぁ、そうですね」
「だけど当時の技術だと、発射した後の魚雷の制御を完全にデジタル化出来なかった」
「だからって人間さん乗っけて突っ込ませるのはどうかと、雪風は思いますよ」
「同感だが、そいつは技術力の敗北なんだ。そして、それは後から幾らでも追いついてくる」
「……ふむぅ」
「兵器ってのは先ず発想から生まれるんだ。其処に技術が追いついたときに実現する。そして俺だったら、誘導性魚雷って発想は捨てねぇ」
そう言って、ベネットがケースを開ける。
中から現れたのは大型の三連装魚雷発射管二基と、やはりかなり大きい魚雷九本。
雪風が手にとって見るとかなり重い。
しかし、確かに使えない程ではない。
「重量は、雪ちゃんが使ってる四連装酸素魚雷と比べて一本につき五割増し。搭載炸薬量で一本辺り二倍。速度と射程は大差ねぇ。そして最大の目玉が、撃った後ある程度相手をロックして追尾も出来るし、ある程度なら射手が自ら軌道修正の命令もだせる」
「ある程度って?」
「オートロックは三十ノット以上で回避運動を繰り返されるとロックが外れて追いきれねぇ。軌道修正命令は一度に70°以上曲げようとすると速度低下を起す」
「追尾元ってなんなんです?」
「艤装の音と熱源。特に音はあっちとこっちの艤装の規格がまるっきり違うから正確に追える。加えて熱源でも捕捉するから、単純な擬音装置だけじゃ騙せねぇぞ」
「なるほど……恐ろしく便利ですねぇ」
「だろ? おれっちもこいつの性能には自画自賛しちまったよ」
「さっすが部長ー。素晴らしい兵器ですぅ」
「はっはっは」
白々しい会話の中で半眼になった雪風の右手が、部長の頭を鷲づかみにする。
「……使うのが雪風じゃなかったらですが」
「……そうなのよ。いや、マジで。魚雷としての性能が上がれば上がる程、雪ちゃんの個人技と被ってくるんだわコレ」
右手を思わず握ってしまいたい衝動をため息と共に排出する。
今回の誘導魚雷は、珍しく当たりだと思う。
一発当てれば沈められるという大火力は欲しい。
しかし自前の技量で命中を取れる雪風が誘導魚雷を使うのは、非常に勿体無いのである。
実際に雪風は第三艦隊の演習で十六本の魚雷を撃ち切り、六本の命中を出している。
はっきり言って今更雪風に命中強化の誘導魚雷等あえて必要は無い。
また、単純な直線軌道だからこそ出来る事もある。
相手に意識させたり、回避させて自分の望む位置に追い込んだり。
雪風にとって魚雷とは、一撃必殺の下克上兵器であると同時に相手を縛る駆け引きの小道具でもあった。
その為、搭載数が半分近くになってしまう大型魚雷では存分に使えないのだ。
「部長ー。今回は如何しちゃったんですかぁ。こんな中途半端なモノ作るなら、大和さんの波動エンジンのほうがお洒落で笑えてよかったですよ?」
「ぐふっ」
「どうせならもっともっと単純に、重さそのままに炸薬の量だけ増やしてくれたほうがよっぽど気が利いています」
「ごはっ」
「コレは雷撃の中級者位までの新兵さんが使うことで真価を発揮する艤装でしょう? 何が何でも先ず当てる! が難しい子達の装備です。うちの鎮守府だと使う人が――」
「あら、面白そうね」
「ふぁっ!?」
雪風の言葉に割り込んできたのは、この鎮守府のナンバー2。
戦艦改装空母にして秘書艦、加賀だった。
この鎮守府に来てから降ろしている髪型も随分見慣れてきた雪風。
それは加賀が此処に馴染んできた証拠だと思う。
その手には工廠部に回す様々な資料が抱えられていた。
仕事の合間とついでに、雪風の診断結果を気にしてくれたのだろう。
雪風は部長を放り出すと加賀の元に走り寄る。
そして抱き合えるほどの距離まで来ると、踵を返して背を向けた。
「ありがとう」
人は表情から相手の感情を読む。
そして加賀はトラウマから、現在駆逐艦の顔が認識出来なかった。
雪風には加賀がどんな世界で生きているのか想像もつかないが、一つ試してみたことがある。
自分の部屋の鏡の前で、写した自分に向かって延々と独り言を繰り返す。
その中で歯が浮くような甘い台詞を口元だけ微笑みながら、目だけは侮蔑して言えるのだと気付いた時……
目元が全く見えない相手は、少なくとも雪風には恐ろしかった。
本当はお互いに距離を取り、接触を最低限に控えているほうが加賀の負担は少ないだろう。
しかし予備役に回った雪風を自分の下に引っ張ってきたのは加賀自身。
このぼろぼろの正規空母は今、約束を果すために必死で傷と向き合っている。
ならば雪風も、なるべく負担をかけないように腰を据えて付き合う心算だった。
「調子はどう?」
「身体の方に異常は無しです」
「そう。無理はしないでね」
「はい」
雪風は加賀に背を向けたまま、その右腕を胸の前で抱え込む。
瞳から感情を読めない加賀には態度で伝えていくしかない。
加賀に触れるとき、何時も思い出すのは羽黒のことだ。
自分があの天使に触れているときに感じる安心感の、せめて半分でも加賀に伝えることが出来たなら……
「その魚雷、使わないの?」
「画期的な艤装なのは間違いないのですが、雪風とはあまり相性が良くないですねぇ」
「取り合えず当てたい、雷撃初心者に有効な艤装と言っていたわね」
「そうですが……まさか加賀さん?」
「その魚雷、試してみてもいいかしら?」
「マジかよ……」
「幾ら加賀さんでも流石にご無理かと思いますよぅ」
「前にも言ったでしょう? 出来るとか、出来ないではないの。やるのよ」
冗談を言っている訳ではないらしく、雪風と部長は顔を見合わせた。
積んで積めない事は無い。
しかし艦娘とは明確な種別を持って生まれてくるものであり、その規格に沿った艤装でなければ一般的には動かせない。
「大丈夫。昔いた鎮守府の……知り合いに、コツだけ教えて貰った事があるの」
「……もうおれっちの知ってる航空母艦とちがーう」
「あ、でもほら。加賀さんだったら雪風より炸薬量も搭載数も増やせるんじゃないですか?」
「お!、 その通りだぜ雪ちゃん。こうなったら行き着くところまでいっちまおう。その魚雷は加賀ちゃんにあつらえて調整すらぁ」
「面白くなってきたわ。流石に気分が高揚します」
こうして第一回、僕の考えた最強空母会議が幕を開けた。
静かに始まった議論は次第に熱を帯び、活発な討論が次々と新しい魔改造案を生み出してゆく。
途中で戻らぬ秘書艦を探しに司令官までやってきたが、白熱した三人の様子に介入する気力は持てなかった。
逆に戻ろうとした所を捕らえられ、強制参加させられた基地司令官。
結局複数の朱が互いを朱に染めあい、参加者四名が正気に戻ったのは翌日の朝の事であった。
§
とある海の上のこと。
二つの人影がのんびりと航海していた。
人の世界からは深海棲艦と呼ばれ、蔑まれながらも恐れられる存在。
しかしこの二隻から漂う雰囲気は禍々しいソレは無い。
「オイデカブツ、本当二コッチ?」
「タブン……」
「オィ……ヤッパリ皆デ探シタ方ガ良カッタロ?」
「無理。細部ノ統制利カナイ子ガ多スギテ、見ツケテモ勝手二沈メラレル」
「ソレハ困ルナァ」
「ダカラ、此処ノ連中ニハ少シ移ッテ頂イタワ」
デカブツと呼ばれた深海棲艦は長い黒髪を指に巻きつつ息を吐いた。
血気盛んなのは構わないが、仲間の無意味な血の気の多さは正直面倒に思う。
「オ前一応、戦艦ノ姫ダロウガ。シッカリ抑エテ手伝ワセロヨ」
「ソノ姫ヲデカブツ呼バワリスル自分ヲ省ミテ。貴女ミタイナ子ガ多イカラ、無理ダト言ッテイルノ」
「……アー言エバコー言ウ」
「ダカラ、貴女ニ言ワレタク無イ」
人の暦で三月前。
この深海棲艦は泊地付近で艦娘一団の奇襲を受けた。
総勢二十隻を超える大艦隊。
一報を受けた戦艦棲姫は、初期対応を直ぐに動ける揮下に任せて出撃準備を整えた。
部下の苦戦を予想し最低限の艤装と補給で強行出撃した姫が見たモノは、一方的な大勝利。
その艦隊は極一部を除く全員が、碌な訓練も積んでいない部隊だったのだ。
最早戦闘とすら呼べない虐殺が行われている様子を見た姫は、揮下の全員を怒声一つで下がらせた。
対応させたのは自分なので不満など言えるはずも無いが、明らかに弱すぎる敵に対して疑問と報告を上げてもらえないものか……
戦艦棲姫はその一団を率いていたらしい正規空母と、随伴の中の駆逐艦一隻と余人を交えず一昼夜決戦を行ってコレを撃破。
この時の正規空母が妙に器用な相手であり、また捨て艦などをやってきた嫌悪感と共に記憶に残った。
その事を偶々この若者に話した所、予想外の食いつきを示したのだ。
「ネェネェ、ソイツノ話聞カセテヨ」
「モウ何回話シタト思ッテルノ……」
「何回聞イテモ興奮スルサ! 砲撃シナガラ艦載機飛バシテ夜戦デモ食イツイテクル正規空母。クゥー……僕モ、ソウイウノガシタイヨ」
「オ前ナラ無駄二器用ダカラ、出来ルカモネ」
そう言った戦艦棲姫は、隣ではしゃぐ小娘を見やる。
銀髪のショートヘア。
胸元を大きく肌蹴、水着を露出させた上でパーカーのような衣装を着込んだ少女の容姿。
それが決定的に人と違うのは、腰の辺りから長く伸びた巨大な尻尾だった。
人型の深海棲艦の中では一際小柄な体格ながら、その性能は間違いなく超一級の戦艦である。
しかしこの若造は変わり者であり、器用さ故に様々な艤装に手を出しては飽きっぽく放り出す悪癖があった。
何を使わせても一流の一歩手前まではあっという間に届くのだが、其処に至る自分が想像出来てしまうととたんに興味を無くすのだ。
同じ戦艦としてはその素質を惜しみ、目を掛けながらも構いすぎて鬱陶しがられる日々が続いている。
そんな若人が興味を示して頼ってくれたのは良いのだが、そのおねだりは三ヶ月以上前に大破させ、夜戦の中で見失った艦娘一隻探して来いと言う無理難題だった。
「珍シク外二出タガルト思エバ、雲ヲ掴ム様ナ話二巻キ込ンデ……」
「一蹴シタノハオマエジャン! 気ヲ利カセテ連レテ来イ! 役ニモ立タナイ駆逐艦トカ鹵獲シテキヤガッテッ」
「……ダッテ決着ツイテイタシ、失神シテイタカラ逃ゲテモクレナカッタシ……」
「沈メリャ良インダヨ」
「捕虜ノ虐待ハ美シクナイゾ」
「捕虜二スルナッテ言ッテルノニ。後腐レ無ク水底二還シテヤレヨ」
「ソノ定メ二在ルノナラ、私ガ見逃シテモ自然ト其処二還ルモノヨ」
妙に暢気な物言いに深いため息を吐く小さな戦艦。
隣を行く長身の姫は圧倒的な強さを持ち、その強さ故保身に疎い。
かつて恐るべき錬度の高速戦艦が率いる部隊と交戦した時など、護衛艦のイ級を庇って沈みかけた事さえある。
にも拘らず、この姫は自分の心配を余所に真っ先に揮下の退去命令を出して自身は殿を務めたのだ。
少女としては今少し自愛して欲しいのだが、そんな変わり者の姫が嫌いではない為にあまり強くも進言出来ない。
「マァ、モウ直グアノ空母ガ来タ泊地二着ク……跡地ダケド」
「エ? 陥落シタノ?」
「気二食ワナイ戦術デ突ツイテクレタ返礼二、海上目撃情報カラ出発場所ヲ割リ出シテ、徹底的二叩カセテオイタ」
「人任セカヨ」
「自分デヤロウトシタラ、是非ヤラセテ欲シイッテ皆ガ言ッテクレタワ」
「オ前殲滅命令殆ド出サナイカラ、取リ巻キモ色々溜マッテルンダヨ」
「……皆ノ士気ガ高カッタノハ、ソンナ事情ガ在ッタノカ」
「他二何ガアルッテンダ?」
「遂二私ノ時代ガ、空母連中二代ワッテ皆ノあいどるトシテ君臨スル時ガ来タンダッテ……」
「ホザイテロ」
「……生意気ナノハコノオ口?」
「イテェ!? 頭掴ムナッ。足浮イテ……チョッ、首ヤバイカラゴメンナサイ!」
その時、一機の偵察機が二隻の上空を横切った。
間髪入れずに砲撃し、叩き落す小さな戦艦。
「殲滅シタンジャネーノカヨ?」
「不思議ネ。艦娘ッテ何時ノ間二湧イテ来ルンダロウ」
航空戦艦としての性能も有する少女は自身の索敵機を発艦する。
索敵の末捕らえたのは、こちらに向かってくる艦娘の影。
即応して落とされた為に艦種までは識別出来なかったが、見えた数は四隻。
「戦闘回避ハ……無理ダロウナ。僕ラ足早ク無イシ。面倒クセェノ」
「ジャア、大人シク沈ム? 寧ロ、アノ空母モ沈ンデ居ルカモ知レナイワ」
「僕ッテ沈メルノハ大好キダケド、沈ムノハ嫌イナンダ」
「知ッテイル。頭上ダケハ任セマス」
「ムゥ……艦載機飛バシテ航空管制カケテ着艦ト砲戦同時ダロ? 本当二空母カヨソイツ」
呟きつつも今度はあらん限りの艦載機を発艦させる。
やがて航空戦が始まり、海上艦隊決戦が幕を開けた。
ソレは今の世界では何処の海でも起こっている戦いの中の一つに過ぎない。
たった四隻の艦娘と、たった二隻の深海棲艦の砲撃戦。
しかし両者の火力と装甲において、類稀な程高次元の激突になった事を当事者達自身がこの時気付いていなかった。
§
ベネットを鎮守府に送った第三艦隊は補給を済ませ、翌日には再び前線基地に赴いた。
このとき常ならば迂回する、自軍鎮守府正面に広く跨る危険海域を掠めるように移動し、遭遇する深海棲艦を叩いていた。
それは実戦慣れの必要と、此処を迂回せねば何処にもいけないという時間的ロスを少しでも緩和するためである。
時間さえ掛かっても良いならば直接の実害は少ないが、籠の鳥と言うのも精神的に疲労する。
此処を制圧してしまえば鎮守府の立地は劇的に変わるのだが、flagship級の戦艦部隊が何度も巡航する為に現状頓挫しているのだ。
「限が無いね……無理は避けよう」
「……そうね。不幸だわ」
「ま、まぁまぁ」
飛行甲板を中破させられた山城が陰鬱に呟きながら、水上に降りた瑞雲を回収する。
コレだけは演習と全く同じことが出来、しかも毎回やっていたために驚くほどの速度で二十機全てを拾う山城。
やや猫背になり、その背中が心なしか煤けている。
初戦から自軍唯一の被弾となれば落ち込むのも無理は無かった。
「……やっぱり足回りって大事よね。何日も出撃して何戦もするんだから、損傷が蓄積していたらやってられないわ」
「戦艦が高速で回避まで出来たら、僕も矢矧も立つ瀬が無いよ?」
「それに山城さん、本体の艤装は未だ無傷です。回避せずに足を止め、狙い済まして砲撃出来る……その飛行甲板は、やっぱり貴女と相性が良いわ」
「其処は本当に感謝しているわよ。だけどコレに頼り切ってしまうと、瑞雲が次以降に使えなくなるのよね……」
「そうなのよね……山城さんのダメージコントロールは、第三艦隊全体の課題と言えるかも知れません」
「いかにして山城を無傷で居させるか……か。姫君の立ち位置だね。似合うよ山城」
「お黙り時雨。あんたに他意は無いんでしょうけど、私はもう後ろで死蔵されるのは真っ平なのよっ」
「困ったな。出来ることなら、山城は僕の部屋に鎖で繋いで、ずっとしまって置きたい位なのに」
「時雨……何時かあんたをそっちの位置にしてあげるから、見ていなさい」
「勇ましい山城も素敵だよ。楽しみにしているから。じゃあ、そろそろ出発しよう」
そう言って再び海を往く駆逐艦に続く山城と矢矧。
第三艦隊の旗艦は、時雨が続投の形で続けている。
第二艦隊との演習で見せた砲雷撃戦の手腕は、山城にしても矢矧にしても文句のつけようが無かったのだ。
一方で三隻の距離感も少しずつ変化している。
矢矧は山城と時雨の衝突をやんわりと宥める様になり、山城は矢矧と良い友人になりつつある。
今も時雨の背中を少し遠くに見ながら、矢矧に愚痴を零していた。
「時雨は……私を如何したいんだろう?」
「私から見ていると、不思議なんですよね。旗艦殿って山城さんに強姦まがいの迫り方をするくせに、あっさりもしているというか」
「何なのかしらね……迫られて監禁されそうにはなっても、その先を如何しようって感じが無いのよ」
「私も最近そう思うんですよね。旗艦殿ってこう……山城さんを手元に置きたいだけっていうか……」
「この鎮守府と同じ、不思議な鳥篭に居る気分だわ。水も餌もあって居心地は悪くない……不自由で、だけど出口は常に開いているの」
「……」
「人をアレだけ欲しがる癖に、私が自分で立ち去れる用意だけは絶対に欠かさない……本当に如何したいのかしら。どんな私なら、あの子が怖がらないのかしら」
「怖がる? 旗艦殿が……ふむ」
問いかける形になったが、山城は朧げに見えてきているものはある。
何時も時雨は言っているのだ。
扶桑と再会しろ。
扶桑と幸せに成れ。
その度に問い質したくなる。
自分が扶桑と再会を果し、幸せになった時お前自身は如何するのか。
山城は自身の不幸など慣れている。
そして自分一人が不幸なわけではない事も知っている。
置いて逝ったものと置いて逝かれたもの。
どちらがより不幸かは分からないが、時雨が自分には想像しか出来ない何かに耐えているのは分かるのだ。
だからこそ時雨が望むなら、山城は何だってしてやる心算がある。
時雨が本当に求めているなら、心でも身体でもやってしまって構わないのだ。
しかし山城の感性は其処で待ったをかけてくる。
ソレをやった時こそ、時雨にとどめを刺してしまうと。
「山城さんって、凄いですよね」
「ん?」
「時雨さんに何をされても、根っこでは信じているんですよ。時雨さんの態度を額面通りに受け取ったら、さっさと見限っていると思いますよ?」
「ソレは、時雨は私に目をかけてくれた子だし……」
「でも、今は時雨さんだけじゃありません。友人なら私が居るし、部長や提督からも信頼され、一戦力として運用されています」
「……」
「今なら時雨さんが居なくても、決して致命ではないんですよ。だけど、貴女は時雨さんを諦めない。見限らない。傷付けられもするでしょうに……その在り様は、尊敬します」
「そんなに立派なものじゃないのよ? 私は、ただね……」
山城は笑っていた。
矢矧が思わず見惚れるほど綺麗な顔で。
整った顔立ちだが陰鬱な影の耐えない美女だった山城が見せる、初めての満面の笑み。
その顔で吐き出した呪詛は、矢矧の背筋を凍らせた。
「人恋しさを拗らせた地雷女をその気にさせておいて、後腐れなく身を引ける訳がないじゃない?」
「……は?」
「扶桑姉さまと幸せに? 良いわよなってやろうじゃない。だけど私は時雨だって離しゃしないわ。別の女宛がって逃げられるとでも思っているのかしらね? あの子。うふ、うふふふ……」
「……こりゃあかんわ」
地雷を踏んだのは時雨か、山城か。
結局この艦隊にまともな艦は自分しか居ないのだと思い知る矢矧。
もういっそ、大和か雪風の元に逃げ込みたいとすら思う。
『そろそろ何時もの迂回ルートに戻れるよ。巡航速度、単縦陣。先頭は山城、二番に僕が入るから、矢矧は最後尾を任せる』
『はっ』
『了解』
旗艦の指示に従い、直ぐに陣形を整える第三艦隊。
翌朝には軽空母と駆逐艦と潜水艦からなる深海棲艦の一部隊に遭遇したが、それほど時間も掛からずに全滅させた。
鎮守府正面の危険域や、先の第二艦隊に比べれば非常に楽な相手である。
しかしこの戦闘でも山城は敵の集中砲火を受けて小破。
誘蛾灯の如く敵の攻撃を吸い寄せる山城に、僚艦二隻も頬を引きつらせて慰めの言葉をかけた。
「不幸だわ……」
「山城さん、妙なフェロモンでも出しているんじゃないですか?」
「当たれば一発で沈む駆逐艦を無視してまで山城に行くとはね……ごめん。僕が至らないばかりに……」
「いや、旗艦殿が踏み止まって艦載機を潰さなければ被害はさらに拡大していましたよ?」
「……いいのよ時雨。被害担当艦だって必要だもの。っていうかね時雨? 一発当たれば沈むって分かってるなら私の前に立つの止めなさいっ」
「艦載機から艦隊を守ろうとすると、後ろじゃやりにくいんだ。あ、山城は射線に僕がいても撃ってくれて構わないからね」
「……誤射入ったら如何するつもりよ」
「敵艦隊からの砲撃と報告してくれていいよ。戦果と戦禍のすり替えなんて…………別に、珍しい事じゃないからね」
「笑えない冗談は止めなさいっ」
冗談じゃないさ。
そんな言葉を苦笑の中に押しとどめ、肩を竦めて見せる時雨。
その瞳に仄の暗い狂気が透けて見え、山城はそれ以上の追及を飲み込んだ。
時雨の髪には先日渡した髪飾りが陽光を浴びていた。
明るく光っている筈なのに、山城には何故か泣いているように見える。
「ごめん山城。少し気が立っていた気がする」
「いえ、いいの。守ってくれて、ありがとう」
時雨にとって自分自身の撃沈は少しも怖いことではない。
怖いのはまた守れない事であり、もう一度置いて行かれる事である。
しかしそんな事を山城に言っても不毛な口論になるだけだろう。
そして駆逐艦たる自分が戦艦山城を守るなど、身の程知らずも良い所だと時雨は思う。
結局のところ時雨は山城を遥か上に見上げる視点を変えられないし、山城もずっと先を行く時雨の背中を追い駆けているつもりでいる。
この二隻はお互いが、本当は隣に居ることに気付かない。
矢矧から見てすれ違うのが当然とは言わないが、自然な成り行きだとは思う。
多分これは、自分が気付かせていかないとダメなんだろうなとも。
大変面倒な事に、矢矧はこんな旗艦と同僚が嫌いになれないのだから。
「旗艦殿。燃料と弾薬の消耗は未だ軽微です。進軍続行ということで、よろしいでしょうか?」
「そうだね。僕たちの任務はこの海路の確保だ。山城の回復は、前線基地に着いてからでいいかな」
「ええ。進みましょう」
「山城のこれ以上の損害は避けたい。下がる心算は、無いかな?」
「……現状瑞雲の再発艦が厳しいわ。索敵に艦載機が使えない以上、万が一に備えて前衛は耐久と装甲の高い私が入るべきでしょう」
「……そうだね。反論の余地が無い。艦隊の対空防御は僕。後ろの索敵を頼んだよ矢矧」
「えぇ、任せて」
再び行軍を開始した時雨達。
今度は敵との遭遇も無く、平和な航海が続いていた。
そんな事態が一変したのは、目的地まで後半日という海域……
大破した足柄を曳航する五十鈴を、先頭の山城が発見した事から始まった。
五十鈴によってもたらされた情報は、大和達第一艦隊は鎮守府近海にて敵戦艦二隻と遭遇。
激しい戦闘の末、敵戦艦二隻は損傷を負いつつも戦域を離脱。
そして旗艦及び正規空母赤城は、夜戦の混乱にて消息不明という大惨事であった。
§
――雪風の業務日誌
かがさんのかいぞうけいかくがまとまりました。
かんさいきはれっぷう、りゅうせい、ばくせんでいきましょう。
こっちのかいはつはゆきかぜとかがさんのとうきしょうよをへんのうしますのでしざいかってください。
それとかんぽうはふくほうだともったいないってぶちょうさんがいっていました。
ひととおりのしゅほうをよういしてじっさいにつんでみたいです。
こっちはぶちょうがへそくりをだすそうです。
さらにさんれんそうゆうどうぎょらいはっしゃかんがよんき。
たきのうのおおがたでさくやくもおおいので、じゅうぶんなかりょくがきたいできるとおもいます。
けんあんだったかがさんじしんのぎょらいせいぎょもりょうこうでした。
たげいなさいじょってあこがれます。
おっぱいもおおきく、かもくでびじんさんってどこのかんぺきちょうじんさんでしょうか。
ゆきかぜもああいうじょせいになりたかったです。
ほかにもいろいろつんでみたかったですが、これいじょうのとうさいはとっぷへびーだしそくりょくがくわれるってぶちょうがいっていました。
げんじょうですとここがきょうかのげんかいてんかとおもわれます。
もうすぐきっとかくめいがおこりますね!
じゅうらいそうこうくうせんかん……
じっせんとうにゅうがたのしみですっ
――提督評価
思わず熱くなってしまいましたが、面白い計画が持ち上がりましたね。
雪風と加賀さんの冬季賞与の前借は了承しました。
規則上前借ですと八割ですが、私の分もそうして置きましたので派手に行きましょう。
それと、雪風の減俸は一期短縮して来月からは元に戻るように手配いたしました。
この計画は是非とも成功させたい所です。
貴女の艤装と貴女自身の状態については、部長から報告書を頂きました。
現状艤装が耐え切れないのであれば貴女自身に抑えていただくしかありませんが……
無理はしないでくださいね?
貴女の爆発を見たときは、心臓が止まりそうになりました。
第二艦隊の皆さんからは、早く帰って来いとの要望が来ています。
あの子達が次に帰港してきた時に原隊復帰と旗艦業務の交代をお願いします。
それと肝心の例の鎮守府跡の後任の人選ですが、やっと決まりそうだと昔の友人から聞きました。
その方の引継ぎやら様々な手続き込みですので早急にという訳には行きませんが、ようやく目処は立ちそうですね。
なんにしろさっさと片付けて、平穏な日常を回復したいものです。
……ん、電文?
――極秘資料
No2.駆逐艦島風
前任の提督が工廠で建造した駆逐艦であり、鎮守府内では最先任。
半自立型連装砲三基と四十ノット以上の快速を誇る最新鋭駆逐艦。
・機敏
機能1.海上移動、及び物資搬入作業を効率的に行えます。
機能2.島風の所属する部隊の遠征終了時間を二割程短縮します。
・快速
機能1.他艦が追従出来ない速度で海上を疾駆出来ます。
機能2.単艦行動時、戦略マップでニマス移動時に任意で三マス目に入れます。
後書き
難産の十三話をお届けいたします。
事件の発端になる回って本当に緊張します;;
起こった出来事を纏めないといけないってプレッシャーがきついっすorz
もっと畳み易い風呂敷に改装して投稿したかった気持ちもありますが、畳める前提の風呂敷を広げても私自身が面白くなかったので結局第一稿に近い形になりました。
加賀さんの魔改造が多少大人しくなったくらいでしょうかね……違いって。
加賀型戦艦一番艦としてありえたかも知れない自分と、一航戦としてあった自分。
加賀さんにはその両方を体現してほしいなーって思います。
そして前々から一部でご指摘を頂いていた戦艦棲姫様登場です。
性格は私が春のE-5で感じた通り、面倒見の良いお艦です。
所で深海棲艦の固有名詞って如何すればいいんでしょうねこれorz
○級ってこっちサイドから見たときの識別名称に見えるし……
ヲ級ちゃんが三隻いてお互いをヲ級って呼び合ってるとか想像するとシュールに感じるんですよね自分><
更に実際にあっても居ない癖に出してしまったあの子。
鹵獲出来ないもんでしょうかね……レ級ちゃんほすぃー。
攻略は5-3で完全に止まりました。
なんなんですかねあれ。
酷すぎません?
連撃にカットインに皆大破ですよ大破。
資材もバケツも音速で溶けて行きます……ひどい;;
春イベ後からやめていたキラ付け遠征フッカツさせないと全然足らないです……
もうかなりの回数出撃しましたが、未だに二戦目以降に進めません。
雪風81のほか全員70代なんですが、まだレベル足らないんでしょうかね(遠い目)
あ、後大和さん来ました!
やっと来てくれましたっ。
来た瞬間思わず二話の投稿日確認しちゃいましたw
書けば出るって本当ですね。
三ヶ月掛かりますけどorz
毎日つつきまわして副砲がおおいの?って首傾げてる姿が妄想されて素敵ですね。
想像していたより声が高くて、お若い印象を受けました。
今は演習漬けにしてレベリングしています。
飛龍さんと浦風さんも一緒です。
後は捕鯨しないとなんですけど、お勧めってやっぱり2-5なんでしょうか……
今までグラフィックが変わるキャラでも並べようとは思いませんでしたが鯨だけは揃えたいと思いました。
変わりようが激しいからかなぁ。
たぶんこの先は亀更新になることが予想されます。
リアルで職場一年生ゆえ、どうかご了承くださいorz